気まぐれ日記
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2004年04月24日(土) 思ったより長い

 短編のつもりで書いているのに長い。

 今日、寒いなと思ったら、霰(あられ)が降ってきました。のちに霙(みぞれ)も。……ちゃんと漢字あるんですね。じゃなくて、四月も終わろうとしているのに、ねえ。

 買い物で一日の大半が過ぎてしまった。日が傾きかけている。宿に戻るとシンハーがそこにいた。
 「やっぱりこの宿だったんだ」
 「シンハー、待たせたな」
 「いや、いいよ。俺も今起きたばかりだし」
 「お主はもう少し昼型になったほうが良いぞ」
 「いいんだよ。別に」
 シンハーが食堂を指差す。
 「後で行く。お主、先に一杯やっとれ」
 買った荷物を部屋に放り込んでロセウを連れて食堂に戻った。気の早い連中がもう酒盛りを始めている。シンハーはカウンターでブランディーを飲んでいた。
 「すまんが、この子に何かジュースを。小生は軽めのワインを」
 カウンター席に座り、メニューを見て、とりあえず注文をする。
 「子連れで行くつもりか?」
 「まさか。この子は置いていく。夕飯をとらせないとな」
 「まるで、保護者だな」
 「だが、いつまでも保護者をしているわけにはいかん。バルクに預けたいのだが……」
 「まあ、あそこなら大丈夫だよ。親父が死んでも姉ちゃんや兄ちゃんいるし」
 「それを期待しているのだが……」
 「アニムの頼みだったら聞いてくれるよ。金以外のことなら」
 「しかし、だからと言っていつまでも預けておくのも……」
 「そんな先のこと考えても仕方ないだろう」
 「それも、そうだ」
 ロセウがアニムの袖を引いた。
 「おれを、預けるの?」
 眼が何かを訴えている。それは、このまま自分を連れて行って欲しい、そんな眼だった。
 「……いつまでもお主を歩かせることになるしな。まだ、お主はどこかで定着している方がいいと思う」
 「アニムは、こんなん時から今のような生活してたって聞いたけど?」
 シンハーが手を腰当たりに下げて、笑った。
 「お主はだまっとれ」
 アニムが彼のほうを見ずに言う。
 「やだ」
 「しかし……」
 「おれ、アニムといる。どこにも預けないで」
 「モテモテだね。アニム」
 「はあ」
 アニムはため息をついた。
 「ただし、仕事中は連れて行けんぞ」
 「うん」
 「今日は、一人でちゃんと寝るんだぞ」
 「うん」

 ロセウが食べ終わったのを見て、アニムはひとまず彼を部屋まで連れて行った。寝る準備を見届け、寝かせてからまた食堂に戻る。
 「なんか、すっかり親だよな」
 「しかたがないだろ。歳は二十歳をすぎているとはいえ、エルフにとってはまだ小さな子供と変わらないのだ」
 「アニムはどう見ても中身は年寄りだよ」
 「小生は人間生活に年季がはいっとるのだ。多分、そこだけ普通のエルフと違う」
 「うん。で、あの子は?」
 アニムはできるだけ短く説明した。シンハーはグラスに眼を落として聞いていた。
 「ふーん。いろいろあるんだな」
 「昨夜、かなりうなされていた。夢の中でも辛い思いをしておると思うと切なくてな」
 自分も昔は、そうだった。寝るたびに、思い出させられることが何日も続いた。
 「だけど、今日は……」
 「分かっておる。ロセウのためにも養育費かせがんとな」
 「だから、そういうとこが親なんだよ」
  


草うららか |MAIL

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