好きな作家だが分厚いので、図書館にあるのは知っていたが ちょっと敬遠していた(分厚いのは苦手)。 だが、本屋で文庫が出ており、裏表紙のあらすじが面白そうだったので これは読まにゃおえんと図書館で借りる。 事故によって嗅覚が目覚めるという話だが、その視覚的なイメージが なかなか斬新だった。慣れるまでちょっと時間がかかったけれど。 以前、東野圭吾さんの「虹を操る少年」を読んだとき、その後書きに 井上夢人さんが「似たような素材の話を書こうとしていて」ショック を受けたと書いていたの思い出した。 「虹・・・」は聴覚だったけれど、その時井上さんが考えてたのは この嗅覚だったのかな、なんて思ってみたり。 嗅覚についての様々な理論?や分析が実に面白い。匂いは確かに今まで下等な 感覚として捉えられすぎていたのかもしれない。それが本当はこんなに 美しく、嘘をつかない感覚だった、と言われれば、見てみたい、と 思う。一体自分はどんな「匂い」を発しているのだろう? 犯人のイメージがちとつかめにくかったのは残念だが、それをさし ひいても充分楽しめた。 |
2002年07月01日(月) |
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