Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
バウンティ号遭難、沈没
米国東海岸を襲ったハリケーン・サンディについてはニュース等で報道されていますが、このハリケーンでノース・カロライナ沖を航行中だった復元船バウンティ号が沈みました。 船長が行方不明で沿岸警備隊が捜索中です。
バウンティ号は、1962年のマーロン・ブラント主演「バウンティ号の叛乱」の映画のために建造されたH.M.S.Bountyの復元船。最近では「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」にも出演(?)していました。
10月25日にコネチカット州ニューロンドンを出航し、フロリダに向かっていましたが、10月28-29日の夜、電気系統が故障、排水ポンプが作動しなくなり、毎時2フィート(61cm)でビルジが増水、10月29日未明04:30にRobin Walbridge船長は退船を決断、沿岸警備隊に救援を要請しました。 沿岸警備隊がノース・カロライナ州Hatterasの南東90マイル(145km)の現場に急行した時には、バウンティ号の船体は既に海中に没し、マストのみが見えている状態だったとのこと。 現場海域はハリケーン・サンディの中心からは160マイル(250km)離れていましたが、35ノットの暴風(風速20m)と18フィート(6m)の高波で大荒れだったということです。
16人のクルーのうち14人は救命ボートに乗り移っており沿岸警備隊に救助されましたが、移乗前に波にさらわれた1人の死亡が確認され、Walbridge船長は未だ行方不明です。
Two lost as storm sinks replica tall ship HMS Bounty http://www.independent.co.uk/news/world/americas/two-lost-as-storm-sinks-replica-tall-ship-hms-bounty-8231132.html
Hurricane Sandy: missing HMS Bounty crew member recovered from sea http://www.guardian.co.uk/world/2012/oct/29/hurricane-sandy-hms-bounty-crew
2012年10月30日(火)
今年は2012年なので
今年は2012年なので、 と言うより、米英戦争とナポレオンのロシア遠征のあった1812年の200周年(バイ・センテニアル)なので、 と言った方が良いと思うのですが、パトリック・オブライアン・フォーラムでは「今日は何の日」うんぬんと言った書き込みが交わされています。
この週末あたり、米国東海岸では米英戦争200年関連のイベントがあるらしく、元私掠船のリンクス号がニューヨークに行っていたり、コンスティテューション号も進水記念日(10/17)にドックを出たようです。
The U.S.S.Constitution is on the move http://www.wwnorton.com/cgi-bin/ceilidh.exe/pob/forum/?C343afb13dd0d-8329-12-30.htm これはパトリック・オブライアン・フォーラムに出ていた個人撮影の写真
こちらの写真の方が綺麗ですが、ここは米海軍のサイトです。 ボストンの市街地を背景に進むコンステューション号 http://www.navy.mil/view_image.asp?id=136278
まぁ英国サイドの小説を読んでいる身としては、ジャックもスティーブンも、アダム・ボライソーもひどい目に遭った米英戦争なので、あまり200周年を祝う気分ではなく、これまでは関連ニュースの中継をしていなかったのですが、コンスティテューションがドックを出たとなると、さすがにスルーするわけには。 やはり帆船は開けた海面(ここはまだボストン湾内だそうですが、厳密なツッコミは無しで)にある姿が美しいかな?と、 コンスティテューションは片舷斉射でジャックに重傷を負わせた敵艦ではありますが、ご紹介する次第です。 どなたか「コンスティテューション号がドックを出た」とリーワード艦隊のリチャード・ボライソー提督に急使船を出してくださいませ(苦笑)。
