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「ワイルド・ソウル」垣根涼介
2004年04月11日(日)
戦後の南米移住政策。広大な農地と豊かな収穫物…バラ色の夢を謳った計画に応募者が殺到したが、彼らが連れて来られたアマゾン川最奥の土地は、とても人の手で切り開けるような地ではなかった。耕した土地は雨季にはあっけなく流され、病気に次々と倒れていく仲間。移住は、政府の棄民政策であったのだ。
前半は、衛藤という一人の男の眼を通しての移住生活の苛酷さが語られます。
後半、入植地で生を享けたケイと松尾という若者、そして衛藤と同じようにブラジルをさまよった経験のある山本という男が、政府への復讐のために行動を開始します。

テーマがテーマだけに、硬くてへヴィーな内容なんだろうと構えて読み始めたのですが、文章も読みやすく、何より息もつかせぬ展開で、どんどん読み進めてしまえます。
前半の重さは、くどすぎず、それでいて悲しみや憤りも伝わってくるし、一転、後半の痛快さ、スピーディな展開にはにやりとさせられます。
後半は、報道記者の女性も事件に巻き込まれていくのですが、彼女も等身大で好感が持てます。男性の書いた女性とは思えないくらい。ケイとのやりとりがおもしろい。特にラストの手紙では彼女と一緒に笑ってしまいました。

久しぶりに、読み応えのある本を読んだ気がします。かなりオススメ!
★★★★☆


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