気まぐれ日記
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2003年12月02日(火) 書きたいところに届かない

 まだ先の話ですが、今けだるい感じのとこです。ごめんなさい。

 「イーリスは……」
 国王はため息をついた。
 「うちの家計には、あんな無口はいないのに……はあ」
 「おめえの育て方じゃねえのか?」
 「お前に言われたくない。早く嫁もらえ。今なら大いに祝ってやる」
 「うるせー。口はああでも、いい子なんだろ」
 「まあ、自慢の息子だな」
 「半分以上はグオンのおかげだな」
 「……そうだな」
 国王が肩を落とした。
 「そういえば、この間来たんだってな」
 一年前である。しかし、国王は不在だった。
 「ああ、お前いなかったしな」
 「野暮用でね、貴族どもの相手だ。こっちは足が利かないつーのに」
 「ふーん」
 バルクにはよくわからない。同じ王族だが、バルクの兄弟のほとんどは王族とは違う生活をしている。無論、バルクもその中の一人だ。
 「そうだ、兄貴に頼まれた」
 鞄から箱を取り出した。
 「これは」
 「『神の瞳』お前んとこの国宝だろうが」
 「……よく見つけてきたな」
 「ああ、不法オークションをウォンテッドしたらたまたまな」
 「……」
 「どうした? うれしくねえのか?」
 「この宝石はなあ……」
 国王がたんたんと話し始めた。


草うららか |MAIL

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