| 2002年12月21日(土) |
ダーZのこれが真実だ! |
昨日の日記は酷い。 意味が分からない。 僕が読んでも分かりづらい。 きっとそういう夜だったのだろう。 その証拠に今日は想像することが楽しい。 絶望とは言い過ぎかもしれないが、昨日の夜中のテンションは実にガソリンの切れた車と同じだった。 どうにもエンジンが回転する気配はなかった。 誰しも、気分が乗らない時には頭が回らないものである。 そしてつまらないことで頭がいっぱいになる。 しかし、ずっとそうではない。 その証拠に今日は何かについて想像を巡らすのが楽しい。 それがくだらないことであろうと、楽しいのである。
毎年恒例の番組が今日もやってきた。 始まる直前に気づいた。 びっくりした。 その番組はクリスマスのシーズンの到来と共に放映されるというイメージがある。 しかし、今日の僕はそんなものが間近に迫っていることなんて想像もしていなかった。 アンチクリスマスとはよく言うが、僕がその時期になると期待するのはテレビプログラムの内容だ。 だからクリスマスが近づくとウキウキする。 どちらかというと、アンチクリスマスではないのかもしれない。 世の中はどうしても流行で満たされるものである。 むしろ、流行とは本来追いかけるものではなくて、時の流れのように平行に流れているものだと思ってる。 そしてごく一部の人間は流行を作り出している。 意識的に作り出すことができる人もいるが、中にはそうでない人もいる。 僕はどっちの立場の人も羨ましい。 しかし、僕は特に後者の人達の立場に特に憧れる。
流行と聞くと、すぐに廃ってしまい、その場限りのものというイメージが先行してしまう。 しかし、読んで字の如く、本来は<流れ行く>ということなのである。 つまり、流行なくして時は進まない。 それほど、流行とは一つ一つがもっと重んじられてもいいものだと思っている。 そういった意味で、先程ノーベル化学賞を受賞した田中さんも流行を生み出した人だ。 あの人は化学の分野の流れを今日において作り出したのである。 凄いことだ。 どんな手段を取って作り出そうが、流行とは人に評価されてこの世に浮かんでくるものでる。
流行は時の流れの羅針盤。 人類は皆、羅針盤の周りを歩いているのである。
『HERO』 もうすぐクリスマス。 サンタクロースは今頃プレゼントの準備に忙しいのだろう。 ところでサンタクロース自身は誰かからプレゼントをプレゼントされないのだろうか? 聞いたところによると、サンタは彼の準備したプレゼントに一番喜んでくれた子供を自宅に招待するらしい。 そして選ばれた子供と楽しい日々を過ごすのである。 彼にとってそれは毎年の楽しみであり、それがプレゼントでもあった。 「君がここに来てくれたことが私にとっての最大のプレゼントだよ。」 それを聞いてその子供も嬉しそうだった。
しばらくサンタと子供の充実した日々は続いた。 しかし、子供には元に住んでいる家(ハウス)があり、そして家族(ホーム)もいた。 その事を彼は次第に思い出していた。 ついに彼は言った。 「お家に帰りたい。」 それを聞いたサンタは言う。 「お前を離さない。」
その頃、クリスマスの日に誘拐された子供が未だ行方不明で、警察をはじめ、各メディアでもその問題は取り上げられていた。 クリスマスに誘拐するなんて、一体どういう奴だ! そんな事も言われていた。 「きっと相当クリスマスっていう行事に対して何らかのトラウマがある人物の反抗なのではないか?」 そう名護大学の小村教授は分析していた。 いや、トラウマどころじゃない。 毎年毎年クリスマスの日が嫌で嫌で仕方が無い人物が一人いた。 それはサンタであった。 そういえば、クリスマスの日の誘拐事件は近年毎年に起っているのである。 そして毎年クリスマスイブの日になると行方不明だった子供が夜中になって戻ってきているのだ。 子供が戻ってきた喜びを、誘拐されていた子のどの両親も口を揃えてこう言った。 「こんなに嬉しいプレゼントは他にありません。」
ある年のクリスマス。 毎年のようにサンタはプレゼントを各家庭の煙突に子供の数だけプレゼントを投げ入れていた。 (さーて、去年さらった子供を戻してやらないと) サンタはその子を彼の家の中に戻そうとした。 しかし、うっかり間違えて他の家の子の為のプレゼントを変わりに置いていってしまった。 次の日の朝。 やっと今日で今まで一年間続いてきた悲しみが消えるのだ。 そう思って子供部屋に、その子の両親は起きてまもなく、期待しているわりには落ち着いた面持ちで足を運んだ。 ・・・ 彼は戻ってはこなかった。 変わりに子供部屋のベッドの側には、プレゼントの箱が置かれていた。
<一年経っても戻ってこず!!> 新聞の一面にはそんな文字がおどっていた。 また、今年各家庭に配達されたプレゼントの中で、それを気に入らないと言い出す子供が続出!とのニュースも記されていた。
時は戻ってイブの日の夜中。 サンタはある家の煙突にプレゼントを入れようとしたが、その家の子に送るはずのプレゼントがなくて困った。 (どこかに間違えて・・・) (ということはその間違ったプレゼントを入れた家の子に送るはずのプレゼントがまだこの袋の中にあるのか) 彼は自分の体の何千倍にもなる白い袋の中を覗いた。 するとその中にもぞもぞと動いているものがあった。 (あのプレゼントは何だ?) (暗闇の中で動く玩具だろうか?) その動いてるプレゼントの入った箱からは、聞き覚えのある声がした。 箱を開けてみると、中身は人間の男の子であった。 サンタには間違えたプレゼントとその男の子を交換する必要があった。 サンタはプレゼントを間違えてはいけない。 その時サンタはあることを思いついた。 (もしプレゼントを配り間違えたら、サンタ免許は剥奪される・・・) 彼は長年、なぜ皆が幸せそうにしている日の最中、独り幸せを運ばなければならないのかと考えていた。 その結果、最近では毎年一人づつ子供を誘拐してきたのである。 (もうこんなマネをしなくても済む・・・) こんなマネとはもちろん誘拐のことである。 彼は決心した。 このままプレゼントの誤配が発覚されるのを待つことにした。
話をクリスマスの日の朝に戻そう。 一年経っても帰ってこなかった子供の両親は絶望した。 しかし、こんなことも考えた。 (なぜ一年経っても帰ってこないのだろう?) (そして子供がいないのにプレゼントがあるのはどうしてか?) しばらくして、その両親は肝がすっと浮かぶような感覚をおぼえた。 彼らの子供が地球の裏側で無事保護されたというニュースが飛びこんできた。 その子が保護されたのは、ある家のベッドの横だったという。 (プレゼントの誤配) (うちの子がプレゼントのようにベッドの横で発見された・・・) 彼の父親は思った。 (犯人は・・・そうだったのか!なんということだ!!!)
翌日、新聞の一面にはこんな文章が。 <衝撃!!幸せを運ぶはずのサンタクロースが悪夢を運んでいた!> <毎年連続誘拐事件の犯人は何とサンタ!!>
さらに後日、被害者であった子の父親が、サンタクロースに話をする機会が訪れた。 父親はサンタクロースの自宅を遥々訪ねていった。 サンタクロースは長い時間日本にいることはできない。 しかも、太陽が顔を出している間はもってのほかであった。 「何であなたはこんなことをしたんですか?」 それにサンタはこう答えた。 「私は寂しかったんです。」
彼の住む場所はまったく人気(ひとけ)がなかった。 そこは刑務所のようだった。
―つづく―
|