ある日のこと。午後の人手が無く、ちょっと忙しい時間。
職場のおじさまが、ふらりと私の隣の新入社員君に話し掛けてきた。
「君、パソコンよくわかる? 僕ねぇ、ハガキのソフト使ってて、文字がでんように
なってしまって。どないなっとるのかなぁー」
いきなり、である。
「……………?????」
新入社員君の応対は当然であろう。
かわいそうなので、助け舟をだしてあげた。
「監査、それは筆まめか何かを使っていて、その表示文字が不具合を起こした…
と言いたいのですね?」
「そうなんだよー♪」
くるり、と、監査は私に向き直った。(っていうか、助け舟にしがみつかれた)
「筆みたいなのがなぁ、カチカチになっちゃって…」
「んー…と。筆文字が、教科書みたいなものになっちゃったってことですね」(必死で解読する私)
「そうそう〜〜♪」(満面の笑み)
なんなんだよ、この監査ぁぁっっ。カチカチってなによ、カチカチってばさぁ。
わかるけど、気持ちは。
「君、よくパソコン使ってるから、どこを手直ししたらいいかわかる?」
わかんねぇーよっ。ツールが壊れたんじゃないの?
もともとあったフォントが消えてるんだろー?
ここで、私は大げさに
「えええっっ!? それは大変です! すぐに初期化したほうがいいですよ。
CD-R入れ直したほうが早いですッ」
とか言って、今までのデータを全部消すというテもあったのだが(悪魔)
「付属の説明書にあるお客様インフォメーションに電話されたほうが
早いですよ(にっこり)」
忙しいんだよ、今! そんな個人的なことで手間とらせんなッ
という思いは隠して答えて差し上げた。(ま、普通だな)
しかし、可哀想なので、うちに帰ってネットで検索。(オレサマってば親切?)
すると、筆まめQ&Aページがあるではないか。
(しかも、『お問い合わせの前に、このページを読んでください』とある。
簡単な質問もガンガンかけてくるんだろう。サポートセンター様、ご苦労です)
バージョンを確認してこなかったので、とりあえず、フォントが消えた…というような
類の質問をピックアップして印刷してあげる。
(が、『付属本P111をご参照ください』というものでもあった。オヤジ、読んで来いよ)
翌日、監査にそっと紙を渡してあげる。
「あれからうちで調べたんですけど。似たような質問があったので、印刷してきました。
詳細はここにあるurlに接続してくださいね(微笑)」
「おーーっ。ありがとねーー」
ふぅ。一件落着(^ ^)/
と思ったら、昼休み、監査がやってきた。
「DAIさん、筆まめと筆ぐるめと、二つソフトがあるんだね。
僕持ってるのどっちだったかな?」
知らねぇよッッ
この先、この調子でいろいろ聞かれたらまいっちゃうんですけど(時給あげてください)
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