しるす

2003年10月18日(土) 届かせる

 蒼い瓶の底に沈むそれに触れようと指さきをのばして、巨大化した欲望は入り口でつまった。麒麟の首のようにゆっくり時間をかけて、細くながい指を形づくっていく。



2003年10月10日(金) 探している(3)

 方法があったとして。築くのに時を懸ける。変化しながら何回まわった?強いるのはどうかしている。必要なものなら手にとってる。なにもいわなくとも。売りこむなんてね。必要なものに変化なさい。もっと上、あるいは下。



2003年10月08日(水) はんどれっどうぉーたー

 誰が気になっている? メッセージ。すべてを渦に当てはめることはできる。すべてを直線に当てはめることも。要は次第。個人の問題を他人に押しつけることだって。嫌いじゃないんだけれど。むしろ。



2003年10月07日(火) ひとつ足りない

 すべてが可能。頭のなかでできあがっている。ただひとつ。時間だけが。いっそのこと皺を全部伸ばして。何もないことにできれば。憂いというものも存在しなくなるのでは。あの日。自分のために行くことを決め。おなじ螺旋をのぼる。



2003年10月06日(月) 夕焼けとなんとなく空白

 空白を埋めようとしている。かつてそのものの空白。現在の空白。同時に空白がほしくて、深い眠りを。感情が空白のまま、光の前にいる。ぽつり。と、感情なのだろうか。取捨選択。右目と左目で違うものを。どちらかを選ぶのだろうか。助けて。と、あの名前を呼ぶけれど、もちろん奴は存在せず、おそらくはこの中にいる。明日はリモートというタイトルで、何かしるそう。と。



2003年10月05日(日) やめたくなる日

 気づきたくないことに気づいていることに気づいたとき。たいていは役に立つ忌わしいある種の才能とでも呼ぶべきものを捨てられるものなら。のほほんと時をすごして。ふりかえることもなく、先を急ぐこともなく。



2003年10月04日(土)

 あらすじなどないのに、あるふりをして、伝えたいことはいったい何だったの? ただの顕示。甘やかされすぎの。それでも何もしないよりは。知りたかったのは、もったいぶった表現。盆踊りが観たかったの。意味など考えない。



2003年10月03日(金) 切り離された(5)

 母体。強くなったのか。弱くなったのか。常温のバター。ココナツオイル。ナイフという美しい名前。穿たれて、戻りつつある熱。どちらでもない。



2003年10月02日(木) おもたい

 背負う。家財道具一切合切よりはまし。と、また比べている。旅人。ノマド。なるようにならない荷物は。



2003年10月01日(水) 泡、湧き(2)

 簡単なこと。球の体積が広がる。聴きたい言葉をさがしていた。他愛もなく大まじめな言葉の連なりを。泡を時間をかけて潰していく。滾々と湧き、黙々と。球面の外は朧げに現れる。


 < なかったような  INDEX  すすめるとこまで >


horane