★梨木香歩。『裏庭』

梨木さん作品、非常に好きだった『西の魔女が死んだ』以来
2作目。ええ、ずっと積んでたんですのよ。
「おきらくにっき」の方で、半身浴と共に持ち込んだ文庫本が
これだったのだが……

読んでみて…これは、難しい。どう表現すればいいのだ?
難しい、読んでいて疲労困憊したと思うのはワタシだけなのか?
ちなみに感想を書いているサイトを回ってみたが、どこも
評価が高い。
しかし、これはファンタジーという言葉を借りながらも
人の心の奥深くのしくみについていろんな問題を投げて、
投げて、投げまくっているのではないのか、とふと思った。
主人公のテルミィは中学生だが、彼女の裏庭での冒険の
ひとつひとつのエピソードにたぶん、ワタシは意味を求めて
それをわかろうとしながら読んでいたのだ。
だから、本当に疲れ、なんだか知らない間に終わっていた。
ああ、もったいない。
もっと理解できたら、深い深い話なのだということだけは
わかるのだ。
それとも……ワタシがこんなに疲れてしまうのは、
世間一般的にいう温室育ちのせいなのかもしれない?
2004年02月23日(月)
コミック。『虹北恭助の冒険・高校編』

名作・はやみねかおるの虹北恭助シリーズ、高校編!
作画やまさきもへじさん。
ありー、もしかして、これはコミックが先なのか。
すわ!恭助が高校生!と思ったら、高校生なのは
響子ちゃんだけだった;^^
このやまさきさんの絵、個人的にはとても可愛くて
いいんだけど、どうも私の中の恭助のイメージと
いまひとつしっくりこないのだけれど…
でもサブキャラで出てきたミス研会長が面白すぎ;^^
しかし、コミックだとだーーーと読んでしまうので、
やっぱりもっと恭助の気持ちとか、ていねいに
活字で読みたい、かな。

かんけーないけど、どうしても
「にじきた・きょーすけ」と読んでしまうのだが、
ほんまは
「こうほく・きょーすけ」なのです。おぼえられん。
2004年02月10日(火)
コミック。『白亜館事件』

原作太田忠司さん、作画は大塚あきらさん。
例によって例のごとく、すっかりストーリーは度忘れ
してしまっていたのでよかった。
狩野俊介シリーズは、太田さんの作品ではイチオシ。
俊介くんは、完成された探偵ではないからだ。
見守ってあげたくなるのだ(笑)
気を付けないと、陳腐になってしまいがちなシチュエーション
もあるので、作画としては好みの問題もあるがもう一息かな。
まあ俊介くんがかわいいから許す。
コミック好きなので、コミック化されると読んじゃう。
確か短編もいくつかあったと思う。

まあでも絶対に不可能なやつもあるな;^^

原作の方、続き早く出てほしいのだけど………
2004年02月09日(月)
コミック。『歯なしの探偵』

二階堂黎人さんの探偵、渋柿信介のファンなのだが、
こちらはコミックス版。
コミックスは、絵柄の好みが合うかどうかが気になる
ところだけれど、作画の河内実加さんの絵はとてもキュート。
以前我孫子武丸さんの人形探偵もコミック化されていたけど
そちらもなかなかグーです。

さて、渋柿信介、本当に笑えるー。
もちろん小説もよかったけれど、コミックスにすると
作画とのギャップがすごくウケて、また違った楽しみ方
ができる。
ネタバレになるので多くは書かないが、ソンはしない。
2004年02月08日(日)
★浅倉卓弥。『四日間の奇蹟』

冒頭からかなり引き込まれて、一気に読み通した。
「このミステリーがすごい!」の第一回受賞作、らしい。
が……ミステリではないと思う。
よく言われているのが「ファンタジー」だ。
ミステリ、というので、最初その場所を訪れたシーンで
いろいろかんぐってしまったアホな私だった。
某有名作家のあの作品とネタがかぶっていることを当時
話題にされたらしいが、あくまでも私個人の印象で言うと
その有名作品はあまり心に響かなかったし、
こちらの方が好きだ。
それにしても、ある登場人物に感情移入が難しかった。
もし出来ていたら、さらに感動を呼んだことだろう。
だって、読み終えた時は本当によかったと思えたから。
クライマックスは見事だったし、終わり方もお約束かも
しれないけど、それならナットク、という感じだった。

ベートーヴェンの「月光」のせいかもしれない。
2004年02月07日(土)
★横山秀夫。『顔 FACE』

お友達のお年玉プレゼントでいただいた本。
先に、仲間由紀恵さんのドラマをちらっと見ていたのだが、
読み終わって思うことは「見てなきゃよかった」。
そう、まーーったく違いました。
先入観、恐るべし。
これは、あのドラマのようなのではなく、
平野瑞穂という1人の女性が、毎日些細なことで
喜んだり悲しんだり怒ったりしながら日々を過ごしていく、
彼女の等身大の思いを伝える物語だった。
あまりにリアル過ぎて、感情移入が苦しかったりする場面もある。
そういう意味では、乃南アサさんのキャラクター「音道貴子」と
私の中でリンクしたりもした。
が、警察という閉鎖された男社会の中でなんとか
突っ張りながらもがんばる瑞穂の姿がよく描かれていると思う。
彼女の抱えているものは少し特殊かもしれないけれど、
きっと婦警さんたちは毎日、あんな風なんだろうな。

最後が何か続きを予測させる???
2004年02月06日(金)
★篠田節子。『神鳥─イビス』

ずいぶん前に友人にオススメしてもらって、ツンドクに
なっていた本で、やっと読めた。
それにしても…後半は「鳥肌」が立った。
美しいものは恐ろしい、恐ろしいものは美しい。
ならば…小心者の自分は美しい物を追おうとはしないだろう。
この主人公のように、たくましく立ち向かうことなど
出来はしない。

なんというのだろうか、主人公の葉子はかなり男性的な
性格のせいだろうか、ホラーなのにベタベタ・どろどろして
いないような気がする。まとわりつかれるものが、人間で
ないからか。
とは言っても、逃れることが出来ない宿命にからめとられて
しまったのだから、これから一体どうなっていくの?という
余韻を大きく残して物語は終わるのだが。

今回読んだのは文庫なので、今度ハードカバーの装丁を
本屋にこっそり見に行ってみよう。
2004年01月10日(土)
By ちゃいむ

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