2002年07月30日(火)
記憶の底に沈んでいく夕暮れの空
一年前の日記を読んでいて,直後に恋人からのメールを読んで,涙がでた. なんて時間はあからさまに流れ去ってゆくのだろう.
怖いくらいの夕暮れの空を眺めて一人の人を思いだし,一人の人を想う.現時点での私の立ち位置はここだ.確かなのはここ.先のことは分からないし,過去のことは記憶の底だ. けれど,なんとなくだけど思う. 多分,あの屋上での時間のコトは忘れないのではなかろうか.
これは確かなことではない.これまでだって何度もそう思った出来事はあり,それらの多くは記憶の底に沈んでいった.けれど,そう思うようなコトだったと,現時点で思っているのは確かなことだ.それでいい. それでいいのだと思う.そうやって積み重なっていく.
日常は流れ去っていく.
2002年07月29日(月)
避難場所
理由があると,簡単に安易にソコに逃げ込む. 自分のそういうところがとても嫌いだ.安易で脆弱.
ちょっとした哀しいことはとても便利.「ああたいへんだね」と誰からも言ってもらえるようなコトだ.それはとてもお手軽なヨロイになる.使用方法はとても簡単.ちょっと辛いことがあったときに「だってこんなことがあったんだものだもの.だから仕方ないの弱いのかわいそうなのなの」と自分に言いきかせればいい.それだけで心が軽くなる.目の前の辛いことを直視しなくていいからだ.考えなくて済むからだ. なんて安易で単純で. 問題はいつまでたっても解決せず,根本的な躓きは放置されて腐り異臭を放ち,自分自身はただうずくまってぼんやりと,深い思慮もなく建設的な模索もなくただぼんやりと.
反吐が出る.
恋人は多分,ないはずはないだろう痛みを堪えて私を待っている.日常には噴き出してはこないけれど,不安や心配はないはずはない. 私は恋人を選んだ.一緒に前を向いていこうとする人に,家族でも友人でもなく,恋人を.それは躓いたモノの種類にもよるだろうが,とにかく選んだのだから. 逃げ込まないでいよう. その存在は確かにあるが,それでも.
あんな当然でありふれていたコトでも,躓いたことは紛れもない事実だ. まずはそこから逃げるな.
夏. 存在感の確かな青空.何か懐かしくなるような宵の闇.花火の音.風鈴の音.蝉の声.うだるような空気.ビールの泡. 私は夏を楽しむ.この季節をきちんと味わう.恋人と一緒に楽しむコトに決めている. ちゃんと生活していこう.そうしたいんだ.
2002年07月26日(金)
許されたい人
久々に好きなサイトを訪れたら,掲示板がなくなったなりに論争(とはいかないか?)が起きていたらしい.そうなんだ,びっくり.あ,いえ,それは別にそのサイトのことではなく,おそらくはテキスト庵に登録しているサイト間でのことなんだろうけれど(全体を追っていないので定かではないが). 価値観とかの問題に発展しているのか,な?どうも最初は「相手の価値観を『許せるか』」という事から始まったようだけれど,この『許せるか』という言葉に引っかかった人もいるということか. 好きなサイトの方も書いておられるけれど,確かにその言葉の背景etc.は人によって大きく異なりそうだ.
で,こうやって書いているあたり,私も(共感なり反発なり)引っかかっているということだけれど.
私は「価値観」を「許す」という使い方はしない.が,なんとなくその「許す」を選ぶのは分かる気がするので特に反発もない.曖昧な書き方をしているのは,特に深く考えもせずに反応だけで書いているので断定できないからだけれど,そう簡単に断定できない,という言い方もできるか.
閑話休題.
何故「分かる気がする」のか.ふと思ったが,なんというか,認められない価値観・過去・その他を持っている人もいると思うのだ.そしてそんな人を大事に思ってしまう事もあると思うのだ.認められない,どうしても認められない.そんなコト. そういうとき,どうすればいいんだろう. 多分,私はそういうときに,認められなかろうがなんだろうが,丸ごと呑み込む,というコトをすると思う.また,相手にとって私がそんな認められない部分を持つ人間であった場合には,相手にそれを望むと思う(おこがましくて言えないが).
そのことは,少し「許す」という言葉に近いと思うのだ.
しかし,今でも自分の定義は曖昧で,「許す/許される」「認める/認められる」「受けとめる/受けとめられる」等の言葉の間にはっきりとした違いがわからない.感覚的に違うことはわかっているのだが言葉にできない. 言葉にならないということは形がないということだ.私の中では混沌としている.
何故に反応したか,についても透けて見えていることと思うが.
