風の行方...深真珠

 

 

ひさびさに日記のようなもの。 - 2003年04月28日(月)

連載から解放された。
これからはいっぱい書いてやる!!
うぎゃ〜〜〜!!(暴)

24日付けの西日本新聞(朝刊)のおくやみのところに僕の名前が喪主としてでています。
「珍しい苗字だなぁ」と思ったら、たぶんそれです。
手元にあり、興味のある方は見てみてください(笑)

こういう時に限って、誰とも会えないんだよな。
といっても、僕もまだバタバタしてて、時間はとれないんだけど。
福岡近郊の方にはストーカーまがいのメールが送りつけられると思いますが、ご了承ください。
(ご了承できるわけもないけど・・・)

悲しみに暮れているわけでもないし、
ただ絶望しているわけでもなく、
気持ちは平坦な感じ。
僕の前に現れるやらなければならないことを淡々とこなすのみ。
名前を記入するとか印鑑をつくとか、葬儀等のお礼に近所を回るとか、まぁそういうことです。

深くてどうしようもない悲しみのようなものは、いつ僕に襲ってくるのだろうか?
未だに、病院に行けば親がいるような気もする。
実際は行かないけども。
もし、その波が僕を襲って、僕がどうしようもなく泣き続けているときは、
よかったら手を差し伸べて、抱きしめてやってください。

もしかしたら、まだそれがこの世にあるかもしれないと思う一方で、
それが決定的に、この世から失われてしまったんだと僕はわかっていると思う。
あの肌の冷たさは、ちゃんとそういうことを僕に教えてくれた。

明後日は、SOAPのライブです。
HYDEに会ってくるぞ!!!kenちゃんに会ってくるぞ!!!
sakura!!!と叫ぶぞ!!!
ひさびさの天神。
人酔いしないか心配です。
僕を一目見たい方は、ドラムロゴスの前に来てみてください。
金髪ロングでぽっちゃりしてるやつが僕です(笑)
日焼けのせいで、顔が赤いです(恥)

ここからは、死神のあとがきです。

連載が終わり、ほっとしてます。
書き始めたときは、ここまで話が長く大きくなるとは思ってませんでした。
文を書き始めて思うことは、文章を書くことによって自分の中のものを明確にして、整理し、ものすごく簡単に見ることができるようになりつつあるなぁと言うことです。
僕の中にある過去とか傷とか罪のようなものは、たいしたことじゃないかもしれないけど、
僕なりにそれを真正面から受け止めて、悩み、もがいているわけで。
僕はそういうこととうまく付き合っていく方法を見つけなければならないし、
現時点では小説を書くということが、最善の方法だというだけです。
そういった中で、この作品を書けたことは実りのあることだと思っています。

さて、作品ですが、
最後あたりがちょっとあっさりしすぎていて、読み終わったあと、あれ?とか納得いかないなぁと思った方もいるかもしれません。
もうちょっと新潟から帰ってきての話を見たかったなぁとかね。
まぁ、僕のそう思った人間の1人なんですけど、
なにしろ、新潟から帰った主人公に魅力がなくなってしまって・・・。
書く気になれないし、またそこは書く必要もないんだと判断しました。
新潟でどうやって自分と対峙したのかを、そこを書ければ満足なのです。
主人公は、「違和感」と何度もコンタクトをとって、それがなんであるかを追求していきます。
何度もチャレンジしては失敗し、それを繰り返します。
むしろ読者の方が先に「こういうことなんじゃないの?」って思ったかもしれません。
それもアリです。
なかなか一歩踏み込めない主人公にイライラする。な〜んてのもおもしろいじゃないですか。
そして、主人公は少女と出会います。
主人公は少女と同化しようとします。
精神的な部分での関わり合いを欲するのです。
二人の境界線があいまいになります。
そこから少女が強制的に離れて、彼は自立を促される。
自己修復作業と同時進行で、自分の中の「違和感」を受け入れることができて、万歳!!
といった感じです。
・・・何が言いたいんだろ(苦笑)
まぁ、結局は、そこを書きたかったんですよね。

主人公はずいぶんオナニーしてますが、作品自体もオナニーっぽくないですか?
3作品ともオナニーっぽい。
うぎゃ〜〜!!(壊)



...

死神の微笑み <50> - 2003年04月27日(日)

「違和感」がちょっとわかったような気がした。
「実感」という意味で、少女は僕とダイヤモンドダストを比べたんだと思った。
寒さを体感せずに見られる綺麗なダイヤモンドダスト。
生きていることを実感できずに行き続けている僕。
僕にはずっと実感というものがなかったんだと思った。
生きているいう実感。
生きてきたという実感。
歩いてきた道を振り返ってみたときに、そこに僕が刻んでいたものは何もなかった。
また、今を生きている時間を得られないために、僕は歩き続けなくてはならなった。
一歩足を踏み出すと、その前の足跡はもうすでに色あせいて、
一歩足を踏み出すと、その足は地面から虚しさを感じ取り、
言いようもない不安が僕の体を這い上がってくる。
僕には今、ここにいる実感がない。
しっかり踏み固められてきたはずの大地は、あっという間に崩れ去って、そこには何も残りはしない。
実感の無さが「違和感」となって、僕の中にあり続けたのだ。
少女は-大抵の人々は違和感を感じ続けているのよ-と言った。
そして、-答えは見つかると思う。でも、あなたの望みは叶えられない-とも言った。
そうなのかもしれない。
少女がそう言ったからじゃなくて、答えを見つけた自分自身でそう思う。
大抵の人が感じながら生きているのかもしれない。
この実感の無さを埋めることは、まず不可能なのかもしれない。
だからこそ、歩き続けなくてはならないのだ。
右足を出せば、今度は左足を出さなければならない。
左手を前に振れば、今度は右手を前に振らなければならない。
それが歩くということだ。
今まで歩いてきたのとはまったく違う。
主体的に、能動的に、確実に、一歩一歩踏みしめなくてはいけない。
地面に足をついたときの虚しさを受け入れなくてならない。
振り返ったときの空虚さを乗り越えなくてはならない。
それよりも自分を這い上がってくる不安から目をそむけてはいけない。
すべてを克服する為に歩き続けなくてはならない。
自分の中の違和感と対話をしながら、どこへ歩くべきなのか、今のペースで大丈夫なのか、問い続けなくてはいけない。
きっとそうやって生きていかなくてはいけないのだ。
僕はまた急に少女と会いたくなった。

その後2日間、僕は毎日海岸へ行き、毎日少女といった喫茶店で食事を取り、街中を歩き続けた。
2日間は寒かったが、雪は降らなかった。
建物の隅っこには雪が降った名残が残っていて、なんとなく僕を和ませてくれた。
僕は「もう大丈夫。僕は違和感を認めることができたんだ。」と少女に言いたかった。
でも、会うことは出来なかった。
それはある程度覚悟していたつもりだった。
雪の中で少女の後姿を見たときに-もう会えないかもしれない-とふと思ったからだ。
これ以上少女を探すのは意味がないと思った。

小さな駅の前のロータリーには今日も人の影はなかった。
入り口の前に立って、空を見上げた。
青い空を白い雲がものすごいスピードで動いていく。
白い雲が過ぎ去って、目の前に青い空が見えたときにゆっくりと白い息を吐いた。
来たときとはまったく違う白さだった。
僕の中のネガティブさも空気に溶けていっているのだろうか。
できることなら僕の中のすべてのネガティブさをここの冷たい空気に預けてしまいたいと思った。
笑顔の素敵な駅員は今日は窓口に座っていた。
僕がじっと見ていると、気配に気づいたのか、びくっと上を向き目を大きく開けてびっくりしたような顔を見せた。
TVのコントで見るわざとらしい驚き方に似ていた。
「こんにちは」と声をかけると、「こんにちは」と笑顔で返してきた。
「大阪に帰ります。」
「そうですか。まぁ、ちょっと中にはいってはいって。」
僕はその言葉に従って、事務所の中に入っていった。
もちろんこの前と何も変わらず、真ん中にあるストーブにはやかんが乗っていて、口から白い湯気をだしていた。
そして、味のしないただ熱いだけのお茶をもらい、飲んだ。
ここは何も変わっていなかった。
でも、僕は確実に変わった。
それが今の僕にはわかる。
今まで僕の中にあったものが、違和感としてではなく、そこにあるものとして感じることができる。
僕はこれからまだまだ成長し、感性が磨かれ、成熟していくのだ。
今の僕にはそう思うことができたし、それはきっと間違いないことだった。
「海には行ったの?」と笑顔の素敵な駅員に話しかけられた。
「はい、行ってきました。寒かったですけど。」
「来てよかった?」
「はい。すっきりしました。」
「なにもなかったでしょ?田舎だからね。」
「いいところだと思いますよ。」
「んじゃ、こっちに住む?」
「いや、それは・・・」
暖かいストーブを囲みながら4人で笑った。
しばらくして電車がホームに止まって、僕はそれに乗り込んだ。
笑顔の素敵な駅員がホームまで見送りに来てくれた。
彼は最後まで笑顔を見せてくれた。
窓から見える景色を眺めながら、事務所からでるときに六さんが言ってくれた言葉を思い出していた。
-笑っている時の顔もなかなかよかったぞ-

家に着いた僕は、ベットに倒れ込んだ。
シーツからはいつもの匂いがする。
-帰ってきたんだ-
新潟から帰ってきた。
でも、これがもしバイトから帰ってきたのだとしてもおかしくないんじゃないかとふと思った。
たとえ新潟から帰ってきたとしても、それがバイトだったとしても、家に着いて、ベットに倒れ込むということの中にその違いはないんじゃないかと思えた。
しかし、僕の体はその違いをしっかりと感じることが出来た。
僕の肌は、新潟の空気の冷たさを未だに覚えている。
そして、少女のことを思い出していた。
新大阪駅で見たのは、本当にあの少女だったのだろうか。
笑顔だったのはなぜだろう。
僕へのご褒美なのだろうか。
少女が大阪にいるはずがない。
あれは一体なんだったのだろう。
僕はきっともう少女への想いをを忘れるべきなのだろうと思った。
それはとてもとても悲しいことだったが、少女は自らを触媒として僕を支えてくれたのだ。
僕はそれに応えることができただろうか?
少女と撮ったプリクラを思い出した。
あれはすべて少女がもっていってしまった。
-一枚くらいもらっておけばよかった-
僕はきっと、ずっとあの少女の無表情さを忘れることはないと思った。
もちろん、少女という存在自体も忘れられるわけがなかった。
ただ単に、少女が僕にすべきことはもう何もないし、僕が少女にしてあげられることも何もないのだ。
そして、最後に僕が確信を持って言えることがある。
あの少女は本当に死神だったのだ。



ここまですべて読んでくれた人、ありがとうございました。
そして、読まなかった人、日記じゃなくてごめんなさい。

まぁ、いろいろつっこみたくなるところはあるかと思います。
僕自身も、この作品(特に後半)は首をかしげるところもあるんですけど、
こんなもんじゃないかな・・・。

明日は、あとがきというか解説というかいいわけというか(笑)をさせてもらえればと思います。
前は、作品のことをあれこれ話するのは物書きとしてはダメなんだろうと思っていました。
「いいたいことは文章に書いてあるはず。それ以上言う必要がない。」
でも、最近は違うんです。
それもありかな?と。

ありなことをしたいと思います。


...

