2013年10月02日(水) |
世界最後の日の過ごし方 |
「世界最後の日の過ごし方」関東第一高校演劇部 2013年9月公演 脚本/関一ファクトリー
9月17日文化祭/9月23日城東地区コンクール
娘が所属し、出演した演目で、地区コンクールを観ました。 脚本を見せてもらっていて、面白そうだと思いました。ので、絶対見に行こうと決めていました。
舞台に上がったのは、総勢26名。演劇部フル動員のお芝居で、高校演劇を考えると、かなりの大所帯。 まあ、規模が大きければいいというものではないが、効果的に機能したときは、やはり圧倒するものがある。
あらすじ
ある日、世界が終わると発表される。 地震や隕石や火山の噴火や諸々、一斉に襲いかかってくるらしい。あと3日。 卒業を迎えることなく人生が終わろうとしている高校生が、教室の黒板に写真を貼って卒業アルバムを作っている。彼らの噂話で語られる、ファミレスで起こった世界の終わりにやけっぱちになった客と淡々と日々を続けようとするバイトとの間の、トラブル。 クラスみんなで集合写真をとろう、はいチーズ。 あと2日。 自棄になって自殺に走る人を止めようと結成された、お節介戦隊の面々。それぞれがリスペクトしているヒーローになりきって、活躍しようとしている。ウルトラマンと仮面ライダーの男子。タイガーマスクと、心の中に住むオリジナルのヒーロー・とうもろこしマンに扮する女子。 彼らの前に現れる自殺志願者の理由は様々。その狂気に触れ、逃げ出す四人。 四人のたどり着いた先には、とあるカルト宗教の本部。信者の中にクラスメートがいて、彼らも末席に連なることになる。 怪しい宗教の教祖・アンデルセンは、本当にやって来た世界の終わりを前にして、信者たちを導けなくなってしまった。自分も死にたくないし、どうしよう〜、と頭を抱えてしまう。 そんな彼らの前に、小金を持ったホームレスが現れ、これ幸いと、教祖は乗っかって神扱いし、ホームレスの誘う救済の地に向かう。 信者の男は家族も救いたいと願い、家に帰ることにする。 家には、終わる世界を頑なに拒絶して日常を続ける妻がいる。娘と息子にも、いつも通りを強要する妻。(娘は冒頭の教室にいた高校生のひとり)妻の育った家は極道の家で、彼女にとって手に入れた日常はかけがえのないものだったのだ。 TVの中では息子の好きなアイドルの番組。世界の終わりを前にして、アイドルたちは秘密のプロフィールをぶっちゃけ始めてしまう。 ぐちゃぐちゃな家から出ていく娘。 家の外で、幼なじみの少年と出会う。そこで二人は、最後に素敵な恋をしようということに。 翌日、病院での会うことを約束する。 あと1日。 病院にやってきた少年と共に、美しく死ぬことにした娘が、自分設定を振りかざして医者を困らせていた。 困った医者は、頼りになる看護師を呼ぶ。看護師は朴念人の医者とは違い、娘の意図を汲み取って設定に乗っかる。
そしてやってくる終わりの瞬間。 みんなが集まってくる。
けれど全ては間違いで、世界は終わらないことが分かった。 色々と思惑が外れる人々。
世界が終わらなかったので、医者は思い切って看護師に告白する。看護師はプロポーズでなければ嫌だと言う。 おめでとう。 かつてお節介戦隊の前で自殺を考えた妊婦は、無事に子供を出産する。それはなんと、例の家族の長女だった! 皆で記念の写真を撮ることにする。
そして日常がまた始まる。 娘と少年は、また明日、といって別れる。
☆長々とすみません。書いてみたらなんだかぐちゃぐちゃ。 四つの話を軸にした、オムニバススタイルなのでした。 狂気の自殺志願者がコワイくらいで、とてもよかった。 とうもろこしマンに変身するシーンは、研究の成果がよく表れて、色っぽくできてた。声の出し方が下手。もっとくっきりと落ち着いて話さないと、セリフが聞き取り辛い。課題要練習。 カルト宗教パートへの流れがイマイチ。つなぎを要研究。 教祖が魅力的だし、支える側近二人がもっといい味。 アイドルパート、アナウンサー役の滑舌が悪い。ほかの役はともかく、アナウンサーとしてのリアリティがなさすぎる。アナウンサーらしい話し方は、演技として必要である。 アイドル好きな息子のオタ芸がキレキレで、素晴らしい。 娘は可愛くて、注文付けるワガママさが似合っていて良かった。 医者と看護師の告白パートはミュージカル調。アカペラなのに、超ウマイ。感動もの。 世界の終わりの瞬間はコロス(全員で一斉にセリフを言う)。 細かい精度にはまだまだブラッシュアップが必要なところだが、セリフなどはよく合っていたように思う。 アンケートなどでは、生まれた赤ん坊の扱い方が軽すぎるとかあったらしい。確かに、ほいほい扱っていた。3キロの重さを意識すべきだった、ということでしょう。
結果。 奨励賞。
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