ああちきしょう.痛い人だよ,我ながら.痛いよー痛いよー.自己憐憫とか自己陶酔とか責任転嫁が透けて見えて,ホントに痛いよ俺. どうしてこう淡々と日々のことを書いていられないのか自分.
あと. 勝手に割り込んできて勝手に書いて,しかもリンクとかしていなくて,ホントにホントにごめんなさい.えーと,不快に思われたらごめんなさい.登録の言葉は,一応,引っかかるようにしてみたんですけれど. リンクは今はちょっと面倒なんで,環境が楽になったら訂正しますです.はい.
2002年07月23日(火)
いくら食べても負けるときは負けるらしい
暑さに負けている.
もうだめだもうだめだと呟きつつ棟の間をふらふらと歩く.海際は予想以上に光線が強い.空からと,おそらく照り返しと. 海の側で暮らすのは初めてで,色々なことが私の考えを上回っている.
日曜の食事は鰻(昼)と焼き肉(夜)だったのに.何故にこれだけ怠いのか. 不思議だ.摂取した栄養とスタミナを全部使い果たしたか?
2002年07月19日(金)
一週間
気持ちの悪いことに出会うしそれが原因で恋人と喧嘩をするし仲直りをすれば毎日会うので忙しいのが加速するし仕事はどんどん忙しくなるしフィラメントは最終日に切れるし. なんという忙しい一週間だったろう.やっと終わる. こんな慌ただしい中,一つ年をとることになる.成長したのかよくわからない.どうなんだろうか.日記をつけているというのに,その中に書き記していることを振り返ると,成長していないように思えて仕方ない. どこかに明らかな変化はあるのだろうけれど.それがプラスの方向であるといいと心から思う.
-----------------***----- お知らせです. 私は「海棠」としてはWeb上のメールを使っているのですが,ついこの間,全てのデータがふっとんだそうです. 去年の秋から頂いていたメールは全て消えてしまいました.保存をしていなかったのでございます.後悔しても遅いのですが,後悔しています. これまでメールを下さった皆様方,申し訳ありませんでした.おそらく御返事は全てしていると思いますが,ふっとぶ直前に下さった方がいらしたら,申し訳ありませんがもう一度お送り下さると嬉しいです. お詫びと御連絡まで申し上げます.
2002年07月16日(火)
滴る
朝,眼鏡を忘れて家に戻ったためにずぶ濡れになっての出勤となった.バスから駆け下りて自分の部署のある棟に向かったが,玄関に飛び込む頃には髪の毛から水がぼたぼたと滴っていた. 遅れるとメールを入れておいた同僚君曰く,水も滴るいい女,の様だそうな. 言われても嬉しくない.
作業服で丸一日.服はどうにかこうにか着て帰れる程度には乾く. 逆に,気分の重くなるようなことがあったためワタシの心はじっとりと腐っている. 人を疑うのはよくないのかもしれないが,裏があると考えて穏便にすますことは大事だろう.そう言い聞かせて距離をとる. 最悪.台風一過の青空なのに,どうしてこんな気分に.
夏は哀しくなりやすい. なんてなんてなんて.
2002年07月12日(金)
ながいながい夜
秘書さんにタクシーチケットを貰い,本日は明け方まで分析をする予定だった.ええ,『予定』でしたのよ. あああああちきしょう!またやりましたわよ.ああやったさ.でも私のせいじゃないさ. フィラメントではなくってよ.分光結晶のモーターが多分おそらくきっと以下略!分析できないことにはかわりない!いろいろいじればどうにかなるかもしれないが,どうにもならないかもしれない(もしくは更に悪化する)のでもういい! つうか,ここまで書くと,どんな機器を使っているのか分かるでしょうね.使っている人には.ええでもかまやしなくってよ.どうせいろんな分析に使われているモノだしね.ははは………ふう.
分析機器は大学院の頃から相性の悪かった***(機器名).でも最近はっつうかこの会社のモノとは何の問題もなくて「あらやっぱりあの大学のと相性が悪かっただけなのねん」などと浮かれていたのに! 職場の先輩に「切れないかなー」と言われても「調子いいっすよん」と言い返せていたのに!いたのに!
どうしてどうして,そうくるかなカミサマ.
分析の合間にするつもりだった仕事を片づけて,さっさと帰宅することに変更された,長い(はずだった)夜の予定.
