「リピート」

やさしくしづかに死んでゆく
再生されない生命の数多は
ヒトの夢に谺する星の界
こわれることを待つ リピイト

わたしはそのあいだで

さがしものをしている
さがしものをしている


冷たいという感覚は過ぎれば燃えるように熱くも感じ、美しく終わった過去はそのままただ美しく、もう一度手にしようと思えばその煌めきすら掴めるような錯覚と自惚れによく陥る。

2003という年は最早、同じものではなくなってしまった過去と現在の温度差を知らしめてくれた年だったような気がする。閉じる、という事を初めて識るというような。過去の経験が象る現在の自分。其処に無駄なものは何も無くまた、今年経験し感じた事も先の自分になる為に必要だったのだと。

美しき日々は戻らない。もうそれを美しくも感じない。望む、という事。信じる、という事。だから生きる、という事。美しくも醜くもない。ただ其処にあるだけの未来をこの手でまた選んでゆくだけ。様々なものと連鎖しながら。



わたしはそのあいだで

さがしものをしている
さがしものをしている


「触れえぬ常盤の庭」


難しい事を考えるのはもうよそうか。
好きな人にこれからもきっと好きだからと言えて、
嫌いな人にこれからもきっと嫌いだからと言えた。
それだけできっと幸福だった。

枝折を挟んだまま、何時かまた開けられるとさえ思っていた頁。
閉じた時、破っていた事を忘れていて、何も無い頁をそのまま見つめていた。
何か見えるような気がして。

様々な答えはとっくに出ていた。
あの人がわたしを選ばずに旅立った時。
あの場所にわたしが最後の線を引いた時。
答えを待たなくても、其処に有った。

「世界の終りに」

世界に終りがあるとして、「if」の内側でそれを思う時はいつも、恐怖でもなくゆっくり落下してゆくような安堵と寂然とした郷愁が心を湿らせてゆく。突然、命を落とすかも知れない可能性を知っていて尚、無視しておきながらヒトは皆同時に閉じられる世界を口々に問う。

自分独りでも生き残りたいというヒト。皆で死ぬならそれでいいというヒト。わたしは後方だ。なにもない、ただ其処に存在するだけの世界はきっと無関係で無意味なもの。少なくともわたしにはその世界に何の意味も価値も見出せない。

「きみのためなら死ねる」
こんな言葉を語る奴は単なるエゴイストで馬鹿で嘘吐きだと彼は言った。死んでどうする。自分が居なくなった後、独り残された彼女がどうなるのか考えてもいない。俺は絶対に生きる。絶対に先には死なない。

知っていたのだろう。残された視界がどれだけ虚無なものなのか。
彼の言葉は愛の本質に近かった。好き、以上の想い。彼となら到達できるような気がした。世界の最後にも自分が微笑っていられるような気がした。

「消せない疑問」


生きる事はとても不様で苦しくて面倒くさくて、それと引き換えに手に入る微々たる喜びで果たして埋め合わせが出来るものだろうか。

「ムーンチャイルド」

Gackt.CとHYDE主演の邦画。暇が出来たのと、貸し出し中に空きがあったので漸く見ました。昼間からリキュールを浴びるように飲みながら見ました。シラフでは絶対見えないと思って。

特筆すべきなのは二つ。ガックンの幼少期の子役が可愛かった事と、千原兄弟がなんでか出ていて不可思議さを余韻として与えてくれた事くらいでしょうかね。ちゅうか、必要以上に肩に力が入り過ぎている人が居ました。声優をやりたいと以前より希望していたし余程、映画制作出演が彼には嬉しかったのでしょう。四六時中ぼぅっとしたハイド氏の方がなんかナチュラルです。というわたしも終盤、半分ねてたんですけど。取り敢えずシラフじゃなくてよかった映画でした。

「愛したものはみんな壊れる」

それまでの波立つ出来事に因り、運命を透かし見たのは早かったのかも知れない。大袈裟に言えばわたしは己を呪われたものだと思っていたような所があって、だから手放すという事でしかその人を倖せへ導く方法がわからなかった。本気であればあるほど断ち切る事が唯一の解決法だと。

それを解ろうともせず聞かなかった人の変形してゆく未来を、その渦中に居てなによりも倖せだと言い切る笑顔の寂寥にわたしは何よりも傍で責め続けられなければならなかった。

だから強いものが欲しかった。じぶんの中に。呪われた運命にうち克たなくてはならなかったから。

「CUT OFF THE CIRCLE」

最近(やっと)妹に恋人が出来た。二人のあいだに面倒な事情が取り巻いていた為に色々と相談にのらされたのだけど、なんとか落ち着いてくれたようなので一安心。その事情、わたしの何年か前と似ている。どうだった?その時どう思った?どうした?などと訊かれ、彼方へ押し退けていたものを引き寄せながら答える。お陰でその頃を鮮烈に思い出してしまった。

