| 2003年12月05日(金) |
バルタスティック島の牧場 |
バルタスティック島に住むイデ・モスラウスキーは牧場を経営している。 そこで飼われている牛は我々日本人が考えるような大きなものでなく、DNAを操作して誕生した犬ほどの大きさのものである。 イデさんは、眼鏡を使うほどの近眼なのだが、そのくせ眼鏡をよく外したがる。 ある時、彼は牛の顔に眼鏡をかけてみた。 丁度、目の辺りにレンズが覆い被さった。 おおピッタリではないかとなぜか感動したイデさんは、眼鏡を外す度、牧場の牛にそれをかけるようにした。 そうするようになってからしばらく経つと、牛は自分たちが人間のように思えてきたらしい。 人間以外、眼鏡をかける生き物がいないからだろうか。 そう意識するようになってから、イデさんの牧場の牛たちは、やたら敵意ある視線を彼に向けるようになった。 イデさんがバウリンガルならぬモウリンガルを牛たちにつけると、<また私たちの仲間が異国の地に売り飛ばされた。人身売買は酷い>とか<人が人を裁く権利があるというのか?>とか<共食いするなんて野蛮な連中だ>と思っていることがわかった。 それがわかってからイデさんは、二度と眼鏡を牛にかけないようにした。
―END―
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