気まぐれ日記
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2005年01月10日(月) あれれ?

 なんか、変になってますね……まあ、いいか。


  ブロードの章

 空が狭い。見上げると高い建物が空を埋めている。
 ブロードはぼんやりとしていた。それしか出来なかった。あまりにも違う世界に彼は呆然とするしかなかった。
 それに、彼は魔力のない人間となっていた。
 「魔法も使えず、わけのわからない世界。こりゃ、死ぬかも知れねえな」
 やっと、死ねるかもしれない。
 彼は笑った。変な目で見られた。
 道は舗装され、馬車が通っている。いや、馬ではないかと一人思う。
 ここは、どこだ?
 裏路地に入ると、みすぼらしい格好の男たちが地面に座っている。道歩く人はさまざまだが、これほどまでにみすぼらしいものはいない。
 なんとなく、彼は尋ねてみた。
 「ここは、どこだ?」
 一人が答える。
 「はあ、ここはどこだってえ!?」
 別の一人が怒ったような笑っているような声で聞いてきた。
 「お前さん、からかっているのかい? それとも記憶喪失かい?」
 「ここは、俺たちが集う裏路地だよ」
 「裏路地はわかるけど……」
 「兄ちゃんは、どこから来たんだ?」
 ブロードは少し考えて答える。
 「遠いところ」
 「じゃ、ここは兄ちゃんの家から遠いところだよ」
 「……」
 どうやら、ここがどこなのか教えてもらえないらしい。
 「で、兄ちゃん。家出でもしてきたのかい?」
 「いや、家出する家なんてないし、家族ももういないし……」
 「兄ちゃん、じゃあ、ホームレスかい?」
 「なんだ、それ?」
 「やっぱり、兄ちゃん記憶喪失か?」
 「もう面倒くさいからそれでいいよ」
 「じゃあ、記憶喪失の兄ちゃん。ホームレスてんのは、俺たちみたいなもんだよ。家から社会から外されたような奴だよ」
 「じゃあ、俺も一緒だな。俺もこの世界から外されているようなもんだし」
 「なんだ、行くところがないのか? ならここにいなよ。寒さをしのぐ新聞紙もあれば、酒もある。俺たちはいつでも誰でも歓迎するぜ」
 「サンキュー、おじさん。でも、俺はあてもなくふらふらしたいと思ってるんだ」
 「そおか。記憶を取り戻す旅をしたいのか」
 勝手にそう解釈されたが、ブロードにしても都合は良い。
 「金はもってなさそうだな。ほれ」
 紙幣らしいものを何枚か渡された。
 「じゃ、兄ちゃん。車とかに気をつけてな」
 「くるま?」
 「ああ、そうか。記憶がないんだよな。あれだよ」
 馬のない馬車をさして言った。
 「あれ、車っていうのか? ありがと」
 「達者でな」
 ブロードは裏路地から出ると、急に騒がしくなったような気がした。車は列を作っているは、街行く人々は乱雑に歩いていた。裏路地は、同じ場所にありながらこの街とは別世界のように感じた。 


草うららか |MAIL

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