umityanの日記
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地震かと思えば、今度は大雨。両方が一緒に来なくて今のところは幸いだ。もう、何度も何度も書くが、日本列島は一体、どうしたのかと言いたくなる。
はからずも、先日は一泊二日で同業者の旅行だった。雨に降られたことは言うまでもない。車窓からは霧にむせった町並みがぼんやり見えた。曲がりくねった山道を車は走る。青葉若葉はそれなりにきれいだが、観賞する気になれない。風雨が窓をたたきつけ、音がうるさい。
こんな時は、車内でアルコールを飲むに限る。道すがら、セブンイレブンで、ビールやら焼酎、お茶、水、ワイン、酒等をしこたま仕入れていた。目的地のホテルに着く頃は皆、すでにできあがっていた。これじゃあーー、宴会のごちそうも台無しだ。
山の頂上付近にあるホテルは、以前は保養所だったらしい。4階建ての建物は、近代的というにはほど遠かったが、静かにたたずんでいた。なにせ、町までは遠く、人と出会うことも皆無だ。ホテルの従業員も数少なく、数人で応対していた。それもそうだろう。宿泊客は、我々11名と、夫婦ずれの客一組のようだ。
まあ、我々にとっては、日々の喧噪から逃れて、こんな場所でのんびりと、ひとときを過ごせればよいわけだ。時折、携帯の電話が鳴るが、旅行中と言って、仕事は順延だ。
雨の中、いくつかの観光施設を巡った。高くそびえた古い無線塔、民俗資料館、鬼の洗濯岩みたいな石が連なった海岸、無窮洞という地下教室を訪れた。そうそう、軍艦島をモチーフにしたデジタル映像を大型スクリーンで見たっけ。あまりの迫力に驚いた。
ただ、どこも歴史的価値は高そうだが、なんだか戦争の足跡が強く残っているようで、複雑な心境だった。僕のもっぱらの関心ごとは、酒蔵だった。案内人の説明を聞きながら、出来立ての焼酎やら、酒を試飲した。うまくないわけがない。ねずみ男君へ土産として数本買った。
旅も終わった。昨今は降っては止み、降っては止む雨とともに、静かに書斎の椅子を温めている。いやはや、5月6月は金の要ることばかりだった。自動車税を皮切りに、住民税、県民税の地方税、かくして7月は源泉所得税をおさめねばならない。両手を広げて、じっと眺めた。「うんんんんーー、稼ぎの悪い手だぜ」。
まあ、気を取り直して前へ進もう。明日があるさジョージアでーーー。
2016年06月19日(日) |
朝顔が僕の愚かな考えを笑っている。 |
昨夜、地震あり。震源地は隣県で震度4。当地は震度2だった。夜9時前。僕はすでにベッドに潜り込んでいた。特に用事がないときは、午後8時から9時の間に眠る。寝苦しさで、何度も寝返りをうっていた時だったろう。「グラ、グラッツ」と二階の部屋が揺れた。飛び起きて即、階下へ。ここ数ヶ月、何度も経験してきたことだ。「地震、雷、火事、親父」。怖い物の代名詞。親父はいないので、前の三つが今ではそうだ。おっと、もう一つ忘れていた、「蛇君」である。これはいかんともし難い。
それにしても、昨今は、北海道から九州まで、日本列島全体がおかしい。いや、地球全体といってもよいかもしれない。地球の内部構造に大きなひずみが生じているのだろうか。自然現象なのか、人間がまいた種に原因があるのか?。わからない。怖いことだ。いずれ、時が回答をだすだろう。
最近は地球のことより、宇宙のことが随分と分かってきた。月以外に、地球を回る小さな衛星が発見された。「へえーーーー」と驚いたが、とても小さな衛星らしいが、規則正しく地球を回っているそうな。又、アインシュタインが予測していた重力波というものが2度、観測されたと報じられていた。ブラックホールがぶつかりあい、互いを飲み込みあい、合体するとき、時空の揺らぎが生じ、それが重力波となるのだろうか?、又、ダークマターの正体もブラックホールに大いに関係あるとか?。興味深い。
