気まぐれ日記
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2004年10月13日(水) 今日はやりますよ

 ほんっと、なんも考えてないんすよ。


 店内は薄暗く、静かだった。客もいない。少々狭いがテーブル席もある。彼にとっても好きな環境だ。
 べグゼッドは一番奥の席を指した。そして、好きなものを注文していい、と言った。
 「じゃあ、ストロベリージュース」
 店主は聞いたのか聞いてないのか分からなかったが、とりあえず席に着いた。
 「さて、俺に何か?」
 「実は……」
 「お待たせしました、ストロベリージュースです」
 店主がテーブルに黒い箱を開いて見せた。そこには各種の拷問用具が納まっていた。
 「店主、本物のストロベリージュースを頼む」
 「かしこまりました」
 「気にしなくていいよ。ここはいつものことだから」
 と、べグゼッドは言った。
 目当てのものがそろうと三人は話もせず、ジュースを飲み始めた。飲み終わってから、やっと話を始める。
 「実は、用事があるというのは嘘なんだ」
 「嘘?」
 「ただ、自分の先祖がどんな人なのか……」
 「先祖?」
 「と、いうことは、お前べグゼッドの子孫か。どうりでそっくり」
 カシスが、にやにやと笑った。べグゼッドも驚いたようだ。
 「へえー、でもなんで、ここに? いや、でも……」
 べグゼッドは声を潜めて続けた。
 「今は何が起きても不思議じゃない。そういう時間だから」
 時間と聞いてイーリスは、ドキッとした。自分が受けているのは時間障害だ。
 「きっとあんたは、何かに巻き込まれてこの時代に来たんだね。いいよ、ゆっくりしていけば? 歓迎するよ、子孫ということは身内だからね」
 「べグゼッド、そんな簡単に……」
 「カシス、お前の野生の勘は何か訴えてるか?」
 「……いや、ない」
 「じゃ、決まり決まり」
 「俺には話が通じるけど、他の奴らには……」
 「大丈夫大丈夫、何とかなるだろ。話はつけるし。いざとなったらカシスの友達ってことにしとけばいい」
 「ありがとう」
 「だから、気にすることないって」
 店を出て、べグゼッドは城を案内した。
 「ああ、案内しなくても平気か?」
 「うん」
 城のある場所は変わっていない。 

 


草うららか |MAIL

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