Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
雑談と今週のTV映画情報など
最近ちょっとカウンターのまわりが早いなと思ったら、「キング・アーサー」の関係で読みにいらした方も結構いらっしゃるようですね。 私自身はこの映画、結構はまっていて、先週のレディースデーに早速2回目に行ってしまったりしています。が、私の場合、某海洋小説とヨアン・グリフィスが被っているので、ひょっとしたら色眼鏡かかってないかしら?…と自分でも自分を疑う部分があるのですが。
でも少なくともそれは、私一人ではないことがわかりました。 先日ちょっと書いた「クライブ・オーウェンのアーサーを見ていると思い出す、とある艦長」の話、その艦長が誰か明らかにしていなかったのに、全く同じ感想を持ってくれた友人が現れました。 以下、許可を貰いましたので、彼女の感想から、アーサーの人となりを引用。
>理想主義者で上司には睨まれ、上司や守れと命じられた物はひどい奴。 >それでも命令は遵守。でも自分の理想のために権力者に反抗しまくり、部下思い。 >任務で出会った虐げられた女性とラブラブ。 >部下は少数精鋭、文句言いつつ隊長大事。兵役を満了しても隊長のために死地に残っちゃう。
読んでなるほどな…と思いました。これって全く、映画「キング・アーサー」のストーリーその通りなんですが、 長年の海洋小説ファンの方> このようなストーリー、昔どこかで読まれた記憶ありません? 主人公の立場は違えども、エピソードはそっくりそのまま。 場所はハドリアヌス城壁の北ではなくって地中海。 そりゃあ、私が魅了されるわけだわよね、この映画…と納得いたしました。
それにしても、このアーサーの人物設定、何とかならないものか、 ほんとうに何処ぞのストーリーそのままなのですけれども。いったいどうしてこんなことに?
ただ「キング・アーサー」で面白いな…というか、こまったな(苦笑)と思うのは、普通このような性格の陰のカリスマ指揮官には、彼の感情を代弁したりやんわり受けとめたりする役目の副指揮官がつきます(例えば「ナヴァロンの要塞」のマロリー(グレゴリー・ペック)とアンドレア(アンソニー・クイン)のように)。 ところがアーサーの場合は副指揮官が、素直じゃないヨアン…じゃなかったランスロットで、これがまた他の部下の前では感情を隠すのが上手い…という、まったくもって第2シリーズのレナウン号のホーンブロワーのような性格になっている。ランスロットはアーサーと二人きりにならないと、決して本音を口に出しません。
ゆえに、結局、彼らの感情を代弁する第三者と仲介役が必要になるわけで、これをしてレナウン号でのケネディとブッシュの役目と評してしまうところが、私、色眼鏡入っているのでは?…と自分で自分を疑う部分ではあるのですが、ともかく…。 あ…、今、私、アメリカの大統領選の話しをしているわけじゃありませんからね…。そういえばボライソーにはクリントン少佐という人もいたけれど。
ともあれ、円卓の騎士団の中でケネディ役、つまり理不尽でもそれを口に出せない隊長と副隊長に代わって「これはおかしいじゃないか!」と指摘するのがボースとガラハット、仲立ちになる年長のブッシュ役がトリスタンとガウェインなのでしょう。 2回目を見に行くと、騎士団の中の微妙な人間関係が見えてきて、なかなか面白い。 決してセリフだけではない、微妙な表情とか間のとり方とか、細かい部分まで神経の行き届いた演技が見事です。
でも友人が「これはアドバイスだけど」と前置きして言っていましたが、初めて見る時には、あまり無理をして騎士たちを見分けようとしない方がいいかもしれない…と。それに気をとられると混乱しますから。 よく皆さんの混乱する、ガラハットとガウェインとトリスタンの見分け方は、金髪がガウェイン、黒髪で年長で鷹を連れているのがトリスタン、黒髪で比較的若くて表情がくるくる変わるのがガラハット…でございます。 3回目に行っている時間はさすがに無いと思いますが、DVDはまず間違いなく購入してしまう予感。
DVDと言えば、M&CのDVD売り上げは順調のようですね。 日本経済新聞の土曜版「NIKKEI プラス1」の売れ筋チェックDVD上位5作品では2位でした。首位は「ファインディング・ニモ」なのですが、これはまぁ仕方のないところでしょうか?(上映時にラスト・サムライと並ぶメガヒット映画でしたし)
この日経土曜版には「映画カレンダー」というコーナーがあり、今週のTV映画からおすすめ作品の一覧と、「今週の1本」ではその中の1本を取り上げ映画評を載せています。 今週とりあげられていたのは「荒鷲の要塞」。 英国の冒険小説を映画化した1968年のアメリカ映画。放映予定はNHKBS2で5日深夜0:30〜) 原作はC.S.フォレスターと並ぶ英国冒険小説の第一人者アリステア・マクリーンの小説ですが、映画の脚本もマクリーン自身が担当。 映画評論家いわく「最近の映画に慣れた目から見ると、丁寧で優雅なつくりのアクション映画、思えば60年代の観客は今よりずっと辛抱強いのだった」
私が冒険小説というジャンルを読み始めたのは社会人になってからで、「荒鷲…」の原作を読んだのも10年くらい前ですが、過去に映画化されたものについても、このようにTVで放映されたりするとチェックしています。 英国の冒険小説って、単なるアクションで終わらず、複雑な人間関係があったり、人生哲学があったり、気のきいたセリフがちりばめられていたりするものですが、ハリウッドのアメリカ資本で映画化すると、どうもドラマ部分が薄れてアクション主体になってしまうきらいがあります。 「荒鷲の要塞」はまだ、主人公2人(リチャード・バートン&クリント・イーストウッド)の気の利いた会話が残っていますが、これでも原作の渋さに比べたら、ずいぶんドンパチの派手なアクション映画になっちゃったなぁと、私は思うのですけれども。 でもそれでも確かに、評論家のおっしゃる通り、今にして思えば丁寧なアクション映画と言えるでしょう。
M&C公開時に米国で言われていた「この作品(M&C)は、50年代60年代を彷彿とさせるクォリティーの高いアクション映画」という評は、たぶん「荒鷲…」以前の映画群を念頭において書かれているのだな…と思われます。 今から考えてみると、M&Cって、本当によくこの21世紀に、こんな渋い映画が作れたものだ…と今さらながらに感動します。
***関東の皆様に映画情報*** 8月7日(土)TBS深夜26:40〜(2:40AM〜4:50AM)「スカートの翼ひろげて」 3人の女性を主人公に第二次大戦当時の英国を描いた映画ですが、ポール・ベタニーが主人公の恋人役(軍人さん)の筈です
2004年07月31日(土)
南部イングランド海洋小説旅案内(2)
英国南部海洋小説旅案内2は、ロンドン近郊と、ポーツマス、プリマスの二大軍港、そしてファルマスのご紹介です。
◆グリニッジ(ロンドン近郊) Greenwich ロンドンから鉄道またはドックランド・ライトレールで30分弱。テムズ川を船下りすると1時間。 海洋小説ファンにはカティーサーク号と国立海事博物館(National Maritime Museum)で有名なグリニッジ、一般的にはグリニッジ標準時と天文台で有名です。 ポーツマスまで行かれる時間の無い方は、こちらの国立海事博物館へ。ジャックの時代の軍服や剣などの展示はこちらでも見ることができます。
カティーサーク号(さすが世界最速の帆船、木造軍艦に比べると船首がスマート)
◆ポーツマス Portsmouth ロンドンから列車で2時間、日帰りも可能。 オブライアン博物館案内ではビクトリー号と、海軍博物館、海軍火力博物館が紹介されていましたが、このほかに海兵隊博物館、英国最初の鋼鉄艦ウォリアー号、潜水艦博物館、Dディ博物館(第二次大戦のノルマンディ上陸作戦関連資料を展示)など、海洋小説ファンには興味の尽きない博物館が目白押しです。
私はビクトリー号と海軍博物館、それに海兵隊博物館を見てきましたが、これで1日めいっぱいでした。 意外とおすすめなのは、海兵隊博物館。 パネルや模型、セットを使って帆船時代を紹介している海軍博物館と異なり、海兵隊博物館は実物史料展示館になっています。 「ホーンブロワー」や「ラミジ」に出てくる「愛国者基金贈呈の百ギニーの剣」の現物などをご覧になりたい方は、海兵隊博物館の方がおすすめです。
ただし海兵隊博物館は、イーストニーの海兵隊基地の中にあるので、入り口には銃を持った歩哨さんが立っていて、誰何され用向きを尋ねられるかもしれません(同時多発テロ以降は警備が厳しくなっているのでは?) 海兵隊博物館のHPはこちらですが、なんとネットからミュージアムショップの商品がオーダーできるようです(意外と商売熱心?)。 書籍など参考資料もオーダーできますが、海兵隊テディベアなどというものもあって、少々くじけます。
ビクトリー号は、水兵さんの案内するガイドツァーでまわることになっており、自由に歩きまわって見学することはできませんでしたが、今も同様でしょうか? チケット窓口で見学申し込みをしますが、休みの日などは混み合っているので、1〜2時間後のツァーになる場合もあります。 先にビクトリー号のツァー申し込みをすませ、待ち時間に食事をしたり、海軍博物館(隣接しています)を見学したりする方が効率的でしょう。 ツァーガイド役の水兵さんの英語はかなり早いですから、事前にM&Cのセリフをよく聴いて、耳を専門用語対応にしておきましょう。 でも、いまどきの水兵さんはボンデンやネイグルほどなまってませんから、ご安心ください。
ビクトリー号舷側(手前は錨)巨大すぎてカメラのフレームにおさまりません
海軍博物館はときどき展示替えがあるようなので、私がむかし見たものがまだあるかわからないのですが、 以前はトラファルガー海戦の大きなジオラマがありまして、海戦前の双方の配置が模型で再現されていました。 この模型の英国側の甲板位置に視線を合わせる(ちょっとしゃがみこむような形になります)と、トラファルガー海戦時に英国艦から見た光景と同じものが見られるのですが、この光景がその昔に読んだ青池保子の「トラファルガー」に描かれていたのと全く同じだったので驚いた記憶があります(候補生の少年が「鳥のようだ」と言ったあの光景です)。よく史料を調べて描かれているのだかなぁと感心しました。
ポーツマス観光案内
◆プリマス Plymouth ロンドンから特急で3時間45分。 ポーツマスと並ぶ南部の軍港、それゆえに第二次大戦時の空襲が激しくて、古い建物があまり残っておらず、英国にしては珍しく、新しいビルの多い街です。さすが基地の街なのか、本屋さんの海洋書のラインナップが豪華です。 ザ・ホーという海を見下ろす公園に建てられていた記念碑――ここを出航したまま帰ることなかった艦の記念碑が印象的でした。
プリマス港(昔の出撃門はこのあたり?)
