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「方舟は冬の国へ」西澤保彦
2005年03月12日(土)
別荘には監視カメラとマイクが張り巡らされていて、そこで初対面の女性と子供と、家族を演じるという仕事を多額の報酬で引き受けた男。事情の説明はいっさいなく、彼がわかっているのは演じる人間の名前だけ。
さて、なんのために…?
というあらすじを読んで、詐欺とか泥棒とかそういう類の話を思い描いてたのですが、もっとファンタジーというかSFというか…ほんとに柱の茶者の言葉にあるように「おとなのお伽噺」といった物語でした。
でもおもしろかった。家族の生活がほんとに仲睦まじくて楽しそうで微笑ましくて。
「ひとを愛しく想うとはこういうことかと、生まれて初めて判ったような気がした。」のあたりとか、ぐっときました。「にせものの家族」が、どんどん近くなっていく過程が、とてもよかった。
想像とは違ったけれど、楽しく読みました。

あとがきであげられている「リリアンと悪党ども」(トニー・ケンリック)は、確か小学校くらいで読んだんですが、とてもおもしろかった記憶があります。偽装家族のお話です。興味のある方はあわせてどうぞ。
★★★☆


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