それにしても、全く妙である。貧しい生活だからとて誰に迷惑を及ぼすわけでもないのに、人はなぜ不道徳でも犯しているもののように、貧しいということで肩身の狭い思いをしなければならぬのだろうか。──「橋のない川」(第二部)