プリマス観光案内
昨日、日本橋の洋書店にアレクサンダー・ケントのボライソー最新刊「Man of War」が出ていたので買ってしまったのですが、冒頭の舞台は1817年3月、まだ冷たい冬の風吹くプリマスでした。ひさびさのアダム・ボライソーに付き合って、これからページをくって、主人公と一緒に彼らの故郷ファルマスに移動です。
◆ファルマス Falmouth というわけでファルマス。コーンウォールの港町。ボライソー・シリーズの主人公リチャードの故郷ということで、わざわざこんな南西の果てまで行ってきました。 ファルマスへは、ロンドンから特急で約5時間、ペンデニスの手前のトルロ(Truro)という駅で、ローカル線に乗り換え、終点駅がファルマスです。 ボライソー・ファンにとってのポイントはやはり、たびたび小説に登場する殉教者聖チャールズ教会でしょうか? 最近は海事博物館もオープンしたようです。 写真は時々リチャードも散歩していたというファルマスのペンデニス城と、城から見下ろした海。 私が訪れたのは9月の秋分の日の連休だったのですが、この海の色。 ポーツマスからファルマスまで、イギリス海峡は常に、空も海もどんより鉛色のままでした。
ペンデニス城
ファルマスの海
ファルマス観光案内 ファルマス地図
来年2005年は、トラファルガー海戦200周年記念で、記念イベントや博物館の特別展示など企画されているようです。 ひさしぶりにまた英国に、行けたら良いなぁと思っています。
2004年07月26日(月)
南部イングランド海洋小説旅案内(1)
もう10年以上前になりますが、私の初めての一人旅、そしてヨーロッパは英国でした。 オーバートン、ポーツマス、プリマス、ファルマス、ハリッジ、ノーフォーク。児童文学と海洋小説の旅です。後者の訪問地はこれ、日本で言ったら、横浜、横須賀と呉と佐世保に行ったようなものですね。見事に港と軍港ばかり。 児童文学の方はリチャード・アダムズ「ウォーターシップダウンのうさぎたち」とアーサー・ランサムです。
当時は周囲に同好の士が見つからなかったものですから、仕方なく一人旅になりました。 半分以上の場所は「地球の歩き方」にも載っていませんでした。 でもやっぱり、どうしても物語の舞台を見たいという気持ちを抑えきれず、まぁ地図に載っていて鉄道の便と2本の足のある限り、行けないところはないだろうと、飛行機と宿とブリットレイルパスだけを手配して、あとは出たとこ勝負で何とか行ってきました。まぁいろいろ失敗もあったのですが。
地図のある限り何とか行ける!と思ってしまったのは、やはり子供の頃から親しんできた英国児童文学のせいかもしれません。 英国人ってホント、地図好きな国民ですね。 子供向けの本にまで、見開きに地図が入っています。指輪物語の中つ国のような架空の物語まで、きちんと地図がついているのです。 でも、あの中つ国の地図ってどうやって作ったのでしょうね? 正確な方位磁石って、あの時代のあの国にあったのでしょうか?
つっこみはともかく、英国の小説についている地図…その正確さは大したものです。 現地英国で購入したOS(Ordnance Survey:英国陸地測量部=日本の国土地理院にあたる)の縮尺五万分の一の地図を見る時の参考に、小説の地図をコピーして持って行きましたが、比較したところ、小説の地図を手に持って歩いても十分通用する正確なものでした。
「地球の歩き方」にも載っていない場所に行かなければならない時に必須なのは、このOS(Ordnance Survery)の地図です。 日本の洋書店やネットでも購入できますが、ロンドンの大きな書店(Charing Cross Rd.近辺には大きな書店がまとまっているのでここで調達すると便利)には、全国の地図が揃っていますので、地方に行かれる前にロンドンで買っておかれると良いと思います。 日本でも大きな書店に行かないと国土地理院の五万分の一地形図が揃わないように、OSの地図もいつでも何処でも手に入るとは限らないので、出たこと勝負とは言っても早めの対応が大切。
この地図の便利なところは、i(information:旅行案内所)やviewpoint(景色の美しいポイント)、駐車場などが地図に記入されていることです。 それから、縮尺が日本の国土地理院地形図と同じ五万分の一なので、日本の地図と同じ距離感覚で見られるところ。
いまはネットも発達していますし、多くの博物館が独自のHPを持っていて、親切なアクセス案内紹介があり、また各市町村も、観光に熱心なところは独自のHPを持っています。 「Google」で検索すればかなりのことが事前に日本でわかりますし、関東圏の方なら東京の英国観光局で相談する、という手もあります。
でもそれでも駄目だったら、最後の手段は、このOSの地図で直接場所を探し、その後に、そこから一番近い町に「i」のマークを探すという手を使いましょう。 「i」はinformation:旅行案内所。ここで尋ねると、地元の方が親切に、博物館までの行き方を教えてくださいます。
事前に日本で調べておいても、地元の案内所でもう一度確認した方が良いでしょう…というのは、ネット情報等にはしばしば落とし穴があって、アクセス案内に出ていたバスが実は土日運休とか…これは私も何度か泣かされました。 地元の案内所はこのようなローカル情報に詳しいですから、現地で右往左往する率が少し減ります。
もっとも、この旅行案内所自身もクセモノで、小さな町だと観光客の多い土日しか開いていない…というところがあります。 ですので、失敗したくなかったら、まず最寄りの大きな街(前述の馬車博物館だったら、マンチェスターかシェフィールド、ノッティンガム。バックラーズハード海事博物館だったらサザンプトン)の旅行案内所(営業時間は「地球の歩き方」など参照)で、確認してから行かれた方が良いかもしれません。
最寄りの鉄道駅までのアクセスはネット時刻表で。 英国列車旅の注意は、ネットを探せば多くの方の体験記が載っていると思いますが、私自身が痛い目に遭った注意点は2つ。
◆切符はすぐに買えるものじゃない ◆日本のホームの常識は通用しない
でしょうか?
◆切符はすぐに買えるものじゃない 初めての旅行で、ロンドンからポーツマスに行こうとして、ブリットレイルパスの使用開始手続き(validate)するために窓口に並びました。 前に並んでいる人は5人ほどで、列車は20分後に発車でした。ところが私、この列車に間に合わなかった。 自分の番が来るまでに25分も待ってしまったんです。 英国国鉄も民営化されたから、今は少し変わったでしょうか? でも私、3年前にフランスでやはり同じ経験をしたから、今でも変わらないかしら(フランスはまだ国鉄だけど)? 日本では「みどりの窓口」に並ぶ前に、自分で時刻表を調べて用紙に記入しなければならない、それも第二希望まで書くようになっています。これって画期的に能率的な大発明ですよ! 日本ってすごい国だわ。 当時の英国(今もか?)やフランスでは、乗客がいきなり窓口に行って「私明日の9時頃にエディンバラに行きたいんですけど〜」というところから始まるみたいです。それから窓口で時刻表を調べて、空席を探して…発売窓口が旅行相談所を兼ねているんですね。だから時間がかかる、かかる。
◆日本のホームの常識は通用しない。 ホームの両側に線路があるのに、終着駅でもないのに、上りと下りが同じ線路、同じホームに入ってくる。別のホームで待っていたので、慌てて走ったのですが、背中の荷物が重くって列車を逃しました。 同じホームに別方向行きの列車が2本入っていたこともありましたが、これはかなり普通の現象のようです。 電光掲示板に出ているのと別の列車が入ってくる…これは表示案内がコンピュータ化されて、かなりまともになったかしら? ま、いちおう入ってくる列車の先頭表示は確認してください。 ホームにいる駅員が、列車の運行状況を知らない→確実に知っているのは運転手のみなので、先頭車両に行って運転手に直接聞いた方が確かです。 10年前には、自動販売機にお金を食べられた、ぱりっとした背広の絵に描いたような英国紳士が、どんどん!っと販売機を叩いている光景を目撃しましたが、最近の販売機は精密機械だから、この方法はどうでしょう…?
