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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
PC入れ替え中です

土曜日にPCの調子が悪くなり、これを機に入れ替えることにしましたが、現在セキュリティソフトを入れ終わったところで、まだいましばらく艤装に時間がかかります。
今週末の更新は無理そうです。あしからずご了承ください。

映画「レ・ミゼラブル」の冒頭のシーンは帆船好きには感動ものだと教えていただきました。ありがとうございます。
私自身は見に行く時間がとれるかどうかわかりませんが、見に行かれた方はみなさん、よかったとおっしゃいますね。


以下事務連絡のようなものですが、
そんな事情で、今日中にメールソフトの艤装までたどりつけるかどうかわかりません。メールはネット経由で見られますし、いただいたメールに返信ではお返事が返せますが、アドレス帳の移行が済むまで(この一週間)多少の不便があるかもしれません。
そのような事情ですのでご理解くださいますよう。よろしくお願いいたします。


2013年01月27日(日)
NYセントラルパークの大砲

1780年に米国ニューヨークのイーストリバーに沈み、1865年に引き揚げられた英国艦H.M.S.Hussarの大砲。
砲栓をされ、市内のセントラル・パークに展示されていましたが、さび落としのためにセントラルパーク内の倉庫に運び込まれ、作業を行おうとしたところ、なんとびっくり!大砲は装填されていつでも発射できる状態のままだったのです。

作業を担当していた職員は慌てて警察に緊急通報し、専門家が黒色火薬を除去するという騒ぎになりました。
なんとニューヨーク市民は150年近くにわたり、それと知らず装填された大砲をセントラル・パークに展示していたのでした。
…という記事とそのCNNニュースを下記で見ることができます。

いやもちろん、沈没時に大砲が装填状態だったというのは十分考えられることですが、引き揚げる時もその後公演に展示する際にもその点を全く確認しなかったというのはオドロキですね。
CNNニュースの解説英語が機知がありなかなか面白いです。

Loaded Cannon from HMS Hussar Found In New York’s Central Park
http://www.oldsaltblog.com/2013/01/loaded-cannon-from-hms-hussar-found-in-new-yorks-central-park/


2013年01月20日(日)
水兵と入れ墨

マスター・アンド・コマンダーの映画で、マチュリンが水兵の手術をするとき、水兵の一人が「HOLD FAST」と入れ墨されたげんこつを握って成功を祈る場面がありますが、これずっと「どういう意味なのかな?」と思っていたんですよね。
下記に答えがありました。

Sailor’s Tattoos – Pigs, Chickens, Swallows, and Tattooed Backsides
http://www.oldsaltblog.com/2012/12/in-a-million-pageviews-the-most-popular-post-sailors-tattoos-pigs-chickens-swallows-and-tattooed-backsides/

この記事によると、「HOLD FAST」と入れ墨を入れておくと、マストなど高所での作業中に転落することがない、と信じられていたということ。
また豚と鶏の入れ墨は「溺れない」ためのお守りなのだとか。

今でも船乗りはよく入れ墨をしていますが、さすがに「HOLD FAST」というのはお目にかかりません。
豚と鶏は今でもあるのでしょうか?


2013年01月14日(月)
明けましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

1月2日のNHK慶長遣欧使節のドキュメンタリーは、凄い内容の番組でした。
伊達政宗が、サン・ファン・バウティスタ号を建造し、太平洋を横断してスペインに使節を送ったことは、歴史的事実として知ってはいたのですが、歴史として習った昔はまだ海洋小説を知る前だったので、それが実際にどれほど凄いことか…というのは、今回ほんとうに実感として身に染みました。

そしてさらに、遣欧使節の出航が三陸を襲った大津波のわずか2年後だったということ、サン・ファン・バウティスタは、南蛮人の指導のもと45日で日本人が初めて建造した西洋式帆船である、という事実には驚愕。
それで太平洋を越えてしまったのだから、ほんとうにとんでもないことです。

いや幕末の咸臨丸とて、オランダ人顧問のもと海軍伝習所の卒業生を中心にぶっつけ本番で太平洋を渡ってしまったわけですが、咸臨丸は幕府発注でもいちおうオランダの造船所で建造された艦なんですよね。
それを考えると初めて造った船で初めて太平洋を渡ったサン・ファン・バウティスタの航海が、いかにとんでもないことだったか、よくよく身に染みます。それこそ、この番組でレポーターを務めた中村雅俊氏の言われるように、「今だったら、宇宙に行くようなもの」だったでしょう。

