★菅 浩江。『歌の翼に』

サブタイトル、「ピアノ教室は謎だらけ」。
ひさしぶりに衝動買いした、このタイトルで。ははは。
今までこういうのは読んだことがなかったから。
ピアノに関連するミステリとしては、昔内田康夫の
「盲目のピアニスト」を読んで以来か。
菅浩江さんは、ミステリ作家でもあり、SF作家でもあるらしい。

それにしても、「ピアノ教室は謎だらけ」と、ほんわかした
その表紙にうっかりして、軽い連作読み物かと思っていたら、
最後にすっぱりやられた。
もちろん、それまでのお話も、子どもたちの描写や心の動きなどは
「日常の謎」にひとくくりには出来ない細やかさがあって、
時には高く、時には低く音を奏でて、心にすっと入ってきた。
ああ、そういえば私の時は…などと懐かしい匂いを運んでくれて、
しばしそれに浸ったりもしたのだ。
最後の傷を癒すラスト章が素晴らしいだけに、その前の章の急展開が
あまりにも自分的にキツいが、逆にそのキツさがあるからこそ
最後の章が生きる、ともいえるのだろうなあ。
人間、いろいろな痛みを抱えて、それでも一所懸命生きているのだ。
2003年06月21日(土)
★平岩弓枝。『御宿かわせみ』江戸の精霊流し

シリーズ最新作。ちょうどドラマもやっていたので
タイムリーなのかも。
でも、最新作はすでにもうぜんぜん人物関係図が違っているので
ドラマから入った人にはわからないだろう;;^^)
8編の中で、一番好きなのが「北前船から来た男」。
一冊にだいたい一編ぐらいの割合で、源太郎・麻太郎ペアに
花世、のプチ捕り物話が盛り込まれているが、
少年少女たちはいいのう。
本当にまるで、源三郎と東吾さん、って感じだよね;^^)
血は争えない。
これにいつ千春が加わるのかな?

今回はあまり派手な捕り物や立合いもなかったから
ちょっと大人たちは影が薄かったかも。
まあ、シリーズはキャラクターを楽しむものだと思っているので
自分的にはこれでいいのだ!
2003年06月03日(火)
ドラマ。『日蓮伝説殺人事件』

ドラマ・浅見シリーズの中村光彦さんで3作目(TBS)。
中村くん、だいぶ板についてきたねえ。つうか、さわやかすぎ。
若すぎ。でも許す。かっこいいもん。
ぼーっと見惚れておったのだった。
フジの沢村一樹さんもいいけどねー。
中村くんに変わって、前作の女優さんが特にあんまりな演技
だったので、いったいどうなることかと気をもんでいたが、
今回の菊池麻衣子さんは上手だった。
ちと、原作とは性格が激しく違ったようだったけれども。
他の役者さんもけっこう粒ぞろいだったように思う。
名もない漁師役の人の舞台張りの熱演には、思わず見入って
しまったほどだ。だめだよ目立っちゃ。
でも役者さんたちには、今回は異存なしだった。
それなのに、それなのに・・・今度は脚本が!
ドラマを見ただけではあまりわからないのかもしれないけれども、
あの謎解き行脚はちょっと観光地にかこつけていて強引だ。
結城一族のすごさもあまり伝わらないし、日蓮の謎との結び
つきがイマイチピンとこない。
それに・・・それに・・・塩野さん、なんでポケットに極太マジック
いれとんじゃー!
なによりも、もう一度原作を読み直してみて
「なぜあのドキドキシーンがないのじゃ!」
・・・うっ、まあこれは置いておこう。しょうがない。
ラストもびっくりしたなあ。
まあ、ラストは小説の方にも煮え切らないものがあるので、
苦し紛れという感じかなあ。

こき下ろしてごめんだけど、これでもワタシはアサミストです。はい。
2003年05月19日(月)
★内田康夫。『日蓮伝説殺人事件』

順序が逆になってしまった。
本当は、ドラマを見る前におさらいしたのではなく、ドラマを見たあとで
復習したのである。だいたい、こういう手順を踏むことが多い。
先に原作を読んでおくと、先がある程度見えてしまってドラマが楽しめない
からだ。原作はまったく頭から消えているので、ドラマを純粋に楽しんで、
それから原作を読み、「ここ違うじゃん!!」と重箱の隅をつつく。
・・・いやな読者(爆)

また前フリが長くなった。
ドラマで、あまりにも謎解きが強引だったので、いったいほんまはどう
やったのか、という疑問がふつふつと沸き、本当にひさしぶりに読書を
した。なんと、『日蓮伝説殺人事件』は上下巻!本棚の奥からようやく
引っ張り出したときに気づいた;^^)
読んでみて、やはり小説はよろしい。細かい伏線があってこそ、数々の
謎解きへの滑らかな道筋にいざなわれるのだ。
それにそれに、びっくりしたよ、浅見さん〜。あんなことがあったのね。
ひょーひょー。それなのにどうしてこんなところで終わるの?と
そういえば初めて読んだとき、思ったような気もする。
いくら浅見さんが恋に臆病だとは言っても、そこまで心を動かして
いたのに、あれで終わりはないよねえ。2人ともかわいそうだ〜。
お別れするにしても、きちんと書いてあげないとー。