ともあれ「郷に入っては郷に従え」「ローマではローマ人のように、英国では英国人のように」ふるまっていればあまり間違いはないですから、外国では周囲をよく見回して、地元の方の行動にならうということで。
あらら、まえがきだけでかなり長くなってしまいました。 では、ロンドン近郊、ポーツマス、プリマス、ファルマスの実際の紹介は明日付けの別日記にて。
**追加情報** 昨日ご紹介した、バックラーズハードの海事博物館について、ここは「ホーンブロワー」にも登場するサー・エドワード・ペリューのインディファティガブル号を建造した造船所でもある…との追加情報をいただきました(Tさん、ありがとうございます)。 このインディは、TV映画でインディを演じた「グランドターク号」ではありません。実在のフリゲート艦インディファテガブル号の方です。
2004年07月25日(日)
英国M&C関連博物館案内
夏休みの季節となり、旅行の計画などたてている方もおられると思います。 昨年来収集してきました「M&C」関連情報バックナンバーから、3回にわけて旅行関連のものをご紹介しようと思います。
と言っても、もとがイギリスのお話ですから、日本からいちばん近いところと言ってもインドネシアのスンダ諸島。 すべて海外旅行案内となりますので、あしからずご了承くださいませ(笑)。 今回は第一回とし英国博物館案内。
英国博物館協会のホームページ「24 HOUR MUSEUM」には、昨年11月の映画公開にあわせて「パトリック・オブライアン博物館案内(A Patrick O'Brian Museum Trail)」というページができました。 このページでは「M&C」を楽しむにあたって参考となる英国各地の博物館7カ所を紹介しています。 主要部分をご紹介するとともに、補足説明を加えます。
1)フリゲート艦トリンコマリー号 H.M.S.Trincomalee Trust (博物館運営団体) Jackson Dock, Hartlepool, TS24 0SQ, England (住所) 当時のフリゲート艦トリンコマリー号を保存・公開。
フリゲート艦トリンコマリー号は1817年に建造された。時代的には10年ほど遅れるが、その艦尾甲板に立つと、ジャックの初めてのフリゲート艦ライブリー号(38門艦)に乗船したような気分になれる。ジャックがどのように砲術訓練を指揮したか、容易に想像することができる。 フトックシュライドを見上げれば、ここを登った船乗りたちを賞賛するようになるだろう。
**補足情報** 実際のトリンコマリー号は46門艦ということで、サプライズ号(28門)よりはかなり大型です。1817年の建造ということもあり、むしろアダム・ボライソーがボライソー・シリーズ24巻から指揮しているアンライバルド号(46門)に近いのではないかと思います。 Hartlepoolは北部イングランドの港町、ロンドンから列車だとニューカッスルまたはリーズ乗換え。 詳しいアクセスについては、H.M.S.Trincomalee TrustのHPに現地までの地図を含む詳細が紹介されています。
2)馬車博物館 Red House Stables Working Carriage Museum(名称) Old Road, Darley Dale, Matlock, DE4 2ER, Derbyshire, England(住所) 当時の馬車を保存し、体験乗車なども出来る博物館。
オブライアンの小説には、乾いた陸の上での、わくわくする忘れられないような馬車での移動シーンも描かれている。 ダービーシャー州の田園地帯では、小説に登場するような馬車乗車体験を味わうことができる。 もちろんそれは、小説の中でダイアナが手綱をとって見せたような猛烈なものではなく、もっとずっと穏やかで安全な体験である。
博物館には、いつでも乗ることの出来る馬車が40台前後準備されており、近郊のお屋敷をめぐる1日馬車旅行ツァーなどもある。 ダイアナのように馬車を駆りたいと思う方には、「馬車の操り方」といったレッスン・プログラムもあり、当時の衣装に着替えて馬車旅を楽しめるサービスもある。
**補足情報** ダイアナと馬車と言えば、2巻のバビントン君もビビった(?)馬車暴走を思い出します。 もう一つ忘れられないのは、8巻の1章だか2章だかに出てくる「出航に間に合わない、さぁたいへん! どうしよう!」と、ロンドンからポーツマスへ馬車で大暴走するスティーブンですね。 博物館のあるダービーシャー州Matlockは、ノッティンガムの北、マンチェスターとシェフィールドの南。(地図参照) ロンドンから鉄道で行く場合は、これらの三都市のいずれかに行き(所要2時間〜2時間半)バス乗り継ぎでしょう。 長距離バス(コーチ)利用の場合、マンチェスター行き、シェフィールド行きの中には、マトロック経由のものもあるようです。 詳細情報は現地のインフォメーションで、最新のものをお尋ねください。
3)戦列艦ビクトリー号 Portsmouth Historic Dockyard(名称) College Rd., H.M.Naval Base, Portsmouth, PO1 3LJ, Hampshire, England(住所) トラファルガー海戦時のネルソン提督の旗艦ビクトリー号を、保存・公開。
ジャック・オーブリーはかつて、司令官であったホレイショ・ネルソンにテーブルで塩をまわしたことがあるという。 それだけでも訪れるには十分な理由だが、下部甲板の病室区画を見学すれば、艦の軍医の仕事場がどのよう場所であったのかを知ることができるだろう。当時の医療器具などが展示されている。 もっとも(小型のフリゲート艦に勤務する)ドクター・マチュリンにとっては、(ビクトリー号のような大型艦の)広い病室区画は夢の仕事場であったことだろう。
**補足情報** 「ジャックが塩をまわした提督だから、訪れるには十分な艦」というのは冗句ですからね、冗句。 ビクトリー号は海洋小説ファンにとっては聖地…とまでは言いませんが、海を愛する英国人たちが大切に守って来た歴史と伝統の史跡です。 ここが本家本元、というより、この英国の伝統精神が無かったら、ホーンブロワーやオーブリーなどの歴史海洋小説の人気は生まれなかったでしょう。 病室区画でスティーブンをしのぶのも良いけれど、やはり見学前に見ておくべき映画はローレンス・オリビエ&ヴィヴィアン・リーの「美女ありき」でしょう。 まさにここビクトリー号の最下甲板で、オリビエ演ずるネルソン提督が、腹心の部下で旗艦艦長であるハーディに看取られて息を引き取るシーンは、白黒映画や撮影所内のセットというハンデ(1940年頃の映画です)をものともせず、直に胸に迫ってくるものがあります。
ポーツマスはロンドンから列車で2時間弱、ビクトリー号と海軍博物館に行くには終点のポーツマス・ハーバー下車。 ビクトリー号と次にご紹介する王立海軍博物館は「地球の歩き方」にも載っている観光名所です。 ここは私も訪れたことがあるので、細かいアドバイスなどは明日付けの「南部イングランド海洋小説旅案内」にて
4)海軍博物館 Royal Naval Museum(名称) H.M. Naval Base, Portsmouth, PO1 3NH, England(住所) ポーツマス海軍基地内にある海軍博物館
海軍博物館の数々の展示や模型は、オブライアンの小説に登場する数々のものを思い起こさせるが、ファンによって何よりの宝は、各巻の表紙を飾った画家ジェフ・ハントによる海洋画の原画が展示されていることだろう。 海軍博物館はそのうちの12枚を所有し、順番に展示している。
5)海軍火力博物館 Explosion! The Museum of Naval Firepower(名称) Priddy's Hard, Gosport, PO12 4LE, Hampshire, England(住所)
ジャック・オーブリーの時代、この場所は火薬の補給基地として使用されていた。 火薬は木製の樽に詰められ、安全のため港の中央に停泊した艦船までボートで運ばれた。
**補足情報** この博物館のあるゴスポートは、ポーツマスの海軍基地からフェリーで渡った対岸。 ゴスポートには潜水艦博物館などもあり、ポーツマス近辺の海軍関係博物館をくまなくまわろうとすると、最低でも2日かかるのではないかと思われます。
6)チャタム海軍工廠跡 Historic Dockyard, Chatham The Historic Dockyard, Chatham, ME4 4TZ, England
上述のネルソン提督の旗艦ビクトリー号は、チャタムの海軍工廠で建造された。 オーブリーの指揮艦では、17巻に登場するベローナ号が、チャタムで建造された艦である。 この博物館では、木造艦がどのように建造されていたかを、模型などで知ることができる。
**補足情報** 当時のチャタム海軍工廠が登場するのは、ラミジの21巻。部下のマーティン海尉の故郷でもあります。 チャタムへはロンドンから列車で1時間弱、Gillingham下車、駅からはバスがあるのではないかと思いますが(地図参照)、詳細は現地のインフォメーションにてご確認ください。 ロンドンから鉄道で行くとチャタムの手前の町は、ボライソー・シリーズに登場するトマス・ヘリックの故郷、ロチェスターです。 ロチェスターには英国工兵隊博物館などもあるようですので、このあたりをじっくり見るのも良いかもしれません。
7)バックラーズ・ハード海事博物館 The Maritime Museum, Buckler's Hard(名称) Buckler's Hard, Beaulieu, Brockenhurst, SO42 7XB, Hampshire, England(住所)
ジャックの時代、Baulieu川の河口には造船所があり、50隻を超える船が建造されていた。 かつてジャックがネルソン艦長の下で海尉として勤務したアガメムノン号もこの造船所の建造である。 この博物館には、海事関係だけではなく、19世紀当時の村の様子が復元された展示もある。 当時の著名な船匠ヘンリー・アダムズ(Henry Adams)の家(仕事場)もそのままに復元されている。
**補足情報** Brockenhurstは、サザンプトンからボーンマスに行く鉄道の途中駅。(地図参照) ロンドンからは2時間弱。 ホーンブロワーに登場するサー・エドワード・ペリュー艦長のインディファティガブル号は、このバックラーズ・ハードの建造だそうです(Tさん情報提供ありがとうございます)。
明日は、南部イングランド海洋小説旅案内と題して、私が訪れたことのあるポーツマス他南部イングランドの軍港と、ロンドン近郊の史跡を簡単にご案内する予定です。
2004年07月24日(土)
幸福な夜
23日の夜8時半頃に、地元の書店に4巻を買いに行ったら、最後の1冊でした。 こんなことは初めてなんですけど、いったいどうしちゃったんでしょう? 本を購入した後、CD・DVD店に寄り予約していた「M&C」と「ホーンブロワー」のDVDを引き取ってきました。
「こんな日が来たのね」と思うと、自己満足で恐縮ですが感無量。とてもとても幸福な金曜日の夜でした。 4年前、今世紀の初めにはこんな未来が来るなど、とうてい予想できなかったのです。 2000年当時、オーブリー&マチュリン・シリーズは、徳間から2巻で絶版になったまま、英国では第2シリーズの続行が決まっていた「ホーンブロワー」も、日本での放送については「検討しています」から進展せず、
それが2004年7月、オーブリー&マチュリン4巻は、発売当日に私が買い上げた1セットで売り切れですよ。 リージョン1原語でしか見られないと思っていた「ホーンブロワー」も日本語吹き替えDVDが出ているんです。 なんだか本当に夢みたい。 「ホーンブロワー」シリーズの続行も決定していますし、
願わくば、徳間書店様がこのまま、アラン・リューリーのシリーズを発行し続けてくださること、 そして「M&C」続編の製作を願ってやみません。
それから早川書房さま、オーブリー5巻の前に、ボライソー27巻をお忘れ無く。よろしくお願いいたします。
そうそう、話しが戻りますが、オーブリー&マチュリン4巻の置かれていたコーナーには、「キング・アーサー」のノベライズ(竹書房)もありました。 ノベライズは、一流のSF作家やFT作家を動員しているスターウォーズなどを除いては、常日頃あまり注意を払っていないのですが、 思い出してみたら、このノベライズ、1ヶ月くらい前から店頭に出ていた…映画会社の横やりによる追加撮影は1ヶ月半くらい前の話しだから…ということは、ひょっとして、このノベライズって、オリジナル脚本?