さて、一雨ごとに寒くなり冬の足音が近づきつつある今日この頃ですが、200年前の冬と言えば、ナポレオンをも敗北させたロシアの冬将軍。 ナポレオンのロシア遠征については、むかし読んだ両角良彦「1812年の雪―モスクワからの敗走」の印象が強烈で、ロシア遠征に動員され悲惨に凍死した属国の将兵を悼みこそすれ、わざわざ200周年うんぬんという話ではないなと思っています。 もっともそれを言い出したらどの戦争も同じことなので、きりがありませんが。
「1812年の雪」はもはや中古でしか手に入らない状況のようですが、どこかの古本屋で見かけられましたら、200周年を機にということで、手にとってみてくださいませ。エジプト遠征を描いた「東方の夢」も含めて、優れた歴史ノンフィクションだと思います。 この朝日選書版のほかに講談社文庫版もあります。
2012年10月28日(日)
ハイテクより300年前のテク…ビクトリー号修理
英国にとってはトラファルガー海戦の象徴であるビクトリー号は、ポーツマス市の海軍博物館のドックヤードで現在大規模修理中ですが、この作業に関して、なかなか面白い記事が、英国の新聞Daily Mailに掲載されていました。
Nelson's HMS Victory gets £50m facelift using a technique used by sailors 300 years ago after modern methods fail http://www.dailymail.co.uk/news/article-2210357/Nelsons-ship-gets-50-million-facelift-using-technique-used-sailors-HMS-Victory-300-years-ago.html
ビクトリー号の木造甲板の漏水修理について、最新の合成樹脂ではうまくいかず、結局300年前の技術(麻とピッチ)を用いることになったという話。 実際のところは修理するよりも設計図通りに再建造した方がお金がかからない、という話も。 もっとも、再建造されたビクトリー号はもはやビクトリー号ではない、とイギリス人は考えるんだろうなぁと、容易に想像できるので。彼らにとってオリジナル(当時のもの)にこだわるのはお金の問題ではないのでしょう。
難しいところですね。 グリニッチ海事博物館のカティ・サーク号は、炎上などもあって、かなりの部材がすでに当時のものではないのですが、カティ・サークとビクトリーは英国人の中では認識が違うのかなぁとも。 カティサークは速さ(性能)が象徴の文化財ですが、ビクトリー号は艦の「性能」よりも「人」が象徴の文化財、そこが違いなのかなと思われます。
2012年10月21日(日)
ニワトリ号と宝島の原画展
東京の銀座教文館書店、6Fナルニアホールで開催されている「福音館書店古典童話シリーズ原画展」 http://www.kyobunkwan.co.jp/narnia/na_event
ここに寺島龍一画伯の「ニワトリ号一番のり」の表紙原画と、「宝島」の挿画の数々が展示されている、と教えていただいて、先週の仕事帰りに行ってきました。 寺島画伯は、日本語訳の「指輪物語」と「ホビットの冒険」の挿画で御存じの方が多いと思います。
「ニワトリ号…」の表紙原画は水彩かポスターカラーだと思うのですが、帆の陰影が素晴らしい。 ニワトリ号はチャイナ・クリッパー。カティサーク号と同じく中国からの新茶輸送を競った快速帆船です。 とにかく速く航走ることが命!ハードカバー本の表紙を飾るニワトリ号は、持ち得る帆全てに一杯の風を受けて、最大船速で波をかきたてて行く姿、今で言えばまるでボルボオーシャン・レースを見ているような…海洋小説の表紙は帆船と決まっていても、ここまで迫力のある表紙にはなかなかお目にかかれません。 (ジェフ・ハントの表紙は本当に素晴らしいのですが、いかんせん文庫サイズという悲しさが…)
「ニワトリ号一番のり」は小学校の図書室にありました。でも自分自身では持っていませんでした。 小6のとき、アーサー・ランサムの帆船や海の物語にすっかりはまった後、この表紙に惹かれて一度手にはとったのですが、正直いってその時にはあまり強い印象はなく、親にたのんで買ってもらうには到らなかったのです。 当時は買ってもらえる本(児童文学ですから当然ハードカバーです)が限られていたので、私はニワトリ号よりアーサー・ランサムとローラ・インガルズ・ワイルダー(「大草原の小さな家」!)を優先して、この本は小学校の図書室とともにお別れしてしまいました。
