太れ!たつのふ
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温かい日と 寒い日が 交互にやってきています
三寒四温とは 昔の人は良くいったものです。
今日 ご主人様と走っていたら 素敵な香が流れてきました。
沈丁花です。
甘い香にうっとりしました。
あんなに寒かった冬も収束に向かい、春の足音が 一歩 一歩と聞こえてきています。
明日はもう 3月なんですね。
わたしの春も近づいてきているのでしょうか・・・
サル介さんとすこし話をしました。
話題は もちろん ご主人様の自動二輪教習所についてです。
サル介:いや〜 ジョルちゃん いよいよ ピンチだね。
ジョル子:ん〜 でもご主人様は、今は収入もないし、沖縄に10日間も行ったし、毎日遊び呆けてるし、ぜったいバイクを買うようなお金はないはずなの。
サル介:なるほど〜
ジョル子:だから まだ当分は 大丈夫なの
サル介:いや〜 でも ご主人様が おかぁさん貯金に手を出すかもしれないぜ??
ジョル子:うぅぅ
サル介:まぁ そんときゃ 俺がおめぇを嫁にもらってやるよ。はっはっは。
サル介さんは たまに 意地悪なことを言うんだよなぁ・・・ と思いました。
ご主人様がいよいよ 自動二輪取得に向けて教習所通いを始めるようです。
私の運命はどうなってしまうんでしょう。
中古で下取られてしまうのでしょうか・・・
ご主人様の友人や家族が 私を受け継ぐのでしょうか・・・
ご主人様のセカンド・バイクとして活躍し続けるのでしょうか・・・
しかし、そんなことはのちのちになってみなければわからないことです。
今 私に出来ることは、ご主人様を応援し続けること、つまり教習所への送り迎えです。
今、自分が出来るすべてのことをやらなければ。
「今」の積み重ねこそが「過去」であり「現在」であり、そして「未来」へと続いていくんですから
ご主人様が
「え?こっちは雪が降ったの?信じられないなぁ」
みたいな事を言っていました。
心の底からムカつきました。
ご主人様帰って来ました。
ちょっと日焼けした満面の笑顔
お土産は それだけで 十分です。
毎日 夕日を眺めることにしました
太陽なら どこからだって見えるもの
でも 沖縄の夕日 きれいなんだろうなぁ
今夜 駅までご主人様を送るのは 星子になりそうです。
これで 駅での10日間待ちぼうけは避けられそうです。
ご主人様は 「盗難は二度と御免だ」という気持ちがそうさせたのでしょう。
よかったなぁと思いつつも それはそれで さみしかったりもするんです。
ぎりぎりまで 一緒にいることができ、何より早く会えるのが 駐輪場での待ちぼうけ というのが 皮肉なものです。
無事に 旅行が終わりますように。。。
あぁ ご主人様と10日間も会えない・・・
物理的に遠い・・・
そこで 私は 毎晩 星を眺める事にしました
沖縄の離島へ行くご主人様が 星を眺めないわけありません
同じ時間に 同じものを 眺める
少しは心が 落ち着きそうです。
あ!でも ご主人様が行く 波照間島は 日本で唯一 南十字星4つの星が見える島だとか・・・
それは ここからじゃ 見えないや。
来週月曜日から ご主人様は 沖縄に行かれる模様
しかも10日間ですよ
きっと朝は 私が駅まで送るわけだから・・・
私は駅の駐輪場で10日間 放置って訳です・・・
さみしいよ〜 さみしいよ〜
私はかわいいバイクを見かけるたびに 嫉妬しています。
自分がもっとかわいく生まれてきていれば きっと もっとご主人様にかわいがってもらえたのになぁ・・・
世界一かわいくて おしゃれなバイクに生まれたかったなぁ・・・
そんな話をサル介さんにしてみました。またもはじき返されてしまいました。
「世界で一番おしゃれでかわいいバイク??かわいさで「ナンバーワン」になっても、それでご主人様に愛されるかどうかは別じゃないかなぁ。それより ご主人様にとってのかけがえのない「オンリーワン」を目指すべきだと思うなぁ。」
その後は どうすればオンリーワンになれるか 夕暮れまでサル介さんと話し合いました。
とても有意義な一日でした。
私は一度 ご主人様と本気で別れたくなったことがあります。
理由は 今となっては ほんとうにささいなどうでもいいことだった気がしましたが その時はほんとうにむかつきました。
私はもちろん ご主人様と話をすることは出来ません
だから 別れを告げる方法は「エンジンがかからなくする事」です
逆にご主人様からの別れの宣告は「処分される事」です
私は 本気で別れたかったのですが、自分から別れを告げること避けました。自分が悪者になりたくなかったからです。
私は エンジンをかかりにくくしたり、わざとスリップしたりして ご主人様に嫌われるよう嫌われるように行動しました。そうすれば ご主人様のほうから私の元を去っていくんじゃないかって思ったからでした。
別れたいのは自分なのに 「別れの決断」はご主人様にさせようとしたのです。
私は最低だったと思います。
でも ご主人様は 私をバイク屋さんに連れていき、エンジンの調子を見てもらったり、タイヤを見てもらったり・・・・
その後 私はご主人様への「好き」という気持ちを取り戻し 徐々に エンジンも簡単にかかるようにし しっかり走るようにして 一緒の生活に戻っていきました。
本当だったら「ごめんなさい。もう一度やり直してください」って言うべき場面だったと思います。頭を下げるべきだったと思います。
でも 私は何もなかったようにご主人様の元へ戻ったのです。
自分でもひどいってわかっています。
わかっているんです。
ずるいんです。
ご主人様は いつもだまって 私を受け入れてくれます。
あの時「愛」と「恋」の違いがはじめてわかった気がしました。
ガガーリンが「地球は青かった」と言ってから40年余りが過ぎました。
一時期は 東西冷戦の象徴ともされた宇宙産業も 今は各国が手を取り合い協調の時代へと変わってきた その矢先の事故でした。
ここ一週間 私は空を見上げる事が多くなった気がします。
あの 青い空の向こうには 暗黒の闇が続いています。
多大な予算をかけ 宇宙へ行くことに どんな価値があるのでしょうか
そんなことを考えずにはいられません。
スペースシャトルコロンビア号 乗組員の冥福を 心よりお祈り申し上げます。
そして 私も ご主人様の命を守るものとして 気を引き締めなければ。