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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
「Loyalty」と「Honour」

現在発売中の「NEWSWEEK」英語版は、表紙が「ロード・オブ・ザ・リング:LOTR」のアラゴルン王でカバー特集は「王の帰還」ですが、アカデミー賞予想の記事では「M&C」の話題も少々登場します。「M&C」がアカデミー賞作品賞にノミネートされるかどうかは、選考委員がエピック(叙事詩)ムービーをどこまで許容するかにかかっているとのことです。通常エピックものは1本なので、「LOTR:王の帰還」は確実。もし2本入れば、「M&C 」か「ラスト・サムライ」ということで、果たしてどうなることやら。もっともこちらがじたばたしても、どうなるものでも無いのですが。

「ラスト・サムライ」と言えば、土曜日にTBS・毎日放送系で特番を放映していましたね。
見ていて、面白いことに気付きました。
監督のエドワード・ズウィックと、主演のトム・クルーズが、彼ら(外国人)から見た武士道とこの映画の魅力を語る時に、「loyalty」と「honor」という単語を使うのです。
なんだか言っている内容が、このHPで11月26日に紹介した、ホーンブロワーのプロデューサーが語るナポレオン戦争時代の海洋小説の魅力とよく似ていて、驚きました。
26日の翻訳の時に、実は私「loyalty」をどう訳そうか迷ったのです。忠義と訳すとあまりにも儒教的なのでヨーロッパのイメージには合わないと思って、結局「忠誠」にしたのですが。
「loyalty」と「honour」、ヨーロッパ的には「忠誠と名誉」でしょうけれど、「ラスト・サムライ」的には「忠義と名を惜しむこと」…になるのでしょうか?
そのような観点でこの二つの映画を見てみると、また面白いものが見えてくるかもしれません。

今日は日本橋の洋書店に寄る機会があったのですが、「M&C」の映画カバーのペーパーバック、英国版がすでに店頭にならんでいます。「ラスト・サムライ」のメイキング本も出ていて、これもなかなか面白そうでしたが、こっちは日本語版も出るかもしれませんね。


★お詫びと訂正
11月27日の日記で、「以前にジェフ・ハント氏の画集を見せていただいた」と書きましたが、これは私の記憶違いで、見せていただいたのは「クリス・メイジャー氏の画集」でした。メイジャー氏はハヤカワNVのボライソー・シリーズの前半の表紙画を描いておられます。
お詫びとともに訂正させていただきます。


2003年11月30日(日)
ビリー・ボイド インタビュー

遅くなりましたが、NBCテレビのHPに掲載されたビリー・ボイド インタビューのご紹介です。
もはやリンク期限が切れているかもしれませんが、原文はこちら
原文の最後をお読みいただくとわかる通り、このNBCのページは著作権の制限が非常に厳しいため、恐縮ながら、今回は重要な要点だけのはしょったご紹介になることをお許しください。

ビリー・ボイドは、「ロード・オブ・ザ・リング」「マスター・アンド・コマンダー」と、二作続けてエピック作品に出演した。二つの作品の共通点はもう一つある。それは監督のファーストネームがどちらも「ピーター」であるということだ。
「僕は既に南半球出身の全てのピーターという有名監督と仕事をしてしまったことになるね」と、ボイドは言う。

ビリー・ボイドは長年、ピーター・ウィアー監督作品のファンであり、監督を尊敬していた。「彼は何が役者の仕事で何が役者の仕事ではないか、熟知している。監督と一緒にセットを歩いていると、まるで老練な船乗りと共にいるような気分になる」

ボイドはこの役が決まるまで、船上生活がどのようなものか全く想像もつかなかったという。ヨットに乗った経験などなかったからだ。
彼は2週間の訓練キャンプに参加し、操帆や当時の銃、大砲の扱いなどを習った。もっとも重要だったのは、舵輪の操作方法だった。ボンデンは操舵手の役目をこなすからだ。実際に風を受けて帆走している船の舵をとることがどれほど難しく、しかし素晴らしいことか、彼は初めて知ったのだった。そして最終的には実際に洋上でサープライズ(ローズ)号の舵輪を操作できるまでになった。

撮影にあたって、やはり大変だったのは、嵐のシーンだった。一回の波に4トンの水がタンクに蓄えられ、一気に流し落とされる。タンクは三基あるので、一回の大波でサープライズ号の甲板には12トンの海水がぶちまけられることになる。その甲板たるやジンバルの上で40度の角度に傾いているのだ。そこに強風と雨が吹き付けられる。実際のところかなり危険な撮影だったようだ。

今回の撮影で、ラッセル・クロウ、ポール・ベタニーからは多くのことを学んだとボイドは語る。
けれどもオフには楽しくすごした。ギタリストの腕も歌手としてもなかなかのボイドは、オフにクロウが呼びかけたジャム・セッションには喜んで参加していた。


2003年11月29日(土)
BBC地球伝説

hiビジョンのBS朝日で、月曜〜金曜20:00-20:55に「BBC地球伝説」という英国のドキュメンタリー番組が放映されているのですが、本日放映分は、
「パンドラ号絶対絶命」
という、1792年にオーストラリア沖で沈んだ英国海軍フリゲート艦の物語です。

こちらのページの右上の「放送内容」の「11月24日〜28日」のところをクリックしてくださいまし。

当日のお知らせ申し訳ありません。私も今さっき気づいたところなので。ちょっとアメリカのネット検索に追われて足下を忘れておりました。
このシリーズ、夏に放送されたものの再放送です。私は本放送で見ているのですが、当時のフリゲート艦の生活などがわかるなかなか面白いドキュメンタリーになっています。
hiビジョンのご覧になれる方には、是非おすすめです。

また不幸にしてこのページを見たのが21:00以降だった…という方>
本当に申し訳ありません。
でも来週はまた来週で面白そうな番組があるようです。

先ほどの「放送内容」の「12月1日〜5日」のところをクリックしてみてください。12月2日(火)3日(水)放映は「レニーの大西洋大冒険」。
イギリスのプリマス(!)をヨットで出港し、アゾレス諸島経由で大西洋を横断して、ジャマイカに向かうという航海紀行。

ダドリ・ポープのラミジ・シリーズによると、カリブに向かって大西洋を航海していくと、少しずつ海と雲と風が変わっていくそうです。そのようなものも画面から感じることができたら良いなぁと思っています。


2003年11月28日(金)
ジェフ・ハント氏の複製海洋画がオーダー出来ます

オーブリー・シリーズの美しい表紙画で有名なジェフ・ハント氏の海洋画の複製が、「Art Maritime」というこちらのホームページから限定でオーダー出来るとのことです。
printというので、複製と言っても印刷複製だと思いますが、一枚80ポンド〜105ポンド(15,000〜20,000円)。「Remarque」という限定バージョンはハント氏の署名入りで240ポンド(45,000円)から。

お値段がお値段なので、オーダーには勇気がいるかもしれませんが、このHP、見るだけならタダのようなので、ぜひご覧になることをおすすめします。
ハント氏の場合は、HOMEの小さな海洋画の横の「GEOFF HUNT President of the RSMA…」という赤字部分をクリックしてください。次の画面は複製画の説明ですが、ここで「VIEW GALLERY」をクリックすると、すばらしいネット画廊に入室できます。

欲しい…欲しいけど、でもそんな何枚も申込できないし…という方には、Amazon.uk(英国)で見つけたのですが、来年4月にジェフ・ハント氏の画集も出版されるようです。こちらは21ポンド(4,000円)。
もっとも先ほどのHPで紹介している海洋画すべてが紹介されているかどうかはわかりませんが。
こちらで予約受付しています。

ハント氏の原画の一部は、英国ポーツマスの海軍博物館の一室に展示されているとのこと、是非いちど生を見てみたいものです。

先日、9月のことでしたが、東京上野松坂屋で海洋画家の勢古宗昭氏(海洋小説関係では二見書房から発行されていたフォックス・シリーズの挿絵を描いておられます)の個展があり、見に行ってきましたが、やはり生は海の迫力が違います。

海洋小説の場合、表紙の美しさに惹かれてつい買ってしまう…というのがありますね。
海外からわざわざ原書を買ってしまうのも、挿絵の美しさに惹かれて。文庫のあの大きさではどうしても悲しく、大画面で見たいと思ってしまって。
ボライソー・シリーズのクリス・メイジャー、ジェフリー・ヒューバンド。ラミジ・シリーズのポール・ライトなど。原書の表紙はとても綺麗でおすすめです。
ボライソーシリーズ後半の野上隼夫氏の表紙挿絵も、あの小さな文庫の枠ではなく、大画面で見てみたいとつくづく思います。

そういえば先日、佐々木譲の「武揚伝」が文庫化されましたが、表紙がハードカバーとは変わってしまってショックでした。
ハードカバーの表紙は、生頼範義氏の描く幕府海軍の帆走軍艦「開陽」だったのに。

徳間書店から2巻構成ソフトカバーで出ていたオーブリー&マチュリン・シリーズの挿絵は生頼氏、イギリス海峡の暗い海が印象的でした。現在の(上)と(下)では絵も異なっていました。
生頼氏は空と飛行機を描いても素晴らしいのですが(ハヤカワ文庫NV「グッパイ・ミッキーマウス」の表紙とか)、海と船も印象的です。でも私の場合、最も印象的な生頼氏の海は、船つきではなく飛行機つきのハヤカワ文庫NV「鷲は飛び立った」の表紙だったりします。

文庫表紙画集…日本では出版されていないのでしょうか?
以前どなたかから、田宮模型のパッケージを描いている方の画集は出ているというお話は伺ったことがあるのですが。
生頼氏の表紙挿絵などは、おそらく飛行機マニアにも垂涎だと思いますので、楽しみに待っているファンは多いと思います。


2003年11月27日(木)
「M&C」はホーンブロワーへの追い風

英国でも公開の始まった「M&C」こちらはなかなかのヒットのようです。
さすがに海洋王国の伝統ある国ですね。

The ruler of the waves

インディペンデント紙のこの記事は、この映画のヒットと英国海洋小説の伝統について論じています。
興味深いのは最後の部分、
M&Cのヒットは、ITVのホーンブロワーには追い風となるだろう。ドラマ製作に対する米国からの出資が増えるであろうし、作品もより広く売れる。
ホーンブロワー・シリーズのプロデューサーであるアンドリュー・ベンソンは、この時代の海軍を舞台にした小説の魅力について、「忠節と義務を尽くすこと、水火をも辞せず仲間たちと共にあることが、現代というモラルの不確かな時代に生きる人々を惹きつけているのだ」と語る。このような古風な美徳が、読者の琴線に触れ、映画のスクリーンを通して人々に新鮮に映るのだ。

