xxxxxx 表面張力(仮)

虚実入り乱れても記録
20010802--



2005年02月22日(火)

当時の私は私の中に放置されたままその空洞を抱えていたけれど

 落ち着いた。その事実に対する驚きと、以前から気づいてはいたけれど改めて目の前に突き出された自分自身の感情の揺らぎから、ようやく、静かに。


 まだ大学院に残り、博士を目指している友人からのメール。
 奴が結婚することになった、という現実が淡々と書かれていた。
 相手はその大学院の職員だが幸いなことに私の知らない人で(彼のメールに名前がないということはそういうことだ。彼はとても律儀だから私の知人なら確実に知らせてくる)、また身近な人ですかまあよかったねえ、と思いつつも結婚というある種の結果を決意した奴を考えて、ぐらぐらした。

 私の時には結婚はおろか、恋人という位置にすら私を置くことを躊躇い、嫌がったのに。

 そう。
 当時の私は私の中に放置されたまま、いまだにその空洞を抱えていた。その自覚はしていた。しかし今の私は夫との生活に満足し安定し、その空洞があろうとも前を見て歩いていける。そして空洞などそれだけではない。私はそれらを抱えてもきちんとやっていける。それはできる、できるけれど。
 奴との関係で空いた穴は奴にしか埋められないのか、ということにしみじみと感じ入る。そう簡単にはいかないらしい。自分の人間臭さを実感し、苦笑いを浮かべるしかない。
 当時の私は、奴に認めてほしかったのだ。
 現在の私は別に奴に愛されたいわけではない。特に連絡をとりあうこともなく、友人という関係にもなれなかったけれど「そういうもんだ」と考えている。現状に特に不満があるわけではない。ただひとつを除いては。
 延々と奴のことを待っていそうだった私が諦めたことに対して(そしてさっさと別の相手と一緒になったことに対して)、後々からで構わないから悔やんでほしかった、ていうか目の前で悔やんでほしかった。君がいなくなって寂しかった、と一言でいいから言ってほしかった。
 ・・・という、とても惨めで情けなくみっともない人間の低さを感じさせるけれど、それでも否定しきれない思いであった。

 自分でも情けないと思う。僻み嫉み妬みとか、どうにも粘っこい暗い感情が微妙に絡みつくそれを私は捨てきれなかった。さすがに、奴の不幸を願っているわけではない。どうにも不器用な奴にとって、伴侶が見つかるということはとてもすばらしいことだし、それは本当によかったと思う。見つかればいいと願っていた。
 けれどしかし、反面、本当に反面なのだが、前述した思いを抱いてほしいと思っていた。ああ本当に、自分って面倒でややこしく、ひどく自己中心的で醜いものだと自覚させられる。何度、こういう自覚を繰り返すことになるのやら。

 男女の問題で(いや、人間関係でと言うべきか)、どちらかが一方的に悪いということはそうないことだと思っている。当時の私たちの関係も、私がああだったから奴がこうだった、とある程度はわかっている。当時の私ではあれ以上のことにはならなかった、あの関係はその結果だ。そのこともわかっている。
 それを踏まえてそれでも、反射的に感じてしまう心の貧しさよ。
 精進精進、と思うけれどそれがなかなか難しい。人間的に成長したいと思いつつ、自分の中の泥沼に足をはめたりとなかなか進めない。ぼこぼこと空く空洞に気を取られて、前に進むことを忘れてしまう。
 これから先も泥沼だらけだろうし、空洞なんて埋まらないまま、いくつ抱えるかも分からないくらいに抱えることだろう。そんなものだと思う。私など、まだまだだろうに。
 それでもそのたびに驚いたりするのだろうな、と思う。


 驚いてぐらぐらしたまま夫の隣にいて、ゲームに興じる夫を眺めている。夫が楽しそうにその面白さを私に語り、私はそれを楽しく聞いている。
 この日常を、とてもとても大事に思っている。そしてよかったと本当に。


2005年02月16日(水)

それは首を絞めるだけだと

 冷たい雨が降っている。どうにもこうにもやりきれないのはホルモンバランスのせいだとわかっている。だから淡々と、何も考えないようにして動くしかない。静かな室内に微かに届く雨音。
 先日、姉と話していて初めて話す「考えていたこと」。でもこれは自分自身の問題。多分、私は過剰な期待をもちすぎるのだ。大雑把な性格の癖に、いらない部分は几帳面なまでの完璧主義。それは首を絞めるだけだと知ってはいるのに、いまだ私はわかっていないのか。


2005年02月03日(木)

冷え切っていた

 布団の中で夫と眠る。私があまりに寒がるので夫はその暖かい体をぴったりと私に寄せてくる。そうして熱でもあるかと私なら思うような手のひらで私の腿に触り、冷たい、と少し驚いたように呟いてエロティックな湿り気のない暖かさで規則的にさすってくれる。私も自ら確かめてみるが、腿は見事に冷え切っていてひんやりとしている。
 昔からそうだ。自分でも気づかないうちに芯から冷えている。
 こうやって書いていて、ふと、こんな同じようなことを別の日記に書いていたことを思い出す。その頃に暖めてくれたのは別の人。そういうこともあったねと、思い出すことすら少なくなった別の人。あの頃は、本当に常に冷え切っていた。どこかを何かを求めながら、しんしんと冷え切っていた。



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