| 2004年03月11日(木) |
石森美代子アナウンサーとの出会い |
僕は今日、街中で石森美代子アナウンサーと会った。 テレビで見るよりもおっぱいが大きく見えた。 さすが立体の石森アナ。 僕は「石森アナウンサーですよね?」と言うと、彼女は「えぇ、はい」とブラウン管の中のイメージそのままに返事をした。 たぶん僕を一視聴者として捉え瞬間的に営業的な態度を取ろうと判断してのことだったのだろうと推測される。 次にどう声をかけたらいいかを僕が模索していると、彼女の方からこんな言葉が発せられた。 「あのー私ってアナウンサーに見えます?」 「え、うーんそうですねテレビの中の印象とあまり変わらないし、見えますよ、アナウンサーらしく」 「そうですか?私は仕事とオフのときは気分を変えているつもりなんですけれど同じに見えるんですね」 私生活と仕事とのギャップが元々ない人なのか、仕事の影響で私生活でもブラウン管の中の印象がまとわりついているのか・・・ 「でもそれが自然なんだと思いますよ。仕事と私生活でのギャップがある人って二重人格みたいですもん」 「そうですか?」 彼女は不思議そうな顔をして僕にこう切り返してきた。 「時や場所によって態度が変わることの方が私は自然だと思うんです。だから今の自分がちょっと危険な状態なような気がするんです」 危険というのはどういうことなんだろうか? 「危険?」 「えぇ。やっぱり仕事と普段の生活の時って気持ちが違いますよね。仕事の時は緊張が伴うから、やっぱり表情も違ってくるし。だからあなたがさっき、今の私がアナウンサーらしく見えるって言って頂いたけれどそれはやはり危険なんだと思います」 「でもしょうがないんじゃないですか?」 彼女の瞳が僅かに広がった。 「というと?」 「だってここは家の中じゃないんだから。それにあなたはアナウンサーなんですから。やっぱりテレビの中のあなたと街中でのあなたにギャップがあることをあなた自身が許さないんだと思いますよ」 「えぇ、そうなのかなぁ」 彼女は驚いた表情をしながら口元をあげた。 「その分、家の中のあなた、身近な人といる時のあなたは、きっとあなたらしいと思うんですけれど・・・ごめんなさい、余計な詮索をしてしまって」 「いいえ。とても嬉しい指摘です」 「あ、じゃあ僕はこれで」 そう言って僕はその場を離れた。 それ以上石森さんと一緒にいることに抵抗を感じたからだ。 まるで初めからそういう台本があってそのタイミングでその場から離れるように指示されていたかのように。 「有り難うございます」 彼女は僕にそう言った。 それは本心だろうか? いや、そうでなくてもいい。 そう言ったことが重要なのだ。 ただ、どこかでそれが本心であって欲しいとも思っている。 それは石森という一人の人間に近づきたいからだろうか? いつもテレビで見ているのに実際の彼女を知らなくて、そのギャップを埋めようとしているのだろうか? とても危険な発想だ。 彼女と分かれた直後、実際の彼女に出会ったことに心臓が高鳴った。 本当に彼女は彼女なのだろうか? むしろテレビの中の彼女の方が彼女らしいと言えた。 そもそも本当の彼女なんて知らない。 知る由もない。 それに本当の自分なんていうのも知らない。 いくつもの自分があるとして、一体どれが本当だというのか。 当たりくじのように<本当>のラベルなど貼られていない。 なぜ、<本当の自分>という幻想をみるのか。 なぜ、<本当の彼女>を求めようとするのか。 いや、石森アナの本当などどうでもいい。 本当の父、本当の母、本当の妹、本当の自分、そして本当の彼女。 そんなものはどこにもない。 よく自分には嘘をつかないと言うが、そんなことをどうやって知るのか? 自分の知っている自分だけが自分ではないのかもしれないというのに。 だけど、人は素直になりたがる。 それ、つまり素直な自分がまるで本当の自分であるかのように感じながら。 まるで生まれたての赤ん坊のように、裸になりたがる。 だからそうなれる場所を探しているのだろう。 彼女(石森アナ)は一体、いつどこで本当の彼女になっているのだろうか。 まあそれが本当の彼女であることを祈ろう。 誰に祈る? 自分に祈る。
―END―
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