その他の記事のご紹介

Man of the world wielded a pen for Master

脚本家John Colleeの紹介記事。いずれ、10巻の日本語訳が発売になった後に、先日ご紹介したもう一本の記事とともにご紹介したいと思います。
僻地医療にたずさわっていた経験を持つColleeは、マダガスカルの石油会社の掘削現場に常駐医として勤務した経験から、世間から隔絶され危険の多い現場で働く男たちは、互いに対して時に驚くほど優しくなれることがあるのだと言い、当時の経験がサプライズ号の乗組員たちを理解するのに役立ったと語っているのが印象的です。

Lee Smith on Master and Commander

映画編集者の専門誌より、「M&C」の編集担当Lee Smith氏のインタビュー。
この記事は最大のねたばれです.
さすがに私も途中で読むのを止めました。続きは映画を見てからにしようと思っています。要約はですから、来年の3月ということで、あしからずご了承くださいませ。
私は、ストーリーがねたばれしてしまうのは、気にしない人なのですが、この記事は「監督と撮影と編集がどういう意図でこのカットを撮ったか」「どのような意図で敢えてこのシーンを残し、次のシーンをカットしたか」というような内容に踏み込んでいます。演出の意図というのは、本来観客が画面を見て感じるものだと私は思っているので、これだけは先に先入観を植え付けられたくないと思ってしまいました。


2003年11月26日(水)
「マスター・アンド・コマンダー」2月28日公開

毎月20日前後は各映画専門誌の発売日ですが、そのうちの一誌に、
「マスター&コマンダー」2月28日より日劇1ほかにて公開
と載っていました。で、あれれ?と思っていたら、ブエナ・ビスタ・ジャパンの方からも発表があったようです。こちらでポスターを見ることができます。
日本公開ポスター

さて、私が目にした映画専門誌にはこのように紹介されていました。

英国海軍艦長と天才軍医が7つの海に乗り出す「マスター&コマンダー(原題)」
原作は熱狂的なファンを持つパトリック・オブライエンの海洋小説シリーズ、19世紀初頭、7つの海を舞台に、勇猛果敢で抜群の統率力を持つ英国海軍艦長ジャック・オーブリーと、ブラック・ジャック張りの天才軍医スティーヴン・マチュリン、それに部下の若き仕官候補生たちが繰り広げる、胸躍らせる海洋アドヴェンチャーだ。フランスの大型フリゲート艦マチェロン号の奇襲に遭い、壊滅的な打撃を受けたサプライズ号とその乗員たち。彼らが未曾有の嵐に遭いながら敵艦を追跡、自らと国の命運を賭けて決戦に挑む。
最大の見所は、“観客をその場に連れていく”を合言葉に製作された迫力満点の映像。実存の英国艦を購入し、徹底的な時代考証を施した実物大セットでの船上シーン、ILMが総力を結集して描いた喜望峰沖での荒れ狂う大嵐、手つかずの自然が残るガラパゴス島でのロケ、クライマックスの決戦シーン。製作費140億円をかけ、海洋映画の復活を期した超大作だ。

小さな間違いが少なくとも4つあるんですが(私はミスタイプ、変換違いはしていません。)、ま、おおむねPRの方向としては間違ってないんじゃないか…と。
それにしても、スティーブンとブラック・ジャックという発想は新鮮でした。考えたこともなかったわ。

さて、ここ2〜3日の欧米の記事のご紹介です。

英国Independent紙とThe Guardian紙が揃ってポール・ベタニーに関する記事を載せています。
Going against the Tide
Stern Looks
いずれもベタニー本人に関する記事で「M&C」の内容に関わるものではないので要約しませんが、ファンの方は必読でしょう。とくに「Going against…」はジュード・ロウやユアン・マクレガーとの比較論が面白いです(3人ともニコール・キッドマンと共演している、というのは別として)。

またDaily Telegraph紙にはこのような面白い記事が
Cannons, Cutlasses and Catalonia
副題をつけるなら、「パトリック・オブライアンの物語の舞台をたずねて。マチュリンの城を探してカタロニア・ピレネーへ」でしょうか? オブライアン巡礼ガイド…だそうです。
これ、どうしましょうねぇ? 旅行好きには宝物のような記事ではあるんですが、まぁいずれ余裕の出来た時にでもご紹介しますか? 何故って、まぁメノルカ島(北緯40度東経4度:スペイン)、エルシノア(北緯56、東経12'30:デンマーク)は良いとして、モーリシャス(南緯20'15東経57'30:インド洋)、スンダ諸島(北緯0'30、東経104'15:インドネシア)、ベニン(北緯6'15、東経2:ガーナ沖)などというのもあったりしまして、なかなかここまで巡礼の旅をなさるファンの方は少ないのではないかと。

しかしロンドン・タイムズになると、更にグレードアップ
A great place to meet lounging lizards
ガラパゴス島の旅行案内です。さすが七つの海に冠たるイギリス、地球の裏側の旅行案内がポーンと載ってしまいます。旅行時間とアクセスをものともせず…、ま、休暇は日本よりとりやすいかもしれないけど。

興味をお持ちの方は是非!今すぐ!これらのページの原文をプリントアウト、または保存しておいてくださいまし。ちなみにテレグラフ紙の場合、メノルカ島以外は4巻以降の舞台なので、お読みになる方はねたバレにご注意ください。


2003年11月25日(火)
副大統領は「M&C」ファン?+目の三連休のお知らせ

アメリカ合衆国副大統領ディック・チェイニー氏は、16日(日)午後に早速、ワシントン市内の映画館に「Master and Commander」を見にお出かけになった…とのこと。
日本の政治家は…、橋本元首相が海洋小説がお好きと、ハヤカワ文庫のあとがき(ハヤカワNV「キール港の白い大砲」)で読んだ記憶がありますが、果たして元首相は「M&C」のために映画館に足を運ばれるのでしょうか?

全米公開後第1週の興行収入ですが、週末(14-16日)の集計では「ELF」に敗れたもの、週日に逆転し、今週のトータルでは「Master and Commander」が興収のトップを走っております。
全米興行収入速報ページ

ロイヤル・プレミアも終了し、欧米の記事も減少して落ち着いてきました。この2日で目玉になるような記事は以下の3点。

The Effect Mastery
CGなど特殊効果撮影に関する紹介記事

また以下の2サイトからは映像が見られるようですが、例によって私には確認ができておりません。

フィルムクリップ

ロンドン・プレミア映像
要ブロードバンド、メディア・プレーヤとの注意書きがあります。


今週(も!)仕事が詰まっていて、なかなか目のお休みがとれませんでしたので、恐縮ながらこの連休はネットもお休みして「目の3連休」とさせていただきたいと思います。あまり急ぎの記事は出てこないと思いますが、お急ぎの方は下記HPをチェックなさることをおすすめします。

ラッセル・クロウ関連記事速報ページ


2003年11月21日(金)
「TIME」アジア版、今週が「M&C」特集、本日発売!

「TIME」アジア版、なんと今週が「M&C」特集です。表紙はオーブリー艦長。大きな書店であれば日本でも手に入ります。定価840円。もうダメだとあきらめていたので、まさかのびっくりでした。アジア公開のずれの分を計算に入れたのでしょうか?

TIMEアジア版今週号
注意!P.112の「BUT IN THE BOOK」の下から9行目、(SPOILER ALERT)のあとの一文には大変なねたバレがあります。お読みになりませんように!

以下、近日中にネットに上がったHP情報です。

動画の見られるHP
私はPC環境劣悪のため未確認です。

BBC News 動画
二段目中央の「In picture」をクリック

BBC Liquid News
Liquid News 24/7をクリック

BBC World film focus
「See the Report」をクリック

ポール・ベタニーの記事
2nd in "Commander"
ジェニファー・コネリーとの出会いなどプラベートを語っています。ファン必見。映画の内容からははずれるため、現在のところ要約の予定はありません。
タイトルは映画「M&C」のNo.2という意味で、サープライズ号の2nd in command(次席指揮官=副長のこと)ではありませんので、ご注意ください。

ビリー・ボイド インタビュー
"Rings" Star Wowed by Another Epic Film
いずれ要約しますが、内容的には三分の一程度に圧縮されます。

Lucky Jack sails to Hollywood
パトリック・オブライアンを知る長年の英国人ファンの寄稿。ねたばれしていますので、要約するにしても来年の公開以降になります。


ロンドン・プレミア続報
Master and Comander premiers in London

ロンドン・プレミア出席者写真
ロンドン・プレミアには、プリン・オブ・ウェールズだけではなく、ペリュー提督(ロバート・リンゼイ)と、紅はこべことパーシー・ブレイクニー卿(リチャード・E・グラント)もお見えのようです。


お詫びと訂正:昨日の更新の中で、CBSの記事のリンクが働いていませんでしたので、訂正しました。ご確認ください。


2003年11月19日(水)
全米公開第1週興行成績

大事な時に更新がお休みになって申し訳ありませんでした。
日曜日の朝、頭痛とめまいと食欲不振に陥り、月曜日に出勤を遅らせてお医者さんにいきましたら、「ちょっと疲れたんでしょう。目を使いすぎていませんか?」と。…内科なのにどうして目の使いすぎって見抜かれるの???

というわけで、恐縮ながら、ちょっと更新ペースを落とさせていただきます。
昼間めいっぱいお仕事でモニターを見て、夜も家で…というわけにはいきませんので、週日の更新は簡単に。長文要約は土日で対応していくつもりです。

幸いなことに、日本公開まではまだ時間がありますので、少しずつやっていっても十分に間に合うと思います。
ただ、原文のリンクのほうはそこまで長くは持たないと思いますので、原文紹介だけはリアルタイムで行きたいと思います。
結果として、原文紹介と要約までの間に時間があきますので、その間にリンク切れが生じる可能性があります。
また著作権の関係で、ごく簡単な要約紹介しかできないものもあります。
興味をもたれた内容がありましたら、現時点で!今すぐ!内容保存かプリントアウトをおすすめいたします。

先週末から今週にかけての主な記事
CBS News
ラッセル・クロウがCBSの朝のニュース番号に出演。映画の内容にはあまりふれていないので、要約の予定はありません。

Conflict and friendship
ポール・ベタニー紹介記事

It felt as if Patrick O'Brian's Ghost was wrting with us
脚本担当John Colleeの寄稿。いずれ要約しますが、10巻(原作)ねたばれにつき、ハヤカワ文庫での10巻出版以降にupする予定です(おそらく来年になります)。

