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ひげ



 2年越しの恋、適う

 メルマガ黒鯛日記、増刊号より

 どーも、ひげです。本日は、私の個人的なコトなのですが、皆様にご報告とお願いを兼ねて増刊号を出させて下さい。

       と言いますのも、2年越しの恋が適ったのです。

 皆様は覚えてらっしゃいますでしょうか?2004年3月15日に、私が釣りの最中にウミスズメという野鳥を保護したという話(この時も増刊号を出しました、詳しくは、私のHPにも記録してあります)。
 ウミスズメは、絶滅危惧種1Aに指定されており、近年、その数が減少している海鳥。
 「そんな貴重な鳥の繁殖地が山口県にあるかもしれない」と、この2年間、双眼鏡を片手に、山陰を中心にウミスズメ探しをしておりました。しかし、数カ所の漁港から情報は貰ったものの、自分自身でその姿を見ることは出来ずにいました。

 それが、昨日2月15日に、2年前にウミスズメを保護した釣り場で、同じ様な潮で釣りをしている最中に、ウミスズメが私の目の前に表れたのです!場所は、激流で有名な関門海峡に面した湾の出口付近。天気は曇り時々雨、風は殆ど無い、ある意味絶好の釣り日和。

 最初は、2年前の悪夢がよぎりました。「また衰弱した個体なのでは?」しかし、今回は、とても元気な個体。

 当日は、保護した時と同じ、当て潮、潮は私の足下で浮き上がっていました。ウミスズメの行動を観察してみると、どうやら、私のマキエの中のオキアミを水中で盛んに啄んでいます。そして、その後、一時間近く、私の足下から離れずにいました。、しかも、近付いた時には、私の竿が届く距離(!)

 ウミスズメの行動は、私の想像していたモノとは全く異なっていました。

1、浮いている時よりも、水の中にいる方が長い:水中では長いときで1分近く息が保つ。逆に、水面に顔を出すのは数秒程度、顔を出している時も体の半分以上は水の中。その時に、私と目が合うと、小さな声で、「チィ」と鳴く。浮いたときにクチバシが「肌色」である事からウミスズメと識別。(冬毛は殆ど見分けのつかないカンムリウミスズメという鳥もいるのですが、こちらはクチバシが青白っぽい事で区別が出来ます)

2、泳いでいる姿は小さなペンギン:潮が浮いていたからなのか、元々そうなのかは分かりませんが、あまり潜りませんでした。水面下1〜2m程度を波止に対して平行に行ったり来たり。泳いでいる時には、羽を「くの字」に広げているので、その姿は、上から見るとペンギンそのもの・・・
 泳ぎは結構速く、スズキから逃げまとう子アジくらいの速度で泳ぎます(魚を主食にしている鳥なので、当たり前か・・・)1,2の状況を1時間近く続けていましたから、小さいながらも結構なスタミナの持ち主です。

3、意外と人慣れしている(?):先ほど、私の竿が届く範囲と書きましたが、この波止は、水面から4m、私の竿は5メートル。正に波止際の釣り師の目の前まで平気で来ます。30m先沖にはセグロカモメ8羽、その他にもカンムリカイツブリ2羽、ウミウが1羽と大型の海鳥が湾内を陣取って居ましたので、彼らと人間を天秤に掛けて、人間の方が安全だと判断しているのかもしれません。また、ウミスズメの主食となる小魚が少ない時期は、案外、釣り師のオキアミを食べる知恵も持っているコトも想像出来ます。

4、食事を終えると湾内から出て沖へ:ウミスズメを観察したのは、約150m四方の人工的に造られた正方形に近い湾内だったのですが、食事を終えたウミスズメは、湾を出て、沖に見えなくなっていきました。その時も飛ぶコトは無く、泳いで沖に出ていきました。
 

 「本当に山口県にウミスズメは居るのか?」探せど探せど見つからない、2年目の冬に、正直な所、諦め半分だった私ですから、昨日の出来事は、正に“白昼夢”的なモノでした。
 そして、もう一つは、双眼鏡を持って野鳥調査をしている時ではなく、釣りの最中に見つけた事。釣りがライフワークである私にとって、野鳥を釣りとの接点を模索してきた2年間だったので、これはとても大きな収穫。

 だって、釣り師が釣りをしながらウミスズメの調査が出来るのですモノ!

 そこで、皆様には、私からのお願い。もし釣り場でウミスズメを見かけた時には、私までメール頂けませんでしょうか。もしかしたら、ウミスズメの越冬ルートや生態、もしかしたら、繁殖地が見つかるかもしれません。皆様のウミスズメ目撃情報をお待ちしております。
 
  今後もウミスズメの情報は、私のHPにアップしていきます!

                   

2006年02月16日(木)
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