うんんんん、見果てぬ宇宙のことを考えても仕方がないか。現実に戻ろう。最近の世の中はどうも好きになれない。というより、あまりにもめまぐるしい。よい情報も悪い情報も、過多だ。おまけに人間の心だって、どこに真実の姿がるのかよく見えない。
昔思ったことがある。日記にも書いたことがあるが、この俗世間から逃れて、どこか川が流れている山奥に小屋を建て、昼は畑仕事や魚釣り。雨の時は読書三昧。夜は焼酎をあおりながら、夜空を眺める。そうそう、一つだけ、かないそうにない願望がある。夜な夜な、妖怪ならぬ美女が現れて、酒のつまみを差し入れてくれる。「あんたさん、あたいもつきあおうかしら」と、焼酎を注いでくれる。僕は目を白黒させながら「は、は、はーーい」と、うなずく。いつもすっかり酩酊だ。目が覚めると、妖怪ならぬ美女の姿は見えない。夢、幻だったか?と、僕はまた、せっせと、野良仕事に励む。
こういう状態が何年続くだろうか。久しぶりに山をくだり娑婆世界に戻ってみると、えらく様子が違う。知っている人が誰もいない。妖怪ならぬ美女が持たせてくれた酒のつまみのふたを開けると、「もくもく」と煙が出て、僕の髪の毛は真っ白。おっと、すでに毛はなかったか。まさに浦島太郎の世界だ。
男って、こういう現実離れした世界にあこがれるものだ。なんでも、人間の心臓の寿命は15億回、鼓動するととまるらしい。年齢に換算すると42歳前後とか?。それ以上生きているのは医学発展の恩恵だろう。人間はいつ止まってもおかしくない心臓を抱えて必死に生きている。
現実のしがらみに押しつぶされないように、心臓が止まるまで、すべからく生きよう。僕は再び山小屋に戻りたい。今度は雪女さんや、山姥(やまんば)さんが僕の酒の相手になるかもしれない。「わたしも、いただいていいかしらあーーーーん」とか言って、氷のような手が伸びてくるかもしれない。
朝顔が僕の愚かな考えを笑っている。
2016年06月16日(木) |
三本足のやぐらを組んだ。 |
沖縄はもう梅雨が上がったとか。「へえーーーー、そうなんだ」。こちらは昨日から雨だ。今日も、降ったり止んだりで、中途半端な空模様。いよいよ梅雨本番か?。蒸し暑い。
午前中、ドラえもん君がやってきた。大きなお腹を揺すりながら、にこにこ顔。いつものパターン。僕、ジャイアンはいつも言っている。「何かいいことあったかい?」って。、にこにこ顔の時は、まず何もない。要するにご機嫌伺いだ。コーヒーを飲んで、ひとしきりしゃべって、帰って行った。僕としては、時々、新しい情報を提供してくれるのでありがたい。
ところで、一昨日の14日には、ねずみ男君と地震で倒れ、転がっている石塔を元に戻す作業を行った。彼の兄が、物体をつり上げる機械を持っているとのことで、それを持ってきたのだ。つり上げる機械はあっても、問題は3本の鉄パイプと針金を用意し、三本足の櫓を組まなければならない。
さすが、昔取った杵柄で、ねずみ男君はいとも簡単に櫓を組み立てた。そこまではよいが、なにせ、長さ3メートルの鉄パイプを立てて、正三角形を作る。パイプが重いんだよなあーー。針金で固定したパイプの真ん中につりあげる機械をぶら下げる。石塔にワイヤをかけて、つり上げ機械に連結する。
{さあーーいくでえーーー」と、ねずみ男君は歯車の付いた取っ手を回し始める。いやああーーー重そうだ。グルグル取っ手を回し続けると、重い石塔が、宙に浮き始めた。「その調子、その調子」とジャイアンが、気勢をあげた。「はい、そこそこ」と言って、石塔をもとの台座に据える。何度も何度も、失敗というか、針金の固定が緩んだりして、やり直しが続いた。それでも、6個の石塔をつり上げ、元の位置に安置した。