400年前の人の生命力というかエネルギーには物凄いものがあると思います。
後世に生まれた者としては、あまりへたへたもしていられませんね。

1月2日付けで400年前の別の映画の話題をアップしています。
更新が続きましたので、特別なニュースのない限り今週末(6日)はお休みして次回更新は連休の予定です。


2013年01月03日(木)
もうひとりのシェイクスピア

1月2日付けの更新は3日付けと同時にアップします。
1月3日からお読みください。

400年前にサンファン・バウンティスタ号に引き続き、同じ時代の映画の話題です。
海洋モノではないんですけども、海洋小説好きにはやはり、エリザベス朝期の英国は馴染みの時代だと思います。
そんな方におすすめ「もうひとりのシェイクスピア」
公式HPは下記
http://shakespeare-movie.com/

以前にロバート・ダウニーJr.のシャーロック・ホームズ映画の時、私は友人から「とにかく、あのテムズ河を見にこの映画に行って!」と言われたのですが、この「もうひとりのシェイクスピア」にも同じことが言えます。

VFXで再現された16世紀末のロンドンと、テムズ河、ロンドン橋、ガレオン船が見事です。
あの時代がお好きな方には嬉しい作品ではないかしら? もっとも扱っているテーマは「シェイクスピアはゴースト・ライターだった」という異説で、これを見てそのまま史実だと思われると困るけれども、こういう歴史もあったかもしれない…と想像してみるとなかなか、くるものがある作品です。

この時代はこれまでにドラマも映画もいろいろ作成されてきていますが、
この映画の雰囲気は、ヘレン・ミレンのテレビ・ミニ・シリーズ「エリザベス〜愛と陰謀の王宮〜」に一番近いかしら?

メアリ・スチュアートを処刑した王宮としては、その後継者がメアリの息子であるジェームズである、というのはやはりいろいろと大変だったろうなぁと容易に想像できますが、そのあたりの歴史(エリザベス死去後)を描いた映画は初めてだったので、なかなか面白かったですよ。以下ねたばれはいたしませんが、

シェイクスピアがゴーストライターだったというは歴史上の一つの仮説にすぎないものの、仮説にしても、このストーリーは良く出来ている。エセックス伯など当時の有名人に程よく役目を充てて、見事なパズルを完成させている感じ。

ゴーストライターを見破るのが、劇作家にしてスパイのマーロウというのは上手い役振りだと思いましたが、彼ってこの年まで生きてましたっけ?…というツッコミはなしで、あまり史実を追求せず、時代を楽しめば良いのではと。
監督のローランド・エメリッヒは、最近はパニック映画で有名ですが、そう言えばアメリカ独立戦争を描いた「パトリオット」の監督だったと思い出しました。

そうそう、この映画、ボライソー・ファンには嬉しいシーンが。
いちばん最初の舞台シーンが「ヘンリー五世」の聖クリスピアン・スピーチです。
But we in it shall be remembered ;
We few, we happy few, we band of brothers:
For he to day that sheds his blood with me,
Shall be my brother:
という「我ら幸いなる少数」のセリフを、この舞台に熱狂する観客たちとともに味わうことができます。


さて、先日の「ホビット」感想原稿をちょっと手直ししました。homeのところを訂正削除しました。
先日3DHFRで2回目を見てきたのですが、3Dは字幕が見にくいので、映像に集中しようと思って、結果字幕なしに英語のセリフをわかるところだけヒアリングする形に。
してみましたら、私のヒアリングはけっこう字幕に引っ張られてドリームしていたことに気づきました。

ビルボの論理はもっとシビア。
そこに居ると居心地の良いところ、ホビット庄が自分のhome、ところが君たちドワーフは僕を冒険に駆り出し、僕からhomeを奪った。でもhomeを失った今こそ、君たちが失った故郷(home)に寄せる思いがわかる。だから君たちと一緒に君たちの故郷を取り戻しに行こう、って彼は言ってるんですね。
このhome(故郷)とamong us(旅の仲間)は単語はキーワードのように使われていて、裂け谷の会話にもこのキーワードが登場します。
これも以前には気がつかなかったところです。
やっぱり原語でないとわからない部分ってあるのだなぁと思いましたが、しかし原語だとヒアリングできない部分もね。
ドワーフさんたちの中には訛ってる方がいらっしゃるので、なに言ってるんだか聞き取れない方も。

この映画、日本ではいまひとつだそうですが、3D字幕ってやっぱりちょっと見るの大変。
HFR48コマ以外の3Dは日本語吹替版上映にした方がお客さんには親しみやすいかもしれません。
原作好きの人は2D字幕か3DHFRにいくと思いますし、映画館はいまひとつお客さんのニーズをつかみきれていないような。


2013年01月02日(水)