回転焼肉!が好評ってカーラジオから宣伝が聞こえてきた。
私「回転焼肉だって。行って見たい?」 助手席でウトウトしていた奥様に言う。 「ほぇ?回転焼肉?別にぃ。お肉焼く所がお寿司やさんみたいに回ってるでしょ。なら、一回りしてくる頃にはもう誰か食べちゃってるジャン。そんなの食べるのはいつも同じ人で、私、いつまで経ったも食べられないジャン。」 私「?‥‥‥?‥」
‥カウンター席の前に、見事に並べられた炭火のレールの上を、鉄板、もしくはアミが、ベルトコンベアのように流れていてその上に、肉を乗っけてる家族の図がかぶ。 「カルビ乗っけよう!」 「早く焼けないかな。」 「あ゛ー おかあさん、おとうさん、あそこのスミッコの席のおじさんが、僕が乗っけたカルビだべたぁ!!」 6人掛けのボックス席に座ってた家族連れが、大声を出しておじさんを睨む。 するとまた、誰かが焼こうと乗せた塩タンが、そのおじさんの前へ流れていく。 何のためらいもなく、塩タンを回転ベルトコンベアからひょいと取り上げ、食べるおじさんの図。 そしてそのおじさんの席の後ろには、「この席の待ち時間、約1時間」と書かれた立看板と、長蛇の列‥ ある家族は、ベルトコンベアーで流れていく肉の後を、箸と小皿を持って追いかけている‥ 「おい!俺の乗せたロースどっちだった?」 「こっちが乗せたミノだぞそれ!」 カウンター越しに、殺気だった声が飛び交う‥ なんとも壮絶な戦いの場となる回転焼肉屋さん。まさに人だかり!で大賑わい大好評!‥‥
って‥ゴメン。眠いのに話しかけた俺が悪かった。寝てていいわ!
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