死神の微笑み <49> - 2003年04月26日(土)

僕らは向かい合って見つめ合った。
少女の潤んだ大きな瞳に吸い込まれそうになった。
少女は白いノースリーブのワンピースを着ていたが、肌があまりにも白く、肩口の服と肌の境界線がはっきりわからなくなりそうだった。
僕は少女の肩に手を乗せた。
透き通るようにキメの細かい張りのある冷たい肌だった。
僕はそのまま少女を抱き寄せキスをした。
僕の唇は乾ききっていたが、構わずに少女の唇を噛んだり吸ったりした。
少女は流れに任せているようだった。
唇を離し、またお互いに見つめあった。
改めて見ると、本当に美しい女性だった。
これからもっと美しくなるだろうと思った。
僕は彼女に対して恋愛感情を抱いているのだと認めた。
僕らは全裸でキスをしていた。
そして、徐々にお互いを愛撫しあった。
あごの下や耳の裏、手の水かきやくるぶしまで入念にキスした。
少女は時折、悩ましげな吐息をもらし、僕の舌や指の動きに合わせて、敏感に体をうごかしていた。
僕は少女の目を見つめて言った。
-好きだ-
僕は今まさに少女の中にはいろうとしていた。
少女は目を閉じて、そのときを待っていた。
僕と少女は交わった。
穏やかで安らぎを感じる時間だった。
僕は時間をかけてゆっくりと射精した。
女性とこういう風に寝たことははじめてだった。
いつも勢いに任せて、激しくむしゃぶりつくことしかしてこなかった。
こういう時間の使い方もあるんだと思った。

僕はやっとスタートラインに立てた気がした。
僕には十分すぎるくらいの材料が揃っていることは間違いなかった。
あとは、僕自身が自分とどのように対話し、まとめ、何を認めるのかということだけだった。
-あなた自身の物語だから-
少女の言った言葉は真実なんだろうと思った。
-これは僕自身の物語なんだ-
僕は多くの材料の中から手のつけやすい「ダイヤモンドダスト」に注目することにした。
少女が言ったこの言葉に、最大のヒントがあるのだろう。
「ダイヤモンドダスト」と声にしてみたが、何も変わらなかった。
この言葉のヒントがあったとしても、少女は「現象そのものと比べているわけじゃない」と言った。
どういうことだ?
僕が知っている「ダイヤモンドダスト」以外に、なにか違う意味が存在するのだろうか?
とりあえず辞書を引いてみようとしたが、持ち歩いているわけもなく、それは却下された。

場所はわからない。
とにかく、寒い土地で雪が多く降るところだ。
アラスカあたりでも問題ないだろう。
ここではアラスカの真ん中付近にしておく。
実際、そこがどういう気候なのかわからない。
それでも構わない。
とにかく、ここは寒くて多くの雪が降るところだ。
あたり一面雪で埋まっている。
逆に本当に雪が降っているのかわからなくなる。
なぜならそこはほぼ完璧な真っ白い世界だからだ。
今朝、窓から見た風景がカメラのフラッシュのように一瞬だけ入り込んでくる。
最初、雪はパラパラと降ってくるだけだ。
徐々に量が多くなってくる。
少し風も吹き始めた。
上から降ってきていた雪が、横から降ってくるようになる。
吹雪だ。
前が見えないくらい降っている。
雪がキラキラ光りだした。
確か、こんな感じだったよな。
僕は不確かな記憶を頼りに「ダイヤモンドダスト」を作り上げていく。
ここまでは順調にきていると思った。
またしても朝見た風景がフラッシュバックしてくる。
雪は平面だけでなく空間をも白く埋め尽くし、風はさらに強さを増し、目を開けていられなくなった。
僕はとっさに腕を顔を守るように高く掲げた。
それでも雪と風は容赦なく僕にぶち当たってきた。
僕は思った。
決定的に「何か」が足りていない。決定的に。
僕のイメージはほとんどうまくいったはずだった。
それでも「何か」足りない・・・?
ひとつひとつチェックしはじめた。
場所、雪、風・・・僕はやっと足りていないものを見つけることが出来た。
それは「寒さ」だった。
寒いだろうという予測はしていたのだが、皮膚感覚としての「寒さ」というのが足りていなかった。
「ダイヤモンドダスト」という現象は、極寒の中でしか見られないはずだ。
ということは、実際に目の当たりにするためには、その寒さと戦わなければならない。
TVで見れば単に「綺麗だね」で済むが、実際はそうじゃない。
例えば、ダイヤモンドダストを撮影しているカメラマンはきっと寒さで震えているはずだ。
本来は夏でも冬でも時間を問わず、部屋でのんびりしながら見られるものではなかった。
でも、それがどうかしたのだろうか。
僕の頭の中で作られた景色に皮膚感覚なんてあるわけがない。



50回で終らせようと思います。
だから次回はかなり長いです<今日も長いけど

モンブランを2種類とチーズケーキとミルフィーユを買った。
太るに決まってる。
ふふっ

誰かと話をしたい。
いろいろ話をしたい。

東京に行ったら、東京ディズニーランドに行こう。
できるなら3日くらいかけてゆっくり回りたい。

美容室行ってきた。
根元まで金。
よく飽きないなぁ・・・自分。



...

母、死去 - 2003年04月25日(金)

一昨日、母親が亡くなりました。
昨日葬儀で、今日はいろいろ事務的な作業をしました。
結構、大変なもんですね。
いろいろ手続きがあって、も〜なんでよ〜って感じです。
ゆっくりしたいんだけど、なかなかできません。

あんまり覚えていないんだけど、
覚えていることは、世話してくれた女性や霊柩車を運転してくれた女性が綺麗だったことくらいかな(笑)

不思議と親の顔を見ても、そんなにさみしくない。
親と親しかった人と会うと涙がでてくる。

思った以上に泣きました。
でも、そんなに淋しくなかった。

一昨日は3時間、昨日は4時間しか寝てない。
今夜は寝たい。
いっぱい寝たい。

ずっと僕の日記を読んでいただいている方ならわかっててもらえると思いますが、
今回の入院は長かったです。
1年4ヶ月。
親はずっとベットの上にいました。
つらかったと思う。

僕は毎日病院へいった。
でも、「助けて」という母親を助けることはできなかった。

寝ている親の瞳が潤んでいて、涙が流れ出す。
僕は溢れ出した涙をぬぐってあげる。
それでも次から次に涙は流れてくる。
僕はそれを止めてあげることはできなかった。

まぁ、できなかったことばかり考えでも仕方ないけど。

こういう状況に便乗して(?)みなさん、メール募集(笑)
今、あんまり家にいないので、遅くなると思うけど返事は書きます。
同情でメールもらうぞ大作戦!実施中です。

ラルクの渋谷7daysライブの抽選の結果がでました。
初日以外の6日はあたりました。
東京に行きます!絶対いきます!!初日もとるぞ!!
東京に行く際には、エンピツの日記書きに連絡させていただきます。
よかったら、食事にでも付き合っていただければと思ってます。
まぁ、その話は後日・・・


...

死神の微笑み <48> - 2003年04月22日(火)

僕は言う言葉をなくして、頭を抱えた。
「安心しなさい。あなたにはできる。」
僕はうなだれたまま、泣きそうになっていた。
その顔を見られないように額のところに手を当て、顔を隠していた。
まるで真っ暗で荒波が押し寄せる日本海に投げ込まれるようなひどい孤独感に襲われた。
僕はすっかり少女に頼りきっていた。
「もし、解決することができたら、口を横に広げて頬を上げてきらりと光る白い歯を見せた顔を見せてあげる。」
僕が顔を上げると、そこに少女の姿はなかった。
背中から聞こえる足音を辿って振り向くと、街頭に照らされた真っ黒い少女の後姿が浮き上がって見えた。
僕は少女を追うことを諦めた。
その場に膝をつき、しばらく泣いた。
街にはまた白い雪が降り始めていた。

僕は部屋に帰ると同時に、全裸になった。
そしてまず窓の前に仁王立ちになり、カーテンを開け、夜の街を眺めた。
街の灯りは点々としていて、夜景というにはやや物足りなかったが、僕はこの風景にちょっとだけ愛着を感じていた。
-これからは自分自身と対話しなくちゃいけない-
目を閉じて、勇気を振り絞るようにカーテンを閉めた。
次に、部屋の真ん中に大の字に寝て、天井にある蛍光灯を見つめた。
まぶしさを我慢できずに、僕は目を強く閉じた。
そこは広い海だった。
真っ暗で、辺りを見回しても何も見えない。
僕の体は一気に孤独感に包まれた。
海水の中に僕の体が少しずつ溶けていっているように感じた。
-僕はこのまま広い海の一部になってしまうだろうか-
それも悪くないと思った。
でも、それじゃきっと何も変わらないだろうとも思った。
-泳ぎ続けなければならない-
急にそう思い、僕はとりあえず真っ直ぐ進むことにした。
自分では真っ直ぐ泳いでいるつもりなのだが、本当にまっすぐ泳げている自信はなかった。
なぜなら本当に真っ暗で、自分の場所を確認する術がなかったからだ。
僕は顔を上げたままゆっくりとした平泳ぎで前へ進み続けた。
僕は少女に会いたくなった。
次第に-泳ぎ続けなければならない-という気持ちがだんだん弱くなってきていた。
-このまま海に飲み込まれてしまおうか-
-それも悪くない-
そのときだった。
いきなり大きな渦が発生して、僕を飲み込もうとした。
僕は必死に泳ぎだし、その渦から逃れようとした。
渦の引力は思いのほか強く、僕は徐々に渦の真ん中へひっぱられていった。
-イヤだ-
-このまま飲み込まれるのはイヤだ-
顔を上げると、前方に白い光が見えた。
僕は必死に泳ぎ続けてなんとか渦を抜け出し、その白い光の元へ行った。
近づくと、それは不思議な光だった。
一体何が発光しているのかまったくわからない。
勇気を出して、その光の中に入っていった。
目を開けると、僕はさっきのように大の字に寝て天井を蛍光灯を見ていた。
部屋を見渡したが、何も変わった様子はなかった。
でもしばらくして、自分の体が少し変化していることに気づいた。
僕のペニスは勃起していた。
なぜ僕は僕が勃起しているのかまったくわからなかった。
ただなんとなく僕はこの状態を解放しなくてはならないということを考えた。
何を解放するのか、それが何を意味をするのかわからなかったが、今の僕にはとりあえず解放する方向へ進まなくてはならない気がした。
実際、僕はその道しか選ぶことができなかった。
そして、僕が思い浮かべるべきものもはっきりしていた。



今日はちょっと長めですが、勘弁してください。
切りたくなかったんで。
50は超えるな・・・。

昨夜、2時半に病院から呼ばれた。
ちょうど薬を飲んで、横になったところだったので気分が悪かった。
吐き気というか頭痛というかだるさというか。
そういうのを全部ひきずって病室にはいる。
見たところ、聞いていたほど悪くない。
結局、朝7時過ぎまでいた。
それから一度帰宅。
3時間ほど眠って、また病院へ。
7時ごろ帰宅。
今日は正直かなりきつかったな。

これからどうなるのだろうか・・・。



...