でも今は、もう大人。欲しい本は自分で買ってもいい。 こんな綺麗な表紙の本を忘れていたなんて!原画展の会場で私は、(生頼範義画伯の「武揚伝(開陽丸)」以来の)帆船表紙ハードカバー「ジャケ買い(?)」をして、この本をもう一度読みなおしました。
「ニワトリ号…」の主人公はチャイナ・クリッパー(中国から新茶を一番早く英国に届ける快速帆船)ブラック・ゴーントレット号の二等航海士クルーザー・トルズベリー22才、物語のはじまりでゴーントレット号(ニワトリ号ではありません、ここ注目!)は、中国福州からの帰路航海にあるのですが、大西洋のど真ん中で無風帯に入ってしまいます。
一等航海士は一週間前に事故死していて、船長は無風状態にイライラしており、というよりも船長は昨年わずかの差で「一番に新茶を届ける」栄誉を逃したことから、今年こそはというプレッシャーに押しつぶされかかって、神経衰弱状態になっている。 船長は二等航海士のトールズベリーに八つ当たりのような態度に出、水夫の間にも問題が起こる…というような話が最初の45ページほど続くのですが、こういう話を12才の子供が面白いと思うかというと、…それはちょっとやっぱり、昔の私はこの本を読むには早すぎたよね…と言わざるをえません。
12才の私に船長の孤独など理解できる筈もなく、イライラして部下に八つ当たりして嫌な船長と思っていたでしょうし、船が沈みかけていて水樽を持ってこいと言われているのにラム酒を探しに行っちゃう水夫にあきれたことでしょう。それがごく普通に起こりえることだとはあの頃にはわかりませんでしたから。 もちろん、いろいろ読んだ後の今は、わかります。 子供には退屈かもしれませんけれど、こういう細かいところを微細に書いてあるところが、リアリティを出していて嬉しい。子供の頃には退屈だったところが、こんなに面白いなんて!
…いやでも、この面白さを12才の子供に理解しろと言っても、やっぱり無理というものではありませんか? この本、日本ではどうして「児童文学」のくくりなんでしょう?
この福音館の古典シリーズは、古典作品を子供に紹介することを目的に続くシリーズなので、アーサー王も三銃士もレ・ミゼラブルもこのシリーズに含まれています。児童文学に古典があることは問題ないのですが、 三銃士など他の作品は、大人向け文庫や映画などがもほかにもあり、物語の味や重要性がわかる年齢になった時に再度出会うことが出来るのに対して(私「三銃士」は高校生の時に講談社文庫でハマりました)、「ニワトリ号」はこの古典シリーズにしかないので、児童文学の書棚でしか出会えないことが問題なのではないかと。
この物語の作者ジョン・メイスフィールド(1878-1967)は、英国の詩人、小説家、劇作家。日本では児童文学のみが有名ですが、英国Wikipediaによれば、海洋小説、社会小説、児童文学と多岐にわたる小説を書いているようです。
メイスフィールド邦訳本 海洋小説: The Bird of Dawning(「ニワトリ号一番のり」木島平治郎訳、福音館書店) ノンフィクション Gallipori(「ガリポリ敗退記」中野好夫訳 古今書院1942年) 児童文学: The Midnaight Falk(「夜中出あるくものたち」石井桃子訳、評論社) The Box of Delight(「喜びの箱」石井桃子訳、評論社)
英国の分類ではニワトリ号は海洋小説になっています。
上記で児童文学とされる2作品は、じつは私は未読で、ネットであらすじを調べただけなのですが、2作品共通で一人の少年が主人公。 私掠船乗りだったひいおじいさんが宝物を隠したとされる屋敷に、夜な夜な魔女が現れる。少年は黒猫とキツネの助けを借りて屋敷内に隠された宝を探す…という物語のようですので、これは確かに児童文学だろうなぁと思われます。 それと比べるとニワトリ号の主人公は22才の二等航海士ですし、古典ではあっても児童文学と言えるのかどうか?
でも「古典」「児童文学」に分類されているからこそ、今でも入手できる!という特典もあります。 書籍の回転の速い出版業界、もしこれが「海洋小説」に分類されていたら、再版がかからず古本屋を探しまわるしかない!という事態になっているのでは?
