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「本を読む兄、読まぬ兄」吉野朔実
2007年10月23日(火)
「本の雑誌」連載のコミックエッセイ。
吉野朔実の漫画は確か1作くらいしか読んでないのですが、このシリーズは大好きで新刊を楽しみにしています。
本や読書にまつわるあれこれの話が載っていて、読むとそれについていろいろ語りたくなるような話題が満載なんですよ。今回もおもしろかった。

その中からいくつか話題をピックアップ。

☆本をつくる
小学生の時、本(まんが雑誌)を作ろうと友だちと盛り上がったが、実際に作ってきたのは自分だけだったという話。
「なんで? ええまあ子供の頃から他人との温度差は感じていました。」

私もちょっと作りかけたことがありますよー。きっと周りに仲間がいたら、同人誌になっていったのでしょうね。
周りとの温度差というのも、感じてました。
温度差っていうのかなあ。私の情熱につきあえるほどの情熱を持っている仲間は、子どもの頃はいなかった。兄くらいしか(笑)
まあ、粘着気質なんでしょうね。一度熱せられたらとことん冷めにくいですからね。細かいことも好きだしね。
オトナになって、パソコン買って、ネットの世界に漂うようになってからは、世界は広い、と思ったけども。ネットの世界は、そういう人たちが巡り会うのに適しているよね。
いい時代に産まれたもんです。

☆「大人買いよ そのために大人になったんだ!! 子供の頃から何でも持ってると大人になる楽しみが無いよね でももう大人だもん」

そうか、そのために大人になったのか!
でも大人になると欲しいもののグレードもアップしてしまい、そんなにほいほいと買えるものでもないような。いや、ほんとに欲しいものは迷わず買うけど。

☆『黒いヴェール』
平山「フランスの女優が書いた自伝がすごかった。お父さんがカメラマンで、お母さんと本人の三人家族なんですけど、八歳の時、一緒にお風呂に入りなさいと言われたのに、入らないまま部屋でぐだぐだしてるうちに昼寝しちゃうわけ。目が覚めて風呂場に行ったら、手足が出ている。風呂釜が故障して二人とも一酸化炭素中毒で死んでいた。」
吉野「娘だけ生き残ったんだ。すごいなあ。私そのシチュエーション描いたことあります。」
平山「その人は、そこですべてが止まってるんですよ。両親がどんなに自分を愛して育ててくれたのか、その日以前の記憶はまったくなくなっちゃって、そのシーンしか覚えていない。で、成長して女優になったある日、それまで触らなかった、お父さんの未現像フィルムを現像する。本に収録されているんですけど、雪合戦をしていて雪玉をぶつけられて、わあーっとお父さんに向かって走ってくる写真があったりする。壮絶でしたね。」
吉野「それはちょっと…心臓掴まれますね。」
平山「世の中絶対値の残酷っていうものが存在するじゃないですか。なんでこんなことがってほどに人智を超えた残酷が、たまに起きるでしょう。僕はそういうのが好きなんです。好きというより、忘れたくない。」

これ、ちょっと読んでみたくなりませんか?


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