Battle cry for accuracy
歴史考証担当ゴードン・ラコ氏の紹介記事

Warren natvie was sailing
ローズ号のクルーで帆船技術指導も行ったAndrew reays-Ellers氏の紹介記事

Hollywood Reporter
特殊効果撮影担当ILM社の紹介記事


「Master and Commander」全米公開最初の週末の興行成績は、マトリックスをうわまわったものの、Elf(クリスマス・コメディ)に次ぐ2位。
映画の客層ははっきりと別れ、「Master and Commander」を見た観客のうち、25才以下はわずかに17%、若者と女性には敬遠された結果がこの数字と分析されています。
もっとも年配者中心でこの興行成績は立派という見方もあり、必ずしも数字だけで映画の内容を判断することはできない、というのが総合的な評のようです。


2003年11月18日(火)
ロンドン・プレミア

11月17日(月)のロンドン・オデオン劇場にて、「M&C」のロンドン・プレミアが行われました。
この様子について、BBCニュースをもとに詳しくお伝えします。

当日は朝から雨風の強いあいにくの荒天となりましたが、劇場前に集まったファンの熱気を抑えることは出来ませんでした。
この荒天について副長役のジェームズ・ダーシーは「撮影時の苦労を思い出す」とコメント。嵐のシーンを撮影していた11日の間、キャストは文字通りずぶぬれになっていた。衣装は完全防水とは言い難かったので、朝の9時に大波をかぶると、その後は一日中、濡れ鼠状態ですごさなければならなかったんだ」

オデオン劇場の前には艦載砲のレプリカが設置され、礼砲を撃って会場を盛り上げた。また会場への入り口は通常の深紅の絨毯の代わりに海の青の絨毯が敷き詰められていた。

プレミアには、海軍中将であるチャールズ皇太子も出席された。
ラッセル・クロウを始めとするキャストは、上映前にレセプションの間で皇太子を迎え、クロウは皇太子に出席していた20人前後のキャストを紹介した。
その後、皇太子は少年候補生役だったマックス・パーキスから、贈呈用のパンフレットを贈られた。

以下は、このプレミアに出席したファンのサイトへの投稿から補足です。
レセプションの間では皇太子を迎える前にリハーサルが行われたが、たちまちにクロウは「艦長モード」に入り、両手を背で組むと、乗組員たちを査閲しながら、励ましているようだった。
後日ロンドンの新聞社が主催した公開インタビューで、クロウはこの時、ひさしぶりに会った乗組員役の俳優たちが「アイ、キャプテン」と答えたと語ったが、この時傍らにいたポール・ベタニーはすかさず、「それはただ単に彼らが貴方の名前を思い出せなかっただけだよ、メート!」とまぜっかえした。

皇太子が到着すると、クロウは(グラディエーター)でマキシマスがグラックス議員に対した時のように頭を下げ、ほんの少し言葉をかわした後に、クロウは各キャストを交代しに紹介したが、皇太子から少し離れ手を背中で組んだまま先導する姿は完全に軍人モードで艦長そのものだった。


ロンドン・プレミアの写真を見ると、クロウ以下出演者は全員ディナージャケット着用(ボンデンやキリックや水兵役の俳優さんたちも勿論)ですので、これはなかなか見物だったのではと思います。

ロンドンプレミアの写真はこちら。なんと公開にあわせてエンデバー号がテムズ川を航海しています。ロンドン・ブリッジが開いて帆船か通過する…などという光景が、まさかカラー写真で見られるとは思わず(むかしの白黒写真なら見たことあるんですけど)、感激に涙してしまいました。

このロンドン・プレミアには、リドリー・スコット監督や、俳優のティモシー・ダルトン、紅はこべを演じたリチャード・E・グラントや、「ホーンブロワー」のペリュー提督役ロバート・リンゼイなども姿を見せていたようです。

ロンドンプレミアの写真はこちら。なんと公開にあわせてエンデバー号がテムズ川を航海しています。ロンドン・ブリッジが開いて帆船か通過する…などという光景が、まさかカラー写真で見られるとは思わず(むかしの白黒写真なら見たことあるんですけど)、感激に涙してしまいました。


2003年11月17日(月)
アメリカの船乗りたちから見た「M&C」

全米公開をはさんで、映画評やら関係記事やらがネット上にはあふれております。
とてもではありませんが全てを紹介しきれませんので、このHPではある程度、私なりの観点でピックアップした記事をご紹介していくことになります。

紹介しきれない英文記事について、
映画評についてはこちらに映画評だけをまとめたページが出来ていますので、ご参照ください。
またラッセル・クロウ関係の記事はこちらに速報が上がりますのでご参照ください。
いずれも全て英語のページとなります。

というわけで、今回のテーマは「船と船乗り」です。
「M&C」に関しては、私は原作ファンであり海洋小説ファンなので、このような記事もいかがかと。

最初の記事は、米海軍のニューズレターから、現代のアメリカ海軍軍人たちがこの映画をどう評価しているか。2番目と3番目の記事は米国の地方新聞からで、マサチューセッツ州とデラウェア州にゆかりのある2隻の艦が、この映画にどのようにかかわったかを伝えています。


"Master and Commander"; Is It Naval History?
米海軍歴史研究センター(Naval Historical Center : NHC)と米海軍歴史基金(Naval Historical Foundation : NHF)の歴史学者たちは、先日バージニア州アーリントンでこの映画の試写を見た。
彼らの感心はもっぱら、この映画が歴史考証のしっかりした映画なのか? それともいわゆるハリウッド作品であるのか? 現代の水兵たちにも何らかの学ぶところがある映画なのか?に寄せられていた。

映画は全般的に歴史考証が正確で、NHCの歴史学者たちからは評価されている。
NHCの研究部長ウィリアム・S・ダドリー博士は、マスター&コマンダーを、帆船の時代を描いたハリウッド映画の中では最高の作品であるとし、用語や言葉のやりとり、軍服、索具や艦、当時の英国海軍の慣習、ラッセル・クロウが演じた艦長像、全てが正確であるようには思えた、と語っている。ダドリー博士は19世紀海軍史が専門であり、「The Naval War of 1812 : A Documentary History」の著者である。

NHCの研究者たちによれば、映画の中で飛び交う操帆命令、戦闘シーンの描写すなわち各持ち場で戦う水兵たち、砲列甲板での作業、砲弾などによる艦や人員の損傷、負傷者の手当や損傷箇所の修復、敵をあざむくトリックなども全て、歴史的に見て問題のないものだそうである。

それでは、歴史的に見て不正確な点は何処なのだろうか?

「小型艦の艦長にしては、オーブリーは危険を冒しすぎる」という指摘が一つ。嵐の中で戦闘に持ち込むのは危険だ。
敵となるフランスの私掠船は44門艦であるという設定であり、ボストンに現存する当時の米44門艦をモデルとしているが、一般的に私掠船はもっと小型であり、アメリカの当時の44門フリゲート艦ほど堅牢には作られていない。

戦闘中による負傷者の悲鳴やうめき声は実際はもっとひどいものだろう。むち打ちのシーンも納得できない。九尾の猫鞭は、処罰者の背中の皮膚を裂くのではなく、校長先生の柳の鞭より少々大きな傷しか残していないように見える。

士官の間の関係は良く描かれているが、下甲板の水兵たちは二次元的だ(これはパトリック・オブライアンの原作でも指摘される問題点である)。
オーブリーは、水兵たちの操砲訓練に精を出しているが、補給のままならない遠洋で、貴重な砲弾と火薬を訓練に使用する必要はない。

現代の海軍がこの19世紀の映画から学ぶものは多いという。
「日常作業、見張り、ベル(鐘)、ボースン(現代では掌帆長とは訳さない筈ですが、何でしたっけ?甲板長? ご存じの方はお教えください)の呼び子などは、現代でも変わらない。リーダーシップ、ダメージ・コントロール、訓練の大切さなども、世紀が変わったからといって変わるものではない。
この映画を見た現代の海軍将兵にとって最も重要な教訓は、チームワークだと思われる。19世紀の船乗り達は、仲間をひじょうに大切にしていた。


Deep-sea blues : Modern sailors weigh in on hard life portrayed in "M&C"
直前の記事で、少し触れられていた「仏私掠船のモデルとなった米44門艦」とは実は、ボストンに係留されているコンスティテューション号のことです。
次の記事はボストン・ヘラルド紙から、M&Cとコンスティテューション号のかかわりについて。

コンスティテューション号は、映画M&Cに深くかかわっている。映画製作者は3日間にわたりコンスティテューション号を正確にレーザースキャンし、そのデータは44門装備の仏私掠船アケロン号のフルスケールモデルの製作に使用された。

1797年に進水したコンスティテューション号の船上生活は、当時の英国艦の下甲板(水兵たち)に比べればましなものだったと考えられている。だが、M&Cの歴史考証を担当したゴードン・ラコ氏によれば、19世紀に入ると英国海軍の船上の生活条件を改善した。艦隊勤務の水兵は医療面などでは一般市民より良い手当を受けていた。
工場や農場で働くことを思えば、船の上は比較的清潔で、食糧も医者も手の届くところにあった。

「当時の船乗りたちを本当に尊敬する」と、コンスティテューション号の艦長、ライト中佐は言う。「展帆作業一つをとっても、水兵は命綱なしに高みに上がらなければならない。そしてどのような状況でもどのような天候でも作業はこなさなければならないのだ。船が激しく揺れていても、氷雨の中でも、戦闘中でも、非常に厳しい生活だ」

だが少なくともアメリカの水兵は志願者たちだった。当時の英国では乗組員の20%が強制徴募されていた。
それでは海上生活の魅力とは何だったのか?
当時のたいていの者にとっては、海上生活の方が陸上生活よりましだった。当時はそうだったのだ。
参考:コンスティテューション号のHP


Delaware shipwreck aids Russell Crowe film
最後はデラウェア州のローカル・ニュースから。

1798年にデラウェアのヘンローペン岬沖で沈没した英国海軍のデ・ブラーク号には財宝が積まれていた、と言い伝えられていた。船体は1984年に発見され引き上げれたが、金銀財宝は見つからなかった。
だがM&Cの監督、ピーター・ウィアーにとっては、デ・ブラーク号はまさに宝船だった。海底から引き上げられた大砲、砲弾、食器類、革製の靴、ボタンなどは、当時の船上生活を知る貴重な資料であったからだ。

デラウェア州歴史文化部に勤務するチャールズ・フィジアン氏は、M&Cの歴史考証スタッフの一人に名を連ねることになった。
デ・ブラーク号から引き上げられた毛織りの帽子に興味を示したウィアー監督に、フィジアン氏は複製品を製作する織物職人を紹介した。
「この映画は、2回以上じっくり見る価値がある。私が紹介した帽子だけではない。『これもそっくりその通りだ、あれもそうだ』という物が幾つもある。帆走軍艦の時代の生活がどういうものであったのか、実際に感じ取ることができるんだ」
参考:デ・ブラーク号のHP


