私の中で正解は決まっていた。
だけど、その正解を彼に出して欲しくて、たくさん問題を出した。
そのどれもが、私の思う正答ではなかった。
彼が答えをミスる度、私は悪戯に傷つき、それでも尚、今のミスは只のミスで、次はちゃんと答えてくれるんじゃないかと次の問題を出した。
だけど違った。私が気付くべきだった。
彼と私で、問題を解くための公式が全く正反対だったことを。
公式が違うんじゃ、いつまで待ったって、私が望む正解を彼が出す訳ない。
やっと気付いて、別れを決めて、それでも尚、今度はその公式が間違っていたことに彼が気付いてくれるんじゃないかと期待している自分がいた。
そしてまた問題を出した。
答えは同じ。
変わらないなら、無理だと思った。私の中の公式を変えることは出来ないと分かっていたから。
あれから1年。
問題を出し続けてからなら、2年半。
あの時は必死で分からなかったけれど、実は、彼の出す(私にとって)間違った答えは、意外に私を切り刻んでいたのだと知った。←遅い。
ふっと思い出す度に「あらっ、こう言われて辛かったのね私」と思う。
結局は公式がお互い違うことに早い段階で気付けなかった私が悪いのだと、自業自得だと思うので余計痛い。
それでも辛いもんは辛い。
一度病んだ心は、回復するのにひどく時間がかかるのだと知った5月。
あの胸にかえりたい。
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