青いくもと白いそら
想い出 † きのう † あした
あなたのことが好きでした
ずっとずっと好きでした
青いそらを飛行機雲が斜めに横切って
蝉の鳴き声が遠くまで響いていたあの日
桜の木陰でさよならと言われたけど
それでもずっとあなたのことが好きでした
桜の葉が散って 木枯らしが吹いて
空に雪が舞って 大地が薄い白で覆われて
並木道が桃色に染まって 桜吹雪が少し悲しくて
時は廻り 季節は移ろい
そしてまた 蝉の鳴く季節がきました
高く澄んだ青空には大きな入道雲が現れて
眩しく照りつける日差しの中
あの桜の木下で
私は冷たい幹に寄りかかって少し泣きました
まだあなたを忘れられない自分がなんだか可哀想で
その時なぜか唐突に
視界の隅に映った蝉の抜け殻に
あなたを想う気持ちから
私を解放してあげようと決めました
辛くても 悲しくても 苦しくても
私の人生は7日間で終わるものではなくて
生きることは大変なこともあるけれど
長い分だけ幸せを求めてやり直せる回数も多いのだと
急にそんなことを思いついて
そんな単純なことに気付くのに
まるまる一年も費やしただなんて滑稽だなとは感じたけど
きっとずっとあなたへの想いに囚われたままの人生より
素敵なものになると信じてる
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