気まぐれ日記
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2005年02月14日(月) あれま

 日記自体は更新されているけど、表示はおとといのままになってるわ。
 今日はバレンタインデーということで、特別(?)企画。田中学院の話をやります。季節の節目にはやっぱり「田学」ですね。(なぜ?)


 田中玲子。田中学院の大学部にして、理事長の令嬢である。去年だか一昨年だか三年前だかに変人、東可奈他四名にそそのかされて悪魔に恋を託すという荒業を試みたが、結局、中野春季は男に走ったままだった。そして去年クリスマス、岡崎優介に婚約者がいることが発覚し、失恋。しかし、転んでも只で起きないのが玲子だった。
 彼女は上機嫌で自宅のキッチンにこもっていた。鼻歌なんかも歌っている。彼女はもう数え切れないほど恋をしたが、新たな恋に熱を上げている。相手は、岡崎秀介。同じ大学部の生徒だった。田学一、二を争う変人岡崎良介の兄で、優介の弟、つまりは次男なのだ。
 「やっぱり、バレンタインに誰かに頼るっているのが大きな間違いよね」
 彼女は今、上機嫌でチョコレート製作にいそしんでいる。
 彼女は少し前のことを思い返していた。
 あのときのバレンタイン前、悪魔を呼び出したのはいいが、もはや理性など吹っ飛んでいる悪魔で願いをかなえるどころではなかった。クリスマスのときも呼んだっけ? あの時は、恋に関するメレンゲだかの悪魔を呼び出そうとしたら、総大将のサタンが現れた。一応願いを言ったが聞いてもらえなかった。
 「チョコレートは買ってもいいけど、やっぱ手作りよね」
 ともかく、彼女は上機嫌だった。すくなくとも。

 翌日、岡崎秀介のロッカーにはチョコレートが詰め込まれていた。変態にしか好かれないことを知っている彼には、うれしくともなんともない。このチョコレートの送り主は、ファンクラブだかなんだかの変態団体のやつらからだ。
 「鍵かかっているのに……」
 鍵は壊されていた。
 「用務員さんに怒られるのは俺なんだよッ! たくっ!」
 「おはよー、なんだよ朝からカリカリと」
 と、春季。
 「まさか、お前からもねーよな、このチョコレートの中に」
 「あー? お前は甘いもの嫌いだろ。わざわざそんなもんはやらねーよ。それよりも、今日はトンデン軒がバレンタインセールでチャーシュー三倍なんだぜ」
 「へー、おめえのおごりでなかったら行く。これはおめえにくれてやる!」
 ロッカーに詰め込まれていたチョコレートを春季に渡した。
 「お前な、こうゆうものはありがたく受け入れて、食ってやるもんだろ」
 と、言いつつ春季が一つ包みを開けて、中のチョコを食べた。
 「うっ! なんだ、これ、変な味が……」
 「おい、春季……やっぱり」 
 「か、身体が……しびれるッ!」
 その場に倒れこんだ春季。そこへ、我らがヒロイン、玲子がやってきた。春季を踏みつけて。
 「おはよ、秀介。あら、春季。何そんなとこで寝てるの?」
 「うるぜー、どけれ」
 「はい、秀介。今日はバレンタインデーでしょ?」
 「?」
 「どしたの? この私が愛情込めて作ったチョコレートよ」
 「お前さ、俺が甘いもん嫌いなの知ってて、わざとやってんのか?」
 「はう! そうだった……」
 玲子は、がっくりと肩を落とした。
 「ごめんね、私としたことが……」
 「大丈夫か? 玲子? お前最近おかしいぜ?」
 「そ、そんなことはありませんことよ」
 「ふーん、じゃあ。あっと、春季、保健室までつれてってやる」
 秀介は春季を引きずってロッカー室を後にした。
 
 「恋は盲目ってやつ?」
 「それにしても、玲子先輩って報われないわね」
 一部始終を眺めていた双子の姉妹、夏季と秋季はそう目で合図をした。
 「ちょっと、あんたたち、何やってんのよ」
 「もちろん、取材ですわ」
 「玲子先輩、気をしっかり」
 「って、あんたたちも授業でしょ!」
 「きゃー、遅刻よー」
 「いっそげー」

 こうして、玲子の『2005バレンタイン大作戦・シンプルな攻撃は実は◎』は終わった。


草うららか |MAIL

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