2003年11月15日(土)
ロサンゼルス・プレミア--インタビューなど

遅くなりましたが、ロサンゼルス・プレミアの記事がネットに上がっていますので、インタビューの一部をご紹介します。

ロサンゼルス・プレミアには、ラッセル・クロウ夫妻、ポール・ベタニー夫妻、ピーター・ウィアー監督、士官候補生Hollom役のLee Inglebyとキャラミー役のMax Benitzが姿をみせました。

ラッセル・クロウへのインタビュー
Q:事前にどのようなリサーチをしたのですか?
ラッセル・クロウ(RQ):主に本を読んでいた。当時の研究書を何冊か。ネルソンに関する本も読んだ。ジョディー・フォスターは僕に「Sailing for Dummies」を送ってくれたよ。
訳注:「Sailing for Dummies」は帆走入門のような本と思われます。くわしくはこちらを。

Q:小さなドラマより、このような一大叙事詩の方がお好きですか?
RC:この映画の神髄は、実際ところ、小さな人間ドラマにあると思っている。この映画は、映画館で見るとエピック・ムービーのように見えるかもしれないが、思うに、この映画の叙事詩的な側面だけを見ている人は、物語のポイントを見逃すことになる。

Q:ほとんど女性が登場しない映画ですが、撮っていて奇妙だとは思いませんでしたか?
RC:女性は出てくるよ。それにスタッフの中には大勢女性がいた。まぁでも、確かに珍しいとは思う。でも「グラディエーター」にも女性はあまり登場しなかったじゃないか。

ポール・ベタニーへのインタビュー
Q:あなたは献身的にプレスの質問に答えていますが、それがあなたにとって大切な理由は何ですか?
ポール・ベタニー(PB):僕は映画を愛している。好きなものを売り込むのは難しいことではないだろう? これは素晴らしい映画だし、そしてそれはすべてウィアー監督に帰していると言うことができる。

Q:(撮影中に)船酔いはしましたか?
PB:いいや、まったく。船酔いはしていない。僕は子供のころ海洋少年団にいたんだよ。父が入れたんだが、あまりものにはならなかった。でもボートにはよく乗った。だから船の揺れに慣れるのは早かった。

Q:海上での撮影中、手空きの時は何処で時間をつぶしていたのですか?
PB:「モンキー・バー」と呼ばれている場所があってね。それがいやらしいことに、そこはバーと呼ばれているのに、全く酒を置いていないんだ。そんな馬鹿な、という奴だ。そこにはもうひとつ頭にくるものがあってね、大声で鳴くオウムなんだ。知っての通り、映画の最後には「いかなる動物も傷つけてはない…云々」というクレジットが流れるだろう、正しくは「モンキー・バーのオウムをのぞいてはいかなる動物も」とすべきなんだ。だって、明け方の5時から鳴くんだから。あのオウムには僕も含むところがあると言わざるをえない。
Q:オウムなんでしょう? どんな言葉をしゃべっていたか教えてくれませんか?
PB:しゃべったりはしないんだ。ただ「SQUAACK!」って鳴くだけさ。

ところで、この「船酔いになりましたか?」という質問は、全関係者になされていたようです。
この質問に「私は酔った、と告白しなければならない」と答えたのはウィアー監督。

Lee Inglebyは、撮影前の2週間のトレーニングキャンプで、船上生活を学ばなければならなかったので緊張したこと、でもその2週間で、映画の中で演じることとなる共同生活を体験したことで、皆がまとまっていったことを語り、Max Benitzも、キャストは常に一緒の部屋にいてまるで船室のようだったこと。撮影の合間にはボード・ゲームをしたり本を読んだりいろいろ話をしたりして過ごしたこと、キャストを一部屋にまとめて待機させるのはウィアー監督のアイディアであること。を語っていました。
Lee Inglebyは「ハリー・ポッターとアスカバンの囚人」にバスの車掌役で出演が決まっており、こちらはブルー・スクリーンの前での撮影だ(バスはラッシュアワーで渋滞しているロンドン市内を時速160kmで走る設定なので、もちろん実写はできません)と答えていました。

まったく余談ながら、このプレミア紹介記事の下のところに、「Explore More」として、その他の人気記事というのが載っているのですが、「キル・ビルのスクール・ガール栗山千明」に関する記事が2つあるのですよね。女子高生のボディーガード、アメリカで人気なのでしょうか?


また、こちらは別記事ですが、13才の士官候補生Blankeneyを演じたMax Pirkis君(14才)のインタビュー記事も別途ネット上には上がっています。
この内容は無惨にねたばれしていますので、今ご紹介することはできないのですが、なかなか面白いので、日本公開の暁には、要約をご紹介したいと思います。
けれどもそれでは来年3月になってしまいますので、ひょっとすると原文のリンクが消えてしまうかもしれません。
興味のおありになる方は、URLを下記にご紹介しますので、画面を保存するかプリントアウトしておかれることをおすすめします。

マックス君インタビュー

ねたバレにかからないところでひとつだけ、このインタビューの中で私が笑ったというか驚愕したのは、「この映画の原作は読みましたか?」という質問に対するマックス君の回答でした。
「僕、ホーンブロワー・シリーズとシャープ・シリーズは本当に大好きなんだけど。ほら同じような話だけど、もっと子供にも読みやすい(child-friendly)でしょう? (オブライアンの原作は)もう少し大きくなったら読み直してみたいと思うんだ」

ホーンブロワーはともかく、シャープの原作が、チャイルド・フレンドリーなんですか???
う〜〜〜ん。

3分ほど考えた後に思いました。これって中学生が「森鴎外より吉川英治や柴田練三郎の方が読みやすい」って言っているようなものかしら?
それだったら、まぁ、わからないでもないかなぁと。私も「眠狂四郎」を初めて読んだのは中学2年の時のことでしたし。

ホーンブロワー・シリーズ(C.S.フォレスター著)は日本ではハヤカワ文庫から、シャープ・シリーズ(バーナード・コーンウェル著)は光人社から、それぞれ出版されています。


2003年11月14日(金)
全米航海前夜--A High Risk Film on the High Seas

航海(公開)直前ということで、アメリカでは映画評が花ざかりです。が、致し方のないこととはいえ、どの評も、物語やエピソードに全く触れることなく内容を紹介することは出来ず、必然的にねたバレをしてしまいます。

その中で、ほとんどねたバレなく、内容の概観を上手く伝えていると思われるレビューはこちらです。
The Far Side of Holly wood

その他、多少のねたバレを覚悟の上であれば、こちらのレビューもどうぞ。
Thar He Blows
EW Review
Ruling the Waves


全米ではいよいよ明日11月14日が公開初日となります。
そこで本日は公開前夜にふさわしい、米日刊紙The New York Times 11月13日の記事をご紹介します。タイトルは、
A High Risk Film on the High Seas
要約はねたバレ箇所を除外していますが、原文にはねたバレが含まれます。原文をお読みなる方はご注意ください。

「Master and Commander : The Far Side of the World」は、ハリウッドの定石にはまらない映画である。
ラブ・ストーリーのかけらもなく、「敵」も姿を明らかにするわけではない。フランス艦とその艦長は、恐怖の影として描かれる。
このような映画は、本当にこの映画を大切に思う映画会社の上層部の存在なくしては製作できない、とウィアー監督は述べている。

2000年6月の会合で、ウィアー監督は映画会社に対し、この映画の舞台を海上だけに絞ることを納得させた。
時代考証に忠実に、当時を再現し、歴史映画を撮影するには膨大な費用がかかり、予算は膨れあがったが、映画会社はこれにも対応した。

映画のラフ・カットが完成し、初めての試写会が行われた時、これを見た共同出資・配給会社のユニバーサルとミラマックスは、陸上でのシーン、帰国後のジャックと妻の再会シーンを追加するように強く求めた。
しかしウィアー監督はこれを突っぱね、FOX社も監督の方針を援護してくれた。

現在のところ、この映画の前評判は男性優勢、女性にはあまりアピールしていないという結果が出ている。
当初の宣伝は映画のアクション・シーンに重点を置いていたため、映画会社では今、映画の情感的な部分をもPRしようとしている。
忠誠と友情というテーマは女性にもうったえかけるものがある筈だとFOX社側は言う。
公開直前の調査では、この映画をいちばん楽しみにしているのは若い男性層だということである。

さて、決戦前夜、果たして結果はどう出るのか? 
海の向こうの国のことながら、私もどきどきしています。
でもきっとジャックなら言うでしょう。戦いの前にはきちんと食事をし、ぐっすりと寝むことが大切だと。


2003年11月13日(木)
怒海争鋒 極地征伐

「怒海争鋒 極地征伐」
これはいったい何だと思われます?
実は「Master and Commander; Far Side of the World」の中国語訳です。
中国語の映画タイトルについては「星球大戰 複製人侵攻」(スターウォーズ・エピソード2)の時に映画以上のこわさに驚いたものですが、今回もなかなか…。
海洋小説のタイトルが「決戦!○×」調になってしまうのは、東アジアの一般的傾向なのでしょうか?
突っ込みを入れさせていただければ、ホーン岬、ドレイク海峡は南緯60度にも達しないので、サープライズ号は南極圏を航海するわけではないのですが。

「M&C」公式ホームページの中国語版が稼働しました。
簡体字ではなく繁体字(日本で言う旧字)の中国語なので、香港・台湾向けと思われます。
日本人にもある程度はわかります。

というわけで、本日はテスト問題を。
以下の中国語に、日本語訳または英語訳をつけなさい。
1.皇家海軍
2.幸運船長傑克歐布瑞
3.馬杜林(医官)
4.歐布瑞船
5.地獄號
6.軍官
7.准尉
8.水手
9.装砲甲板
10.加拉巴哥島

回答
1.英国海軍といよりRoyal Navyと英訳した方がわかりやすいでしょうか? かつての香港警察は皇家警察(Royal Police)だったので、これはわかりやすいかもしれません。
2.Capt. "Lucky" Jack Aubrey。ジャックのことです。
3.マチュリン(軍医)。中国人らしい名前ですね。きっとスティーブンは喜ぶことでしょう。彼は現代だったらきっと、喜々として名刺の裏に中国語名など刷り込むタイプではないでしょうか?
4.サープライズ号。これはちょっと難しい。
5.アケロン号(敵仏艦)。アケロン号の名の由来は11月10日の日記でご紹介していますが、アケロンは正確には、地獄に流れている川の名前です。…ということは正確には「三途の川」が正しいのではないかと思うのですが(仏教の経典は中国語から訳している筈ですから、三途の川は三途川ですよね?違うでしょうか?)
6.士官。7.准士官。8.水兵。のことです。微妙に日本語と異なります。
9.gundeck。日本の海洋小説では「砲列甲板」と訳されています。これも微妙な違いが面白い。
10.ガラバゴス島のことです。