わたしには長い時間をかけて造形されたメビウスのような悪しき輪があった。その人と出逢うまでの恋人達は執着を押し付ける事が愛だと思い込んでいる人ばかりで今更思い出す価値すら無いように憶う。日常の歪への淨化を全てわたしに求めるような依存、世界から隔絶させる鳥篭に入れて飼い殺しにするような、挙句、有り余る独占欲が殺意へと変わったりするような。そういう人を惹き寄せてしまう魅力みたいなものがあるんだろうと友達は笑ったけれど、何処までもわたしには笑えない現実で。

嫌ってもいいから傍に居て。
誰も、何も、見ないでいい。世界の何にも、触れないでいい。
君を受け容れられるのは俺だけ。

誰かに渡すくらいなら殺してしまいたい。


愛の裏側を幾つも見た。悪夢のようなこれが愛?

誰よりも強く愛していると彼らは言った。それが愛だと言った。稚かったわたしは愛というものを未だ知らなかったのでそういうものなのだと思っていた。それなら愛なんて要らない、とも。

その人に出逢ってから漸く普通に恋愛しているなと感じていた。それまでとは全く異質な存在だった。けれどそれまでに成した輪、こころの歪は激しい渇きや苛立ちを生み、何もかもを貪り尽くすようにして破滅へ。諦めてくれればよかった。諦めてくれれば傷付ける事も破滅へと導く事もなかった。でも彼は諦めなかった。

「簡単に手に入れたものではないから、簡単に手放す気にはなれない」
そう言って感情にまかせ二人の関係を放り投げようとするわたしを幾度も嗜めた。時折、座り込んで動かないわたしと一緒に座り、立ち上がるまで待っていてくれた。何もかもを喰らい尽くそうとする頭を撫で、「貴女以外の事はどうでもいい」と全てを差し出してくれた。

彼と出逢わなければわたしは今も昏い魂の鏡の前でぐるぐると呪われた輪を廻っていたに違いない。悪しき輪を断ち切ってくれたのはその人だ。

「やっと恋愛してるって感じかな」
そう妹が言った。その笑顔を見届けてからただただ笑い返した。

「ワンナイトカーニバルな人達」

どうでもいいんですけどね。わざわざ書く事でもないかなと思うのですが、ちょっといま頭がアレなんで。おーぃぇぁ。

今日、今月の始めに書いたような内容をそのままそのような人達に言ってあげたんですよ。丁度、店にスキーのパンフを愉快な仲間達が取りに来るというので。ところが人が珍しく親切に用意してあげているにも関わらず、来ぬ。さすが元猿人。んで、仕事終わっての放課後、近くの喫茶店まで持って行ってやる事にしたぜベイベー。

持ってきて貰った御礼にメシをオゴルわ。と元猿人に言われたので、わたくしは今貴殿と一緒にメシをいただく気はあまりないのです。と丁重にお断りし、だがしかし珈琲だけってのもなんかはらたつのでケーキセットを奢って貰う事にしました。

スキーの話よりも先に言いたい。氣志團になりたい気味のそいつの友達へ一言。

ダ メ。

そしたらそいつったらわざわざ電話してくれて。やはりする事が野性的ですよね。

猿人「もろ誤解っすよ!俺のどこがヤンキーゆうんですか?俺ヤンキーちゃうもん」
言うに事欠いてやんきーちゃうもんときたかこの猿人め。
真琴「だいたいヤの方面の方はそうおっしゃるんですよ、だって現にあなたの車、ふさふさしてるじゃないですか」
猿人「それはオシャレっちゅうもんですって」
どー考えてもそれはないだろ?
真琴「ヤじゃないならあなた、一体何だとおっしゃいますの?ご享受いただけますかしら?」
猿人「めちゃシティーボーイ」
してぃーぼーいってなんだろう。なんだろう。なんだろう。それってうっすら死語。

ありえへん。
太鼓名人の「踊る大走査線」上級モードの音符並びよりありえへん。
ロケットに乗って火星に飛び立て、猿人ども。

「Any」

いままでそうやって時間を忙しさの中で握り潰して来たからかな。
いま、不思議なくらい時間があっても「暇」だとは思えない。
ぼぅっとしているには違いないのだけど。

暇なのは結構な事。けれど腐食するような感覚に苛まれる。
茫洋とした時間に違和感を感じつつ、だいたいはとりとめもなく過ごしてしまう。
その時は確かにそれなりに愉しく過ごしているのだろうけど、記憶に残らないような或る意味、イノセンス的過ごし方で。
時間に余裕を感じられれば、こころにもゆとりが出来る。それを感じている。
なにより、お金で買えないもの。
その原石をどう磨いてどんな宝石にするのか、
或いは原石のままを良しとするのかはその人次第になるのだけど。