死神の微笑み <47> - 2003年04月21日(月)

僕たちは近くのファーストフード店に入った。
僕は恐る恐る質問してみた。
「君は楽しいとか、悲しいとかって思うことあるの?」
「ゲーセン楽しかったよ。」
「そか。でも、気持ちをあんまり表情に出さないでしょ?」
と言いながら、さっき撮ったプリクラを見せた。
にこっと笑っている僕の隣でカメラをじっと見ている少女がいた。
「ちょっとは笑ってくれてもよかったんじゃない?」
少女は少しプリクラをみたあと、全部自分の黒いカバンに入れた。
「口を横に広げて、頬を上にあげれば楽しんでいるように見える?
 本当は泣いているかもしれないのよ。」
「そうかもしれないけどさ。」
「きらりと光る白い歯を少し見せたら、最高に楽しんでるんだと思ってもらえる?」
「なんでそんなつっかかることばかり言うのかな。」
「あなたが馬鹿馬鹿しい質問するからよ。」
僕は何も言い返せなかった。
「あなたはもっと自分と対話することが必要よ。」
少女はまたオレンジジュースを飲んでいる。
「もう必要なものはほとんどそろっているはずだから、ここからはあなたとあなた自身の戦いが始まる。」
「言っていることがよくわからない。」
「嵐の前の静けさ。」
そう少女が言って、僕は初めて気づいた。
喫茶店で何もかも話をしてから、僕はずいぶん調子がいい。
「違和感」が体中を這い回ることがない。
意識すれば、ずっと遠くに「違和感」を感じることができたが、今までに比べたらかなり楽になっていた。
少女はオレンジジュースを一気に飲み干すと、「帰る。」とだけ言ってさっさと外へでてしまった。
僕は急いで後を追い、外へ出た。
辺りを見回すと、まだ少女はそんなに遠くへは行ってなかった。
僕は走って少女を追いかけた。
今、少女と離れるわけにはいかなかった。
僕にとって少女は唯一のヒントだったし、唯一本当の話ができる人だった。
僕はなんとか少女の前に回りこむことができた。
「ちょっと待って。まだ話が終ってない。」
「もう話すことはないわ。」
「そっちになくてもこっちにはあるんだ。」
「さっき言ったでしょ。ここからはあなた自身で解決すべきなの。」
「そんなことできないってば。僕にはまだわからないことだらけなんだ。
 君の力が必要なんだよ。力を貸して欲しい。」
「それはできない。」
「なんで?」
「あなた自身の物語だから。」



「私は何をがんばった?」と親が問う。
看護士が「○○(苗字)さん、がんばったやんね。」と親に言う。
おばあちゃんが「○○(親の名前)、がんばったやんか。」と親に言う。
僕が「がんばったやん。」と親の手を握る。

親はそれでも問う。

「私は何をがんばった?」


...

死神の微笑み <46> - 2003年04月20日(日)

僕は感情を言葉にするのが下手なんだと思い、それがすごくもどかしくなった。
「この話すると、やっぱり疲れるわ。」
と少女が言ったように聞こえた。
「お疲れさま。」
僕はそうとしか言えなかった。
少女はウエイトレスを呼び、サンドイッチとミルクを頼んだ。
時間は12時を回っていた。
ランチタイムのせいもあってか、気づかないうちに店は女性客でほぼ満席になっていた。
サンドイッチとミルクが運ばれてくると、
「今度はあなたの番よ。」と少女は言った。
僕は違和感を感じ始めたときのことや、大学に入ってからのことを中心に話をした。
一度声にしみると、それはまるで湧き水のようにあとからあとから止むことなくこぼれだしてきた。
こぼれだす言葉に口がついていくのがやっとだった。
僕にはこんなにも言葉にしたかったことがあったのかと驚いた。
僕は少女と違い、溢れ出してきたものをそのまま言葉にしていた。
あまりにも感情的すぎて、声を張り上げたり泣きそうになったり汚い言葉だったりしたが、少女は何も言わずに聞いてくれていた。
少女がサンドイッチを食べ終わっても、僕はしゃべり続けていた。
違和感のことだけではなくて、両親のことや小学校の頃のこと、これまでの女性関係のことまでも僕はいつの間にかしゃべっていた。
内容が不安や不満や愚痴が中心になっていった。
1時間以上僕は休むことなくずっと話し続けていた。
一息つくとがカラカラに渇いていて、汗をかいたグラスにはいった水を一気に飲み干した。
そして、少女のように大きなため息を一つついた。
窓の外を見ると、雪は止んでいて、積もった雪もずいぶん溶けてしまっていた。
「そろそろ出ようか。」
と少女に言うと、少女は僕より先に伝票を持って立ち上がった。
「ちょっとゲーセンに遊びに行かない?」

僕らはまずUFOキャッチャーをやって、もぐら叩きゲームをし、プリクラを撮った。
お金は全部少女が払った。
「あなたが気にすることはないから。」
僕がパズルゲームをぎこちなくやっているのを少女は見ていたし、
少女が格闘ゲームで勝ち続けるのを僕は見ていた。
「これ、得意なのよ。」
少女は相変わらず無表情だった。
もしかしたら、この少女には感情というものが欠如しているんじゃないかと思った。


選挙ポスターって意外とおもしろいと思う。
差別化を図りたいのはわかるけど、なんだか笑えてしまう。
「すぐやる ○○○○(名前)」
ってのを見たんだけど、嫌じゃありません?
「すぐ、ヤル」んですよ?(違)
いい年して、すぐやるなんて・・・(照)
まだ若いと言いたいんでしょうか・・・。

「大切にしましょう 水準点」
それはない!!絶対にない!!
水準点なんか大切にしません!(笑)
見たときマジで笑ったよ。
別に高さわかんなくても、僕の生活には支障がない気がするのだが・・・。

愛を乞う者」
って響き素敵じゃないですか?
なんかふと思いついちゃって、頭から離れない。
次の作品の題名にしようっと♪

気分も凹んでいるうえに、睡眠時間2時間半。
眠いに決まってるわ。


...

死神の微笑み <45> - 2003年04月19日(土)

握手以降のことを思い出そうとすると少女は激しく混乱する。
起こったことは思い出すことができるのだが、順番がめちゃめちゃになってしまっている。
妙に細かいところまで思い出せるかと思えば、1km先のものを見ているかのような不確かな思い出もあった。
思い出せることを、出来るだけ順番に正確に言えば、
・ランドセルの横にさげていたキーボルダーを川に捨てられた
・「ムカツク」とか「消えろ」と言われた
・泣きながら3人を追って川まで走った
・キーホルダーはみゆきとおそろいだった
・その女子にむかって「殺してやる」と言った
ということになる。
断片的で曖昧な動画やカメラのフラッシュのように一瞬だけ見える静止画はあったが、少女はそれを上手く記憶できずにいた。
日常生活の中でふとしたときや、布団の中で眠りにつこうとしているときに、それらの景色はまるで天から降る雨のように少女に降り注ぎ、
それは一瞬の嵐のように少女の中をかきまわして、消えた。
そういうときにだけ、不確かで曖昧で思い出したくない出来事を思い出して、しばらく少女を苦しめていた。
もっとも性質が悪かったのは、不確かで曖昧で思い出したくない出来事の間に、みゆきの笑顔や姿が挿入されている時があったのだ。
みゆきを忘れないように鮮明で幸せに満ちた思い出を思い出そうとすれば、不確かで曖昧な思い出がついてきた。
不確かで曖昧な思い出を忘れようとすると、みゆきのかわいかった笑顔も忘れてしまいそうだった。
少女に「ムカツク」「消えろ」といった女子は一週間後に火事で死んだ。
出火原因は、石油ストーブだと断定されたが、周りは「あなたが殺した」と言いたそうな視線だった。
でも、誰も言わなかった。
-言えば、殺される-とみんなが考えていたからだ。
そして、少女は「死神」と呼ばれるようになった。
少女に弁解する気はなかった。
それに少女はもしかしたら、自分は死神なのかもしれないと思い始めていた。
「みゆきなんていなくなっちゃえばいいのよ。」と言った日、みゆきは事故で死んだ。
「殺してやる」と言った一週間後、あの女子は火事で死んだ。
なにかの偶然なのか?
少女はそれから、何かにとりつかれたように黒い服を身にまとうようになった。

少女は話を終えると同時にオレンジジュースを飲み干した。
そして、ふぅ〜っと大きいため息をついた。
少女は淡々とリズムよく、慎重に言葉を選びながら僕に話してくれた。
僕は目の前で語られる少女の物語をただ呆然と聞いていた。
少女から発せられる言葉には確かにリアリティーがあった。
少女はひとつも嘘を言っていないと信じることが出来た。
それでも、僕の中でそれはリアリティーのある話として消化されなかった。
まるで巧妙に作られた小説のようだった。
・少女は中学一年の時に両親が別れ、父親と一緒に暮らしている。
・今、高校には通っていない。
ということを、少女はしばらくして独り言をいうようにつぶやいた。
僕は少女に何か言葉をかけるべきじゃないかと思ったが、自分の感情をうまく言葉にできなかった。
言葉にすると、妙に同情したような言葉になってしまっていた。


ベッドの上で、全身を使って息をしていた。
心拍数が130ほどにまであがっていて、
130というのはマラソンをしているくらいの心拍数らしい。
そんなわけで、きつそうな顔をしている。
血圧を測ったら、上が56下が38だった。
素人の僕でも低すぎることはわかる。
尋常じゃない。

昨夜は薬を使って寝た。
薬さえ飲めば、なんの支障もなく眠ることができる。
今夜はビールがある。
チーカマと柿の種がつまみだ。

明日、サッカーにはいくけど、
その後時間がとれない。
ズボンを買いたかったし、本を買いたかった。
残念だ。


...

