青いくもと白いそら

想い出きのうあした


2003年12月08日(月) 春の呼ぶ声


12月になったばかりの ある昼下がり

風は少し冷たいけれど 陽は暖かく

窓際の席に座ったら

授業中 ずうっと居眠りしていまいそうな

そんな心地のよい 緩やかな午後に

誰もいない廊下を一人

行くあてもなく歩いていた



薄い窓ガラスの向こうには

各々に色づいた秋の樹と

ビルの群れが聳え立つ

どこか優しい色した枯葉の中に

少しだけ 冬の淋しい気配が混ざっていた



何の気はなしに足を止め

真っ青な空と眼前に広がる展望を眺めてる

掌の体温で 触れたガラスが白く曇った



光が私に降り注ぐ

暗い廊下のたった一つの陽だまりで

冷たいリノリウムの床に熱が生まれる



その瞬間 突然に

私は 春の雪解けの音を聴いた



あやか † mail