★森博嗣。『議論の余地しかない』

久しぶりの森さん。実は、犀川先生があまりにもキョーレツすぎて
ぼーっとなってしまい、次々とシリーズを買い漁っていた反動が、
Vシリーズの拒絶反応になってしまったようで(苦笑)。
「黒猫の三角」からずっと、先に進めないでいる。
そのへんは少し語りたかったりするのだが、本題とは関係ないから
次にしよう。

この作品は、不思議な本だ。
今までの森作品の中の「名語録」とでも言おうか。
しかも、その名語録に、森氏自ら解説と写真をつけていて、
写真だけの目次には写真だけのタイトルもあったりする。
もともと、森作品に惹かれたのは、その「語録」の不思議さだ。
フツーの人の言葉とはちょっと次元が違う。うまく表現できない
けれども、「これが理系の人の考え方なのか?」と思った。
哲学を理系でアプローチしたら、こんな風になるのかな、と。
うん、理系の詩人という感じかなあ。
そして、その言葉たちは超文系の私にとっては斬新で、
とても魅力的だったのだ。

なんか一所懸命読んでた頃が懐かしい。また借りてこようかな?
2003年08月11日(月)
★菅浩江。『アイ・アム I am』

舞台は近未来。主人公はなんと介護ロボットだ。
時折海底の砂のように舞い上がる記憶の断片を探して、主人公は
自分探しを続ける。

生きていくことの現実を突きつけられるのは、やはり「病気」
を身近に感じるときだ。
なんだかんだ言っても、私たちは自分の頭で物を考え、自分の足で
歩き、自分の目でものを見る。
だがたとえば障害を持ったとき、いかに自分を生きるか?
命の残りがわずかとわかったとき、どのように過ごすのか?
そんな現実を見るたびに、自分の心構えの甘さを思い知る。

つらかった。彼のことを思い出す。
主人公ミキは自分の記憶の彼方にたどり着くが、彼がそうできるとは
思えない。なぜなら…いや、やめておこう。
それを今考えることは無意味だ。
回りが勝手に何を定義づけたとしても、本当の気持ちは本人にしか
わからないのだから。

途中から筋は割れたけれど、それを優しくカバーする主人公の
回帰が心地よく話をまとめる。
2003年08月10日(日)
夏休みの図書館。

そんなに読めるん?といわれると困る。
とりあえず読みたい本を借りてきたわけだが、こういうのは
だいたい衝動買いならぬ「衝動借り」である。
まあいいや。夏休みだし。
って、ワタシには夏休みはないんだった(苦笑)。

というわけで、借りてきた本は以下のとおり。
「紫迷宮」→女性ミステリ短編アンソロジー第四弾
「議論の余地しかない」→エッセイだけど久々森博嗣
「Miss You」→柴田よしき。青い装丁にふらふらと
「ドリームバスター2」→1読んだからね、やっぱし
「アイ・アム」→菅浩江さんのホラーか?
「平安楽土の殺人」→いつの間にか出てた魔界百物語
「贄門島」→やった!と思ったらなんと下巻だった!ショック〜〜〜
2003年07月31日(木)
★恩田陸。『麦の海に沈む果実』

これは『三月は深き紅の淵を』なくては語れない。
もしくは、なくても語れる。
完全にひとつの独立した話だからだ。
『三月は深き紅の淵を』は一枚のカードに過ぎないが、
もしそのカードの内容を知っていたら、
よりトランプが面白いものとなっただろう。
さっそく自分の感想を見に行ったが、
「三月の話にはかなり心惹かれた」とある。
ひゃー、カンペキに忘れてるって(汗)。

赤川次郎ぽい正統派学園ホラーものか??と思いきや、
やはりあっさりと何度もやられてしまった。
最初の抽象的な部分を少しだけ我慢すると、どんどん先に
読み進める。
読みが浅いからしょうがない…のだが、
最後はかなりのダメージだ。はー。
かすかに残る、『三月…』の印象とそぐわない
主人公のイメージの意味が、最後になってわかった。

物語とは関係ないけれど、挿絵も雰囲気あって
なんか怖いんだよねえ…
2003年07月24日(木)
★菅 浩江。『夜陰譚』

菅作品、2作目トライ。9つの短編集。
どちらかといえば、ホラー系かも。
初出誌を見たら、うち4作が異形コレクションの作品だ。

どこか抽象的な怖さで、ひたひたと迫る感じ。
SF作家としても名を馳せているのがわかるような気がする、
まるでどこか別の世界のような独特の雰囲気がある。
特に表題作「夜陰譚」はそれが顕著だ。
そして、どれもが救われない世界かもしれない。
未消化のものもあったのは、私が現実に留まって
トリップしきれないせいだろう。

その中で、一番オーソドックスな展開「つぐない」。
これはありうるかもしれない、という怖さ。
「雪音」は、まさにその似たような世界に身を
置いているだけに、なにかつまされるものがある。

だけどやっぱりホラーは後味が…
こ、怖いよー。
2003年07月23日(水)
アンソロジー。『勿忘草』

漢字だけだったら読めそうでよめない勿忘草=わすれなぐさ。
その花言葉は「わたしを忘れないで」。
純情ではかない恋心とも言えるが、意味を返せば
その想いの深さがちょっと怖かったりもする。
女性作家8人のアンソロジーは、そんな恋愛ホラーと
一言で言ってしまうのにはもったいない、複雑な愛の形の
結晶だ。

一番印象的で怖かったのは森奈津子さんの「人形草」。
タイトルだけでなにかおぞけが…
結末が意外だったので、よけいにするりと心のすき間に
入ってきた。絶対夢見そう!

そしてやはり、不思議ワールドを保っていたのは加納朋子さん。
うーん…でもやっぱしそれは怖いかも。
ネタばれになるので、かけなくて申し訳ない。

「レンアイ」という言葉から遠ざかって久しい。だから、
本当は女は怖いってこと、たぶんダンナは知らない(笑)。


2003年07月08日(火)
ご無沙汰図書館へいく。

図書館、何度も行っているのだが、なかなか本を借りられないで
いた。
「どうせ読めないんだから」と投げやりになっていたのかも。
ここんところ、読書のペースがガタ落ちで、とてもじゃないけど
「本に関するHPスペース有り」とは名乗れない状況が続いている。
しかし…借りるだけで楽しかったあの気持ちを思い出そう。
読めなくてもいいじゃん?と今日は開き直って、数冊借りてきた。

というわけで、本日借りた本は以下のとおり。
「麦の海に沈む果実」恩田陸。←「三月は…」はやはり気になる
「夜陰譚」菅浩江。←二冊目
「勿忘草」アンソロジー。←怖いかな…
「飾って楽しむ観葉植物」←ハイドロ調べ中
「超入門メールマガジンの作り方」←ほんまに作るかも
2003年06月22日(日)
By ちゃいむ

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