| 2002年12月04日(水) |
お前の誠実さが好きだ!偶に気がきかないなとも思うが〜テクノロジー愛〜 |
こんな小話がラジオのCMで流れていた。 ある男は友人に尋ねた。 「もしお前がソファになったらどうする?」 友人はお前みたいな男が来たら、うんと座り心地を悪くすると言った。 「それなら女が座ったらどうなんだ?」 友人はもっともらしい表情で、一度座ったら立てなくなるくらい心地よくすると言った。 それに対して男はこう言った。 「なら俺がその女の子に寄りかかっても彼女は動けないな」
・・・とここまでがラジオの小話。 さて、僕がもう一文加えるとします。
すると友人は勝ち誇ったかのように言う。 「あぁ、そいつは俺が送り込んだ殺し屋だ。」
○オリジナルショート小話 A子、B男とC五郎、D代はそれぞれカップルで、今宵霧が多く月の見えない夜に四人で合同ディナーと洒落込んでいる。 このようなディナーは恒例行事のようになっており、前回はD代は都合により参加しなかった。 四人中、誰かがディナーを抜けたのは後にも先にもその時だけである。 今日来た店に来るのはA子、B男、C五郎にとっては二度目。 D代は会社の同僚と何回かここで食事をしたことがある。 ちなみにB男とC五郎は同じ会社の同僚である。
A子「それにしてもあんたって何で仕事が遅いわけ?」 B男「おれの仕事は俺自身が遅くすることによって他の人が速いように見せることだ。俺はあの会社の平社員どもに共同で雇われたんだ。そうやって上司に俺1人に注目させるっていう寸法の仕事なんだ。それよりもなんで俺が仕事が遅いって事を」知っているんだ?」 A子「それは・・・」 C五郎「それは僕が教えたんだよ」 B男「何っ!お前が?」 C五郎「そうさ」 B男「いつ?」 C五郎「この前のディナーの時だよ。お前がトイレに立った時かな?」 B男「あぁ、そういうことか。しかしだなA子、そんな事勝手に人に言うんじゃない!」 A子「いいじゃない!どうせ今あんたが自分からこの場で発表したくせに。それよりも今まで私に仕事の事言ってくれなかったのが何だかね・・・」 B男「言う必要がないと思ったからだよ。」 A子「まぁその話はもういいわ、それよりもさ最近なんか驚いたこととかないの?面白かったというか・・・」 B男「僕が前回ここのトイレに入った時、床の大理石には驚いたよ。」 A子「それのどこが面白いのよ?」 B男「十分に面白い。そんな目立たないところに金を使うなんて、面白いなーと思ったんだよ」 A子「変なの!」 B男「で、A子は前きた時は入ったの?」 A子「いいえ。」 B男「なら入るといいよ。今から行ってこいよ(笑)」 A子「変なこと言わないでよ!」 B男「Cは?」 C五郎「いや、見てないね、その大理石は。」 B男「まぁ見てみるといいよ。まぁここに来たのは俺とお前(A子)とC五郎は二度目だもんな。早く行って見るといいさ、床の大理石。なんでここ(客席)が大理石でもないのにあそこだけ大理石なんだろう?」 C五郎「確かに面白いな」 A子「そう?面白いかな?」 D代「私は面白いと思うわよ」
A子はヒヤッとしていた。 C五郎のフォローのおかげで何とかなったものの、実はB男がそういう仕事をしているのを知ったのはC五郎の家のベッドの中で聞いたからだ。 つまり急遽、前回B男がトイレに行った時にA子とC五郎がふたりでその話題をした、ということにしたのだ。 それはつくり話だった。
控えめなD代を交えての会話は表面上和やかに流れていった。 しかし、D代はC五郎を見つめていた。 D代は疑っていた。 もちろんC五郎がA子と不倫関係にあるのでは?ということについてだ。 なぜなら、彼女はA男が二重人格を装っていることを知っているからだ。 実はD代もB男と不倫をしていたのである。 彼らも深い関係にあったということである。
B男はD代と二人きりの時、彼女に言った。 「実は俺が私生活において二重人格になる場合があるというのは大嘘なんだ。ある意味これは俺にとっての趣味と言っても過言ではないよ。」 これとは、もちろん二重人格を装うことであった。 B男はこの前のディナーでは普段とは違う人格になっていたと思われていた。 違う人格のふりをする時、B男は声色を変えるからだ。 少なくともA子とC五郎はそう思っていた。 しかしD代はそうでないことを知っていたのである。 B男が違う人格になると、前の人格の記憶は覚えていないという設定になっている。 彼は今宵月の見えない晩は通常どおりの人格でディナーを楽しんでいた。 B男が前のディナーのことを覚えていないということは、トイレの事も覚えていない、ということになる。 つまりAとCは以前彼がトイレに行ったと言ったのは狂言である。 ちなみにDは前のディナーには来ていない。 AとCはB男が前のディナーで別人格になっていたんだと彼(B男)に思い込ませようとしたのである。 が、それも無駄に終わったのである。
もうお分かりだろうか? そんなわけで彼(B男)は二重人格ではない。 彼は前回のディナーでトイレには言ってない。 その事は彼自身がよーく知っている。 つまり彼はAとCが狂言を述べたことを知っている。
ではなぜD代はAとCが嘘をついているのを分かったのか? 彼女は以前、自分がこの合同ディナーでの行きつけのトイレの床だけ大理石でないなんておかしいと思わない?他はどこも床は大理石なのに。席の床や他のところに大理石には使われているのに、と言った事を覚えていた。 つまり、彼はD代にしか理解できない嘘を言ってメッセージを送ったのである。 (俺はトイレなんか行ってないんだよ) A子とC五郎がなぜ必死になってB男がトイレにいったという狂言をするのか? 彼らは携帯や自宅の電話番号をお互いにしるはずがない。 会う機会は今のところ、このディナーでしかない。 彼らは自分達がこの店以外で会うのを隠すのはやましい気持ちがあるからに違いない。 そうD代は思った。
ちなみに補足するならば、今までの四人のディナーにおいて、誰かがトイレにたったとしても、同時に二人以上ということはなかった。 つまりそれは、A子とC五郎がBの仕事の話を二人きりで話す事が不可能だったということを意味する。 例えこっそりメルアドを互いが知っていたとしても、それはそれでD代は不審に思っただろう。 そんな交換がなされた現場を見たことはないし、見るとしたら合同ディナー中にかぎられるはずだからだ。
―END―
ついしん 小説とは疑似体験である。
ついしん2 この世に浮かぶあらゆる疑問は無意味であり、無意味であれば無意味であるほどそれは面白い。
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