2002年07月11日(木)
台風一過の朝
台風一過の朝の空は見事に晴れ上がっている. 昨夜,根性で我が家に来た恋人と一緒に出勤し,駅前で名残惜しげに別れた.私は少しだけ遅刻をし,彼は午前中を休みにした(そういうことのできる制度のある会社らしい). 私達は体力の限界に挑戦するかのように逢瀬をかさねる.根性!とか気合!とかの言葉が並びそうだ. 時々,昔の関係を思い出してはおかしくなる.当時の私達にはこんな未来は想像の範疇外だった.甘い言葉を囁く彼を知るよしもなかった. なんて流れゆく日々は.
仕事は忙しい. それ以上に苦手な同僚への苦手度合いが上がっていく.世の中には当然あることなんだけれど,それでも苦手なモノは苦手だ. 今度,イヤホンを持ってこよう.
姿勢正しくいたい.
2002年07月08日(月)
凡人の心得
グランドで同僚達が,Dさんに(強引に)誘われてキャッチボールをしている.こちらの部署の参加者は仲がよく,結局楽しげにボールを投げていた.Dさんの位置はちょっと微妙なので少し不満?なご様子. 彼らが仲良しなのは同じ部署である私にとってはありがたいのだが,もう少し輪を広げようって,な.少し子供っぽいところがあるから,なんだかんだで夢中になっているのだろう. ボールを受け止めることが不得手な私は,「マネージャー位置」で空をぼんやり眺めていた.どうせ少し眺めているだけのつもりでついてきたし. それにしてもきれいな,宵闇にじわじわと移りゆく空.
彼らをグランドにおいて,自分の棟に戻りつつ聖歌を口ずさむ. カトリックの学校に通っていた頃からの癖.
今日一日の作業がうまくいかなくて疲れだけが残ってしまった.取り返せる事ではあるが,単に一発で成功しなかったのが悔しいだけ.少しふてくされている. 同期の同僚君は何でもできる.あんたはスーパーマンだよ,ってなくらいに. 彼の横にいて,少し焦る.大学院の頃から知っている.完全な能力の差をよく知っている.肉体労働も頭脳労働も,様々な方面で. 社会人3年目の恋人は,会社という場所はスーパーマンが一人いればいいってものじゃない,と落ち込む私に言う.そうなんだろう.そうなのかもしれない. でも,焦る.少しだけ特殊な場所にいることをわかっているから,余計に. 期待されていることが,どれだけ大変なことかわかっているから.
速攻の成果と成長を期待されているわけではないこともわかっている.だからコツコツと仕事をするだけ.覚えるべきことを一つずつ覚えるだけ. 手に入れよう,必要な技術を.それが最初にするべきことだ.
2002年07月03日(水)
LUCKY STRIKE?
恋人が吸っている煙草のパッケージが結構好きだ. これらのデザインは,格好いいモノもあればどうでもいい(もしくは違うだろっていうくらいの)モノまで様々だが,これはいい感じなデザインなんじゃないかなと思っている.…贔屓も含めて. このデザインは当初から殆ど変化ないそうな.背景色が緑から白に変わっただけらしい.確かに,いいと思う. …的を狙って「大当たり」.
実は,昨夜までずっとひやひやしていた.まさに「大当たり」なんではなかろうかと,ずっと恋人と話し合っていた.結果的には恋人とのその電話の最中に始まったために事なきを得たが. 数日間の遅れがこれほど不安になるとはね.少し自分に驚いた. 緊張していたり疲れていたりすれば,普通に起きることだというのに.
基本的にかなりまじめに予防策をとっているし,少し危険だったときには病院に行って緊急対処を行ったりしていた.それでも不安だったのは,今回は不安要素があったからだろう. 恋人とまじめに話し合う.仕事のことカラダのこと将来のこと.予防策については,きちんと準備してあるので次からはかなり不安は減ることになるが,そうやって常に予防しよう.…色々と話をし,「今回はいい機会だったね」と二人で納得する. お互いが,相手のことを仕事のことをどう考えているのか.知るためのいい機会だった.
これから先,ワタシタチは沢山の事を話し(話さないことは話さないという行為で伝え),お互いを感じようとしていくことになると思う.頭で肌で,理解して(そして理解できない部分もまた),自分のモノとしたくて.相手のモノになりたくて. もちろん,ワタシは私自身のものでしかない.人は一人だと思うことに変化はない. しかし,そういうことではなく.そういう意味ではなく. ワタシはまだ,これらの事について言葉を持たないが.
どこまで一緒にいられるのか,別れはあるかもしれないしよくわからない.温度差は絶対に常に存在するだろうし,先を知る術はないし. 「大当たり」があるかもしれないし? 自分がどういう選択をするのか,わからない.ただ,何も考えずに流されたくはないとだけ思っている.考えて,自分の責任で選択したい.それだけ.
ただ,今はまだ,甘い恋人でいたい.
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