気まぐれ日記
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昔、教科書に載っていたファンタジー小説。 結構好きな話だったんですが、先日古本屋にてその本を発見。即購入。 「きつねの窓」の話も収録されてます。
「じゃあ、願いを言ってみろ」 「あなたを食べます」 「……」 少女が、十字架を手にしてオーフを刺した。 「!?」 十字架は刺さっていたが、オーフは苦しみもせず平然としている。 「あれ? あなた、本当に悪魔ですか?」 「うーん……実はハーフだ。俺のお袋は天使だよ」 「はあ? うそでしょ? あたしは純粋な悪魔を召喚したのよ! それにどう見てもあなたは悪魔でしょ!?」 「あー、悪かったな。ガラが悪くて。俺は親父似で悪魔の血が濃いからこんななりをしている」 彼は黒い羽を見せる。母の白い羽根は受け継がなかった。アンは、落ち込んだように座り込んだ。 「そ、そんな……せっかく成功したのに出来損ないの悪魔を召喚しただなんて……」 「それと、アン。お前はなんで俺を食おうとしている。そんなことすんのは魔族とかと一緒だろ」 「それは……」 アンの家系は魔女である。もともとは薬草をつんで薬を作り、天候の変化から天気を予測したりといったことをして、村人の役に立って暮らしていた。 「だけど、ある日教会が来て、魔女は排除されるべきだって。だから、あたしたちは戦うことにしたの。禁じていた悪魔を召喚して、その力を食べることによって力を得る」 「……無理だな。第一俺はこんなもので死なないし」 「だから、あなたは出来損ないじゃないの?」 「他の悪魔がされたって、これでは死なないだろ。第一これに意味があるのか?」 「……わかった。今はとにかくあたしを助けて。もう、そこまで追っ手が来ているの」 「わかった。とりあえず、ここから出よ……」 階段を登ろうとしたら、上から黒服の男が降りてくる。手には棒やくわが握られていた。それが数名だったが、どんどん人数が増えていく。 「いたぞ!」 「この下だ!」 「来たっ!」 アンの声は悲鳴に近い。部屋の隅まで後ずさりしようとしても、恐怖で足が動かない。 「アン、来い!」 オーフが手を伸ばし、アンの手を引いた。 ドッとアンが立っていた場所に穴が開く。 「潜るぜ」 「え、あ!」 オーフはアンを抱きかかえるとその穴に飛び込んだ。そして、穴は元のようにふさがる。 「消えた!」 「やはり、魔女だ!」 「逃がすな、近くにいるはずだ!」 男たちが叫んでその中から出て行く。それまで、二人は静かにやり過ごした。
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