手にとってみたら、どんぴしゃり、当たりのようでした。 映画パンフに写真がありながら本編になかったルーカン少年(グウィネヴィアと一緒にローマ貴族の牢から助け出された金髪の少年)のエピソード…このオリジナル脚本のラスト用の伏線だったみたいです。
おそらく、ノベライズに載っているこのラストがオリジナルのラストなのだと思います。 こっちの方が感動的なのに…。 あぁつくづく、アメリカの映画会社の考えていることってわからない…。
ヨアンのインタビューにはあったのに、本編には無かったシーンも、ノベライズにはありました。 あぁこのシーンも撮ってあるんだったら見たかったのに。 だいたい、クライマックスだか何だか知らないけど、あんなに長い時間戦っている暇があったら、他にもっと入れるべきエピソードがあったでしょう!…って、この批評しばらく前に書いた記憶が…と思ったら、ロード・オブ・ザ・リング「王の帰還」の感想でした。
映画が公開されるたびに、本編に不満でDVDを待つ…というのも何だかな…と思いますが、 やはりハリウッド大作とは私、好みが合わないのでしょうか?
2004年07月23日(金)
DVD発売前夜
昨日の忠告の話しですが、オーブリー&マチュリン4巻の登場人物一覧。 今回、上巻と下巻で人物一覧が異なっていることを発見しました。 (上)はご覧になっても大丈夫ですが、(下)はいけません。よろしいですね?
DVDも早いところでは明日の夕刻に出始めるようです。 「HiVi」というオーディオ専門誌、なんと今月号の表紙はオーブリー艦長ですよ! サウンドの観点から(聴点というべきですか?)から、「M&C」のDVDを徹底分析した特集が載っています。
みぃはぁな方に向けには「Premiere」9月号。P.122〜P.123の「最強の英国海軍ものはどっち?」特集は最高。 イケメン度比較、言われるまで私は気づきませんでしたけど、ホーンブロワーは「25才のグリフィスが17才を演じているように、イケメンというよりは渋いオヤジが粒揃い」には笑いました。 考えてみたら、サプライズ号って平均年齢が低かったんですね(大発見!)。
でも発売前に宣言させていただきますが、私、インディファテガブル号(ホーンブロワーの第一シリーズのフリゲート艦)では航海長のファンでしたし、一番格好良いのは第二話にゲスト出演するフォスター艦長(デニス・ローソン)だと信じていますから(笑)。
「ホーンブロワー」は昨日あたりからniftyに特別コーナーが出来ています。 プロダクション・ノートまで日本語訳されてupされています。いぃなぁ、ここまでやってもらえて、うらやましぃなぁ(M&Cのプロダクション・ノートはついに日本語訳されずですよ…泣)。 フォト・ギャラリーも良い写真が揃ってますね。 さらにA&EサイトのPhoto Gallaryに行くともっといろいろな写真があります。ただしこちらはもう第3シリーズ対応になってしまっているので、第1、第2シリーズの写真が無いのが残念。
何かの機会にいずれ、きちんと「ホーンブロワー」の感想も書いておきたいと思うのですが、今週は明日まで仕事が詰まっていて(上司が金曜から出張なので、その前に終わらせなければいけない仕事があって)時間がとれません。 私自身がゆっくり本やDVDを鑑賞できるのは、どうやら週末になりそうです。
…ということで、次の更新は週末に。
2004年07月21日(水)
オーブリー&マチュリン4巻を読むにあたっての忠告
7月22日(木)には、オーブリー&マチュリン・シリーズ4巻 「攻略せよ、要衝モーリシャス(上・下)」 がハヤカワ文庫NVにて発売になります。
早いところでは明日21日の夕刻には店頭に出ると思われますので、本日のうちにご忠告。
意外な出会いを楽しみにされる方、ねたバレのお嫌いな方> カバー表紙裏および中扉裏の「登場人物一覧」はご覧にならない方が賢明だと思います。
おそらく…あの人の名前が、一覧の中に入ってしまうのではないかと思われるので、 登場人物が多いので入らない可能性もありますが、でも見てしまってからでは遅いので、一応ご忠告申し上げます。入ってなかったら、ごめんなさいね。
登場人物一覧なしの原書を読んでいた私は「おやおや」とこの意外な再会を楽しみましたが、この驚きと楽しみを逃すのは損なのではと考えた次第。
でもその反面、マイナス効果として、登場人物とくに他艦の艦長たちが数多く登場するため、誰が誰だかわからなくなる恐れがあります。 でもとりあえず、ジャックの指揮下に入る4人だけ覚えておいていただければ十分なので、小さな付箋紙にでも名前をメモしてご対応ください。
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yahooの「キング・アーサー」評をざっと読んできましたが、やはり予想通り見事に割れていますね。 この割れ方がまた見事に「M&C」にそっくりで、苦笑してしまいます。
皆さんハリウッドと言うとやはり「トロイ」みたいな絢爛豪華な映画を期待して行かれるんですね。 そしてわかりやすい派手な演技を求める。 あぁいう抑えた芝居は、やはりミニシアターでしか評価されないのかしら。
ゲーム的なアーサー王ファンタジーを期待して行った方も、見事に壊滅しているようです。
皆さん「パイレーツ・オブ・カリビアン」のブラッカイマーを期待して行かれるけど、これは「ブラックホークダウン」のブラッカイマーの映画なんですって。 公式HPと違う…という評もありましたが、やっぱり出て来ちゃったかこの批判。 なんだか本当に4ヶ月前とそっくりな展開になってきました。
もし「キング・アーサー」が「M&C」と同じ道を辿るのであれば、シネコンに行かれる方は公開後できるだけ早く、最初の週末のうちに行かれた方が良いかもしれません。 シネコンは客の見切りが早いですから、あっという間にスクリーンが小さくなります。 …これは私が「M&C」で得た貴重な教訓です。
2004年07月20日(火)
キング・アーサー(2)補足情報など
このアイルランド・イギリス共同製作の映画は、ハリウッドというより、ヨーロッパ作品のように感じられる。
脚本家デイビット・フランゾーニは、明らかに2001年に出版された歴史家ハワード・レイド(Howard Reid)の「竜の王アーサー:英国でもっとも有名な伝説のルーツは蛮族に(Arthur the Dragon King : The Barbaric Roots of Britain's Greatest Legend)」に触発されて、歴史を再構築しようとした。
「グラディエーター」の脚本も手がけたフランゾーニにとって、この映画は、ローマ帝国の没落期を描いた第二章になるのだろう。 5世紀末、迫り来る蛮族の侵入からローマは、西暦50年から統治してきたブリテンからの撤退を決めた。
サクソン人などのゲルマン諸部族はブリテン島に侵入し荒らし回っていた。
アーサーの率いる騎士たちはサルマート人。サルマートはコーカサス地方に住むインド系イラン人の騎馬民族で、ローマに徴兵されブリテン島の権益を守る任についている。
マーリンは高地地方の(先住民)ピクト人(Highland Picts)で、反乱軍のむさくるしいなりをした首領にすぎない。ピクト人の別称は「ウォード(Woad)」だが、これは彼らがボディ・ペイントに用いていたウォード(大青:植物の名。青色の染料となる)に由来する。 グウィネヴィアは野蛮な森の民の娘である。
この物語には魔法使いは登場せず、ランスロットを巻き込んだ三角関係もなければ、聖杯もない。伝説の宮廷キャメロットも登場せずエクスカリバーは、父の墓から引き抜かれた単なる家伝の剣にすぎない。 悪者役はオークのようなサクソン人と、そしてもちろん、肥大化したローマ帝国。
ローマはアーサーを裏切り、彼の忠誠心、キリスト教徒としての信仰、平等主義の理想は様々な敵に脅かされる。
クライブ・オーウェンの語るアーサー像。 「彼は強い信念を持った人物だ。彼はローマを心の拠り所としており、それを体現するために戦ってきた。だが世界は変わりつつあり、ローマも変貌をとげ、彼は自身の信念を見直さなければならなくなる。グウィネヴィアに触発されて。 彼は信じるもののすべてが足下から崩れるような状況に投げ込まれただけではなく、部下たちの寄せる忠誠や彼らを率いて戦う目的もまた崩されようとしている。自身の信じるものためには、彼は部下たちを地獄のような任務に連れていかなければならない。だがその旅で、彼は疑いをいだき始める。
プロデューサーのブラッカイマーがオーウェンに求めたものは、内心の葛藤を抱えながらも表面的には決然たる態度を表す、その微妙な配合である。 監督のフークアは、「クライブには内省的なところがあるが、それこそ我々がアーサーに求めていたものだった」と語る。 「我々はアーサーの多少暗い面を求めていた。内心に葛藤を抱えた複雑な人物を。戦士であることは明らかだが、感受性が強く、だが感情をあからさまにするようなことはない。クライブはまさにうってつけだった。彼の笑顔は魅力的だが、時々部屋の隅に引き下がって自分の世界に沈み込んでいるようなことがある。それこそ私が望んでいたものだ」
この映画の公開は当初12月が予定されていたが、映画会社(ウォルトディズニー)の都合から、急遽公開が夏に繰り上げられた。 監督のフークアは当初、大人向けのR(成人)指定映画を製作する予定だったが、夏休み公開ということで、一般受けのするPG-13指定に変更された。これによってフークアは当初予定したものとは全く異なる映画を製作する羽目になった。