この中国語HPには他にもいろいろ発見があります。やはり日本語との微妙な訳語の差違がいちばん面白いですね。
「任意射撃」という文字が画面に流れるのですが、これ英語では「As she bear, Fire at will」。日本の海洋小説では「狙いのつき次第、各個に撃て」という訳になっていると思います。こうしてみると、中国語って実に簡潔!と感心します。

それにしても、中国語のHPが稼働したということは、台北か香港でも近々この映画が見られるというわけですね。
あぁ日本ばかりが取り残されていく。
太平洋の彼方(アメリカ)ならあきらめもつくのですが、飛行機で1時間飛んだ先では上映されているのだと思うと、なかなかに納得のつかないものがあります。


2003年11月12日(水)
ラッセル インタビュービデオ&辛口映画評

全米公開を今週末に控え、映画評なども続々ネットに上がってきているようですが、
まずは、Quick Timeを備えたネット環境の良い方にはこちら
ラッセル・クロウのインタビュー映像。新規写真つきです。
例によって私は動画を見ることができませんので、内容までは確認できておりません。

またラッセルが出演したGood Morning Americaというトーク番組の内容はこちら
映画の内容にはほとんど触れられていません。

以下は映画評です。すべて、ねたバレしています。どこで何が起こるか、それが具体的にどのような内容か、その結果どうなるかまで全てわかってしまいます。お気をつけください。
Movie Vault
A review from Avril

そしてこれがいちばん辛口の批評
Blunt Reviews
これはかなり手厳しいです。Blunt(ぶっきらぼうな)レビューというページですから、毒舌はもとからなのでしょうけれども。
この映画評は完全にねたバレしていますので、ここで訳することはできませんが、要点だけをかいつまんで言うと、「この映画は戦闘シーンに重点を置きすぎて、人間関係が描き混まれていないのではないか?」という指摘がなされています。

これはあくまでの私の個人的感想に想像をまじえてなのですが、この評を読んだ時に受けた印象は「なんだか同じようなことが『LOTR二つの塔』の時に言われていたような」でした。あれもヘルム峡谷の戦闘シーンが長くて、一部から問題点を指摘されていましたっけ。
けれども、昨日の監督への質問で明らかになったように、この映画のねらいが「Uボート」にあるのなら、冒頭から最後まで貫く緊張感は不可欠のものとなるのでしょう。

米国の女性のオブライアン・ファンはこの映画をどう見るのでしょう? そして果たして一般受けするのでしょうか?
なんだか心配になってきました。


2003年11月11日(火)
ウィアー監督への質問

アメリカのネットから、ピーター・ウィアー監督へのインタビューページを2カ所ご紹介。

米日刊紙ワシントン・ポストでは、読者からウィアー監督への質問を公募し、質疑応答をこちらに紹介しています。

Q:ドクター・マチュリンのキャスティングにあたって、原作に描かれている彼の身体的特徴を無視した理由は?

Peter Weir(PW):ポール・ベタニーはマチュリンの精神をとらえ表現できる俳優だと信じている。原作にあまりにも忠実であることから生じる危険性を未然にふせぐことは、監督としての責任だと私は考える。同時に、原作の精神を忠実に再現することも監督の責任だ。
原作に忠実にマチュリンをスクリーン上に再現すると、物語が喜劇化する危険性があり、それはジャック・オーブリーの体重を正確に再現した場合にも言えるだろう。

Q:もし監督が、「M&C」の続編を製作することになったら、今度はソフィーやダイアナも登場するのですか?

PW:映画会社はこの作品が成功を収め、続編が作れるようになることを願っている。私自身は続編にこだわるつもりはないが、続けたいとは思う。この映画が新たな原作ファンを拡大し、多くの読者がここに描かれた魅力的な男と女の関係を発見することを望んでいる。
(訳注:ねたバレを防ぐため、この項、意訳してあります。原文を読む方は注意!)

Q:女性の立場でお尋ねします。この映画は男性向けのような前宣伝がなされていますし、ソフィーやダイアナについては全く触れられていないとのことで驚きました。女性にとって、この映画の魅力は何なのでしょう?

PW:この映画には全く女性が登場しない。しかし事前試写(訳註:7月末にオレゴン州ポートランドで行われた最終編集前の特別試写会をさすものと思われる)の結果を見ると、女性も男性と同じように、ジャック、スティーブン、士官と水兵たちの描かれ方に満足していることがわかる。確かに前宣伝はアクションシーンに高い比重が置かれているが、映画会社側はこれから宣伝方法を変えていくと言っている。もちろんこの映画にはアクション以外のテーマ、人間関係やエモーショナルな部分も表現されている。

Q:この映画は歴史考証にこだわったと聞いていますが、監督はそれに成功したとお考えですか?

PW:原作でも細部には最新の注意が払われており、それが物語に迫真性を与えていた。私は映画でも同じようにしなければならないと思った。
私はまず復元船エンデバー号で2回の航海を体験した。ニューサウスウェールズ(オーストラリア)沖の航海で私はフォア・マスト班に入り、最初の晩の真夜中ちょっと前には、命がけでフトック・シュラウド(※訳注1)にしがみつき、フォア・トップをめざしていた。
それから私はグリニッチ(訳注:グリニッチにある英国国立海事博物館と思われる)に旅してコクラン卿(※訳注2)の書簡を見、ビクトリー号でネルソンが撃たれた場所の甲板の板張に手をすべらせ、米国ボストンに現存するコンスティテューション号の最下甲板をはいずりまわった。
歴史考証担当のGordon Laco、ビクトリー号のPeter Goodwin、グリニッチのBrian Laveryからは多くの助言を得た。
※訳注1「フトック・シュラウド」:マストの檣楼(見張り台のようなところ)の外側を登る横静索で、檣楼がオーバーハングする形になるため、この部分を登る時は横静索にぶら下がる形になる。誤って手を放すと背中から甲板に墜落します。おぉこわ。1巻(上)P.158前後を参照されると、マウアット君が親切に説明してくれると思います。
※訳注2「コクラン卿Lord Cochrane 1775-1860」:1800〜1814年に英国海軍で大活躍した第10代ダンドナルド伯爵トーマス・コクランのことと思われる。この時代の様々な小説の主人公のモデルと言われていますが、「事実は小説より奇なり」を証明する波瀾大万丈の人生を送られたお方です。コクラン艦長の大活躍については、英語ですがこちらのページを。

Q:監督のところには今回以前にも「M&C」映画化のオファーがあったとのことですが、以前のオファーを受けなかった理由は、タイミングが悪かったということなのですか?

PW:私が最初にオファーを受けたのは90年代半ばのことで、第1巻を映画化しないか?というものだった。私は1巻を読み直したが、これは映画化しにくいと思った。最初の巻にはあまりにも多くのエピソードが詰め込まれすぎている。
2回目の映画化のオファーは2000年の中頃で、20世紀FOX社のものだった。私は前回と同じように第1巻映画化の難しさを説明し、このシリーズから1作だけを映画化するのなら、シリーズ中盤の一航海をとりあげるのが良いと提案して「The Far Side of the World」を挙げた。
この巻であれば世界が限定され、オブラアンの小説の神髄--ジャックとスティーブンの友情、この時代のフリゲート艦の小さな世界、読者にとっては馴染みの登場人物達--に触れることができる。驚いたことに、FOX社は私の提案に理があると認めてくれた。

Q:「The Far Side of the World」の映画化にあたって、敵役を、1812年のアメリカ海軍フリゲート艦から1805年のフランス私掠船に変更したのは、アメリカの観客への口当たりに配慮したからですか? また敵となるフランス船Acheron号の名前の由来は?

PW:その方がアメリカの観客になじみやすいと考えた。また物語の舞台としても、1812年の英米戦争より1805年の対ナポレオン戦争の方が大規模で有名であることから、舞台を1805年に移すことにした。
Acheronというのは川の名前で、Styx川(※訳注3)の支流だが、オブライアン好みの名前なのではないかと私は考えている。
※訳注3:スティックス(Styx)川というのは、ギリシア神話に登場する冥府に流れる川のこと。ステュクス川とも訳されている。この支流Acheron川はアケロン川とも訳され、地獄の渡し守カロンがいる川として知られている。
ちなみに、アレクサンダー・ケントのボライソーシリーズの13〜14巻に登場する32門フリゲート艦スティクス号(ジョン・ニールの指揮艦)は、本流にあたるスティクス川に由来しています。
さらに、Acheronというフランス艦は、19世紀末には実在するようですね。検索していましたら、hushさんの近代世界艦船事典にたどりつきました。

ワシントン・ポストの記事は以上。


またパトリック・オブライアン・フォーラムにも、試写会でウィアー監督に幾つか質問をしたJim Reilly氏の投稿が、こちらのページに掲載されています。

試写会でウィアー監督と話しをすることが出来た。
私はまず、「映画製作にあたって、このパトリック・オブライアン・フォーラムをどの程度参照したか?」について尋ねた。
驚いたことに、ウィアー監督は、このフォーラムにROM担当スタッフを充て、3年間全ての発言をチェックしていた。担当スタッフは監督に電話帳サイズの報告書と、4ページのチェクリストを提出した。監督はフォーラムに書き込まれたファンの意見や感想を常に意識していた。

監督はこのように話してくれた。「映画でのテーマを明確に表現するために、原作プロットの正確な再現を犠牲にしている部分がある。映画が最終的に狙っているのは、作品全体からエッセンスを捕らえることだ」。
監督が描きたいテーマは、「当時の空気」、「サープライズ号の心(spirit)」、二人の男の「友情」よりは「キャラクター」である。
監督の関心は舞台となる環境(海)の荒漠さにあり、第二次大戦の独潜水艦を舞台にした映画「Das Boot」(ウォルフガング・ペーターゼン監督「Uボート」1981)の描き出す「閉所感」に影響を受けたという。「M&C」ではこの閉所感が、広大な大海原での孤立感として描かれる。監督は、「未知の空間(the ambiance of the unknown)」が、数多くのプロット(エピソード)で壊されることを望まなかった。長期間の航海を舞台にした「The Far Side of the World」を映画化することが、オブライアン世界を忠実に再現することになると監督は考えており、それによって、大きな意味での映画のテーマが明確に表現できると考えている。

監督がラッセル・クロウを主演に選んだ理由としては、クロウ自身がこの映画に興味を示していたこと。大スターの看板がマーケティングに役立つことの他に、ジャック・オーブリーというキャラクターの多面性(戦士であり船乗りであると同時に女好きでもある)を演じるには、クロウのような演技の幅の広い俳優が必要であり、彼であればオーブリーの「ペルソナ」を表現できると考えたからだ。

