気まぐれ日記
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頼むから、とまんないでくれ。頼むから……(泣)
ビアソーイダ城についた時、夜は更けていた。それでも寝ずに待っていた国王は夜勤の兵士を何人か呼んで、ことの始末を頼んだ。とは言っても、全員を牢屋にぶち込むだけだが。 「ご苦労だったな、バルク」 「いいってことよ。それが仕事見たなもんだしな」 「魔族を捕まえたんだが……」 アニムガ尋ねる。 「ザックの奴、魔族も使っていたのか?」 「そうだ。もう一人は消滅した」 「そうか。魔族を封じてるのは、君か?」 アニムがうなずく。 「明日の朝までそのままで頼む。今もう寝ているからな」 ある程度封じ込められた魔族を永遠に封印する魔術師が一国に一人はいる。ウォンテッドされた魔族はこのように封じることにより、賞金が得られる。消滅しては証拠が残らないので賞金は得られない。これは、どの国でも定められている。 「わかった」 「それでは、ゆっくり休むといい」 自分も寝ると言って、国王は自室に戻った。ラナが部屋まで案内する。でなければ、この城の中で迷ってしまうからだ。 「ブロード様」 バルクたちが与えられた部屋に戻り、ブロード一人になるとラナが尋ねた。 「魔力は見つかりました?」 「あんたも一枚かんでいるのか?」 「ええ、私にも見えるので」 「そうか……。ザックとかいう奴のとこのメイドから見つけたよ。いや、あのメイドを幽霊になってまで動かしていたのは、あの魔力だな。メイドを消す時に気づいた」 「そうですか。その魔力を預かるように、カルストラ様から言われています」 「ふうん」 「これにお入れください」 ラナが小瓶を渡した。ブロードが受け取り、小瓶の口に唇を当てた。ふっと息を吹き付ける。そして急いで瓶の栓をした。 「あなたの魔力が暴れたのは、この魔力のせいじゃないのですか?」 「そうかもな」 ブロードがラナに瓶を渡す。 「気分が悪くするのでしたら、この魔力を体で封じるのはやめてくださいね。少しならこの瓶をお分けできますし」 「そうだな、そうする」 ブロードはラナにお休みと言って、部屋に入った。
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