ディズニーとプロデューサーのブラッカイマーは、映画を明るくするために、USプレミアの13日前に、子供の名前のことでランスロットがボースをからかうシーンの追加撮影を行った。だかさらにドラマチックな変更はその数日前に行われた追加撮影だった。オーウェンとナイトレイは500人のエキストラとともに、イングランド北部でハッピーエンドの撮影を行ったのだ。 ブラッカイマーはフークアに申し訳ないことをしたと考えており、フークアがめざしたR指定版の「キング・アーサー」をDVDで発売するようディズニーと取り決めを行った。
本来の映画は、ハッピーエンドの一つ前のシーンから、最後の草原を疾走する馬のシーンにつながっていたようです。 映画をご覧になるとわかると思いますが、本来のシーンの流れの方が自然であり感動の余韻が残ります。 もし本当にR指定版が発売されるなら、米国版でも良いから(日本版はまず出ないでしょう)何とか入手したいと思います。
情報ソース Variety誌Review (Variety) From quiet croupier to action star(The Globe and Mail) Boogie Knights (The Village Voice) Return of the King (Entertainment Weekly)
2004年07月19日(月)
2日間限定 「キング・アーサー」(1)
「キング・アーサー」の先行上映に行ってきました。 サイトの鞍替えはいたしません。ただ、 また…、豪華パンフレットが解説足らずで、アメリカの新聞に載っていたような情報が掲載されておらず、パンフレットそのものも少々方向ちがいなところがあって。 もっとも今回は、日本の配給会社の見込み違いが原因ではないのかもしれません。 米国の製作配給会社の方でも、試写会直前に撮り直しをするなど、いろいろと混乱があったようです。
ともあれ、今日と明日の2日間限定ということで、あまり日本には知られていない背景情報などを含めてご紹介しようかと思っています。 本日が個人的感想編、明日が補足情報編です。 来週はまた「M&C」サイトに戻ります。 ちなみに「M&C」の次回予告は「夏休み旅行特集」。3週間にわたって、イギリス、ガラパゴス、その他世界のM&Cの舞台をたずねた記事特集のご紹介をさせていただく予定です。
今日明日付けでupするアーサー王記事の内容ですが、一応、両日ともストーリー展開に関するねたバレは起承転結の承の部分までに収める予定、このため【ねたばれ】警告表示は付していません。 が、私なりの感想も入りますので、これを読んでしまうと、ある程度の先入観が入ることにはなると思います。 それでも構わないと思われる方のみ、この先へおすすみください。よろしくお願いいたします。
18日の日曜日、友人のFさんと「キング・アーサー」の先行上映に行きました。 日本丸の畳帆を見てから横浜みなとみらいの映画館に行こうという計画だったのですが、18日の横浜は大花火大会で大混雑、人混みに恐れをなして、映画は川崎へ移動となりました。
18日の横浜は34度近くまで上がったでしょうか? くらくらするほど暑く、「あぁアンティグアのイングリッシュ・ハーバーのドックってこんな暑さかも」などと溶けかかった頭で考えてながら日本丸へ。そして満々とたたえられたドックの海水を見た途端に思ったことは「あぁこの海、冷たそう」。
「私、いまドルドラムの時の艦長の気持ちわかった! この水に今すぐ飛び込みたい!」 と言ったらFさんの答えていわく 「でも、サメよけ銃を持った海兵隊長はいないから、そのつもりで」 (このネタは、今週金曜発売のDVDの未公開シーンをご覧になるとおわかりいただけます)
日本丸の展帆作業、いつもは解説者のいる左舷側で見ていたのですが、今回はあまりの暑さに、日陰のある右舷側で解説なしの見学。ところがこれには思わぬ収穫がありました。 右舷側って解説が無いかわりに、作業指示の命令がよく聞こえるんです。 回を重ねたリピーターの方には、日本丸の右舷側、おすすめかもしれません。
花火大会を見に来る人たちとすれちがいながら、横浜から川崎へ移動。 余談ながら、驚いたのは和装の若い人たちが多いことでした。 こんな時こそ浴衣が着たい!という女の子の気持ちはよくわかるけど、彼女に合わせて浴衣や甚平を着てきた男性が多いのはちょっと驚き。いやでも、茶髪のお兄ちゃんの甚平って、何故か似合うんですね。亜種のいなせ…というか、あぁいうのってイキが良ければいいものでしょうか?
さて、本題に戻ります。 「キング・アーサー」 これ米国でも賛否両論いろいろありましたが、たぶん日本でも意見はかなり分かれると思います。が、私個人的にはこの映画は好み、公開になったらもう一度、ゆっくり2回目を見に行きたいと思います。 これもやはり、ハリウッド映画というよりはヨーロッパ映画のテイストですし、おそらくは米国で不人気、ヨーロッパで評価される…という結果になるのではないかと。
映画を見る前の、事前の注意は「M&C」と同じです。 原作はいったん全て忘れること、大枠(キャラクターと時代背景)だけ頭に残して映画館に入ってください。 その意味では、いま配給会社が配っている詳細チラシ「キング・アーサー公式ハンドブック」はむしろ読まないで行かれた方が良いのではないかと思います。
解説パンフでライターの小西さんが書いてらしたように、「旧来のいわゆるアーサー王伝説に慣れ親しんだ欧米人より、先入観のない日本人の方が楽しめる」作品でしょう。
もっとも欧米でも最近は、伝説から一歩踏み出した、リアルであると同時に血なまぐさい(または夢のない)アーサー王の小説もベストセラーにはなっているのですが。 マリオン・ジマー・ブラッドリーの「アヴァロンの霧(三部作)」シリーズはベストセラーになり、TVドラマ化もされました。 このTVドラマ、映画公開にあやかってか、この夏8月21日、22日にNHKBSで放映があるようです。
これら最近のアーサー王小説の中で、映画「キング・アーサー」に一番近い世界は、おそらくバーナード・コーンウェルの「小説アーサー王物語(三部作)」ではないかと思います。 もっともコーンウェルの小説では、部族抗争はリアルながら、ケルト的民間信仰としての魔術や、愛の三角関係については一般的な伝説通り描かれています。ところが今回の「キング・アーサー」にはそれもない。
「キング・アーサー」の脚本家は「グラディエーター」を書いたディビット・フランゾーニですが、あぁなるほどな…と納得します。 グラディエーターは、ストーリー展開はドラマチックなものの、その実はマキシマスという一人の戦士の心の軌跡を、丁寧に淡々と描いた映画だと思うのですが、「キング・アーサー」も基本は同じです。 それを面白いと思うか、それとも派手さが足りなくて(ストーリーのドラマチックさではグラディエーターには及ばないので)退屈だと思うかは、見る人次第でしょう。 ただ私には、クライブ・オーウェン演じるアーサーの抑えた苦悩と心の軌跡を辿っていく面白さが魅力でした。
豪華絢爛な様式美とストーリーで見せる「トロイ」は、もちろんそれで十分面白かったのですが、もしあの題材をこの「キング・アーサー」の手法で描いたら、例えば伝説やストーリー展開のお約束を蹴飛ばしてでもアキレスの心の軌跡に特化して描いたらどうなったのだろう, と考えて。でもこの手法は、当たりはずれが大きいかもしれません。 「キング・アーサー」は、見ている人が、暗く悩み続けるアーサーに引き込まれ、魅力を感じなければ、はずれてしまうような気がします。 アキレスにはずれても、プリアモス王の悲哀や、健気なヘクトルや、情けないのが魅力のパリスや、その他、ヨロイが綺麗だとかエーゲ海の青が忘れられないとか、宝石箱をぶちまけたようにもろもろの魅力があった「トロイ」と異なり、アーサーにはアーサーしか無く、全ては彼に集約されている。
グラディエーターのサイドキャラクターたちが、あくまでもマキシマスとの関係の中でしか個性を発揮しないように、キング・アーサーのキャラクターたち、グィネヴィアや部下となる6人の騎士たち…も、あくまでもアーサーとの関係の中で描かれているところがあります。 その分、ストーリーは集約していますし、主人公の心の軌跡は追いやすいのですが。
あぁ。私やっぱり、このクライブ・オーウェンのアーサーに惚れたみたい。だから面白いと思うのでしょうか? でも、「この指揮官になら地獄まででもついていきたい」と思ってしまう騎士たちの気持ち、わかるような気がするのです。 このアーサー、写真だけをみていると単にハンサムで暗いだけの人ですし、冒頭では騎士たちが何故この危険なミッションに同行するのか、正直言ってよくわからないのですが、2時間映画に付き合うと、最後には「あぁこの人にならついていこう」と思わされ、納得させられてしまいます。
その意味では確かに「カリスマ性のある指揮官」なのですが、しかしながらこれは、ジャック・オーブリーの持つ指揮官のカリスマ性とは全く正反対の魅力でしょう。 ジャックは陽気で積極的で攻撃的で、「ナポレオンを王と呼びたいかー!」「ノー!」「よし、かかれ野郎ども!」みたいなノリで、彼の積極性が部下たちに伝染していくような、陽のカリスマ指揮官。 ところがアーサーの吸引力は全くの逆。 暗くて内省的で、常に自分を責めているようなところがあって、部下たちに心の中で「すまない」と思いながらもそれを押し殺して断固とした口調で命令を出している、ところが…実は部下たちにはそれが見え見えにばれていて、だからきっと騎士たちはこの大将を放っておけなくて、地獄までこの指揮官について行ってしまうのではないかしら(ちょっと考えすぎ?)。
いやでも私は、この手の陰のカリスマを持った指揮官に弱いですから。 暗い色の髪に薄い色の瞳のクライブ・オーウェンには、どうも、とある海洋小説に登場する艦長を思わせるところがあって、あぁあのドラマを映像化するならオーウェンに主人公でも良いな…と思ったことを白状します。 (先入観をもたれるといけないので、誰の話をしているのかは伏せることにします。さて私と同じコトを考える方がいらっしゃるでしょうか?)
