気まぐれ日記
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2004年03月30日(火) 迷宮百年の睡魔

 新書版を発見して即購入してしまった。前回の作品の「女王の百年密室」は青春アドベンチャーで聞いてそれで読んだのがきっかけ。

 久しぶりに外に出た。表向き「亡くなった王妃の妹の娘が尋ねてきた」となっている。だから、なんだと思うが、フォーランズではそんなことはどうでも良いらしく、護衛をつけた少女が歩くのをじろじろと見る。
 外に出た気がしない。気分がすっきりしなかった。こうなったら……。

 その次の日、俺は作戦に出た。メイドには、気分が良くないから一日部屋にいると伝えて、外に出る準備をした。どうせ、この国の民は王子の顔など思えてはいまい。更に今は不在中である。こうして、城を抜け出した。
 昨日より肌寒いが構うことはない。城で女装している時より数倍楽だ。中央の広場でベンチに座り、ぼうっとする。これがしたかった。この間見た人だかりはなく、看板も取り外されている。シルバーが捕まったという情報もないが。
 「隣、いいですか?」
 「どうぞ」
 反射的に返事をしたが、あいているベンチは他にもある。まあ、ここが一番日当たりが良いのだが。そして、初めて隣を見た。同じくらいの歳の少女だった。
 「悪いわね、ここが日当たり良くて」
 少女は俺に向かっていった。ちょうど、彼女の顔を見たときである。
 「散歩ですか?」
 「うん、まあね。ちょっと一休みってとこかな」
 「そうですか。あなたはこの国の人?」
 「ああ、そうだけど?」
 「私、この国に初めて入ったんだけど、王様に会えるのかな?」
 観光客か、と思いつつ答える。
 「用もないのに、国王は会っちゃくれないだろうよ」
 「あ、そうなの? やっぱり駄目よねえ」
 当たり前だろうが。ビアソーイダだって城は開放的だが、島王に会うことはなかなかできない。
 


草うららか |MAIL

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