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「優しい音楽」瀬尾まいこ 2005年09月08日(木) ほのぼのほろりとさせる短編が3本。「優しい音楽」 ある朝、駅のホームで突然目の前に立った女の子、千波。なぜ彼女が自分の側にいたがるのかわからないままに毎朝言葉を交わすうちに、タケルは彼女に恋をし、やがて二人は恋人同士に。でも、なんとなく彼女には秘密があるようで…。 という、不思議なラブストーリーであり、暖かい家族のお話でもあります。暖かいのに、泣けてしまいます。 「タイムラグ」 相手が旅行中に、不倫相手の子供、佐菜をあずかることになった深雪。 始めは扱いに悩むものの、次第に仲良くなり、やがて二人は佐菜がまだ会ったことがないというおじいちゃんのところへ行くことに。 じいちゃん相手に熱弁を奮う深雪が、なんだいいやつだなーって感じです。でも、いいのかそれで、という気もします(笑) 「図書館の神様」でも不倫相手が出てきたけど、この作者の描く不倫というのはドロドロしてなくて飄々としているのですね。 「がらくた効果」 同棲するようになって1年ほどの章太郎とはな子。ある年の暮れ、章太郎が家に帰ると、はな子がなにかを拾ってきたという。その拾ってきたものというのが…。 有り得ないけど、これもほのぼの。 この人の書く文章とか会話というのは、児童書とか舞台のような、どこかお芝居めいた雰囲気があると思います。 そこが初めは違和感を感じていたのですが、慣れてくるとそれが持ち味なのかな、という気がします。 綺麗で暖かいことばかりじゃないけれど、つらくせつないことも、どこか柔らかくそれでいてたくましく受け止めてくれるように描かれている感じです。 世界って美しいんだなと思ってしまう一冊。(でもすぐに我に返る…) ★★★ |