死神の微笑み <44> - 2003年04月18日(金)

いじめが始まって一ヶ月程たったある日、クラスで席替えがあった。
不幸にも少女の後ろに座ったのは、あの女子だった。
(事前に何か仕組まれていたのかもしれない)
それからよりいっそう陰気でしつこいいじめがはじまった。
授業中、横から紙が回ってきた。
「人殺し お前が死ね」
真っ白い空白の中に、黒い字でそう書いてあった。
言葉で言われるのとはまた違った衝撃があった。
少女は泣くのをこらえた。
−ここで泣いちゃいけない−
そうして、少女は泣き方を忘れていった。

席替えから一ヶ月が経って、前の席の女子もいじめるのに飽きてきたようだった。
何を言っても、少女はほんの少しの反応も見せなかったからだ。
その女子は少女に新しいあだ名をつけた。
「ゴミ」
それでも少女は何も反応しなかった。
逆に少女は、女子が自分を殴られないことに疑問を感じていた。
まだ幼い小3の女の子に相手を殴るという発想がなかっただけだった。
次に女子が少女につけたあだ名は「うんこ」だった。
その女子が「ゴミ」と言えば、少女を「ゴミ」だと周りは認識した。
その女子が「うんこ」と言えば、少女を「うんこ」として周りは扱った。
少女にとって学校生活は楽しいものではなかったが、自分の形を変えながらなんとか毎日乗り切っていた。
−慣れるって怖い−
少女は、どんな状況におかれようと驚異的な生命力で生き続ける自分に感心していた。
終わりは考えなかった。
いじめに終わりはこないだろうと考えた。
そう考えたほうが楽だったからだ。
ある日の帰り道、少女はいつものように一人でとぼとぼ歩いていた。
通学路はいつもと変わらなかった。
電線の上ではカラスがきょろきょろ辺りを見回していた。
オレンジ色の空に黒いカラスはよく映えていた。
空を見上げている少女の方を叩いたのは、あの女子だった。
女子は後ろに2人のクラスメートを率いていた。
女子はいきなり右手を差し出してきた。
少女は反射的に右手を差し出した。
握手が交わされた瞬間、少女はほっとした。
−もう何も言われなくなる。よかった。−
しかし、状況は少女の思ったようには進まなかった。


なかなか終らないもんですね。
よくこんな長い文章書いたもんだ。
こうやって小さく区切って改めて見だして、
つながりが悪いところとか、ほころびが目立つように思える。
う〜ん、やっぱ難しい。

4月から蚊に食われて、日焼けで皮が剥けた深真珠です。

2時過ぎに親が急に寒いといいだして、
10分後には息が出来ないと騒ぎ出した。
電気毛布で包んで、痰を吸い、酸素吸入器を作動し、
てんやわんや(?)でした。
正直、「あっ、逝ったかな」と思った。
こんなもんかなぁと・・・。
一瞬、親の眼の中にあの世を見たね、マジで。
急転直下。
青天の霹靂。←漢字書けません

今日は珍しく、日付変わる前に眠いです。



...

死神の微笑み <43> - 2003年04月17日(木)

次の朝、少女が学校に行くとゆきとさちこが昨日までのように話しかけてきてくれた。
「おはよう。」
少女はその一言が、自分の体に染み込んでいくのがわかった。
もう自分は受けれてもらえないだろうという不安が、瞬時に消えた。
ゆきとさちこに感謝した。
「ありがとう。」
少女は、学校で最初で最後の涙を見せた。
少女の中で初めて、失いたくないと思うものができた瞬間だった。
しかし、3日後にそれはいきなり訪れた。
ゆきとさちこが少女を意識的に避けはじめたのだ。
少女はびっくりした。
最初はきっとからかっているのだろうと思ったが、少女が思っていた以上に事態は深刻だった。
いつの間にか少女に対する包囲網は完全に作り上げられていた。
ゆきとさちこはもちろん、クラスの他の女子や男子もその包囲網の形成に一役買っていた。
クラスの−学年でも−リーダー的存在だった女子が、少女のことを排除したがっていた。
少女がみゆきに「みゆきなんていなくなっちゃえばいいのよ。」と言っていたことを聞いていた誰かが、その女子に耳打ちしたのだった。
(この女子にもちゃんとした名前があるが、敢えてここには記さないことにする。
 名前を思い出すだけでも、少女は吐き気を感じる。
 その女子の容姿や性格とはあまりにもかけ離れた名前だ。)
その女子は少女が座っている机の前に立って、言葉を吐き捨てるように言った。
「人殺し」
少女はそれから人間として扱われなかった。
人間として、そこに存在しているものとして扱われなかった。
担任の教師にわからないような、陰気でしつこいいじめだった。
少女にとってはまだ殴られるほうがよかった。
10発でも100発でも殴られて、それ以降は今までどおり、人として扱われるほうがマシだった。
最初、包囲網に加担してしまったクラスメイトは、申し訳なさそうな顔をしていた。
みんなの目の隅っこにはまだ少女が少しは映っていた。
でも、しばらくするとみんなそういう状況に慣れていった。
少女を意識的に無視するようにいていたのが、みんなにとって少女は本当に存在しなくなっていた。
自己防衛的に包囲網の中に入ったのに、それはもう包囲網とは呼べなくなっていた。
現実的に、少女はクラスでの行き場を失った。
少女にとって耐え難いことだったが、それでも学校に通い続けた。
なぜなら、少女はこの頃はまだ両親に愛されていると信じていた。
一点の曇りも無く、そう信じていた。
両親が、いじめられることを知ったり、それで学校に行きたくないと言ったりするときっと泣くだろうと思っていた。
だから、少女は毎日学校に通った。


最近、色恋沙汰さっぱりな深真珠です。
出会いがないなぁ・・・(嘆)

缶コーヒー(ジョージアオリジナル)を何年かぶりに飲んだらめっちゃ甘かった。

昨日「きみはペット」見た。
いいねぇ。ペットになってみたひ。
飼い主募集中(笑)
ってか、ペットというより、ヒモじゃないの?(爆)
「きみはヒモ」じゃ誰もないよな、そりゃ・・・。
小雪のペットになるのもいいけど、酒井若菜のペット希望。

はぅ〜(叫)

右手中指の指先を自分で食いちぎってしまった。
血がでてくる!!!(焦)
噛み癖治らないな・・・。


...

死神の微笑み <42> - 2003年04月16日(水)

その夜、少女は両親とみゆきのお通夜にでた。
みゆきの家の前にくると線香の匂いがあたりに充満していて、少女を頭痛が襲った。
玄関前で、これ以上進むことをやめたかったが、父親に引きずられながら中にはいった。
あちらこちらですすり泣く声が聞こえ、少女はその声を聞くたびに胸が押しつぶされそうなくらいの痛みを感じた。
−きっとみゆきちゃんは怒ってるんだ−
少女はそう思った。
そう思わなければ、息をすることも苦しかった。
両親と3人で寿司を食べに行った帰りに、対向車線から右折してきたトラックに右側から突っ込まれた。
運転席に座っていた父親は、当ったところがやや後ろだったために右側の肋骨を2本折るだけですんだ。
助手席に座っていた母親は、左側の窓ガラスを頭を割り何針か縫ったが、シートベルトのおかげで助かった。
みゆきはひとり後ろの席で、運転席と助手席の間から顔を出すような格好で座っていた。
シートベルトをしていなかったせいで、彼女の体は窓を突き破り外に放り出された。
ガラスを割った頭は血だらけで、放り出された衝撃で全身あざだらけだった。
それからも彼女は少し生きていた。
彼女は、血が彼女の体内から出尽くすまで生きていた。
彼女は自分の血の海のなかで、「パパ!ママ!」と弱弱しい声で叫んでいたらしい。
お通夜の席には、電話をくれたゆきもきていた。
少女はゆきに会うのもなんだかうしろめたかったが、ゆきは少女を見つけると、まるで暗闇の中で光を見つけたような顔をして、少女の元へやってきた。
「電話ありがとう。」
少女は精一杯の勇気を振り絞ってそう言った。
「ううん。」
ゆきの目も赤くはれ上がっていたが、その中に見える瞳は、うるんでいるせいで余計に綺麗に見えた。
「放課後、怒って帰っちゃったじゃない?」
ゆきの言葉に、少女がどきっとした。
きっと責められるんだと思った。
−あなたが、みゆきを殺したのよ−
だが、ゆきは意外なことを口にしだした。
「あのあと、みゆきちゃんが言い過ぎたなぁって言ってたよ。
 今晩は家族で外食するから会えないけど、明日学校でちゃんと謝るって。」
少女の目に、一気に涙が溜まった。
「喧嘩はいつものことだからって笑ってたよ。
 喧嘩しながら仲良くなってきたんだって。」
涙が一粒一粒こぼれだし、それがいつの間にかとめどなく溢れ出すようになった。
少女は「ありがとう。ありがとう。」と何度もつぶやきながら泣いていた。
少女は泣きながら、お線香をあげて手を合わせた。
そのとき、右手の小指に貼っているバンソウコウを見ながら、昔、みゆきとした約束を思い出した。
「ずっと友達でいようね。」
「うん。」
そのとき、お互いの小指は固くしっかりと組まれていた。
少女は小指の傷の痛みが治まったような気がした。


サッカー日韓戦見てるんだけど、韓国すごいねぇ。
日本はボールが落ち着かない。

親がなんとか持ち直しました。
しぶとい・・・(笑)
個人部屋はやっぱ気が楽だねぇ。

2日で3冊も文庫読みました。
PCは持ち込んでるんだけど、打つ気がしなくて本読んでばっかり。
打ちたいんだけどなぁ・・・。
やっぱりいろいろ条件が必要なのです。



...