続編の可能性については、この映画がアメリカだけではなく全世界的にどの程度受け入れられるかによるとのことである。

監督は、当時の砲弾の音を正確に再現したことや、エンデバー号の協力を得たフォークランド沖やホーン岬の映像など、緻密な考証と正確な映像の再現を誇りにしている。
白兵戦のシーンでは、「個々人に独立し結末のあるアクション」を好む殺陣師たちに対して、監督は「結末のない混乱状態のアクション」を求めた。監督は35mmカメラを据えて、混乱状態にきりきり舞いする役者たちの動きを捕らえた。戦闘シーンの細部の再現にあたり監督が参考にしたのはフレデリック・マリアット(※訳注4)の本である。
※訳注4:フレデリック・マリアット(Frederick Marryat 1792-1848)「ピーター・シムプル」(岩波文庫)の作者として知られる英国人作家。1806年に士官候補生として海軍に入り、前述のコクラン卿の艦に乗り組む。1830年フリゲート艦アリアドネ号の艦長時代に最初の小説「The Naval Officer」を発表、退役後は作家となる。
ウィアー監督がどの本を参考にしたのかはわかりませんが、マリアットの海洋小説についてはこちら。またマリアットの生涯についてはこちらをご参照ください。

最後に、試写会を見たJim Reilly氏の個人的なアドバイス:原作は家に置いて、映画館に行き、ありのままの映画を見ること。パトリック・オブライアンが生きていたら、そのような見方を喜んでくれるだろうと私は思う。ワイドスクリーン、サラウンディング・サウンド完備の映画館で見るのがのぞましい映画。

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この二つのインタビューを通して、かなり映画の方向性が明確になってきたような気がします。
しかし…、「Uボート」ですか。

日本語に訳された1〜3巻だけを読んでいると、オブライアンとUボートというのはかけ離れた世界のようにも思えます。アレクサンダー・ケントならUボートでもわかるんだけどね…という意見が出てくるのではないかと。
けれども確かに、オブライアンにもUボート的な作品は存在します。私はまだ9巻までしか読んでいませんが、5巻などはかなりこのパターンに近いと思われます。戦列艦が独航し、艦内のみが舞台となり、逃げ場の無い状況で次から次へと危機に襲われる…。閉塞的な状況における人間ドラマもオブライアンは上手い。
ゆえにウィアー監督のおっしゃることも、わかるような気がしますし、期待して良いのではと思われます。

ちなみに、今週の金曜日の洋画劇場(地上波、日本テレビ読売系)はウォルフガング・ペーターゼン監督の「パーフェクト・ストーム」です。「M&C」の映画評を読んでいると、パーフェクト・ストームの嵐のシーンがよく引き合いに出されるので、見てみようかと思っています。


2003年11月10日(月)
海外レビューなど

またまたお詫びで恐縮ながら、本日更新分(ピーター・ウィアー監督への質問)は、調べモノが完了していないため、明日のupとなります。

仕事との両立が難しく、「TIME」の件など、みなさまにご迷惑をおかけして申し訳なく思っています。
あまりプライベートに時間のとれない私が、このようなHPを持つことが、根本的な問題であることは本人がいちばんよく認識しているのですが。
でも全く無いよりは、少々対応が遅くとも日本語で要約のある情報が提供できた方がベターではないか?と思って始めたHPですので、ご理解とご寛恕をいただければと、
よろしくお願い申し上げます。

なお、先のことながら、本業の仕事のスケジュール遅れを見ていると、来年の年度末ちょうどこの映画の公開頃は、私は映画どころではない状況に陥りそうです。そのころには海外情報は減っていると思われますが、国内情報についてはフォローできないと思われますので、どなたかこちらを担当してくださる方があれば幸いと思っています。

またこのHP、誤字脱字が散見されると思います。
限られた時間の中で更新している関係上、一晩寝かせて翻訳を見直すとか、校正をするという余裕が現在まったくとれません。
気付いたところは後日訂正していますが、誤字脱字誤訳に関して、完全な対策はとれておりません。
情報のスピード性が求められるこのページの性質上、ある程度はやむをえないことかとも思っています。無責任で申し訳ありませんが、正確を期する方は、必ず原文をクロスチェックくださいますようお願い申し上げます。

以下は続々とネットに上がってきている「M&C」の映画評です。読み応えはありますが、ねたばれが多く含まれるので、要約ができません。
原文を読まれる方は、ご注意ください。

Screen Daily
ねたばれ注意:誰がどのような怪我をして、ドクターから手当を受けるかがわかってしまいます。

バラエティ誌レビュー
ねたばれ注意:どの事件がどの順番で発生するか、どこで胸のつぶれるようなアクシデントが発生するかがわかってしまいます。


2003年11月09日(日)
「TIME」今週号アメリカ版

アメリカ版とアジア版が異なる今週の「TIME」ですが、「M&C」に関するアメリカ版の特集記事は、ネットで読むことができます。(Kさん>お知らせありがとうございます)。

「TIME」の特集記事は、以下の3本から構成されているようです。

The Bold Man and the Sea
俳優ラッセル・クロウ自身にスポットを当てたインタビュー中心記事

At the Heart of the Ocean
原作者パトリック・オブライアンについて

Why Russell Ranks High
映画評。こちらもラッセル中心

この「TIME」アメリカ版ですが、日本国内では紀伊国屋WEBから入手することができるようです。
紀伊国屋書店 洋雑誌WEB
↑こちらのページから、「TIME」で検索をかけると、アジア版、アメリカ版とも出てきますので、
こちらのアメリカ版を選択してください。

この紀伊国屋WEBを見ていると、やはり日本でのロード・オブ・ザ・リング(LOTR)とマトリックスの人気には凄いものがあると思います。
前回、映画が「TIME」の表紙に登場するのは「LOTR二つの塔」以来と書いてしまいましたが、「マトリックス」も表紙になっていました。こちらで映画関連の「TIME」表紙一覧を見ることができます。
果たして「M&C」が、この表紙の他のラインナップに匹敵するほどのヒットになりますか否か。

余談ながら。今回「TIME」アジア版の差し替え特集となった「アジアの心の危機」は、アジアで自殺や鬱病が多いのは、儒教国だからだ…という分析で、なかなか面白く読みました。「東京ではホームで電車を待っている人が自殺しないように、駅には鏡がついてる」として中央線の駅の写真が紹介されていました。やはりアジアには、サープライズ号の冒険よりこちらの方が重要ですね。


★追加修正のお知らせ
(1)オーブリー関連書籍
只野四十郎さんのHP「Sailing Navy 王国海軍 木造帆船軍艦の時代」に、「オーブリー関連書籍」のページが登場しました。「トップページ→参考資料→参考文献(洋書)中の「オーブリー関連本」とお進みください。10月29日の日記にこの項を追加しました。

(2)ポール・ベタニー フィルモグラフィー
11月4日の「試写会用プレス資料(2)」に、ブライスさんの「ポール・ベタニー フィルモグラフィー」を追加いたしました。

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先日、Commander in Chiefの話を書きましたところ、噂をすれば何とやら…なのか、翌日ページを開いた9巻「Treason's Harbour」第4章にCommander in Chief (on the Mediterranean Station)がご登場…。ところが、

ジャックとスティーブンは、9巻では地中海のマルタ島に滞在しています。マルタ島は当時、地中海における英国海軍の基地となっており、サープライズ号は9巻4章現在マルタ島の工廠で修理中です。
さてある日の昼さがり、Commander in Chiefからスティ−ブンに呼び出しがかかりますが、海軍本部からの使いがホテルの部屋のドアを叩いても返事がありません。
部屋係のメイドは「このお部屋の紳士は、ベットの中で冷たくなっているのでは?」と真っ青に。

おろおろするメイドから鍵をひったくったジャックは部屋に入りますが、部屋の主は耳栓を入れてぐっすりお寝み中。乱暴に揺すられてようやく目を開いた寝起きのスティーブンは、「(Stephen) gave his friend a look of pure hatred」…憎悪に満ちた目…だそうです。これは本当に怖そう。ジャックでなかったら震え上がってしまうでしょう(笑)。スティーブンは楽しい夢を見ていたところだったのです。

メイドの大騒ぎを聞いて、「いったい何事で? 艦長?」と飛び込んできたボンデンとキリックに、ジャックは命じます。
「7分間でドクターを磨き上げ、一番良い軍服を着せ身なりを整えなければならない」
自分がいなくてもメモは提出したし会議は始まる…とスティーブンは抗議しますが、ボンデンとキリックに慈悲など期待できません。
スティーブンは、常日頃よりきちんとした身なりで、ひげも剃り、かつらも全く曲がっておらず、Commander in Chief(この場合は地中海艦隊司令長官)の到着に殆ど遅れることなく会議室に入ることができましたが、目だけは腫れぼったく、まだ人間としての頭の働きが出来るようにはなっていませんでした。
…さすがスティーブン、と言うべきか。さすがボンデン&キリックと言うべきか。


2003年11月08日(土)
【急告!】今週号の「TIME」は別特集!

今週号の「TIME」を日本で買おうとなさっていらしゃる方へ「ストップ!」です。

日本で本日発売された「TIME」は表紙も特集も異なります。

「どうして?」と思ってよくよく見たところ、編集が「TIME ASIA」になっていました。
アジアでこのテーマは関心を呼ばない…ということで、特集が差し替えになっているようです。
大変申し訳ございませんでした。
何も知らずに購入してしまった…とおっしゃる方が無ければ良いのですが。

「ロード・オブ・ザ・リング」の時は、全米公開と同じタイミングで「TIME」特集号が出ていたのに、今回は何故?と思うのですが、考えてみれば、LOTRの時はアジアでも日本以外は全て12月〜1月の公開でした。「M&C」の場合、アジアでアメリカと同じ11月公開になるのは、韓国とフィリピンだけです。そのためにこのようなことになってしまったのでしょうか?