「ボーナスの季節ですね。」

でもわたし、正社員なのに今までまともに貰った事ありません。地震とかテロとか戦争、北海道の洞爺湖災害もそういえば理由にされましたね。そういった感じで毎年なにかにつけて全社揚げてボーナス削減を大義名分でゴウ。

うがー!!!

かみついたろうかと思います、毎度。規定を本社が決めるのでそれ以上は出してはダ〜メ〜な〜の〜さ〜。支店長は社員と本社との板挟み状態。それが少しは解るので何も言わずに感謝だけします。これが今年血の涙を流しながらがむばったわたしへの評価なんですねふうん、ってというのは少し嘘で、貰えるだけありがたいですよとその苦労を労ってあげたりする気配りやさんを気取ります。

雑記全部を移せていないので記憶が朧だし探すのも面倒なので確認しませんが、此処のずっとずっと前に書いたかも知れないし書いてないかも知れない事なのですが、わたしは今の支店長の前の支店長をそれはもう強く尊敬していて、いまの支店長もそれを直に見ていたし、わたしの中をいまの支店長のやり方で塗り替えるという事が果たして出来るものなのかと思っていたのです。

機会のようなひとだと思っていたいまの支店長。凡そはその通りだけどとても頑張っている。そういう背中を見て部下はついてくると彼も思っているのだろうし、わたしも思っている。意見が合わないし性格も合わない。けれど頭を硬くしないでいようと思った。斜に構えないでありのままを見ようと思った。

直に携帯に支店長から電話が入る。今日を休日にして家で引きこもっていたわたしだけがボーナスの明細を貰っていないのでそれを明日営業マンから貰って欲しいとの事で。決して多い額とは言えないけどそれでも入社以来いちばん多い額。不足分は本社には内緒で現金で支給するから内緒にとの事。

暇だったのであまり儲かっていない筈なのに。すごくがんばったんだろうな。あんまり無理すんなよと言いたいな。シャイン旅行なんてのもまともに行かせて貰ってなかったわたしたちとの「海外旅行」という約束ももうすぐ果たす彼。会社に期待してなかった分、やっと報われたいまなんだかとてもスキーリした気分。

「12月の純潔」

辿り着いた途端、違う場所へ向かわなければならないような
残酷な時を過ごして来たわたしにとって
天上音楽の流れるような穏やかな永久は憧憬だった。

何を待ち、何を求め、何を証明しようとしていたのか。
穿たれたままの空洞をどうしても埋められず、
逃れてゆく体温に渇き続け、苛立って、祈りを吐き棄て、
運命そのものを喰らい尽くそうとした。
些細な破滅を繰り返して、何かに酷く怯えている自分を何処かで嘘にしながら。

一年で一番清浄な気持ちになれる。
何度目になるだろう。
12月に咲く百合を今年も眺めている。
「倖せ」という単純な言葉の意味を。
わたしを護るもの。わたしが護るもの。
呼吸絶えるまでの永久、運命ごとそっと抱擁する。
ロマンスの鎖に絡まったままで。
終りのないものを相変わらずのその笑顔に見つけさせて欲しい。
偽らずただ、一緒に生きていられるという事。
当たり前の事は何一つなかった。
その存在に最高の価値を付けて、わたしは呼ぶだろう。
あなたを。

「どうしようもなくぃゃなもの」

氣志團というグループがある。あまり視界に入れないどうでもいいや的存在の一つであるけれど、どうしてもぃゃなのがこのグループの真似を無理矢理している人ら。友達にも何人か居るのはこの際おいといて、わたしはヤンキーをこよなく憎んでいる。なにが嫌いってあの極悪センス。ここは田舎だからたくさん棲息しているのです。ゆるせない。やっとヤンキーと呼ばれる猿人たちにもオシャレさんが増えてきていい時代になってきたなと思っていた矢先に氣志團の出現。彼らはエンターテイナーだからいいとして、この二千年代になって元祖ともいえるあの猿人姿復活か。いくらファッションが錯迷しているいまだからってね、いまどきその格好はいかんよ、きみ。

まるでいまにも、盗んだバイクで走り出す。行く先も解らずに。
あと何度じぶん自身卒業すれば本当のじぶんに辿り着けるだろう、と。

いかんいかん。




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