以下、雑多な感想+情報いろいろです。
とにかく馬と人が綺麗に撮ってある。騎士がカッコイイ。 アーサー王と6人の騎士なので、V字型に綺麗な編隊を組んで(馬にこういう言い方をするのかどうかわかりませんが)突っ込んでいくところなど、あまりの格好良さに舞い上がってしまいます。 役者さんたち、ゼロから特訓の人もあったそうですね。簡単そうに乗ってますけど、初心者には馬の動きに合わせて上手くバランスをとって振り落とされないようにするだけでも大変で、馬上の殺陣を演じるには、体が無意識に反応してバランスをとれるまで乗り込まないと出来ない筈だから、あそこまで行くのは本当に大変だったでしょうね。
最初のミッションの途中で、雨の森の中で野営しているシーンがあります。 さりげないシーンだけど、騎士たちのタフさとチームワークの伺われる良いエピソードでしょう。 個人としてのアーサーの魅力もあるけれど、グループとしての騎士団の魅力にも惹かれます。
ランサムの児童文学ファンの皆様へ> このグィネヴィアは「ピクト人」の設定だそうです。戦士でもある彼女はちょっとコワイけどそこが魅力で、きっとナンシイ船長は大喜びでしょう(笑)。
でもグィネヴィアなエリザベスと、パリスな鍛冶屋のウィルでは勝負は決まっているね…と上映後に友人と合意(映画がちがう…)。
サクソン人の王セルディックを演じているステラン・スカルスゲールドはポール・ベタニーの親しい友人(彼にだまされてポールは「ドッグヴィル」に引きずりこまれたそうです)。ポールとジェニファーの息子ステランの名前は、このスカルスゲールドからもらっているそうです。
なんと「ホーンブロワー」のスタイルズ(ショーン・ギルダー)が出ています。アーサーたちが救出に行くローマ貴族の家臣の役。おやおやスタイルズ、ホレイショ艦長におとも?…とか思ってしまいました。
そのホレイショじゃなかったヨアン・グリフィス。ランスロットは現実主義者だしこわもてなのですが、宴会の席などでは明るく笑っていたりして、複雑なキャラを演じながら屈託なく笑うヨアン…を珍しいものでも見るように見てしまう私って、やはり問題ですか? 放っておくとどんどん内省の淵に沈んでいってしまうアーサーと現実主義のランスロットの関係は、ちょっと今のNHKの新撰組の近藤と土方の関係に似ているかもしれません。
そういえば、この感想は正しいのかどうかわかりませんが、「キング・アーサー」の殺陣ってちょっと日本的? 幅広の剣を使った殺陣って、突くか叩き切るものだと思っていたのですが、「キング・アーサー」の殺陣は引き斬るような、日本の時代劇に近い動きになっているような気がします。そう見えただけかもしれませんが。 こちらの動きの方が叩くより優雅に見えますね。
最後に、 「キング・アーサー」に「絵に描いたような騎士物語」を求める方はハズレます。 そのような方はヴァンサン・ペレーズ&ペネロペ・クロスの「花咲ける騎士道」を見に行かれた方が良い思います。 これは文句なしにおすすめ。めちゃくちゃ格好良くて明るく楽しいラブ・コメディ、でも殺陣はホンモノ。 こちらの上映は7月30日までです。おはやめに!
「ロード・オブ・ザ・リング」の「二つの塔」を見るようなつもりで行くと、あまりはずれないと思います。 そういえば、米国の新聞記事に「オークのようなサクソン軍」という描写があって笑ってしまいました。
明日19日付けでは米国の新聞などから、パンフレットの補足となるような情報を紹介したいと思います。
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昨日付けでご紹介した中国語サイトの元になった日本語サイトを、複数の方から教えていただきました。 ありがとうございました。
http://www.water.sannet.ne.jp/vinorosso/master.htm コピー・ペーストしてご覧ください。
こちらは「お遊び」として作られたもののようですが、これがどういう経路で中国大連の紹介サイトに乗ってしまったのか? やはり謎は謎のまま残ります。
2004年07月18日(日)
この映画を見たかった!
とんでもないHPを教えていただきました(Kさんありがとうございます)。 ここは真面目な生活情報サイトのようですし、何故この映画だけがこんなことになったのかよくわからないのですが、
http://www.navigator.co.jp/modules/news/article.php?storyid=1058
他人さまのミスで盛り上がってしまうのも何ですので、今回リンクは貼りません。 「であれば紹介するな」とお思いでしょう。いや、確かにごもっともなのですが、やはりこれを知らずに過ごすのは、M&Cファンとしては人生の損失ではないかと思われますので。 お手数ながら、コピー・ペーストしてご覧ください。
私、この映画、見てみたかったです。大連では1月末の公開だったのですね。
いやしかし、熊の毛皮をかぶらせるオブライアンのことですから、本当にこのようなストーリーもありえるのではないかと(少なくとも何処かの鉱山で一攫千金っていうような話は聞いたことがあるような?)。 物語の舞台が米英戦争で1812年というのは、原作では真実ですし。
何がどう間違ったのか知りませんが、このシノプシスを書かれた方にはぜひ責任をもって、この物語がどういう結末を迎えるのか、発表していただきたいと思います。
2004年07月17日(土)
(ホーンブロワー)エミー賞ノミネート
テレビ界のアカデミー賞とも言われる「エミー賞」2004年のノミネート作品が、7月15日に発表されました。 このドラマ・ミニシリーズ部門の作品賞に、「ホーンブロワー」の第3シリーズがノミネートされています。
ミニ・シリーズ部門ノミネート作品 「American Family - journey of Drama」 「Angels in America」 「Horatio Hornblower」 「Prime Suspect 6 : The Last Witness」 「Traffic: The Miniseries」
このようなノミネート情報は久しぶりですが、昨年12月〜今年1月頃の日記では「M&C」について、よくご紹介していましたね。 その関連で今年1月のゴールデン・グローブ賞(テレビドラマ部門を含む)の授賞式も見ていたのですが、あの時に有力だったのは「Angels in America」だったような気がします。 果たして今回の結果はどうなるのでしょうか? 受賞作品の発表は、9月12日に行われます。
さて、その「ホーンブロワー」ですが、niftyのDVDサイトに詳しい紹介ページができました。
この紹介文では「2004年夏リピート放送」と書かれていますが、ホーンブロワー・サイトの掲示板情報を読むと(NHKに問い合わせをしてくだった方があるようです)NHKでは「再放送の予定はない」とのことなので、どうもはっきりしていません。
「ホーンブロワー」第4シリーズについては、ヨアン・グリフィス自身が最近の「キング・アーサー」関連インタビューの中で、「ホーンブロワー」のシリーズ続行を明らかにしていますので、確かだと思って良いでしょう。 ただし、この情報にあるように撮影が再来年(2006年)だとすると、来年2005年のトラファルガー海戦200周年記念とは、関連のないドラマになるのでしょうか? 一時期、海外のネットに流れていた噂(ショーン・ビーンの「Sharpe's Trafalger」との合体企画)は流れたと考えた方が良いのかもしれません(残念!)。
実は「ホーンブロワー」の原作では、トラファルガー海戦で戦死したネルソン提督の国葬で、テムズ川をさかのぼる葬列の指揮をとったのはホーンブロワーということになっているのです。 そして、来年2005年には200周年記念イベントの一つとしてこの「テムズ川葬送の再現」も予定されています。 この葬列の指揮をヨアンにとらせて、一緒にロケもしてしまえば一石二鳥!と思ったりもしたのですが、やはりそれは不可能なのでしょうか?
