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群青の夜の羽毛布/山本文緒
2001年08月04日(土)
坂の上に住む三人の女。厳格な母親、体が弱く家事手伝いの長女、明るい次女。そして、長女が新しくつきあい始めた恋人をめぐって、家族の事情やら心の闇やらが徐々に見え始める。
なかなかおもしろかった。少し異常な世界を淡々と描いているのに、妙にリアリティーがある。
章の合間に挿入される、誰かがカウンセリングを受けているらしき独白の部分が、インパクトがあってよかった。少しずつ、彼女たちの生活に引き込まれていく感じ。

図書館で会うシーンが好きだった。
その後で恋人が、やっぱり自分はこの面倒くさい神経症的な女が好きなんだ、と自覚する。そうね。便利だから好きになるわけじゃないんだもんね。

人が黙り込むのは、言いたいことを飲み込んでるからだ。


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