2006年04月13日(木)
透明な鬱屈
しばらく天気の悪い日が続いていた。 どこか鬱屈した自分を自覚していたが、自覚だけではどうにもならず。部屋の中で一人、面白くもないゲームをしていたりする。ときどき、こんなことをしている場合ではないことを思い出すのだが、それでも体は起きあがらず。 ひょい、と雲の隙間から陽が射し込んだ。 それに気付いて、薄暗かった部屋が明るくなって、ああ、今のうちに洗濯をしておかないと、といそいそと起きあがる。
太陽は、偉大だと思う。 ただそれだけの話。
2006年04月03日(月)
花散らす
雨が降ったかと思ったら、次の日は風が吹き荒れている。 窓の向こうでは桜の花びらがくるくると風に乗って舞っている。舞い狂っている、とでも言えるくらいに。天気はいい。青い空を背景にして、淡い桜色のそれはくるくると舞い狂う。 花が散っていく。
私が生まれ育ったのは桜並木のある川辺で、だから桜の花にはどこか思い入れがある。犬の散歩のときに、土手を歩いていて振り返ると、どちらかというと汚いはずの川面に青空と桜が映っているのが見えた。 もうその風景は失われている。
大学の正門へ向かう道には桜並木があった。 はらはらと散りゆく桜の下を歩いて、どこか華やいだ明るい気分になった。もうその頃には、失ったものもあったけれど、それでも、桜色に染まった空気に包まれているとそれを忘れられるんじゃないかと自分をごまかせた。
大学院の頃は、桜を見に出かけていった。 隣にいた人はもう遠い。その遠さになれるまでに数年かかった。
夫は桜で有名な場所に暮らしていたせいか、近所の桜にはそう気を向けない。結婚して一、二年目の春は手を繋いで散歩に出かけたりもしたけれど、忙しい夫にその余裕はないようだ。ただ、二人で買い物に出たときなどに桜の下を歩いて、咲いているねと笑いあう。 のどかに、ただ平凡に、二人で笑う。 結婚し、そんな日々を過ごして丸三年が経った。
時間は経つ。 どうしたって時間は経つ。 それは残酷なときもあるけれど、それでもたった一つの救いだとも思う。
花散らす風が吹き荒れている。
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