死神の微笑み <41> - 2003年04月15日(火)

「泣いてるの?大丈夫?」
「あのね・・・あのね・・・」
電話を通してだったが、少女には相手の悲しみが痛いほどわかった。
「みゆきちゃんが死んじゃったの。」
少女はその言葉をちゃんと理解しきれなかった。
−死んだ−
「家族みんなで・・・ご飯・・・食べに行って・・・その帰り・・・に・・・事故に・・・合っちゃっ・・・たって・・・」
電話の向こうでは、友達が泣きながら悲報を必死に伝えてくれようとしているのだが、少女は曖昧な返事を繰り返すしかなかった。
少女は受話器を置いて、まず母親に知らせなきゃと思い、母親の部屋のドアをノックした。
・・・返事はなかった。 
もう一回ノックした。
・・・返事はなかった。
少女は、この世界で自分ひとり取り残された気になった。
もう一度ノックした。
しばらくして、ドアがやる気なさそうに少しだけ開き、そこから母親が用心深げに覗いていた。
「あなただったの。どうかしたの?」
そういうと母親はドアを全部開き、少女を上から見下ろした。
「私、人を殺しちゃった。」
少女がそういうと、母親はびっくりしたような顔をして、向かい側の父親の部屋に走っていった。
「あなた!あなた!大丈夫?」
と激しくノックを繰り返し、ドアノブをまわそうとしたが開かなかった。
母親の顔から血の気が引き、ドアをたたく手にさらに力が入った。
しばらくすると、父親の部屋のドアが開いた。
「あなた!大丈夫?」
「なんなんだよ。うるさいなぁ。」
と父親がでてきた。
「どうしたんだよ、一体。」
「あの子が、人を殺したって言うから、あなたを殺したんじゃないかと思って。」
父親は少女のところまで歩いてくると、
「嘘はいけないぞ。お母さんをからかうのもいいかんげんにしなさい。」
と言った。
少女は父親を真っ赤な目で見上げながら言い返した。
「みゆきちゃんを殺したのは私だもん。」


親を見ていると命っていうのは、切り取られているんじゃなくて、
削られていっている気がする。
それも少しずつ少しずつ着実に擦り減っていっている。
肉体的にも精神的にも。

人生はサディストだ。
しかも性質が悪いサディストだ。

僕までも擦り減っているような気になる。


Always remember,others may hate you,but those who hate you don't win unless you hate them.


...

死神の微笑み <40> - 2003年04月14日(月)

電話の相手が自分だとわかるはずもないのに、少女の心は「やっぱりみゆきは怒ってるんだ」というやり場のない思いでいっぱいになっていた。
両親が帰ってきて夕飯の順は出来たが、部屋から出てこない少女に両親は心配になった。
父親は「お前が仕事なんてするからだ。」と母親を責め、母親は「あなたに父親面されたくないわ。」と吐き捨てるように言った。
3度電話してもみゆきはでなかったので、少女はベッドに横になって天井を見つめていた。
シミひとつない天井を見ながら、私は汚れてしまったんだと思いこんでいた。
「とりかえしのつかないことをしてしまった。
 自分はもう大人にはなれない。」
台所の方から皿が割れる音が響いていた。
毎月恒例の大喧嘩だった。
少女は毎月その音を聞きながら、あんな大人にはなりたくないと願っていた。
でも、今の自分はあんな大人よりも醜いのだと確信していた。
やがて皿の割れる音がしなくなり、重く深い沈黙が少女を覆いつくした。
いつも皿投げが終わると両親はそれぞれの寝室に戻り、沈黙が訪れてはいたが、今回は少女が自ら望んでその沈黙をより重くより深くしていた。
8時半を過ぎて、少女もお腹が空いてきた。
両親は皿投げのあと、大抵2,3日は部屋からでてこなかったので、少女はその間は自分で料理をしなくてはいけなかった。
少女は一度、ドアを少しだけ開け、両親がいないことを確認してから台所に行った。
台所はいつにも増して悲惨な状況だった。
食器棚にあった皿のほとんどが床で割れていた。
そしてそのほとんどが一ヶ月前に購入したものだった。
食器を拾うのも少女の仕事だった。
少女は食器を拾うときに、右手小指を切ってしまった。
みゆきにあんなことを言った罰なんだと思った。
少し痛かったが、みゆきの心の痛みに比べたらたいしたことはないだろうと考えた。
少女は念のために傷口を消毒し、バンソウコウを貼った。
その時、重く深い沈黙を破る電話の音が家中に響き渡った。
呼び出し音が3度鳴っても、両親とも出てくる気配はなかった。
少女はなんとなく電話にでたくなかった。
もしかしたら、みゆきからの電話かもしれないと思った。
そう思った瞬間から、呼び出し音がみゆきの鳴き声のように聞こえて、胸が痛くなった。
泣き声が8回鳴ったところで諦めて受話器をとった。
「もしもし?」
「もしもし」
電話の相手は泣いていた。
でも、みゆきではなかった。
「ゆきちゃん?」
「うん」
ゆきは仲良し4人組の中の一人だ。


親が、「助けて、○○○君、助けて、お願い」と言う。
僕は手を握って、「大丈夫。わかってる。大丈夫。」と言う。
今日交わした会話はそれだけだった。
あとは、寝ているか。
嗚咽を繰り返すだけだ。

心拍計を胸につけて、酸素吸入器を口にして、
ベットでぐったりしている姿を、
僕はあとどのくらい見続ければいいのだろうか。

誰かにぎゅっと抱きしめて欲しいと思う。


...

死神の微笑み <39> - 2003年04月13日(日)

少女は、家に帰ってからも興奮していた。
みゆきに勢いに任せて言ってしまったことを後悔していた。
「みゆきなんていなくなっちゃえばいいのよ。」
そう言って、学校の教室から飛び出したのを覚えている、。
どうやって家まで帰ってきたのかは覚えていない。
少女は泣きながら走って帰ってきた。
小学3年生の少女にはその言葉は余りに重すぎた。
みゆきに「バカみたい」と言われたのか「じゃぁ、帰れば?」と言われたのかよく覚えていない。
聞いた瞬間、頭の中がごちゃごちゃになって、少女はそこを立ち去るしかなかった。
そして、ある言葉を残してきた。
「みゆきなんていなくなっちゃえばいいのよ。」
言った時、心の底からそう思った。
自分をバカにしたようなみゆきの言葉に怒りを覚えた。
生まれて初めて、怒りという感情を理解した瞬間でもあった。
それは、とてつもない負のパワーなのだということを、少女は身をもって体験したのだった。
でも、両親のいない家に帰ってしばらく泣き冷静に考えてみると、彼女の方を傷つけたんじゃないかと心配になった。
今までもみゆきとは喧嘩はしてきたが、今回はそれとは種類が違っていた。
少女は目を真っ赤にして鼻水を垂らしながら、みゆきに謝る為に再び学校に向かった。
下校途中の小学生の流れに逆らいながら、ただ学校を目指した。
からったままの赤いランドセルがやけに重かった。
教室には誰もいなかった。
窓からは橙色の光が差し込んできて、教室の後ろに貼ってある少女の習字をまぶしく照らしていた。
「仲良し」
「仲」と「良」には橙色の墨で修正が加えてあったが、「し」には二重丸が書いてあった。
4人は、ひとつの机を4隅から囲むように座って話をしていた。
少女がみゆきの近くの席から借りた椅子はきとんと戻されていた。
少女には、椅子を直して帰った記憶がなかった。
いろいろ考えて、みゆきが直してくれたのかもしれないと思ったが、それが一番自信がなかった。
少女は、彼女が怒っているのだと思い込んでいた。
ゆきかさちこのうちどちらかが片付けたんだと、少女は納得するしかなかった。
少女は今日中に謝りたかったが、家に行くのは勇気がなかったので、彼女の家に電話することにした。
少女は2度目の下校をし、自宅からみゆきの家に電話をかけた。
しかし、誰も電話にでなかった。
留守電に切り替わったが、急に怖くなって受話器を置いた。


福岡から熊本まで、高速ぶっとばしました。
もちろん、ラルクガンガンで!!
1○0km/hで聞くラルクは最高でした。<真ん中はゼロですよ?(笑)

お肌が真っ赤になっちゃった♪
自慢の美白がぁぁぁぁ〜〜♪(←誰?)

今日は、親が熱を出してしまった。
言っている言葉を聞き取れない。
手を握っても、握り返してこない。
ぐったりとして、ベットに横たわっている。
一体僕はどうすればいいのだろうかと思う。
今まで精一杯やってきたんじゃないのか?
結局は、何にも何ひとつできないじゃないか。



...

死神の微笑み <38> - 2003年04月12日(土)

話せば話すほど分からなくなっていった。
-出口のない迷路-
「違和感に関して、何かわかったことはあるの?」
僕は落ち着きを取り戻すかのように残りのコーヒーをゆっくり飲み干した。
「新潟に来て、かなり違和感の輪郭がわかってきた気がするんだけど、今は少し離れたところにいるみたい。
 今朝、部屋から外の景色を見たときに違和感に対してアプローチしてみたんだけど、うまくいかなかった。
 あとは、小説読んでいるとか、君と会ったあととか、かなり違和感が激しく動いてるんだけど。」
「はっきりとしないのね。」
「そう。」
「焦ることはないわ。時間はあるから。」
少女はまたオレンジジュースを飲んだ。まだ半分残っていた。
僕はウエイターを呼んで、コーラを頼んだ。
「ところで、君は本当に死神なのかい?」
僕は思い切って聞いてみた。
なるべく大きな波を立てないように、静かに優しく聞いてみた。
「えぇ、もちろん。」
「あのさ、なんていうか、言い難いんだけど、僕には君が死神だって思うことが出来ないんだよ。」
「私、だいたいいつも黒い服着てるでしょ?」
「服?」
「死神は黒いマント羽織ってるの。」
「それなら鎌ももってるみたいだけど。」
「鎌は時代遅れなのよ。」
「死神の世界も難しいんだね。」
「そうよ。難しいの。」
注文したコーラが運ばれてきて、僕も試しにストローで飲んでみた。
いつもと少し味が違う気がした。


今日、車の定期点検にいってきたんだけど、
いつもお世話になってる人がマジでびっくりしてました。
あれが苦笑いってことなのね(汗)
バンパー変えたら4万かかるそうな。
あうぅ〜・・・。
それ出す金あるなら、林檎のライブ行くわっ!!

それにしてもスカイラインGTRはかっこいいなぁ。
(走り屋じゃありません)

明日、雁ノ巣でサッカーやってきます。
午後は熊本で用事済ませてきます。
大移動だな。
高速ぶっとばしますんで、見かけた方は声をかけないでください(笑)

めちゃイケおもしろすぎ♪


...