でも、久しぶりに浅見さんの新刊が読みたくなったな。
あっ、浅見さんのじゃなくて、内田康夫の、だった(爆)。
「浅見、ついに年貢を納める!」なんて帯の本が出ないかなあ。
2003年05月18日(日)
ドラマ。『動物のお医者さん』第一話

もー、楽しみにしとったのですわ。
なんたって原作の大ファンだし。これでハスキーにとり憑かれて
ほんまにハスキー犬を飼ってしまったという前科アリ。
(でももう天国に行っちゃった・・・ぐすん)
ワタシとしては、あの難しい「動物のお医者さんワールド」が
いったいどのようにドラマになるのだろう?と期待半分、
役者さんに同情半分、だった。
喜怒哀楽があってこそ演じやすいんだもんね。

一話を見て、感想は、「まあまあ」かな。
特に二階堂はかなりおいしい。それと、漆原教授も・・・
江守さんはまりすぎ。タカの岸田今日子さんもブキミでよいわー。
しかし、原作を知らない人にあの世界が通じるのか、という点では
疑問も残るね。「演技下手?」って思っちゃうかもね。
でも、ああいう世界なんだよ、原作読んでよ!って感じかな。
普通原作ものは復習しないでのぞむのだが、このドラマに
限っては復習してもいいかも、という気持ちがちょっとある。
いや、マニア向けだわ;^^)

チョビの顔の模様がほとんど同じでたまげたが、これは
探すのに苦労したらしい、と聞いた。そりゃそうやろな。
あそこまで怖い般若顔ってなかなかないわなあ。

次も見る!!
2003年04月20日(日)
ドラマ。『御宿かわせみ』

一応原作ファンなので、見るつもりだったのだが、あれよあれよと
日がたってしまい、結局初めて見たのは第4話。
だいたい、最初にはまったのがむか〜しのNHKの連続ドラマで、
あれはかなり丁寧に長丁場でやっていたように思う。
ドラマを見て、原作を読みたいと思ったので、ワタシの中では
いつもるいは真野響子だった。
その後、数年前にTBSで沢口靖子と村上弘明で数話をやり、
今回NHKでの高島礼子と中村橋之助である。

いやあ、それにしても・・・
東吾様が・・・・すげえ江戸っ子!!!びっくり〜
それに、次男坊なのにちょんまげじゃん。
いや、イメージ的にやっぱり勝手にちょんまげじゃないのよなあ。
時代考証的にはちょんまげなのかもしれないけど・・・;^^)
どうもワタシの中では、るいは結構しっとり姉さんの高島さんと
重なるけど東吾様が重ならないよ〜(涙)。
だがやはり天下のNHK、ドラマ作りはしっかりしているように
思った。それに、映像がちゃちくない。

まあ、お兄様は草刈正雄なら、美形なのでTBSよりは。
でもでもでも、畝さまとか宗太郎とかの配役が、TBSは素晴らしかった
ので、ちと不満が残りますな。
畝さまはともかく、いったい宗太郎は誰が??

「水郷から来た女」は、まだ以前TBSでやった方の記憶も新しいので
やっぱり比較してしまう。
解釈が違っていたのも面白く見た。

・・・やっぱり次も見よう。でもせっかくNHKでやるのに、
なんで9話で終わりなの?ううっ。
2003年04月19日(土)
★近藤史恵。『天使はモップを持って』

衝動買いの一冊。一番最近買ったのに、一番先に読んでしまった
(つまり、数々かずカズの未読本がいっぱいあるよぉという意味)。
ビルのお掃除を仕事にする女の子と、新入社員がオフィスに
発生する事件(というか謎)を「お掃除」する。
そういえば、なんかお掃除の人が活躍するドラマがあったなあ・・・
しかし、たとえべたべたな帯文字を読んでも、
(たとえば「いかした名探偵」とか「オフィスの謎」とか)
ワタシはこういった職業人が主人公なのが好きなのだ。
今となっては使い古された感じがある「日常の謎」という言葉に
埋没しないだけの、ひねりのきいたストーリーと、謎の真実。
そしてそして、かなりマジでお掃除が苦手なワタシへの、
痛烈なアプローチ;;^^)
ああああ。ワタシにも天使が舞い降りてこないかな。
(とっても切実)

ネタばれ→おしいのは、最終章がちょびっと
懲りすぎたのかも、と思ったこと。でも、作者が謎を謎としない
ことを意図していたのなら、やられたかも。
そう、作者がふたりのシアワセを願わないはずはないのだから。
2003年04月08日(火)
By ちゃいむ

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