青いくもと白いそら
想い出 † きのう † あした
12月になったばかりの ある昼下がり
風は少し冷たいけれど 陽は暖かく
窓際の席に座ったら
授業中 ずうっと居眠りしていまいそうな
そんな心地のよい 緩やかな午後に
誰もいない廊下を一人
行くあてもなく歩いていた
薄い窓ガラスの向こうには
各々に色づいた秋の樹と
ビルの群れが聳え立つ
どこか優しい色した枯葉の中に
少しだけ 冬の淋しい気配が混ざっていた
何の気はなしに足を止め
真っ青な空と眼前に広がる展望を眺めてる
掌の体温で 触れたガラスが白く曇った
光が私に降り注ぐ
暗い廊下のたった一つの陽だまりで
冷たいリノリウムの床に熱が生まれる
その瞬間 突然に
私は 春の雪解けの音を聴いた
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