★森絵都。『永遠の出口』

読み応えがあった、と思う。
なぜなら、この短編ひとつひとつで充分にひとつの話として
成立し得るからだ。
連作短編集であって、そうでないけど、やっぱり連作。
「連作」なのは、もちろん主人公がひとりだから。
「そうでない」のは、それぞれに年代が開いているので、
それぞれの世代を描ききっているから。
しかし、思わず自分の小学校時代、中学、高校、卒業に
想いを馳せた。
そして、たぶんきっと、同じようにまったく違う世代を
皆が泳いで生きてきたのだろう。
もちろん、大人になっても人生の転機はいくつもあるけれど、
子ども時代の比ではない。

こんな風に、自分の人生を紐解いてみたくなった。
2003年10月12日(日)
★松久淳+田中渉 『天国の本屋』

一時期、大変話題になった本。
小さいので、新刊じゃなくなったら、埋もれてしまうのでは
ないかと心配;^^)
実際、図書館で探すのは骨だった。

さて、本嫌いの人におすすめしたい本だ。
そして、本好きの人にも。
読み聞かせ、というのは、もし母親なら誰もが一度ぐらいは
経験していることだろう。
私も実にたくさんの本を子どもに読んだ。
これにも出てくるが、「エルマーの冒険」などのように
昔から名作と言われているのに読んでいなかった本を、
子どもに読む事で初めて読んだことも多々ある。
「エルマー」はかなりはまったな。
当時凝っていたトールペイントに描いちゃったぐらいだから。
そう、子どもが目を輝かせながら続きをせがんで
毎晩のように読んでいたが、いつの日か子ども達が
自分でおはなしを読めるようになって、その習慣は途切れた。
それが、「天国の本屋」を読んで、とても残念に思われた。

私がもし、彼に読んでもらうとしたら、何を選ぶだろうか。

先日天国にいったおばあちゃんは、あとしばらく、
天国の本屋で本を読んでもらうのだな。
きっとおじいちゃんと一緒だな…

最後にくるくる、と回って閉じた物語が、ここちよかった。
2003年10月11日(土)
★光原百合。『時計を忘れて森へ行こう』

光原作品は、単独の本としては二冊目(と思う)。
前に読んだ「十八の夏」の中の短編に心惹かれて、もっと読んで
みたいと思っていた作家さんである。

今回の「時計を忘れて森へ行こう」の舞台は森。
その守人と彼を慕う高校生の語り手の彼女が主人公。

織り成されたたくさんの透明な言葉が、枯れた心に響いた。
「何かできるときに何かしてあげることは簡単ですが、
何もできないとわかっていて、それでも全身全霊をあげて
そばにいるのは本当に難しい」
「悲しみを癒すことは神様と時間にしかできない。
だけど苦しみを悲しみに蒸留することは、もしかすると人間にもできる」

もしかすると、私のアンテナはすっかり錆び付いていたのだ。
たぶん、大切な何かを忘れている。
涙が出た。
2003年10月06日(月)
図書館の本。

ううっあと一週間で読めるかなあ…
自信ない(T-T)
だってまた本屋に行って本を買っちゃったし。
この前のもだいぶそのまま返しちゃった。
そんなら借りるなよ、と言われそうだけど、借りたい衝動が
どうしてもとめられないのよー。
んで、借りて安心してしまう。あかんなあ。

というわけで、先週借りた本は以下の通り。

「時計を忘れて森へ行こう」光原百合←もっと読みたいこの人の本
「永遠の出口」森絵都←おおっ新作が手に入るとは
「行きつ戻りつ」乃南アサ←久しぶり
「天国の本屋」松久淳←また借りた、今度こそ
「捩れ屋敷の利鈍」森博嗣←こここんどこそ
2003年09月29日(月)
光原百合。『十八の夏』

光原百合さん、最近注目の作家さん。
アンソロジーなどで、何度かお目にかかったが、一冊の本は
初めて。
この『十八の夏』は確か推理ナントカ賞を取ったと記憶。
なので、もっとミステリミステリっぽいのかと思っていたら、
静かに粛々と物語は進んでいく。
時々、さわーっ、と風が吹きぬけていく。
そして「ああこんな感じなのね」と思いはじめた瞬間、
最後にがつんとやられた。←気づけよ
でも、嫌じゃなかった。
そうなんだ、そうなんだ、だからなんだ。
そしてその結末も嫌じゃなかった。
だって、これは「十八の夏」なのだから。

全4編の短編からなっているが、個人的には
「ささやかな奇跡」が好きかなあ。
金木犀、大好きだから。

光原さんの本を読破することに、決め。
2003年09月22日(月)
吉村達也。『平安楽土の殺人』

もう図書館に返してしまって手元にないので、思い出しながら(汗)。

魔界百物語の第二弾。
というか第一弾の話の内容をもう忘れていて、第一弾のときに
ちょびっと舞ちゃんと氷室先生が…ふふふふ。ぐらいしか
記憶にない。←タダのミーハー
で、やっぱり氷室先生に逢いたい、というだけで借りたこの
本であった。
名探偵のシリーズというものには、必ず「宿敵」が出てくるのは
どうしてだろうな、と思う。
氷室先生よりもお慕い申し上げている伊集院先生にだって
「シリウス」が出てくるし。
QAZという「宿敵」は、まだ氷室先生の前に姿すらあらわして
おらず、読者的には「もう待てへん!」というところまで
来ているのではないか。だから、後書きで、今後の展開を
かなり明かしているのではないだろうか。
このへんも、前代未聞かも…
だって全部で100も書くんだからなあ…

それにしても、あのひとがああなるとは思っていなかった。
まったくもって、容赦ないね。それがちと残念。
もちろん、そういう展開だからこその100物語なんだろうけれども
かなり今回は犯人側の邂逅が長くて、キツかった。
単なるミーハーだね、ワタシってやっぱり;^^)
でもでも一言。舞ちゃんでなさすぎ!!…あー、言っちゃった。
2003年09月21日(日)
お盆明けの図書館。

ああ…また読まずに何冊か返してしまった。
ワタシとしては大変に悔しいが、どうしても時間がとれなかったので
仕方ない。
こーゆーダラダラと忙しい生活をなんとか改善して、やっぱり
大好きな読書の時間をこれからはちゃんととりたいな…
(希望的観測)
本当は、発行を始めたメルマガにも、ちょびっと読書メモなんぞ
載せようかと思ってもみたけれど、今旬の本を読んでいないから
あかんわなあ…。
というわけで、今回誘惑に負けて借りた本は以下のとおり。

「悲しいとき」←本出てたのね。(遅いってか)
「平安楽土の殺人」←氷室先生に逢う!
「捩れ屋敷の利鈍」←犀川先生に逢いたかった…なんで出ないの?
「らせん階段」←女性作家アンソロジーにこってる。
「天国の本屋」←今頃、やっと見つけた!
「ブッタとシッタカブッタ」←これもやっと見つけた
「ゲームの名は誘拐」←タッチの差で「手紙」を奪われてしまったっ。
2003年08月20日(水)
By ちゃいむ

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