気まぐれ日記
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されました。某ホテルにてイベントがあり、行くことになりました。「今年の出来は悪くないんですが、去年が良すぎた……」というのが、そのホテルのソムリエの言葉でした。「良いところをさがしてきました」とも。(笑)
夜の海は、真っ暗だった。空と海の境目が分からない。どこを走っているのか分からない。ロージュはくらくらする感覚に囚われた。 「風邪を引くから、中に入れ」 グオンが彼に呼びかける。彼は黙って入っていった。 「食事が出来ているそうだ。ブルーア嬢も待ちかねている」 「そう……」 返事はしたものの、ロージュは気分が悪かった。船に酔ったのだ。個室のベッドに倒れこみ、そのまま動かなくなった。 「そこまで似ることはないだろう……」 グオンはため息をついて、個室を出て行った。 「あれ、ロージュは?」 先にテーブルについていたブルーアはグオンを見かけて呼んだ。 「船酔いで、来られないそうです」 「そう」 メニューを見ながらブルーアは返事をする。メニュー表には飲み物しかかかれていない。船で出る食事はもう決まっているからだった。 「じゃあ、あとで何か飲み物を持っていくといいわね」 「そうですね」 「ロージュには悪いけど、ちゃんと食事取らないとこっちはへばっちゃうし」 「どうぞ、それは、至極当然のことですから」 やがて、料理が運ばれてくる。初日の夜は肉料理だった。そして、次の日から魚料理中心のメニューになる。これは、船に載る全ての人が覚悟しなけばならないことだった。 「ところで、ブルーア嬢。あなたはビアソーイダ王家のゆかりの方ですか?」 「……そう。なんで、わかったかな?」 「剣を携えていれば……」 「あたしのおじい様が直接のビアソーイダ王族で、お父様は王家から抜けた人なの。だからあたしは一般市民になるのよ」 「しかし、腕は本物ですね」 「そお?」 「剣を見れば分かります」 「うん、おじい様に筋がいいって言われたことはあるわ。じゃあ、今度はこっちの番。ロージュは何者なの? それこそ、王子様じゃない?」 「そうです。ご察しどおりです」 「やっぱりね。しばらく、あたしがビアソーイダのゆかりの者だなんて言わないでね」 「ええ、わかってます」 両国が、遠慮して真実を突き止めることはなかった。それが、孫の代の子供たちを苦しめる。 当人たちは、決してそれを望んでいなかった。
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