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先日、シネセゾン渋谷に「テッセラクト」を見に行ってきました。 日本人のプロデューサーと香港人の監督が、タイのバンコクを舞台に撮影した、英国のベストセラーの映画化。 バンコクで地元(タイ)マフィアの抗争に巻き込まれた英国人ドラッグ・ディーラーの物語。 主演はジョナサン・リース・マイヤーズ。
香港とバンコクは、アジアの街ではあるけれど、私にとってはロンドンと同じ異国の街。 香港映画を見る時、私はそこに登場する香港の街を異邦人の目で見ています。 日本とは異なる文化をもった、外国の街…というように。
ところが今回、主人公が英国人でバンコクが舞台ということになった時に、 なぜかバンコクが、あまり異邦の街に見えなくなってしまった。 西洋人に対する東洋人というような意識が働いてしまい、私は東洋人の目で映画を見てしまったみたいです。
でも私、タイ語はわかりませんから、得られる情報は英語のみ。…というこの状況は主人公の英国人と変わらない。 この不思議な視点とスタンスの逆転が面白く、上映中の2時間、私自身もバンコクの裏町で翻弄されたような感覚を楽しみました。
いやだからと言ってもちろん、実際にバンコクの安ホテルでこのような事件に巻き込まれるのは願い下げですが。 やっぱりあやしげな安ホテルはこわいわ〜、というのが、この教訓かしら(苦笑)。
「テッセラクト」の上映は7月30日まで。31日からはジェームズ・ダーシーが三角関係の一端を演じる「ドット・ジ・アイ:Dot the i」が始まります。予告編を見ましたけど、なかなか期待できそう、公開が楽しみです。
2004年07月16日(金)
ネットでラジオを聴く方法――HPご紹介
昨日はBBCラジオの朗読番組を紹介しながら、管理人のPCがおんぼろのため自身はラジオ視聴が実践できず、皆様にはご迷惑をおかけしています。 そのフォローと言っては何ですが、こんなホームページをみつけました。
インターネットラジオガイド ここには、インターネット・エクスプローラーで、ネットからラジオを聴く方法が解説されています。
このページは読めて聴ける英語という、「海外ドラマとペーパーバックで英語を学習しよう」というホームページの一部なのですが、ドラマやペーパーバックのページにも参考になるアドバイスがあります。
ただし、この管理人の方はあくまで「英語学習のためにペーパーバックを読む方法」を伝授されていますので、私のようなみぃはぁ人間…つまり楽しみのためだけにペーパーバックを読んでいるなまけもの人間には及びもつかない…というか本当に頭の下がるアドバイスに、青くなります。
たとえば、ペーパーバックで英語を学ぶアドバイス: 「その日に読むページ数を決めます。今日は10ページ読もうと決めたらとにかく辞書も引かずに10ページ読みます。(速読の練習になります)その時蛍光ペンで知らない単語や表現にマークして行きます。そして今日のノルマまで達したらまた最初のページに戻り、マークした単語や表現をノートに書き出して、辞書で意味を調べて書き込んでゆきます。その時単語の横にその単語が出ていたペーパーバックのページを書いておきます。その後意味を確認しながらまた10ページ読みます。(読解の練習になります)これを最後のページまで繰り返します。」
はぁ…。 やはりペーパーバックとはこういう風に付き合わないと、英語って上達しないんですね。
しかし、海外ドラマの活用法にはこう書かれています。 「ご自分の好みで1本選んで教材にしましょう。必ず録画して見ます。最初は日本語で見て内容を理解します。その後、英語で何度も見てみます。最後にMDに英語の音声を録音してヘッドフォンステレオ等で次週まで聴きつづけます。時間があればビデオも繰り返し見ます。英語で見たり日本語で見たりします。メインはあくまでも英語のMDを聞きつづけることです。」
これは、実は実践している…かも。 べつに勉強しようというつもりではないけれど。 そのお陰かどうかわかりませんが、先日「バウンティ・愛と叛乱の航海」を久しぶりに見たら掌帆長の号令が以前より聴き取れるようになっていて、感激しました。 …でも、海軍で仕事するわけではないのだから、こんなもの聴き取れるようになって何の役に立つのだろう…と悩まないでもありません。
ともあれ、皆様のご健闘をお祈りいたします。
**テレビ情報** 明日7月13日(火)20:00〜21:58 NHK BS2 映画「ムッソリーニとお茶を」
この映画にサプライズ号のハワード海兵隊長ことクリス・ラーキンが出演している筈です。 Major Gibson(ギブスン少佐)という役名のようなので、また陸軍さんですね。 早めに家に帰れたら、見てみようかと思っています。
2004年07月12日(月)
英BBC Radio 4 朗読番組
今週のBBCラジオで、パトリック・オブライアンの朗読番組が放映されるようです。 朗読されるのは、オーブリー&マチュリン・シリーズの7巻「The Surgeon's Mate」。
7巻は、スティーブンのミッションにジャックが付き合わされる話ですが、これを今、聴いてしまうと5巻6巻のどきどき感が無くなることは目に見えているので…、ねたバレの観点からは、あまりおすすめいたしません。 とりあえずダウンロードしておいて、6巻を読んだ後ゆっくり聴くということが可能ならば、それがベストではないかと。
○○と△△の、本人たちは大まじめだが、傍で聴いていると漫才としか思えない7巻のやりとり…文章ではなくてやはり声で聴いてみたいと思いますもの。
放送は月〜金の英国時間の22:45〜23:00、ということは、日本時間では火〜土の朝6:45〜7:00。 そんな朝早く…または出勤前のドタバタに、とお嘆きの方にも、どうやら解決策がありそう。放映済みのプログラムについては、下記のネットからダウンロードできます。
BBC Radio 4 ARTS and DRAMA 「Book at Bedtime」
このサイトを利用して、リアルタイムで聴かれる方は、右上の「LISTEN LIVE」をクリックするのですが、うちのおんぼろPCでは限界がありまして、実際に試すことができません。 またマック・ユーザーの方は手続きが異なるかもしれません。 不親切なガイドで申し訳ありません。
放映済みのプログラムについては、フレームの横の二番目の枠「LISTEN TO THE LATEST PROGRAM」になりますが、直前の曜日のプログラムから内容が入れ替わっていくようですので、明日(月曜日)の昼に「Listen to Monday」をクリックすると、先週の月曜日(5日)のプログラムが残っているのではないかと思われます。 こちらのダウンロードは通常の手順で、比較的簡単にできます。
2004年07月11日(日)
M&C公開時を思い出すキング・アーサー評
7日から全米で公開が始まった映画「キング・アーサー」の評を、ぼちぼち拾って読んでいます。 この映画の評価はかなり割れているのですが、この割れ方が「M&C」の時とよく似ているのが面白い、何やら去年の11月のM&C全米公開時を思い出します。 「M&C」の評価が高かった東海岸の高級紙(ニューヨーク・タイムズ紙など)の「キング・アーサー」評価は、やはり高いのですね。
「M&C」評によく見られた「海洋冒険と聞いてジェリー・ブラッカイマーの「パイレーツ・オブ・カリビアン」のような作品を期待する人は、この映画(M&C)を見て失望するかもしれない、しかし…」というフレーズ、今回、アーサー王の評に同じスタイルの文章を見つけた時には、思わずくすっと笑ってしまいました。 ただしここでは、「海洋冒険」の部分が、「いわゆるアーサー王伝説」になっているのですが。
「キング・アーサー」のプロデューサーであるジェリー・ブラッカイマーは、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のプロデューサーでもありますが、いわゆる「誰もが思い描く海賊物語」の「パイレーツ」とは異なり、今回は「いわゆるアーサー王伝説」ではない、史実に近い物語を描きだそうとしました。 結果として、地に足はついているが地味な映画が出来上がってしまったようです。
ということは、「M&C」ファン的には、これはむしろ好みの映画に仕上がっているのではないかしら?…などど、世間さまとはハズレた期待をしている私です。
まぁ「M&C」と異なり、「キング・アーサー」の予告はかなりリアル(別名:薄汚れて泥泥)な映像をそのまま流しており、幸いなことに天使や妖精が登場しないので、誤解は少ないと思われます。 が、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のブラッカイマーではなく、「ブラックホークダウン」のプロデューサーであるブラッカイマーを思い出した方が良いだろう…という米国の新聞評を見ると、日本もあまり「パイレーツ」をだしに宣伝しない方が良いのではないかなぁと。
もう一つ、今回見てい面白いと思ったのは、ランスロット役のヨアン・グリフィスについて、ダーク・ヘア&ダーク・アイのウェールズ人であることが、米国では強調されている点でした。 ヨアンが英国で活躍していた頃、同じディズニー映画でも「102」に出ていた頃の紹介では、出身地の話題はあってもここまで強調はされなかった記憶があります。 ウェールズ出身の英国俳優・女優は他にアンソニー・ホプキンスやキャサリン・ゼタ・ジョーンズなどがいますが、彼らの出身についても、これまではあまり強調されてこなかったような気がします。 ここで彼がウェールズ人であることが話題(もしくは売り)になるのは、やはり「アーサー王」だからなのでしょうか?