死神の微笑み <37> - 2003年04月11日(金)

「ミステリーって人が死ぬんだよね。」
「何人もね」
「読んでいて、人が殺されるところって寂しくない?」
「それは僕も思ったんだけど、ちっとも寂しくないんだ。なんでだろうね。作り話って思ってるからかもしれない。」
「でも、死は死じゃない。」
「それはそうだけど、本当に血が流れているわけじゃない。」
「じゃぁ、嘘の死なのね。」
「死に本当と嘘があるのかわからないけど。」
「あるわよ。」
「死神が言うんだから、そうかも。」
「そうかもじゃなくて、そうなの。」
「そか。」
少女は二口目のオレンジジュースを飲んだ。
「どう?違和感を消し去ることはできたの?」
「いや、まだ。」
「たぶん、その違和感は消し去ることはできないわ。」
「なんで?」
「言ったでしょ。私、死神だって。」
僕は呆れて、少しぬるくなったコーヒーを一口飲んだ。
「もうそのセリフはやめてくれないか?そのセリフを聞くと混乱してしまうんだ。
 僕がやろうとしていることは途方もないことで、どれだけ前に進んでも答えが見つからない気がする。
 答えはまったく違う次元にあるように思っちゃうんだよ。」
「答えは見つかると思う。でも、あなたの望みは叶えられない。」
「望み?」
「違和感を消し去ること。」
「答えさえ見つかればできるさ。そう信じている。」
「無理よ。」
「最初から無理って決め付けたら、何も出来ないだろ?
 それに君は答えを知ってるわけ?答えがわかりもしないのに消し去れないなんて気軽に言うなよ。」
「この世には最初から無理だっていうこともあるわ。
 出口のない迷路があるようにね。
 それは仕方ないことなのよ。
 そして、大抵のことはそういう風に出来てるの。」
「・・・」
「それに私にはあなたの苦しみがわかる。」
「えっ?」
「もっと正確に言えば、大抵の人々は違和感を感じ続けていうのよ。」
「言っている意味がよくわからないな。」
「あなたは繊細すぎたのね。かわいそうだわ。」
「もっとわかりやすく言ってくれないか?」
「それは、あなた自身で気づくべきよ。」
「違和感とダイヤモンドダストは本当に関係あるのか?」
「ある意味でね。」
「ある意味で?」
「ある側面からみればってこと。ダイヤモンドダストという現象そのものと比べているわけじゃないから。」
僕は大きくため息をついた。


ラルク、渋谷7daysライブの予約をしてみました。
7日とも♪
そのせいで、林檎のライブは行けそうにない・・・。
林檎サイトの友達ごめんなさい(笑)
はぁ、行きたいんだけどね<いいわけ中

今日は親の具合がよくなかった。
散歩にいかなかったのは今年初じゃないかな?
あるものをないと言ったり、
仕事に行くと主張したり・・・去年の夏を思い出してしまう。
そういう幻想(?)は病気がさえていると思わなくちゃいけないんだろうけど、
なかなかそういう切り替えがうまくいかない。
何か・・・喪失感のようなものが僕を包む。

明日には元に戻って欲しいと願っています。



...

死神の微笑み <36> - 2003年04月10日(木)

いつの間にかラブソングは終わり、3年前に流行った曲が流れていた。
その曲は当時のドラマの主題歌としてTVで放送され、それがデビュー曲だったその男性バンドは一気に世間の注目を浴びた。
特に目を引くファッションでもなかったし、それほど顔もかっこよくなかった。
それでもアップテンポな曲のおかげで、カラオケでよく歌われていた。
デビュー曲で90万枚近くのセールスを記録し、スターの仲間入りを果たしたかのように見えたが、
2曲目からセールスは一気に落ち込み、現在活動してるかどうかすらわからなくなっている。
「この青い空の下で僕の想いは無限大に広がって
 大好きなあなたの元へと駆け出してゆく」
確かそういうサビだった気がする。
10年後くらいに、TVの企画でまた聞く機会があるだろうと思った。
ほぼ確実に。
その曲が終わりかけているときに、ちょうどウエイターがやってきて注文したものと伝票を置いていった。
ウエイターの姿が見えなくなると、少女はおしぼりで手を拭きストローをあけてオレンジジュースを一口飲んだ。
僕もテーブルの端においてあった粉チーズをとり、ミートソースの上にかけた。
少女はオレンジジュースを一口飲んだ後、また窓の外をずっと眺めていた。
僕はソースが飛ばないように気をつけながら、スパゲティを食べた。
やや塩気が少なかったが、茹で方はちょうどよかったし、ミートソースもなかなかのものだった。
僕がスパゲティを食べ終わっても少女は窓の外を眺めていた。
正確に言えば、窓の方に顔を向けていた。
その視線は動くことはなかったし、何を見ているのかもわからなかった。
僕はふと文庫本を持ってきていることを思い出し、ポケットの中から出して読み始めようとした。
この本もミステリーだ。
これもシリーズ物だったが、一冊目のものとは別だった。
「何読んでるの?」
さっきまで窓の外を見ていた少女がいきなり僕に話しかけてきた。
「ミステリーだよ。昨日買ったんだ。」
「ミステリーか。本はよく読むの?」
「全然。本屋に寄ってみたら、買っちゃっただけさ。暇つぶしになるかなぁって。」
「ふーん。」
少女はまた黙ってしまった。
僕は、僕がここで話を持ち出すのはなにか違う気がした。
もちろん少女が気に入りそうな話題を見つけることは僕には困難だと思った。
そして僕はコーヒーを飲みながら少女が話し出すのを待った。


話的には、ここらへんからが山場です。
って、書いた本人がいうのもなんなんですが・・・。
ちゃんと読んでくれている方がいらっしゃるんで、今日もご機嫌です。

でも、今日の病室はちと辛かった。
4時過ぎたあたりから、急に息が苦しくなって、
吸っても吸っても酸素吸ってる気にならないし、
逆に頭はぼ〜っとするし・・・。
そういえば、今日駐車場で車ぶつけた!!
ぼけぇ〜っとしてました。
レンガにドン!!
バンパー大破・・・。
はぁ、土曜日に定期点検に行くのに・・・。
よりにもよって2日前とは・・・。
バンパーも心も凹んでます(うまい!)

お粗末でした。


...

死神の微笑み <35> - 2003年04月09日(水)

こういった種類の沈黙を体験したことは初めてで、心はものすごく戸惑っていた。
このまま消えてしまうかもしれない。
−それも悪くない−
この沈黙を破ったのはまたしても少女だった。
「あなたがもし、本当に感動しか感じていないなら、この前言っていた違和感に近づくことはできないと思う。諦めなさい。」
前とは違って、まるで僕を諭しているかのような口調だった。
「諦めることなんてできないよ。」
最後の力を振り絞ってやっと出た言葉のようで、それはまったく力強くなかったし、当たり前のように説得力も持ち合わせてなかった。
「長い話になるから、どこかで座って話した方がいいと思う。」
と少女は言った。
僕はまたしても不意をつかれて「あっ、うん」としか言い返せなかった。
少女は僕の返事を聞くと、「じゃあ、行きましょう」と言い、反転して、どこかへ歩き出した。
僕も少女のあとを追うようにして、白い浜辺を後にした。

少女は迷う様子もなく、近くにあった喫茶店に入った。
僕は店に来るまで必死に少女の後を追っていた。
急いで歩いて、やっと少女と同じスピードに追いつけるといった感じだった。
雪道で急いで歩こうとすることは思いのほか大変だった。
少女が歩いている後姿を見ると、まるで雪の上を滑っているかのような華麗さがあった。
そしてその姿はさながら妖精のように見えた。
僕らは窓際の席に向かい合って座って、少女はオレンジジュースを頼み、僕はミートスパゲティとコーヒーを頼んだ。
店内は暖かく、遠くで流行のラブソングが流れていた。
店内の雰囲気とラブソングの相性はそれほど悪くなかったが、僕らとラブソングの相性は最悪だった。
もともと僕とラブソングの相性がよくない。
生まれつきラブソングが似合わないのだ。
世の中にはそういう人間もいる。
少女は窓の外を眺めていた。
少女にラブソングは似合っている気がした。
注文した物が届くまで、少女は一言も声を出さなかったし、同時に僕も声を出さなかった。
少女はずっと窓の外を見ていたし、僕は出された水を飲み干し、ウエイターがもってきたおしぼりをいじくりまわしていた。


相変わらず続いてます。
長いなぁ・・・。
やっぱmyHPもって、そこに載せたほうがいいのかなぁ。
長々語りつつ、いろいろ書きたいんですが、ずいぶん制限されてて(汗)

貴志祐介氏の「天使の囀り」という文庫本を読みました。
かなりおもしろかった。
まぁ、ちょっと難しいところもあるけどね。
この人は、「青の炎」(←今、公開中だっけ?)を書いた人でもあります。
やっぱ映画見るよりも、小説読んだほうがおもしろいと思います。
今度、バトロワの小説を書おうと心に決めてる深真珠でした。

INDEXを見ると、題名が全部死神の微笑みってでるようになったんだけど、
訳のわからない威圧感があるのはナゼ?



...

死神の微笑み <34> - 2003年04月08日(火)

真っ白い世界で見る少女の姿にかなり違和感を覚えた。
白の中で黒が埋もれてしまっているのか、黒の世界を白が押しつぶそうとしているのか、もしくは共存しているのかわからなかった。
おかげで僕の遠近感はすっかり狂ってしまって、少女と自分との距離を正確に掴めないでいた。
少女は僕のほうへ歩き出した。
まったく雪など気にしていないような歩き方だった。
少女は僕の隣に立ち、海の方を見ていた。
僕は、背中を海へ向け、首だけねじって少女の横顔を見ていた。
少女は、膝下まであるロングコートを着ていて、黒いブーツを履いていた。
僕は少女に習って海の方に体を向けた。
海はさっきより荒れている気がした。
−これも少女のしわざなのか?−
「君は本当に死神なのか?」
思わず口にしてしまった。
全然声に出す気はなかったのに、口がひとりでに動いて、声帯がそれに合わせて震えていた。
まずいことを言ったんじゃないかと思い、少女の横顔を見てみたが変わった様子は何もなかった。
相変わらず海の方を見ていたし、相変わらずかわいかった。
「今年の初雪だね。」
少女の声は今日も僕に遠くまで伸びる細い糸を連想させた。
「本当に綺麗だよね。こんなに大量の雪は初めて見たよ。田舎には雪は降らないし、大阪では滅多に積もらない。
 朝起きて、窓の外を見た時は本当に感動した。君は毎年見られるんでしょ。うらやましい。」
少女は少し黙ってから、
「朝起きてここに来るまで、それしか考えなかったの?」
と言った。
それは呆れているようにも聞こえたし、怒っているようにも聞こえた。
でも、その声はやっぱり遠くまで伸びる細い糸のようだった。
それから長い沈黙が続いた。
何か僕から言い出さなくてはいけないと思いながら、少女の機嫌を損ねたんじゃないかという思いが頭によぎって、
僕はうまく声を出すことができなくなっていた。
長い沈黙の間も、恐ろしく冷たい海風は吹き続けていて、僕の体を素通りしていっているようだった。
この浜辺に対して、僕の存在が小さすぎた。
この世界に対して、僕の存在は価値があるものではなかった。


「風の行方 深真珠」で検索された方がいらっしゃいました。
というわけで、とってもご機嫌な深真珠です。
こんばんわ。

ちょっと前の事だけど宮崎駿監督がインタビューに答えている映像を見ました。
そこで
「川を汚したのは誰だって子供に聞かれたら、それは私たちの世代なんだって、言うしかないんですよ」
とコメントしていた。
どんな質問だったのか、そのあとなんと言ったのかさっぱり覚えていない。
そこだけ強烈に覚えている。
「この人、潔いんだな」と思った。
そして、本当に子供が好きなんだと思った。
高度経済成長を支えた団塊の世代と呼ばれる人達のことを批判する気も否定する気もない。
むしろ尊敬すらする。
僕には到底できそうにないからだ。
でも、仕事だけに力を注いだことで起こってしまった負の遺産を、
そのまま素直に認められるってことは、並大抵のことじゃないと思う。
「でもな、俺達の時代はな・・・」と誰しも言ってしまうだろう。

起こってしまった戦争を、
なかなか止められない環境破壊を、
悪化する治安を、
改善しない景気を、
我々のせいだといえる人はほとんどいないだろう。



...