ともあれ、何とか日本でアメリカ版「TIME」を購入できるところを探さなければならないのですが、今週は(4日しかないため)仕事がたてこんでいて、洋書店の開いている時間に間に合いそうにありません。明日時間をみつけて洋書店に電話などしてみるつもりですが、何かお知恵がありましたら、お寄せいただけますと幸いです。

ご迷惑をおかけいたしましたことをお詫びいたします。


2003年11月05日(水)
プレス用試写会資料(2)

昨日に引き続き、プレス用資料のご紹介「キャストについて」

キャストについて
Russell CROWE(ジャック・オーブリー:艦長)
ニュージーランド生、オーストラリアで育つ。現在、オーストラリア在住。
主要映画作品:The Crossing(1991)、Proof(1992)、Romper Stomper(1993)、The Quick and the Dead(1993)
L.A.コンフィデンシャル(1997)、ミステリー・アラスカ(1999)、プルーフ・オブ・ライフ(2000)
インサイダー(2000)、グラディエーター(2001)アカデミー主演男優賞、ビューティフル・マインド(2003)

ラッセル・クロウのフィルモグラフィーについては、KumikoさんのHPに詳細なものがありますのでご参照ください。

Paul BETTANY(スティーブン・マチュリン:軍医)
イングランド・ロンドン生。The Drama Centre in London出身、ウェストエンド、RSC(ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー)の舞台で活躍。
主要映画作品:ベント(1997)、スカートの翼ひろげて(1998)、ギャングスターNo.1(2000)、デッド・ベイビーズ(2000)、キス・キス・バン・バン(2000)、ロック・ユー!(2001)、ビューティフル・マインド(2001)、The Heart of Me(2002)、Dogville(2003)

ポール・ベタニーのフィルモグラフィーについては、ブライスさんのベタニー・フィルモグラフィーに詳しく紹介されています。ご参照ください。

Billy BOYD(バレット・ボンデン:艦長付き艇長)
スコットランド・グラスゴー生。
主要映画作品:「ロード・オブ・ザ・リング」、An Urban Gohst Story, Julie and the Cadillacs

James D'ARCY(副長)
イングランド・ロンドン生。The London Academy of Music and Dramatic Arts出身。
英チャンネル4のドラマ「ニコラス・ニックルビー」主演。2002年のTVドラマ「シャーロック・ホームズ」では新解釈のホームズを演じている。

Lee INGLEBY(Hollom:士官候補生)
ウェスト・エンドの舞台やTVドラマで活躍。「ニコラス・ニックルビー」ではスマイク役でJames D'Arcyと共演している。

George INNES(ジョー・プライス:上級水兵)
「遠すぎた橋」(1977)、「SHOGUN」(1980)にまでキャリアをさかのぼれるベテラン。「ニコラス・ニックルビー」ではノッグス役でD'ArcyやInglebyと共演した。

Mark Lewis JONES(ホッグ:捕鯨船乗組員)
RSCの舞台で活躍。最近では米TVドラマ「アヴァロンの霧」にも出演している。

Chris LARKIN(海兵隊隊長・大尉)
ウェスト・エンドの舞台などで活躍。TVドラマ「シャクルトン」では画家のGeorge Marston役で出演。BBCテレビ「ダーウィン」主演。
主要映画作品:「ムッソリーニとお茶を」

Richard McCABE(ヒギンズ:軍医助手)
主要映画作品:「ノッティング・ヒルの恋人」
RSCの副美術担当として、舞台背景なども手がけている。

Robert PUGH(航海長)
主要映画作品「エニグマ」「スーパーマン掘

David THRELFALL(キリック:艦長付き給仕)
おもにRSCの舞台で活躍。
主要映画作品:「パトリオット・ゲーム」「ロシア・ハウス」

Max PARKIS(Lord Blakeney:士官候補生)
ロンドン在住の13才。学校の演劇部の経験しかないが、今回オーディションで選ばれた。

Edward WOODALL(二等海尉)
RSCの舞台で活躍。
映画「エニグマ」、TVドラマ「オリバー・ツイスト」に出演。

Ian MERCER(掌帆長)
主に英国のTVドラマで活躍。「シャクルトン」ではErnest Holness役で出演。

Max BENITZ(ピーター・キャラミー:士官候補生)
ロンドン在住の18才。Parkisとともにオーディションで選ばれた。

キャリアをご覧になるとおわかりの通り、艦長以外全て英国人でそろえています。英国艦だから当たり前といえば当たり前かもしれませんが。

TVドラマの出演作品は、各人ほかにも多数あるのですが、こちらには(「ニコラス・ニックルビー」と新作ホームズを除いて)日本で放映されたもののみを記載しています。「シャクルトン」「オリバー・ツイスト」「アヴァロンの霧」はNHK地上波、BSまたはhiビジョンで放映されています。
「ニコラス・ニックルビー」もディケンズ作品ですし、お願いしたらNHKで放映してもらえるかもしれません。ちなみにこのドラマでは、D'Arcy演じるニコラスは助教師として働くことになった寄宿学校で、いじめられていた少年スマイク(Ingleby)を助け、二人一緒にロンドンに逃げて、親切な落ちぶれ紳士であるノッグス(Innes)に助けられるという筋書きの…の筈です。

ドラマといえば、ここには入れませんでしが、実が私が初めてポール・ベタニーを知ったのは、ITVのTVドラマ「Sharpe's Trafalger」(ショーン・ビーン主演)へのゲスト出演、お坊っちゃまのオレンジ公ウィリアム役でした。もっとも初期の頃になりますね。


さて、11月3日は「M&C」のニューヨーク・プレミアでした。写真のみこちらのページにとりあえずupされています。近日中にプレミア・レポートが読めると良いのですが。
ポール・ベタニーはもちろん、奥方同伴です。

注目すべき(?)は左上の写真。オーブリー艦長とにこやかに握手をされているのは、Commander in Chief U.S.Atlantic Fleetの Robert Natter提督とキャプションにあります。
私は現代米軍の艦隊編成には詳しくないのですが、18世紀のあの時代でもCommander in Chief と言ったらオーブリー艦長も緊張して敬礼する司令長官の筈なのですが…。あの…艦長、礼装でなくてよろしいのですか?


2003年11月04日(火)
プレス用試写会資料(1)

アメリカのネットに、プレス用試写会で配布された資料がupされています。
プロダクション・ノート
スタッフについて
キャストについて

プロダクションノートについては、これまでこちらで紹介してきた資料(雑誌記事、製作スタッフインタビューなど)とかなりの部分が重複します。
11月1日にご紹介したEmpire12月号の記事の一部は、やはりこのプロダクション・ノートがソースでした。
というわけで、以下の要約は新規の部分のみ。

プロダクションノート
全20巻にわたるオーブリー&マチュリン・シリーズの芯となるのは、もちろんジャック・オーブリーとスティーブン・マチュリンの友情である。
マチュリンを演じるポール・ベタニーは、M&Cの魅力は二つの要素からなっていると語る。それはアクションとキャラクター。「パトリック・オブライアンのファンはこの二つに魅入られてページを繰るんだ。そして、この映画はアクション・ムービーではあるが、その中には生死を左右するような状況でも決して変わることのない友情が、細かく丁寧に描き出されている。(演じていて)それがいちばん面白いと僕は思った」

ピーター・ウィアー監督は、「ポールがマチュリンのキャラクターを自分のものにしていく過程を見るのは嬉しい経験だった。ラッセルとポールは見事にバランスをとって対極に位置している。ポールの演じるマチュリンは現代的な側面をもち、ラッセルの演じるジャックは当時の時代的な部分を表すというのように。

この友情に試練となるのが、敵となる仏艦アシュロン号に対するジャックの執念。
「スティーブンは、動物を観察するのと同じように、人間の行動をも観察している。ジャックのこともよく見ているよ」とベタニーは語る。「僕が思うに、スティーブンがジャックに惹かれている理由の一つは、彼が「権力を持った人間は腐敗する」という世の常には当てはまらない人物だから、ではないかと思うんだ。ジャックは自身のもつ権力(訳註:艦長の絶対的指揮権と思われる)を賢く使いこなしている。だがこの映画の中では、それが試練となる。スティーブンは気づき始めるんだ。アシェロン号を追うジャックの執念は、度をすぎた執着に変化しているのではないかと。それは乗組員に苦難を強いるものになっているのではないか?と」

ラッセル・クロウの語るジャック・オーブリー。「彼は今の時代にはもはやいないタイプの人間だよ。ジャック・オーブリーを演じる上で元になるテンプレートはないんだ。あなたが海軍本部の人間だったとしよう。ジャックはきっと手におえない手駒だろう。だが彼が艦長として指揮をとった作戦を広い視野から見れば、彼の方法は、あなたの望んでいた方法ではないかもしれないが、その成果はあなたの予想をはるかに上回るもので、辻褄は十分にあうんだ」


ウィアー監督はこの映画の製作にあたり、英国グリニッチの海事博物館、ポーツマスのビクトリー号(ネルソン提督の旗艦)、米国ボストンのコンスティテューション号(同時代のフリゲート艦)などをまわり資料を集めたが、その中でも監督が参考にしたのは、当時の絵画だった。それらの絵画に描かれた船乗りたちの顔に注目した監督は、18世紀の船乗りを探して東欧にまで出向いた。欧米で育ちカメラを向ければ陽気にニッコリ笑うようなことのない人々を求めたのだ。この世に疲れながらも皮肉な表情を残した人々を捜して。それが18世紀の顔なのだとウィアー監督は言う。

ウィアー監督はオーストラリアの帆船エンデバー号(18世紀半ばの同名艦の復元船)で洋上航海を体験し、エンデバー号のクリス・ブレーク船長(この映画のテクニカル・アドバイザーでもある)の好意を得て、クランク・イン前には製作のダンカン・ヘンダーソン、製作総指揮のアラン・カーティス、撮影監督のラッセル・ボイドを伴って二度目の体験航海に出た。

撮影スタジオの巨大水槽(かつてタイタニックの撮影に用いたもの)に設置されたサープライズ号の精巧なセットは、巨大ジンバルの上に設置されており、ジンバルは油圧ジャッキと複雑なプログラムにより、海上での縦揺れ横揺れを完璧に再現した。
また全長25フィート(7.5m)の撮影用模型は、ニュージーランドのWETAワークショップ(ロード・オブ・ザ・リングのセット作成で有名)がたいへん精巧なものを作成した。


スタッフについて
主要スタッフの経歴について特徴的な部分のみをご紹介します。
各スタッフの経歴詳細については、原文をご覧ください。

*ピーター・ウィアー(製作・監督・脚本)
オーストラリア・シドニー生まれ。1975年の「ピクニック・アット・ハンギング・ロック」で注目される。メル・ギブスン主演の「ガリポリ」「危険な年」で世界的な評価を得、1985年ハリソン・フォード主演の「刑事ジョン・ブック目撃者」でアカデミー賞監督賞、作品賞候補となる。1991年ジェラール・ドパルデュー主演「グリーン・カード」でアカデミー賞脚本賞候補。1999年ジム・キャリー主演「トルーマン・ショウ」でアカデミー賞監督賞候補。

*アラン・B・カーティス(製作総指揮・助監督)
ウィアー作品では「トルーマン・ショウ」でも助監督を務めている。またウォルフガング・ペーターゼン監督の「パーフェクト・ストーム」の助監督でもある。

*ジョン・コリー(脚本)コレーと発音する可能性もあり
英国スコットランド生まれ。医学を専攻し、海外援助機関や石油会社の医師として、マダガスカル、ガボン、旧ソ連、ソロモン諸島などで医療活動に携わる。1990年から英新聞オブザーバー紙に医療関係のコラムを書くかたわら3本の小説(「Kingsleys Touch」「A Paper Mask」「The Rig」)を発表した。「Paper Mask」のTVドラマ化(英グラナダTV/ポール・マッガン主演)に当たっては、脚本を担当、「The Heart Surgeon」(英BBCテレビ/ナイジェル・ヘイバース主演)の脚本も手がけている。1996年にシドニーに移住した後は、脚本家専業。


「キャストについて」は幾つか調べものをしなければなりませんので、明日以降のupをお待ちください。

さて今回は「あら?思わぬ名が?」ということが多かったのですが(すぐ上のマッガン(ホーンブロワーのブッシュ役)とか、ナイジェル・ヘイバースも…スピルバーグの「太陽の帝国」の英国人医師役が印象に残っているので、ちょっとheart surgeonって見てみたいな…とか)、もうお一人について、ちょっと皆様のお知恵をお借りして確認したいことがあります。

復元船エンデバー号の船長であり、M&Cのテクニカル・アドバイザーを勤めるクリス・ブレーク氏。横浜に係留されている帆船「海星」の初代船長であると耳にしたのですが、ひょっとして2001年10月の一日体験航海に来られてスピーチをなさった方でしょうか?
「海星」のHPの10周年記念のページ右上にお写真の載っている方がブレーク氏で間違いないでしょうか?
このページを読んでくださっている関係者の方のお知恵を拝借して確認させていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
この項については、確認のとれ次第、このページを訂正したいと思います。


2003年11月03日(月)
「TIME」今週号はオーブリー艦長が表紙!

