気まぐれ日記
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| 2004年03月13日(土) |
ああ、これずるずる続きそう |
今日もまた、続きをお楽しみください。
北東にある城へは塔のある町から徒歩で一週間ほどだ。北東は山に阻まれているため、一旦南に向かってから北に進まなければならない。このあたりにでるモンスターは二人で十分、いやダノ一人でも十二分相手に出来た。 「ゴブリンよ」 タジュトがレイピアで心臓を一突きして絶命させる。 この世界は、それで成り立っていた。ゴブリンを解体して肉を切り分ける。今夜のおかずになった。後で肉や牙を町で売っても金になる。人間はいつでも生態系の頂点であるらしい。 「ごめんね、でも私たちはこうして暮らしているの。だから、恨まないでね」 タジュトはお祈りして、肉を焼き始めた。食べる直前にも祈る。妹の懸命な祈りがあってダノは気兼ねなくゴブリンを食べることが出来た。 北東の城に入ることはすんなりとできた。南の城に寄った時はすぐに追い返されたのだが。城の中の者たちはそわそわとしている。 「おお、お前たちは町から来たのか?」 一人の従者が話しかけてきた。 「どうしたんだ。なんだかあわただしいな」 と、ダノ。 「先日、先王がなくなりまして、王子が継ぎました。ところが、その王子……いや、王が病気になりまして。いろいろ手を尽くしたんですが……」 「で、その王様、どんな具合なの?」 タジュトが何か思いついたらしい。 「え、ええ、なにかそわそわしていると思ったらため息ばかりついて、何も手がつけられず食欲もなくて……薬草もあまり効果がなくて……」 「ふーん、なるほどねえ」 「なるほどって、お前、治せるのか?」 ダノは半信半疑で妹に聞いた。 「もちろんよ、それも効果てきめんよ」 「てきめんってな……」 わが妹ながらボキャブラリーがちょっと変だと思いながら、ダノは従者に王との謁見を頼んだ。病が治せるのであればと、従者は彼らを王の間へ案内した。 「王は、謁見を許すとのことです。どうぞ、お入りください」 王は若かった。まだ子供っぽさを残していた青年だった。 「君たちは、町の者だね」 「ああ、そうさ」 ダノは相手がどんなものでも態度を変えない。それが彼のライフスタイルでもある。 「そうか、なんで来たのか知らないけど……」 「それより、王様。王様、恋していらっしゃるのでしょ?」 と、タジュト。 「おいおい、タジュト。お前、大丈夫か?」 「お兄ちゃんこそ、鈍いの! 症状を聞いたら、恋煩いだってすぐ分かるじゃない」 「分からんわい!」 「おお、君はわかってくれるのかい」 と、若き王。 「マジかよ!」 「ええ、実は先日、父がなくなって王位を継承した時に儀式を南の村の近くで行ったんだ。あの村は我が領地で、農作地帯なんだ。そこに農作の神を祭っていてまあ、神に今度私が王になりました、という報告の儀式なんだが……その村に住む一番美人の娘に一目ぼれしてしまったんだ」 「一番美人の娘に」 「一目ぼれ? 王様、さっすが、お目が高いのね」 「しかし、この思いを打ち明けても、あの娘は首を縦に振らないのだ……」 「王、それふられっいってー!」 タジュトがダノの足を踏んづけた。 「お兄ちゃんは黙ってて! 王様、私たちが人肌脱ぎます! きっといい返事をくれるわ!」 「お、おい、タジュト……」 「行くわよ、お兄ちゃん。今度は南の村よ」
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