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2008年03月05日(水) |
ダイアログ・イン・ザ・ダーク その2 |
暗闇体験の展覧会「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に行った日記のつづき。
100%の真っ暗闇を体験して何が驚いたって、 自分にこんな感覚があったのかっていう発見だね。 ここは壁が無いとか、広い空間だとかを 手や耳じゃなくて肌で感じ取る感覚というのは、 経験を積んで研ぎ澄まされないと得られないと思っていたんだけれど、 そんなことは無くて、 自分でもちょっとは分かるんだなって思った。 あっ、ここは広い場所だな、近くに人がいるな、ここは狭いなとか、 普段は目に頼っていることを肌で感じることができたのは驚いた。
あと、白杖がどれだけ大事なものかっていうのを実感した。 最初はまさに手探りで歩いていたんだけど、 ちょっと経ってから白杖を渡されてそれを使って歩くことになった。 それがもう頼もしくて、たった一本の杖なのにこんなに役に立つのかとびっくりした。 杖がちょっと何かに触れただけで、ここに何かあるなって分かるから、 安心して歩くことができた。
用務員室では畳にあがって休憩した。 もちろんここも真っ暗。 で、帰るときに自分の靴を探して履くんだけど、 毎日はいていてぼろぼろの自分の靴なのに、 手の感触だけを頼りに探すと全然分からないの〜! 確かにここに脱いだはずなのにっていう場所にある靴を持ったんだけど、 革の感触がどうも違って自分のじゃないみたい。 早くしないとみんなに置いて行かれるしって困って においをかいでしまおうかとも思ったけど、やめておいた。 結局ここに脱いだという自分の感を頼りに履いたらあってた。 手の感触は当てにならなかった。
何よりもありがたかったのは、周りに人がいるっていうこと。 声をかければ返ってくる。 これほどありがたいことは無い。 自分がひとりじゃないと分かるってことがこれほど心強いものだったとは、 今まで分かっているようで理解できていなかったと思った。
暗闇って怖いと思っていたけれど、 じつはそうでもないんだってことが分かった、 とっても貴重な体験だった。
今までで自分がちょっと変わったなっていう体験はバンジージャンプだったんだけど、 この「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に参加して またちょっと自分が変わったみたい。 今までとは世の中の見え方が違ってくる気がした。
このダイアログ・イン・ザ・ダークは日本だけじゃなく世界中で開催されていたり、 中には常設展になっている国もあるんだって。 日本でも常設展を準備中とのことなので早く実現するといいな。
で、なんで今ごろこんなことを日記に書いたかっていうと、 この「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を扱ったテレビ番組が今晩放送されるから! 興味がある人はぜひ見てみてください。 NHK 教育テレビ「福祉ネットワーク」で、 3月5日水曜日の夜8時からと、12日水曜日の13時20分から30分間です。
そしてもし今年もあるとしたら、ぜひぜひ参加してみてください。 新しい世界が開けるよ! 「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」のサイトから「リリースネット」に登録しておくと 開催情報がメールで送られてきます。
ほぼ日には2006年の感想が載ってます。
2008年03月04日(火) |
ダイアログ・イン・ザ・ダーク その1 |
去年も色々な映画とか舞台とかライブに行ったけれど、 いっちばん印象に残っているのが「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」。
これはまっくらな空間を体験するという展覧会(でも見えないけど)で、 自分の耳や手、肌の感触などを頼りに真っ暗闇の建物の中を歩き回るというもの。 体験は1時間弱くらいだったと思う。
2006年も行きたかったんだけどチケットが売り切れて断念。 1年間待ってようやく参加できた。
1回のグループは8人だったかな。もちろん初対面の方たちばかり。 男性はくまおだけだったから、ちょっと浮かれてた(←アホ)。 もちろん暗闇の中では自由に歩き回れないので、 暗闇のエキスパート、アテンドと呼ばれる視覚に障害のある方が 一緒に歩いて案内をしてくれた。
2007年の会場は廃校になった小学校で、 校庭や体育館、音楽室、用務員さんのお部屋なんかを歩き回った。
100%の暗闇って、ほんとうにまっくら! 目を開けても閉じても何も変わらない。 ホント何にも見えないの!
だからみんなで声を出して、自分の場所を主張したり、 ここに何があるよって教えあったりしなければならない。 だいたい黙ってしゃがんだら後ろの人がつまずいて危ないでしょ。 だからしゃがむときも「Chappy、しゃがみます!」 って宣言しないといけないのよ。 あと「ここに○○がありますよ。」って誰かが言うと、 みんなその声を頼りにそこに集まって触ってみるとかね。 普段じゃ考えられないよね。
初対面でいきなり声をかけあうのは恥ずかしいけれど、 そんなこと言っていられないし、相手からも見えてないわけだから、すぐに慣れた。
わたしは狭かったり暗かったりする空間に閉じ込められるのが苦手なので、 1時間近くも真っ暗闇に放り込まれたらパニックになってしまうんじゃないかと かなり心配だった。
でもそんな心配は全く無用だった。
アテンドの方やみなさんと一緒に歩いていると、 落ち葉を踏む感触が足に伝わってきたり、カサカサ音がしたり、 水に触って冷たかったり、 体育館みたいな広い空間に行くとちょっとひんやりしたりね。 全く見えないんだけれど、自分の頭の中には想像の世界がいっぱい広がってた。
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