| 2004年07月15日(木) |
八つの扉 Eight Doors In My Dream |
「破壊が見たい」 せっかく組み立てられた積木の人形 それを私はバラバラに破壊した なぜか、一つの積木の上に違う積木が乗っていることが許せなかった その不安定さが、怖ろしかった もうこれ以上、壊れることはない
「必ずモデルがある」 客席よりも高い位置にある細長く白いステージ そこを爆笑問題太田の存在が歩く
客席よりも高い位置にある細長く白いステージ そこを佐藤雅彦の発想が歩く
客席よりも高い位置にある細長く白いステージ そこをダウンタウン松本作の破壊という名の作品が歩く
客席よりも高い位置にある細長く白いステージ そこを森博嗣の詩の世界が歩く
客席よりも高い位置にある細長く白いステージ そこを筒井康隆のドタバタの世界が歩く
客席よりも高い位置にある細長く白いステージ そこをいつも傍にいる家族が歩く
客席よりも高い位置にある細長く白いステージ そこをいつの間にかできていた幾人かの友達が歩く
客席よりも高い位置にある細長く白いステージ そこを幾人もの人々が築きあげてきた映画史が歩く
客席よりも高い位置にある細長く白いステージ そこを幼い頃大事にしていた白いラコステの帽子と布団の中で泣いている僕が歩く
客席よりも高い位置にある細長く白いステージ そこを自分自身が歩く それを私は客席で見ている
私はいくつものモデルがある しかしモデルと自分自身の境はない
「見えないものを見せてあげよう」 目で見るものなんて、同じものを誰もが見られる 自分にしか見れないものは、心の目で見られる そちらのほうが希少でスリルがある ただ、僕が心の目で見ているものを数人の人にはそのまま見せてあげたいと思う
「甘さが足りない」 このコーヒーは甘さが足りない 久しぶりに甘いものを口にしたから多少甘かったけれど でも二杯目もこれじゃあ甘さが足りない もっともっと、砂糖を入れないと 僕が飽きるまで、砂糖を入れないと
「中身のみ」 何物にも包まれていないむき出しの溶け出したキャンディー 一時的に置いておこうとしたのだろう白くて丸いお皿の上にそれはある それは次第に、まるでそのお皿に同化していきそうな気配だ きっと、キャンディーになりたかったのだろう
「夢を奪われた」 夢を奪われた 現実に奪われた 現実は奪われない 夢のようには奪われない
違う 夢は誰もが頭の中に持っている 実は誰にも奪われない 夢は現実の一部 夢は奪われない
「乖離したいでしょ」 乖離したいんでしょう それならまずは現実を把握しなさい 自分なりの現実を
「摩擦は優しい」 現実と自分との間に起こる摩擦 それこそが生の証
夢と自分との間には何がある? あまりにも自由で、怖ろしい
洩れないで夢の世界よ、現実の世界に 現実と私を結ぶ摩擦を感じていたいから
―END―
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