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言の葉
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2002年12月31日(火) 深夜の一コマ



食後のコーヒーも終わって
いったん部屋に帰って着替えたボクは
またデッキへと足を運んだ
時刻はまもなく深夜といっていい時間だ

前年に初めてこの列車に乗った時
なによりも心を奪われたのが
デッキからみる星空だったんだ

天の川とかよくきくけど
これまで本当に星が川のようだって
思ったことはなかったんだけど
その夜空には本当に星で埋め尽くされた
ベルトが連綿と続いていた
空にはこんなに星がたくさんあるのかって
驚くと同時に
どうしても目を離せなくなってしまったんだ

周囲は漆黒の闇
聞こえるのは列車の奏でる単調なリズムと
頬をきる風の音のみ
そして降り注ぐ星

またそれを体験したくて
デッキに出てきたんだけど
またしてもそこには先客がいた
思わず胸がドキッとしなって
うまく言葉がでなかった

ほんの数時間前まで
冗談を言って笑いあっていたのに
深夜のデッキ
それも満天の星空の下でみるキミは
ボクから言葉を奪ってしまった
キミも先の饒舌さを置き忘れてきたらしく
二人で黙って星空を見続けたっけ

言葉はなくても
とても暖かい
そんな感じが嬉しくて
いつまでも時間を掴んでいたかった



 





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