死神の微笑み <33> - 2003年04月07日(月)

砂浜にも雪が積もり、誰も立ち入らないおかげで、それはまるで高級な絨毯がひかれているように見えた。
海もいつもより白く色づいているように見えて、波は昨日より荒れていた。
ただ、僕が求めていた波とは少し違った。
僕はなぜ、この浜辺に着いてしまったんだろう。
僕は少女への道を選んだはずだった。
少女への道を選んだはずなのに、浜辺にきてしまった。
浜辺は、僕が少女と出会っている場所。
僕は少女とこの浜辺でしか会っていない。
僕と少女の唯一の接点。
ここに来たのは、偶然ではない?
−偶然的必然−
僕がここに来たのは、僕自身の意思だったのか。
僕が望んでいた?
−すべて、あなた自身が望んだことよ−
少女の無表情な横顔が頭に浮かんだ。
僕は深く大きなため息をつくことしかできなかった。
試しに辺りを見回してみたが、少女の姿はなかった。
−そんなもんだ−
長く歩いたおかげで、体はかなり暖まっていた。
肌と服の間には暖かい空気の層できていたが、容赦なく吹きつける海風は、その暖かい空気の層を破壊しようとしていた。
暖かい空気の層は負けなかった。
次から次へと新しいぬくもりが内側から染み出てきた。
でも、顔や足先は寒さを避けることはできなかった。
僕は「そうですか。」と小声でつぶやいてみた。
僕の中の諦めなければならないという気持ちが、少し大きくやや強固なった。
そして、僕はその勢いに任せて振り返り、帰ろうとした。
振り返ってみると目の前には、あの少女が立っていた。
真っ白い世界で、全身真っ黒い服を着たあの少女がいた。


郷は親とおばあちゃんと3人で、ドライブしてきました。
もう散り始めて、空を舞っている桜の花を見てきました。
なかなか綺麗でした。
「綺麗かったねぇ」と親が言ってくれたんで、行ってよかったと思う。

今、HYDEがでてるCMを見たんですが・・・。
携帯の着信音系のCMだったな。
やっぱかっこいい♪<ミーハーです

ソニーミュージックのアトムCD(?)発売のCMで
「戦うだけが正義じゃない」
って反戦メッセージですかね?
10万馬力って、やや物足りない気もしないではない。



...

死神の微笑み <32> - 2003年04月06日(日)

体を左に向けて、歩き出した。
首を少し右にねじって、目線は一番手前の道を見ながら歩いた。
一番手前の道が、一番正しい道のように見えていた。
違う世界への道は白くもやがかかったようになっていたし、出口への道はアスファルトがあまり見えなかったし、奥へ入り込む道は必要以上に綺麗だった。
−これでまたあの少女に会える−
僕は雪の世界で、ひとつの希望を見つけたような気がした。

その道は、確実に僕を少女のところまで導いてくれているはずだったが、それは簡単なことではなかった。
道を見ながら歩いていると、二つに別れていた。
真っ直ぐと左。
どちらかが少女への道で、片方を選ぶとゲームオーバーになるんだと思った。
分かれ道になるたびに、足を止め、目を閉じてどの道を進むべきなのか考えた。
道の先を見つめ、そこに少女の面影を感じた。
少女の声や匂いを、僕の五感の持ちうるすべての力を使って感じ取った。
どんな小さなものも見逃さなかった。
中には、少女以外の声や匂いもあった。
ある声は純粋に夢を語っていたし、ある声は行き場のない怒りに満ち溢れていた。
透き通った心地のいい匂いがあれば、川底に溜まったヘドロを10年ほどぬか漬けにしたようなひどい匂いもあった。
それぞれの道には、それぞれの声や匂いがあり、それぞれの人生があった。
ある者は立ち止まり、ある者は全力で走り、ある者は消えていく。
そして僕という男は、立ち止まることも走ることも消えることさえも出来なかった。
僕は何度か左に曲がり、何度か右に曲がった。
そして着いた先は、少女と出会った浜辺だった。


今日はサッカーの練習はなかったんだけど、
親にはあると嘘をついて、ずっと家で遊んでました。
はぁ・・・ほんと幸せでした。
後ろめたさがないわけじゃないけど、これも月〜土をがんばるためです。

窓を全部あけて、空気の入れ替えをして、すっきりした。
天気のいい日曜日の昼間じゃなきゃできないよなぁ。

今日載せたのはちょっと短めです。
最近長めだったんで・・・。
やっぱ長いと読みづらいから。
僕の文章には独特のリズムがあると言ってくれた方がいる。
それが「何か」はその人はわからないと言ったし、僕にもわからない。
でも、それがもし僕のアイデンティティーになりうるのだったら、
僕はとても嬉しいと思う。
素直にそう言いたい。




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死神の微笑み <31> - 2003年04月05日(土)

僕はさっき、窓越しの世界に感動していた。
正直、窓がうっとおしかった。
窓が邪魔だった。
だから散歩しようと思ったのに、今はさっきの感動の10分の1すらなかった。
僕は雪で覆い尽くされた世界の中でたった一人生きていかなければならなく、それはまさにサバイバルゲームのようだった。
そして、僕が一歩踏み出すごとに、「違和感」の悲しみも深まっていくばかりだった。
丘を下ると、見慣れた道に出た。
そこもほとんど白で覆われていて、車が通ったタイヤ跡のところだけがやっとのことでアスファルトを見せていた。
それは道路に4本通っていて、その一本一本がまるで僕をどこかへ導いてくれているような気がした。
4本のうちの一本が、この世界の出口に向かう道。
一本は、さらに奥へ入り込んでしまう道。
一本は、違う世界への道。
一本は・・・あの少女への道。
僕は少女へ向かう道を選びたかった。
そして、迷わず一番奥の道を選んだ。
車が来ていないことを確かめて、道路を渡ろうと足をだした。
僕はまず、さらに奥へ入り込んでしまう道だと思われるところをまたいだ。
一番手前で、一番僕を誘惑していたからだ。
きっとこれは違う。
2つ目の道を越えた。
これは出口に向かう道だと思った。
なぜなら、この道は一本目の後ろに隠れていたからだ。
きっと一番目立たないこの道が、出口への道なのだろう。
僕は本来なら橙色の中央線が通ってあるだろうと思われるところを素通りして、3番目の道をまたいだ。
ここは違う世界への道だと思った。
丘から降りてきた目線ではこの線が一番目に付きやすい。
僕をいろいろな世界にたらいまわしにして、諦めさせる気なんだろうと思った。
それは同時に、僕がより確信に近づいたということなんだと分かった。
そして、一度4本目の道も越えて、歩道に立ち、振り返って今度は一番手前になった道を見つめた。
−間違いない。この道だ−
僕には、意味の無い自信があった。
まったく根拠のない未確定的な自信だったが、今の僕はその曖昧な自信にものすごく助けられた。


最近、ユーモアのある日記を書いていないなと気づく。
まっ、この(↑)状況では仕方ないか。

夜桜を見に行く約束をドタキャンされた。
かなすぃ〜。
仕方ないか。

村上春樹氏のエッセイに
「これから性病科に行くかもしれない、作家希望の人はペンネームを使うことをお勧めします」
みたいなことを書いてあった。
ペンネーム使っててよかった♪<えっ?

ラルクのベスト買ったこととか、ファンクラブにやっとはいったこととか、
(自称)ラル狂として書かなくちゃいけないことがたくさんあるんだけど、
何ひとつ書けてない。
まっ、そのうちに。


...

死神の微笑み <30> - 2003年04月04日(金)

あの笑顔が頭に浮かんだ。
彼の言った事は間違いではなかった。
ただ、彼の言った事は間違いではなかったし、この景色も完璧で、それを見ている僕に何の問題もなかったが、
この完璧な景色を見ている僕の中の「違和感」だけは、お気に召さないようだった。
カーテンを開けた瞬間、ものすごい勢いで遠くまでいってしまった違和感は、時間が経つごとに僕の様子を見ながら徐々に忍び寄ってきた。
そしてある一定の距離に来たときに、それ以上近づくことをやめた。
物陰から「違和感」がこっちを見ているのがわかる。
僕は親指と人差し指を広げてピストルの形を作ると、そのまま腕を真っ直ぐ前に上げ、銃口に似せた人差し指を「違和感」に合わせてみた。
「違和感」は僕に標準を合わせられても逃げようとしなかった。
僕は心の中で引き金を引いた。
−バーン−
銃口からは何も出てはくれなかった。
人差し指を銃口に似せても、人差し指は人差し指でしかない。
人差し指は箸を握る時に使うか人を指すことに使うか女性を愛撫する時に動かすことができればそれで十分だった。
誰しも人差し指が銃弾を飛ばすことを期待しちゃいない。
「違和感」は当然のことながら、さっきと同じ物陰からこっちを見ていた。
ただ、弾の入った銃の引き金を引くと空の銃弾がでてくるように、どこからともなく空っぽな空気がやってきて、それが僕を寂しい気持ちにさせた。
それと同じ気持ちを、「違和感」も感じているように思えた。

綺麗な雪の世界を散歩をしようと思い、昨日買った2冊目の文庫本を持って外へ出た。
フロントに鍵を預け、2つの自動ドアを抜けて玄関をでると、そこはまったく違う世界になっていた。
まるで寒さが違った。
寒さで顔が痛いというような表現では表しきれない寒さの種類だった。
僕には、単純に「寒い」と口に出すしか表現手段がなかった。
しかもそれでも表しきれるはずもなく、僕の体はずっと小刻みに震えていた。
旅館の玄関先は雪かきがしてあって、車のタイヤ跡が何本かあった。
一歩踏み出すごとに氷を踏んでいるような感触が足に伝わってきて、僕は転ばないように慎重に足をだしていった。
だんだん旅館が離れていくたびに、徐々に寂しくなっていって、どんどん雪に押しつぶされるような雰囲気になっていった。
もうそこは雪の独壇場だった。
雪が僕の世界に降ってきたんじゃなくて、僕が雪の世界に迷い込んだようだった。
雪の結晶一つ一つが僕を見ているような気分になったし、同時にまったく無関心のようにも思えた。
−さっき窓から見た感動はなんだったのだろうか?−



モーニングコーヒーを午後3時に飲んでやりました。
深真珠です。どもども。

今日、本屋でサッカー雑誌を探していたところ、僕がいたレーン(?)を覗いていた二人の女子高生がいて、
その女子高生が「金髪?」「ううん、向こう」
っていう声が聞こえて、辺りを見回したら僕しか金髪はいなかった。
んで、その女子高生はおそらくその人のことを「かっこいい」って言っていたんだと思うんだけど、
(あくまで憶測ですが)
僕じゃなかったらしいです(笑)
ってか、僕のあだ名は「金髪」らしい。<そのまんまやな

「とばねぇ豚はただの豚だ」
う〜ん、かっこい〜♪


...

