また知りたくないことを知る。気づかないで済めばよいものを。潜在能力なんていらない。生きるというシンプルな能力を発揮できればそれで。色のないあたし。もっと弱くたおやかに創られればよかったのに。顔のない。どこにでもあって。正義感だけが空まわりして。あるようなないような。どうでもよくなったのに。逃げられない。思念から。システムから。重力から。光と陰から。
実体のある存在である僕はひどく傷ついて。実体のない神を呪った。実体のない感情は存在を蝕みはじめ。なめらかさを失いぎこちなく。演技派の人生には戻れず。効果的な方法も投げだして。つたなく。どっちつかずで。迷いつづける。
穢れのない部分。死を選ぶ。ひたすらに悲しもうとする。切り離すことができず。穢れた部分が生き残ろうとする。影の形をして。うまく拒絶できない。
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