今週水曜発売の「TIME」誌の表紙はジャック・オーブリーです。
ブラボー!
大きな書店にいらっしゃれば日本でも購入できます。
こちら↓が目印です。
TIME表紙

映画が「TIME」の表紙を飾るのは、去年の「ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔」以来でしょうか?(マトリックスはNEWSWEEKの表紙だったような?)ちょっと記憶が不確かなのですが、この映画、欧米ではそこまで注目されているのか…と思うと、ちょっと嬉しくなります。
これに伴って、もう少し日本でも知名度が上がると良いのですが。


昨日の日付の更新を、翌日のこのような時間にupしているのは、もちろん昨日の夜12時までTVに張り付いて「グラディエーター」を見てしまったからです。
でも今見ると、どうもM&Cの関連で余計なことを考えてしまって…ウィアー監督の評価する「ラッセルの天性のリーダーシップとは?」とか。

ラッセル・クロウはこれでアカデミー主演男優賞を受賞したわけですが、でも個人的には…あくまで個人的にはですが、「ビューティフル・マインド」のナッシュの方が熱演だったのでは?と思います。
まぁアカデミー賞というのは、絶対評価ではなくその年に出そろった映画の比較によって決まる相対的なものですから、年度の違うものを比較しても意味はないのですが。それに…それを言うならロン・ハワード監督も「ビューティフル…」より「アポロ13」の方が…。

あぁしかし「TIME」。
私の職場では雑誌書架がちょうど私の机の横にありましてね。「TIME」も講読しているので、到着後はここに1週間置かれるのです。「二つの塔」の時は、仕事しながら横を見ると深刻な顔をしたフロドの顔がありました。
来週の水曜から1週間はこれがジャック・オーブリー艦長なわけですね。嬉しいけどあのキビシイ表情なので…なんだか四六時中「仕事しろ!」と叱咤されてるような気分になりそうです。

「TIME」に出たということはいずれ「NEWSWEEK」にも出るのではと思いますが、「NEWSWEEK」日本版の方は映画の日本公開にあわせて掲載されることが多いので、来年まで待たなければならないかもしれません。


2003年11月02日(日)
撮影・照明とキャスティング(スタッフ・インタビュー)

英米の映画雑誌から特集記事のご案内です。

American Cinematographer 11月号
これは映画専門誌…というより映画撮影技術専門誌。撮影監督のRussel Boydへのインタビューを掲載しています。Boyd氏は「ピクニイク・アット・ハンギング・ロック」「ガリポリ」「危険な年」などのピーター・ウィアー監督作品で撮影を担当したベテラン。
この記事では撮影を行った機材のテクニカル・スペックがかなり詳しく紹介されていて、同業の方には大変面白い内容だと思いますが、ASA96-160のコダック社の200T5293というフィルムにどういう意味があるのか全くわからない素人が読んでも猫に小判ではあります。
ただし照明に関する部分は面白く読みました。「本物に近く・現実に近く」を第一とするウィアー監督の希望をかなえるべく、撮影にあたっては「現実にあった光」にこだわったとのこと。例えば砲列甲板には、砲門と一部天井の格子からしか光は入らない。ドクターの仕事場である下層甲板は喫水線下になるので、太陽や月などの自然光は全く入らない。あるのはカンテラの光のみ。このため照明にあたってはカンテラの光のゆらぎが出るように工夫したり、必要以外の光がありえないところからさしこまないように注意を払った、とのことです。
この記事、写真はいろいろ新しいものも含めて出ていますので楽しめます。

Empire 12月号
Empireは英国やオーストラリアなど英連邦諸国の映画専門誌ですが、この号が英国版かオーストラリア版かは不明。
以下の要約はこの雑誌を読んだファンの方の 投稿から起こしています。ソースは投稿文なので不確実である可能性があります。またこのURLはリンク切れになるかもしれません。
これによると、Empire12月号は表紙がジャックで中には8ページの特集が組まれている。内容は主にピーターウィアー監督のインタビュー。クロウとベタニーの言葉も紹介されているが、これは「プロダクション・ノート」からとったもので、新規インタビューではないとのこと。
この要約からさらに、ウィアー監督の語るキャスティング事情を。
ジャックにラッセルを選んだのは、ラッセルのもつ天性のエネルギッシュな部分、リーダーシップと人の上に立つものの風格が理由だ。もちろん、原作至上主義のオブライアン・ファンからの批判(ジャックは最もやせていた時でも14ストーン(98kg)の巨漢であり、スティーブンはスズメのような小男である筈なのに、俳優2人の外見はあまりにもかけはなれている)については、監督も承知しているが、それではもし本当に原作通りの体格の俳優をキャスティングしたらどうなるのか? 出来上がる映像はどたばた喜劇のような画面になる可能性がある。
ラッセル・クロウ自身はスティーブンにポール・ベタニーがキャスティングされたことをありがたく思っている。「ポールと僕は、『ビューティフル・マインド』の共演で、役作りに関してはツーカーの関係を作りあげていた。それがジャックとスティーブンの間の役作りにも、二人の関係にも活かされていると思う。ピーターがポールをキャスティングしてくれたことには感謝している。もし別の俳優だったら、シーンの分析と解説から始めなければならないが、ポールとなら十分の一の時間で、互いに深部の要点を掴むことができる。他の俳優だったら辿り着けないような点にも」
「どたばた喜劇」の部分は「漫才」と意訳しようかどうしようか迷ったのですが、原文(slapstick)通りとしました。でもこの英語読んだ時に一瞬私の頭に浮かんだのは、「オール阪神巨人」だったことを白状いたします。

あちこちでマスコミ向け試写会が開催されているので、ギョーカイのオブライアン・ファンの中にも試写会で映画を見た人が出始め、アメリカの「パトリック・オブライアン・フォーラム」にも投稿がのりはじめたようですが、これを含むいわゆる「映画評」については、扱いをどうしようかと今なやんでいます。
記述がかなり具体的なので、ねたバレになるという問題もありますが、それ以前に、日本公開前にあまりいろいろな先入観が入ってしまうのも問題では?と。
とりあえずこちらに1本だけフォーラムへの投稿をリンクしておきますが、要約はいたしません。お読みになるかどうかは各自のご判断でお願いいたします。これを読むとかなり先入観が入ると思います。

その他URLのご紹介
「Master and Commander」ボードゲームのご紹介
映画化に際し、ボードゲームが発売されるようです。フリゲート艦艦長の立場で決断をくだすゲームとか。
Daily Mail 2003年10月30日号
ラッセル・クロウ インタビュー。映画内容よりクロウ個人へのインタビュー中心。
このサイトは作品主体ですので、ご紹介のみ。ラッセル・クロウ個人へのインタビューは、映画作品に関わる部分はご紹介しますが、それ以外についてはラッセルのファンサイトさんに譲りたいと思います。

あ、でもこれだけは一つ。
明日の日曜洋画劇場(地上波・朝日系)はラッセル・クロウがアカデミー賞を受賞した「グラディエーター」です。これは一見の価値ありだと思います。

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以下は全く「マスター&コマンダー」とは関係ない話で恐縮なのですが、今日(もまた)駆け込みで「インファナル・アフェア」という香港映画に行って来ました(来週末7日で上映終了)。
この映画は香港警察と黒社会(マフィア)の潜入スパイたちの話なのですが、昔の刑事ドラマ(太陽にほえろ、とかGメン75、西部警察など…あぁトシがばれる)で育った方にはおすすめします。きっと感動なさると思います。
何に感動したか書いてしまうとねたバレしてしまうので、言えませんが。これ、良く出来た映画です…しみじみ。

しかし、香港警察ってもはや女王陛下のロイヤル・ポリスではないのに、2002年になってもまだこんなにも英国が残ってるのねぇ…と本筋とは別のところで妙なことに感心しました。
警察で部下が上司に報告する時に、「○×△(広東語)○×、サー」というセリフがよく出てくるんですが、どうもこの「サー」は、「Sir」のようなんです。中国語って敬語はどうなっているんでしょうか? よくわからないのですが、この広東語の後につく謎の「サー」のタイミングは、ほとんど英語と同じ。「サー」以外は全部広東語なんですけど。これってやっぱり、この部分だけロイヤルポリス時代の名残で英語を取り入れているんでしょうか?
最終シーンは、もちろん映画を最後まで見た結果でも感動しますが、英国モノをよくご存じの方は別の意味でも感動されると思います。

実はこの映画、ハリウッドがリメイク権を買っていて、ブラッド・ピットでリメイクが決まっているとか。でも潜入捜査官の押さえに押さえた感情の起伏…とか上司との関係とかは、ハリウッド映画になったら全く変わってしまうんだろうなぁと思います。これをもし本当に再現するなら白黒のはっきりしたアメリカ人の脚本・監督ではなく、価値観の複雑なヨーロッパ人の監督にやってもらいたいなぁ…と考えているうちにふと気付きました。
この映画、なんだかここ10年の英国のスパイ小説にトーンが似ているんです。不思議だわ、そんなことありえない筈なのに。何故ってこれはかなり儒教的・仏教的な価値観の感じられる映画だから。
断じてこの映画の主人公たちが「○×、サー」って言ってるからそう思うのではないんです。でもその共通点が何なのか、うまく説明することは出来ないんですけれど…。


2003年11月01日(土)