死神の微笑み <29> - 2003年04月03日(木)

次の朝、僕はあまりの寒さで目が覚めた。
目が覚める、その一瞬前までずっと深い眠りについていた。
夢さえ見ないほど、穏やかな眠りだった。
TVをつけると、朝の情報番組をやっていてスポーツ新聞の見出しを使いながら、有名アイドルの恋愛発覚で盛り上がっていた。
しばらくすると、「続いては、お天気コーナーです。」と司会者らしき男性が言い、画面がいきなり真っ白になった。
その画面の右側から、女性が少しずつでてきて、スタジオの司会者となにやら会話を交わしていた。
画面中央に立った女性の後ろは真っ白だったが、よく見るとそれは雪だということがわかった。
雪が積もってる。
それは膝下まで積もっていた。
−すごいなぁ−とただ呆然としていた。
愛媛にいたときはもちろん、大阪でも雪は降っても積もることは年に数えるほどしかない。
純粋に綺麗だと思った。
雪国に住める人はきっと幸せなはずだ。
だって冬になれば毎日こんな綺麗な景色を見ることが出来る。
TVに女性の後ろに映っているのはどこかの商店街だった。
ときどき、後ろの方で腰を曲げながら雪の上を器用に歩いているお年寄りが見られた。
すっかり車体を白く塗り替えられてしまった何台かの車が、注意深そうに通り過ぎていった。
画面の右上の方に、「生中継」と表示されていて、その下に「新潟市内」と書かれていた。
−へぇ、新潟か−
僕ははっと気づいて、窓の方を見た。
窓は白く、僕の心は思いっきり喜ぼうと準備をした。
しかし、窓には白いカーテンがひかれていて、それはまるで鉄のカーテンのように僕に外を見せまいとしていた。
僕は慌てて窓に駆け寄り、一息ついたあと、重い鉄のカーテンを一気に開け放った。
外は真っ白だった。
まさに白銀の世界だ。
唖然とした。
僕の中は空っぽになってしまったんじゃないかと思うくらい、体は何の反応もできなかった。
道にはもちろん、木にも家の屋根にも電信柱のてっぺんの小さい所にも雪は積もっていた。
街は十分過ぎるほど白で見事に統一されていた。
それはまるで図書館の本棚のように、あいうえお順でジャンル別にきちんと整理されているように完璧に見えた。
10秒経ったか1分経ったのかわからないが、それくらいの時間を経て、僕の心は喜びを表すようになった。
あの笑顔の素敵な駅員が言っていたことを思い出した。
−ここは最高です。だって、朝起きて窓を開けると、一面雪景色ですよ?−


僕が文を書くという行為に、一体どれだけの意味があるのだろうか。
僕が書いた文に、一体どれだけの力があるのだろうか。
僕が描いた物語に、一体どれだけの価値があるんだろうか。
そういう風に思っても、きっと僕はまだしばらく書き続けるんだろうけど。

なんかちょっと考えすぎだなぁ。
神経質になりすぎてる。

犯罪を追跡した番組がやってたんだけど、
下着泥棒とか自殺とかストーカーとか・・・う〜ん、みなさん大変ですね。
↑人事かよ
富士の樹海って入ったらマジで出てこられないんですか?

まっ、いろいろ考えるのは、もう少ししてからにしよっと。


...

死神の微笑み <28> - 2003年04月02日(水)

僕は「違和感」に多少ダメージを与えることはできたが、決定的に打ちのめすことはできなかった。
打ちのめすことができないとしても、自分の中から排除することもまだできなかった。
前よりも確実に「違和感」の輪郭を掴んでいるのだが、そこに焦点を合わせれば合わせるほどぼやけていった。
僕は上を向いて、空を仰ぎながら深いため息をついた。
できることなら、僕の中のネガティブさのすべてを空気に預けてしまいたいと思った。
−夜の間に浄化された空気−
あの笑顔の素敵な駅員のことを思い出してしまった。
−やれやれ−
あの駅員まで僕にまとわりつくのかと思うと少し嫌な気分になった。
「あっ!今だ。」と僕はいきなり叫んでしまった。
あの少女が現れるタイミングだ。
今まで2回ともこういうタイミングだった。
僕は自信をもって振り向いた。
しかし、少女はいなかった。
誰一人としていなかった。
人影すらなかった。
僕はまた海の方を見た。
自分が情けないという思うより、少女がいなかったという残念な気持ちでいっぱいだった。
結局、5時過ぎまで浜辺にいたが少女は現れなかった。
僕はその時間に文庫を半分程読み、缶コーヒーを4本飲み、数え切れないくらいのため息をついた。
真上で輝いていた太陽は、次第に傾いていき、恥ずかしそうに赤く染まったあと、ビルの隙間に隠れていった。
僕は辺りが完全に暗くなってしまう前に浜辺を出発した。
道沿いにはいくらかの電気がついていて、僕の足元を照らしてくれたおかげで、迷うことはなかった。
道のりを半分までやってきたところで、空は完全に暗くなってしまった。
街のあちらこちらに電気がついて、昼間とは違う活気がでてきていた。
今日の夕飯は目に付いたパスタ屋で済ませることにした。
入り口はレンガ造り風にしてあって、いくつかの観葉植物が綺麗に並べられていた。
一段あがると、掲示板が置いてあって今日のおすすめが書いてあった。
「ベーコンとアスパラのペペロンチーノ シェフおまかせコース(グラスワイン一杯サービス♪)」
僕は迷ったあげく、シーフードカルボナーラを注文した。
店内を見渡すと、内装は木目調になっていて、照明を少し落として落ち着いた雰囲気にしたあった。
BGMはジャズっぽい感じで、僕にはそれが店の雰囲気と合っているのかよくわからなかった。
シーフードカルボナーラを2口食べたところで、ガーリックトーストを頼んだ。
それを最後に皿に残ったソースに付けながら食べた。
かなりおいしかった。
ウエイトレスのおねえさんがもう少しかわいかったら3食ともここで食べるかもしれない。
もう一度本屋に寄ったが読みたい本がなかったのでそのまま旅館に戻り、ゆっくり風呂にはいって、ビールも飲まずに本の続きを読んだ。
そして、読みかけだった文庫を全部読み終えたところで寝た。
僕が思っていたような浅いミステリーではなかった。
昨日、黒いプラスティック製のゴミ箱に捨てたティッシュはなくなっていた。


今日はちょっと長めです。
やっと半分まで来ました。

最遊記リロード2読んだ。
いや〜、相変わらずかっちょえぇぇぇぇ。
3人して、三蔵を「ぶっとばしてみてぇ」って言ったときは笑いました。

CDTVでラルクがとりあえず流れて、ほっとしてます(笑)
「winter fall」「HONEY」「snow drop」「HEAVEN'S DRIVE」は確認。



...

死神の微笑み <27> - 2003年04月01日(火)

おにぎりを全部口の中に放り込んで、ペットボトル入りの暖かいお茶を飲んだ。
コンビニで買ったときはもっと暖かかったはずなのに、少し冷えてきていた。
一度ペットボトルの蓋を閉めて、本屋で買った2冊の文庫を取り出した。
店の人が丁寧にかけてくれた紙のブックカバーを外して、題名を見た。
とても読みたくなるような題名ではなかった。
題名だけならば、ミステリー好きのおばちゃんでも考え付きそうな題名だった。
一ページめくってみた。
そこには再び題名が小さく書かれていた。
とても読む気にはなれなかった。
次のページには目次が書かれていた。
目次だけを読みながら、内容を想像した。
主人公紹介→事件発生→探偵ごっこ開始→第2の事件→行き詰る→解決→追求→主人公ピンチ→逮捕
僕の中で、この事件は1分で解決してしまった。
そこには奥深さがまったくなかった。
もう一ページめくって一行目を読もうとしたがやめた。
読む気になれなかった。
本を閉じて、海を眺めながら考えた。
人々はなぜ、殺人事件が起きるこの話に夢中になれるのだろう。
ミステリーの中では人が何人も死ぬ。
現実で人が死ぬとみんなはあんなに悲しがるのに、話の中で死んでも平気なのだろうか。
死においても現実と架空を区別できるほど、人々は器用なのだろうか。
それにミステリーの中では、「死」は主人公の鮮やかな殺人トリック解明の道具にしか過ぎないのかもしれない。
「死」というもの自体が、ものすごく大きな意味をもっているはずなのに、ミステリーでもっとも優先されるのはトリック解明だ。
「死」が薄れている。
「死」の実感がない。
その時、僕の中の「違和感」は激しく暴れた。
今までにない勢いで、体中を動き回った。
光のような速さで動き回り、今度ばかりは本当に肌を突き破ってでてきてしまうかと思うほどだった。
でも同時に、僕には確信があった。
−僕は確実に核心に近づきつつある−


実は、連載を続けながら、自分の文章にビクビクしていたりする。
読めば読むほど、文章にまとまりがない気がしてくる。
特に、このあと少女のことについて長々書くくせに、主人公の過去は数行で済ませている。
最初、この二人は完全に別々に書き分けているのに、二人が会う度に二人の境界線が無くなっていくわけです。
途中は少女の話になってしまっているし。
まぁ、それも悪くないんだろうけど・・・。

ふぅ〜・・・ほんと難しい。



...




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