…とか、公開前からあまりいろいろ言っていると、サイトを鞍替えしたのでは?と疑われそうですが、そんなことはありませんし、アーサー王の記事を訳そうなどという大それたことも考えてはおりません。 ただ基本的に歴史映画は好きなもので、ついつい記事など探してしまうのでした。
2004年07月10日(土)
東京浅草再映など、遅ればせ情報3題
多忙のため、まったくもって情報をフォロー出来ていない管理人ですが、手遅れにならないうちに情報3題。
その1:7月6日(本日)〜7月12日 「浅草中劇」で「マスター・アンド・コマンダー」2本立て
場所:東京都台東区浅草2-9-13 浅草中劇会館 電話:03-3841-2400 電車:東京メトロ銀座線、都営浅草線、京成電鉄「浅草」駅
その2:7月4日〜7月25日in Los Angeles, U.S.A. 米国ロサンゼルス市のハリウッド博物館で、「M&C衣装展」が開催されます。
この期間中に幸運にもロスに行かれる方はぜひお立ち寄りください。 場所:Hollywood Museum 1660 N. Highland Ave., L.A. 電話:(米国内から)323-464-7776 時間:木〜日、10:00〜17:00 入場:$5〜$15
その3:7月4日 アメリカ独立記念日ではなく、ホレイショ・ホーンブロワーの生誕日。 ご存命であれば、228才におなりだそうです。彼は蟹座なんですね。
先日の「キング・アーサー」ニューヨーク・プレミアで、ホーンブロワーについて質問されたヨアンは、 "Going out sailing every day, being made to look fantastic and playing a heroic character is such a privilege," "It would be unique to play Hornblower through every stage of his life. と答えていたようです。 この映画をきっかけにヨアンの今後がどのように変わるせよ、勅任艦長、戦隊司令官、提督、元帥と年齢を重ねていくホーンブロワーをヨアンとともに見守っていければと、願ってやみません。
2004年07月06日(火)
最近の周辺トピックスなど
アカデミー賞を選ぶThe Academy of Motion Picture Arts and Scienceでは、今年の新規会員を発表しましたが、この中にポール・ベタニーの名前があります。 「M&C」関係では他にプロデューサーのDuncan S.Henderson、プロダクション・デザインのWilliam Sandell、編集のLee Smithの名前を新規メンバー・リストの中に読み取ることができます。 いずれもこの映画での実績が評価されてのことでしょう。
俳優部門の新規メンバーには渡辺謙の名もあり、他にパトリシア・クラークソン、スカーレット・ヨハンソン、ヴィゴ・モーテンセン、ショーン・ペン、ビル・ナイ等、2003年の映画で実績の認められた俳優・女優さんが名を連ねています。 アカデミーのプレスレリース原文はこちら。
また、日本の有料衛星放送WOWOWホームページの「ステージ・エクストラ」に、ピーター・ウィアー監督のインタビューが掲載されていると、アメリカのサイトで紹介されていました(私は今まで知りませんでした。あぁ灯台もと暗し)。 「M&C」についての言及はあまりありませんが、映画監督の仕事と艦長の仕事には共通する部分があること、監督は現場が「幸運な艦(Happy ship)になるように心がけていること、と答えています。
灯台もと暗し…と言えば、7月1日(木)24:00〜、NHKBSで放映されたアクターズ・スタジオ・インタビューが、ラッセル・クロウだったそうです。 すみません。情報提供どころか、私はみごとに、今日になるまで放映に気づいていませんでした。あぁなんてこと! いいわけさせていただければ、いま仕事がちょっと詰まってまして、残業など多々発生している関係上、20日頃までこちらはちょっとお留守になるかもしれませんです。
番組を見た方のお話によると、M&Cの話はあまり出てこない、とのことですが。 NHKBSのアクターズ・スタジオは1ヶ月程度後に再放送されることが多いので、今度は見逃さないように気をつけようと思っています。
1日発売の某映画専門誌、 ヨアン・グリフィスの紹介にひっかけて23日発売の「ホーンブロワー」のDVDにも言及してくれたのはありがたいのですが、「『ホーンブロワー』はラッセル・クロウの『マスター・アンド・コマンダー』のもととなった作品」と書かれてしまい、ちょっと困ってしまいました。 この表現、全く間違っているとは言えませんが、間を三段飛びしてしまっているので、「ホーンブロワー」が「M&C」の原作だ…などというオソロシイ誤解をされる方が現れたらどうしましょう。 この情報誌、ヨアンのスペルがまだLOANになっているのですよ(泣)。ヨアンはIOANなのです。Lではないのです。
正確に言えば、 C.S,フォレスターの「ホーンブロワー」は、英国に海洋小説なる人気ジャンルを確立した先駆者的作品で、この小説の成功があったからこそ、パトリック・オブライアン、アレクサンダー・ケント、ダドリ・ポープなどが海洋小説を発表する道が開けた。その意味では「もとになった」作品かもしれませんが、もちろん原作うんぬんの関係は全くありません。
あぁほんとに、今こんなに忙しくなかったらアーサー王情報サイトなどものぞきたいところなのですけれども(せめてロンドン・プレミアぐらいは)、今年は仕事のスタートが遅れた関係上で7月にしわ寄せが来ていて、ちょっとどたばたしている管理人です。 そう言えば、8月から撮影の始まるポールとジェニファーの次のお仕事は本決まりのようですが、もう一人の主役(ポールの親友でジェニファーの兄に当たる役)には決定が出ませんね。ジュード・ロウだと言われていましたがどうなっているのでしょう? ちなみにポール&キルスティン・ダンストの「ウィンブルドン」、日本での公開は9月だそうです。
2004年07月04日(日)
まったくもって海の男ってヤツは…「海猿」ねたばれ無し
まったくもって「海の男」って奴は、目の色が青かろうが黒かろうが、どうしてこう…(ため息) 外国の海の男ばかり追いかけているのも何かと思い「海猿」行ってきました。
それで上記のような感想を持ったわけで。 ったくコト酒と女と喧嘩に関する限り、海の男って奴は…、間にユーラシア大陸がはさまろうが、200年の歳月が流れようが、全くもって同じパターンにしかならないのね…とほほ。
でもどちらかというと、この「海猿」、アメリカン・テイストかもしれません。 ロイヤル・ネイビー(英国海軍)というよりUSネイビー(米海軍)、友人が「トップガン+ザ・ダイバー+愛と青春の旅立ち」と評していました。 伊藤英明が、「トップガン」で言えば、トム・クルーズで、海東健がバル・キルマー。 「クッサ〜い!」という今やちょっとレトロな形容詞がぴったりの、懐かしの80年代テイスト…と、もはや若くないオバサン(私)は思ってしまったのですが、今の20代の皆様はこの映画をどう感じるの?
今みてると、思わずこっちが恥ずかしくなっちゃうようなクサい友情…80年代のドラマや映画にはよくありましたけど(笑)。当時は大好きでしたけど。今は、うわ〜赤面してしまう〜。でもやっぱり…いい…かも、このクサさ。 考えてみればこの映画の監督やプロデューサーって、私はほぼ同世代なのですね。10代にクサい刑事ドラマ見て育って、青春時代に「トップガン」見た世代、だからこういう映画になるのでしょうか。
しかし真面目な話、海の男の絆というものが、どこの国の何時の時代だろうと、結局同じような形に落ち着くのは、やはり「板子一枚下は地獄」という厳しい海の自然の中で、助け合わなければ生き残れない…という環境からくるのでしょう。 ましてや「海猿」の場合は、酸素ボンベが無ければ絶対に人間が生きられない、海中という世界の物語なのですから。
人の命をいとも簡単に奪うことの出来る「海」の怖さ、という点で言えば、この映画はそれが良く描かれていると思います。 こちらに恐怖を感じされる描写のうまさ(「手」がとても効果的です)は、大味なアメリカン・テイストには無い、繊細な日本人の感性かもしれません。このような描写は英国の海洋小説にはよくあるのですが(ユリシーズ号のとろりとした水面とか、リーマンの描く隔壁を叩く音とか)、映画でお目にかかるのは初めてかと。 CGなど何も使わなくても、あのホーン岬の荒れる海より、心理的に怖い海を感じることができました。
そうそう、この映画も、音響の良い映画館で見てくださいね。 あなたも本当に、海の中にいるような気分になれます。そして、知らないうちにダイバーたちと同じペースで呼吸するようになり、最後には息苦しくなるのでした(苦笑)。
2004年07月03日(土)
英大衆紙「M&C」続編の噂:まだ信じてはいけません!
英国の大衆紙「The Sun」7月1日号に、「M&C」続編に関する記事が掲載されています。
が、何と言っても掲載紙が、ガセネタ大王として悪名高い「The Sun」ですので、これは素直に信じてはいけません。 ま、こういう噂が立つほどに、この映画は英国では人気で、続編の動向が注目されているんだな…くらいの認識でいて、丁度良いくらいでしょうか。でもこういう噂が立つということは、水面下で実際に続編実現に向けての動きはあるのでしょう。
さて、その「The Sun」の記事内容を、眉に唾つけて紹介したいと思います。
ラッセル・クロウが新しい映画契約にサインをした。オーストラリアの俳優ラッセル・クロウはナポレオン戦争時代を舞台にした歴史映画「マスター・アンド・コマンダー:The Far Side of the World」の続編となる映画の契約にサインをした。新しい映画は「Post Captain」というタイトルで、同じくパトリック・オブライアンの原作小説に基づいている。
「Post Captain」の日本語タイトルは「勅任艦長への航海」。シリーズ2冊目であり、ジャックとスティーブンが、ソフィーとダイアナに初めて出会う巻になります。 しかしながら映画「M&C」でジャックは既にソフィーと結婚していますので、これ、どうするのでしょう? 前に話をさかのぼるということなのか。
まぁ今ならまだ前作からそれほど時間もたっていないので、以前の話でも可能かもしれませんが。
実は先日、いま来年のTVドラマが実現するか否かで話題になっているショーン・ビーン(著者はバーナード・コーンウェル)の「Sharpe's Trafalger(原作本)」を入手したのですが、これ、1994年に最初にドラマ化された第一作より、時代的には7年前の話ですので、現在のショーン・ビーンとは10年+7年=17年の開きがあるのでした。 ぱらぱらとページを繰ってストーリーを追いながら、う〜ん、これ、仮にドラマ化が実現したとしても、どうやって今の彼でドラマ化するんだ???と。 いっそのことロード・オブ・ザ・リングで弟役を演じたディビット・ウェンハムに演らせたら…とか正直、私は思いますが、そんなこと公言すると、きっとショーン・ビーンのファンの方から石が飛んできますね。 でもどんな形にせよ、こちらも実現すると良いのだけれど。
2004年07月02日(金)
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