2004年10月19日(火) |
君の痛みを知れない痛み。 |
馬鹿みたいに2年間もかけて、やっと分かったことといったらこれ、
「その人の痛みはその人にしか分からない」。
だから、人の痛みを軽く見ることは出来ないし、何も口出しできない。 逆に、自分の痛みもどうこう言われる筋合いのものでは無い。
それはやっぱり、分かったことではあったんだけど。
彼といるときに久々に突然フラバがきて、今までにそれが起きてなくても水面下にずっとあったことを思い知らされて、「信じていたのに」「浮気なんかしないって言ってたのに」なんて思っては悲しくて辛くて、いけない、この人には何の罪も無いんだから巻き込んじゃいけないと思うんだけどぐらぐらして、しまいには「この人が、私の今付き合ってる人、だよね」なんて心の中で確認しなきゃ分からなくなってきて、「信じてたの」「浮気しないって、言ってたの」なんて言いながら彼の胸で泣いてしまった。
そういう時、彼は何も言わない。だけどしっかりと抱きしめてくれる。 これがあるから、元に戻れるし私は意識を保っていられるんだと思う。
ただ罪悪感があるのは、今彼が抱きしめてくれる時、同時に元彼もそうして私がフラバを起こす度に抱きしめていてくれてたことを思い出したこと。
そして本当に申し訳なかったのは、「元彼に会ったら殴るかもしれない」と言ってくれる彼に対して、「そうなったら元彼が可哀想」だとあのありえない元彼を庇う方向に思考がいってしまったということ。
ただしこれは、フラバの最中だけで。
フラバが終わると、彼が今現在私の一番大事な彼氏だっていうのも分かったし、元彼?誰それ?なんて考えにきちんと直った。
どうやら、昔の感覚に戻りすぎていたみたいだ。
中学時代好きだったという人と浮気した、元彼もこんな気持ちだったのかなあと思うけれど。
今、自分は何が大事なのか、きちんと見ながら歩いていきたいと思った。
そうして私がかつてなく彼の前で泣いてしまったので、何となく場はセンチメンタルになり、私はそれに便乗して今まであまり聞けなかった、彼の過去を聞いた。
彼は言いにくそうに、だけど淡々と話した。
暗闇で、表情はあまり見えなかったから、私はいろいろ聞きすぎたのかもしれない。
それでも、どうしてこんな穏やかな雰囲気を持てるんだろうというぐらい彼は静かに淡々としているから。
私は初めてその話を詳しく聞いて、「自分は何もできない」と泣いてしまった。
彼がどれだけの辛さを乗り越えてきたのか、想像もつかない。
彼の痛みを思えば、浮気された私の痛みなんて、何個味わっても追いつかないと思う。
けれど、「私にはその辛さを分かることが出来ない」と悔しくて悲しくて泣く私に、「そんなことない。ぼむだって辛いことあったじゃん」と優しく髪を撫でてくれる彼に。
いつか何かを返せたら、と思う。本当に本当に、すごい人だと思う。
私は彼のそばで、笑っているぐらいしか出来ないから。
せめてずっと、笑っていようと思う。
人を失ういたみは、私には今まったく分からない。
笑っていようなんて私が思った所で、彼がそれを望んでいるかも分からないし、多分何の役にも立たないと思うけれど。
それでも、今私に持てる全てで、彼のそばにいたいと思う。
支えにすらならないだろうし、それを特に望んでもいないだろうけれど、だからどうか、普通にそばにいたいと思う。
私ばっかり頼って申し訳ないけれど。
そうさせてくれる人だという認識が、大分出来上がってきているから。
逃げるなら、今のうちだよ? なんて思ったりもするけど。
あえて忠告せず(←鬼)、私の幸せのために私のそばにいて欲しい。
是非とも、いてほしい。
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