チャイナクリッパーの話…というと、他に私はリチャード・ウッドマンの「大海の賭け」を思い出しますが、この本もう古本屋でもなかなか手に入らないでしょう? 「大海の賭け」のヒロインはチャイナクリッパーの船主の一人娘で、船主である父に同行して中国に航海しますが、新茶を積み込んでいざ出帆という時に、父が急に倒れて亡くなります。 ヒロインはクリッパーを相続するわけですが「英国に一番に新茶を届けなければいけない」状況なので、哀しみに浸っている暇もありません。クリッパーの船長は良からぬ男で、ヒロインを小娘とあなどって、あわよくば船を自分のものにしようとするのですが、賢い彼女は航海士の協力と支援を得て、船長とわたりあいながら、帰路航海一番乗りをめざす…という。スリルとサスペンスとロマンスもちょっとあり。
それに比べると「ニワトリ号…」は地味ですよ。 帆船の細部まで細かく描写されていて、でも児童文学なので訳が「なわばしご」になっていたりして、なわばしごってシュラウドのことかしら?とか逆に元の英語を想像しなければならないのでちょっと手こずりますが、 「ニワトリ号…」も波瀾万丈なことでは「大海の賭け」に劣りませんが、それは航海が波瀾万丈なのであって、ひたすら航海していると言えばそれだけでもあるし。もっとも、ゆえにより純粋に海洋小説と言える…という見方もありますが。 でもこの本が「児童文学」に分類されるゆえに、この挿絵とともに、この先何十年も本として残ってくれるのならば、回転の速い出版業界でいわゆる海洋小説が店頭から消えつつある昨今、海洋小説ファンとしてとてもありがたいことだと思います。
作者のジョン・メイスフィールドには船乗りの経験がありました。 微細でリアリティのある描写はなるほどと納得します。 幼くして両親を亡くしたメイスフィールドはおばの家に預けられましたが、13才で商船学校に入り、1894年、17才で船員として海に出ます。でも本が好きで、詩を書いていて、結局は詩人になるために陸に上がる決心をし、最初は絨毯工場で働きながら詩を書きますが、その才能を認められて詩人として世に知られるようになったそうです
彼の詩には海をうたったものが多く、日本語Wikipediaには「海洋冒険小説でよく引用されている」と書かれています。 20世紀に活躍された詩人ですから、ここで海洋冒険小説というと20世紀…第二次大戦以降ということになるのでしょうが、恥ずかしながら、ぱっとすぐに思い出せるものがなく、 ダグラス・リーマンで詩の引用はあまりないと思うし、ダドリ・ポープの第二次大戦モノも詩の引用はなかったような…、よく引用しているというとジャック・ヒギンズとか?でもヒギンズだと海洋冒険には限定されないでしょうし、うーん、誰の作品について言及されているんだろう、気になる〜、どなたか思い当たるフシがありましたら教えてくださいませ。
2012年10月14日(日)
BS歴史館;日本を知らしめた男
先週の水曜日3日20:00〜21:00のNHK BSプレミアム「BS歴史館」は、「伊能忠敬;日本を知らしめた男」でした。 この番組は日本史や世界史上の人物について、その功績や人となりを3人のゲストが語る番組、3人のゲストはそれぞれに、異なった切り口からその人物を語ることの出来る方が登場。
伊能忠敬は、19世紀初頭に幕府の命で日本各地を測量し、初めて日本列島の形を明らかにした大日本沿海輿地全図の作製者。 今回のBS歴史館は「日本史」分野のお話だな…と思っていたところが、あにはからんや世界史それも当時の極東進出を狙っていた欧米列強側の目がから見ると、大変おもしろい「世界史」分野のお話であることが、見終わってみてわかりました。 これ19世紀初頭の海洋小説をお好きな方にはけっこう楽しめる内容ではないでしょうか?