いやああ、大変な作業だぜ。な、な、なんと、固定した針金にぶら下げていた機械が、櫓がぐらついて、僕ジャイアンの後頭部に落下した。たんこぶが できた程度で、大事には至らなかったので幸いだった。僕、ジャイアンは言ってやった。「おいおい、ねずちゃんよ、あやうく脳震盪を起こすところだったぜ。」って。彼のせいではないので、責めることはできないが。
その日の夜は、ぐったりと疲れた体を、小料理屋で、いやした。生ビールのおいしかったことよ。旅行の打ち合わせがしたいと言って、のび太君を呼んだっけ。彼は家で、一杯飲んでいたが、ほいこら、ほいこらとやってきた。その日は皆、すっかり酩酊だ。
まあ、そんなかんだで、何とか70パーセントの作業を終えたしだいである。。明日、雨が降らなければ再度、残りに挑戦だ。「ねずちゃんよ、これも修行、修行だぜ。きっと仏の加護があるぜ」と言って、僕、ジャイアンは、ねずみ男君を奮い立たせている。
雨に打たれたアジサイの花がきれいだ。毎年、いつわらない姿を呈してくれる。「ねずちゃんよ、俺たちの心と一緒じゃないか」って、作業を終えて、彼に言葉をかけた。ねずちゃんは「にこっ」と笑った。
あっという間に六月だ。地震の後遺症をひきずりながら、今日まで来た。我が家はまだ、部分的に崩壊した白壁の補修が続いている。かってない経験。補修中に地震がきたらダブルパンチだぜ。「お願いします。断層さん、静かにしていて」と、願うだけだ。聞くところによると、日本列島には2000個以上の活断層が走っているそうな。ということは、どこに住んでいても安全な場所ってないわけか。
最近は、地球よりも、宇宙に関するニュースが、やたらと目につく。こんな地球を見限って、宇宙に飛び出そうってわけか。賛成だ。太陽系の中に生命体が存在する惑星はあるのか?。そうそう、木星の衛星、エウロパに地球の海と同じような海水があるという記事を見た。生命体の存在が期待される。系外惑星の中にも、生命体がいそうな惑星が数多く発見されている。残念ながら、そのほとんどが生命体が住むには過酷な環境ばかりのようだ。
それでも、近い将来に、宇宙旅行や、他の惑星への移住も可能になり、エイリアンとの遭遇もありえるだろう。そこに、僕の第2の故郷を作りたい。残念ながら僕の生存中は無理かもしれないが・・・。
ところで、先月の最終日曜日(29日)に、故郷で催された恩師の傘寿お祝い兼、級友会に参加した。久しぶりに高速道路を走ったが、地震のあおりで、道路は対面通行を強いられ、スピードも50キロ規制がなされていた。高速を降りて、級友の一人である画家、「きさわい君」の家へ立ち寄り、画廊に飾られた、彼の作品を鑑賞した。
いつぞや、「短い足で、ハットをかぶった僕が絵に登場しているよ」と、彼が言った。「その絵、売れたかい」と聞くと、まだのようだ。どうも、僕に買ってもらいたいらしいが、今、絵を買うだけの資金がない。彼からプレゼントがあるまで気長に待つことにしよう。
八十歳の恩師に会った。相変わらず元気だ。僕たちにあわせて焼酎をぐいぐいあおっていた。いやああ、お見事。国語の事業で、居眠りをして、頭を拳固で「コツン」と、やられた記憶だけが脳裏に浮かぶ。20名近くの級友たちが参加。結構、遠いところからの参加もあった。いやああ、皆、それぞれに齢を重ねている。うん十年の歳月は人をかくも変化させるか。誰か、わからない級友もいた。僕だけが一番若く思えた。皆、自分自身をそう思っているかもしれないが・・・。
残念なことに、会場のホテルにカラオケがなかった。山口百恵さんの「秋桜」を歌って、最後に「かあーーーちゃーーーーん」と、叫んで、皆の笑いを誘いたかったんだけど、それはない。楽しい語らいの中で、級友会は幕を閉じた。ホテルで一泊し、翌朝、後ろ髪を引かれる思いで故郷を後にした。
もう、母もいない。さらば故郷よ。
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