気まぐれ日記
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日記を書いていきます。でも、間に合わなかったので妹の最新ノートパソコンから続きを。
数ヵ月後。 「おい、ブロード」 宿屋の主人で、ブロードの友人でもあるレイヨンが話しかけた。南東側のジョウロフェンツァから少し離れたサンディアの町で一番ボロい宿屋である。 「ん?」 「お前のその剣、いいものだろ? どうせお前剣なんぞ扱うことないんだし、俺に売ってくれ」 「あんたの頼みでも駄目だね。俺しか使えねえもん。妖精の恩返しだからね」 「……お前はつくづく妖精に好かれるよなあ」 「まあ、ね。でも、いい物だって良くわかるね」 「ああ、俺はロングソードにしか興味がねえが、それはなんかオーラが違う」 「まあ、妖精二人分だしね。ロングソードならこの間、かなり濃い呪いがついたのあったぜ」 「へえ、見せてみろや」 ブロードがそれをカウンターに置いた。レイヨンは剣収集家であり、ブロードの商売相手である。カウンター側の壁にかかってある剣のほとんどはブロードが売った剣で、その中には溜まった宿代においていった剣もある。 「まだ呪いといてないから触るなよ」 見た目は普通の剣。布でぐるぐる巻きにされている。 「どんな呪いがついているんだ?」 「これを持つと、金が入ってこなくなるっていう呪い」 「いらね。持って行け」 「……やっぱり?」 ぐるぐる巻きの剣をカウンターからおろす。 「やっぱりその剣が気になる。見せてくれ」 「いいけど、俺しか使えないよ」 ブロードは腰から剣を抜いた。短い刃を誰もいない方へ向ける。それが、一瞬で伸びる。 「これが、本来の姿」 「ますますいいじゃねえか。でも、お前しか使えねえなら。しゃーねえな」 「まあ、そういうこと」 ブロードは、彼専用の薄い水割りをゆっくり空にした。
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