NHK ネットクラブ 番組詳細 https://pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20121004-10-14929&pf=f
再放送が今週金曜日の10月12日(金)朝8:00〜9:00 NHKオンデマンドでも放映していますので、今すぐご覧になることもできます。
NHKオンデマンドBS歴史館 http://www.nhk-ondemand.jp/program/P201100075800000/#/0/0/
伊能忠敬のサブタイトルは「日本を知らしめた男」です。その、「知らしめられた相手」は誰か? まずは日本人。それまで日本人は自分が住んでいるこの日本列島がどういう形をしているかを正確には知らずにいました。 この史上初の海岸線地図、は、藩毎に分かれていた当時の日本人に初めて「国」の意識を与えた、と歴史学者は言います。
そしてもうひとつの相手が、当時極東進出を狙っていた欧米列強。 大日本沿海輿地全図は彼らに、当時の日本の技術水準の高さを知らしめた。「これは簡単に植民地化できる相手ではない」、と欧米列強に対応を変えさせた原因のひとつになった、と言うのです。
このあたり、当時の欧米事情を知らない人には今ひとつピンと来ないかもしれないのですが、当時の英国海軍モノを読みなれている私たちから見れば「あぁなるほど!」と、大きくうなづけます。 伊能忠敬が測量を開始したのは1800年、大日本沿海輿地全図が完成したのは忠敬の死後3年の1821年。 英陸地測量部Ordenance Surveyが最初の地図を発行したのは1801年ですが、当時の帆走軍艦が航海先のろくな海図も地図もなしに苦労していたのは、皆さんもよくご存知と思います。
いや正直な話、当時の艦長の立場で見て、インドの先のはるかファー・イーストで、緯度も経度も入ったあんな立派な地図が自力作成されていることを知った時、彼らがどれほど驚愕したが、容易に想像できてしまいます。
私は2007年にエストニアのタリンの海洋博物館に行った時に、エストニア人で当時ロシア海軍の艦長としてロシア人初の世界一周航海をしたアダム・ヨハン・フォン・クルゼンシュタインの航海記を見たことがあるのですが、 クルゼンシュタインは1803〜04年にかけて日本近海を航海し、それも2〜3度日本列島を周回して、海上から地図を作ろうとしているのですが、これがけっこう不正確なんですよね。 伊能図が作製されていたのは全く同じ時代。まぁ鎖国ゆえに日本に上陸できなかったクルゼンシュタインの地図が不正確なのは致し方ありませんが、あの正確な地図を見てしまったら彼らが驚愕し「こいつは侮りがたし!」と思うのは至極当然だろうと、
この番組、もうひとつ面白かったのはゲスト解説のお一人天野祐吉氏が説かれた「隠居パワー」のすごさ。 伊能忠敬が江戸に出て天文学を学び始めたのは家業を子供に譲って隠居となった50才。地球の大きさを計算するために蝦夷地の測量に出たのは56才。 地球の大きさを計算するために北海道まで行く…などということは、隠居の道楽でもなければ許されない。 隠居の道楽だからと好きにさせてもらった結果が、正確な蝦夷地地図という形を表したことで、幕府はこの「道楽」の重要さを知り、沿海輿地全図という国家プロジェクトが動き出すことになりました。 「隠居の立場で、一見ムダに見えるようなことを、ただ好きだけで一生懸命やる」という余裕が、社会には重要なんですよ、と天野氏は仰る。現代のような余裕のない世の中では特にね、と。
いやなんか、将来に夢の持てる一言でしたね。 つまり隠居になれば「ムダに見えるようなことを、ただ好きだからと一生懸命やっても大目にみてもらえる」ってことなのね。 べつに世の中の役にたたなくても、害にさえならなければ隠居の道楽と許される…と。 今はネットがあるから、べつに伊能忠敬みたいに潤沢な隠居料がなくても、安価に好きなことが出来るじゃないですか?そう考えると今から定年退職後が楽しみになったり…いやそれまでにまだまだ年金料を収めて、老後資金も貯めなければいけないんだけれど、そして私はもう60才で年金がもらえる世代じゃないんだけど…それでも好きなことやり放題が許されると思ったら、将来に夢があるような気になるじゃありませんか?
ところで、BS歴史館のページを探している途中で見つけたのですが、 今週水曜10日の「追跡者ザ・プロファイラー」はコロンブスなんですね。
追跡者 ザ・プロファイラー 「コロンブス“夢をかなえる力”」 BSプレミアム 10月10日(水)午後9:00〜9:59 「絶体絶命のピンチ続きのなか、彼の類まれな好奇心、洞察力、忍耐力の秘密はどこに?」 …って、ちょっと面白そうです。詳細は下記。
NHKBSオンランライン・歴史文化 http://www.nhk.or.jp/bs/t_culture/
2012年10月07日(日)
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